ジュニアグランプリシリーズ18レビュー 女子シングル2

前回は上位選手編でしたが、今回は日本人選手編です

まずはおさらい

180点以上のスコアリストと、日本人選手のスコアリストです

  

Alexandra TRUSOVA(RUS) 221.44(74.74(44.06,30.68)) 146.70(86.26,61.44)) 優勝(3)

Alexandra TRUSOVA(RUS) 221.00(74.19(44.18,30.01)) 146.81(85.27,61.54)) 優勝(7)

 

Anna SHCHERBAKOVA(RUS) 205.39(73.18(43.40,29.78) 132.21(73.25,58.96)) 優勝(1)

Alena KOSTORNAIA(RUS) 203.50(71.08(41.05,30.03) 132.42(71.16,61.26)) 優勝(2)

 

Alena KOSTORNAIA(RUS) 198.38(70.24(39.47,30.77) 128.14(68.22,60.92) 優勝(5)

Yelim KIM(KOR) 196.34(69.45(40.68,28.77) 126.89(70.40,57.49)) 2位(5)

Anna SHCHERBAKOVA(RUS) 195.56(65.07(36.26,29.81) 130.49(71.87,59.62)) 優勝(4)

Yelim KIM(KOR) 191.89(61.63(34.55,27.08) 130.26(72.39,57.87)) 2位(3)

Alena KANYSHEVA(RUS) 191.84(67.77(39.66,28.11) 124.07(67.55,56.52)) 2位(2)

Anastasia TARAKANOVA(RUS) 190.69(64.56(36.30,28.26) 126.13(68.01,58.12)) 2位(4)

Anastasia TARAKANOVA(RUS) 190.05(63.98(35.89,28.09) 126.07(69.49,56.58)) 優勝(6)

 

Anna TARUSINA(RUS) 188.24(65.74(38.20,27.54) 122.50(65.46,57.04)) 2位(6)

Kseniia SINITSYNA(RUS) 187.91(67.12(39.87,27.25) 120.79(66.96,55.83)) 3位(3)

Alena KANYSHEVA(RUS) 187.55(67.75(39.22,28.53)) 119.80(61.77,58.03)) 2位(7)

Anna TARUSINA(RUS) 186.68(67.14(39.82,27.32) 119.54(63.31,56.23)) 2位(1)

横井ゆは菜(JPN) 184.09(57.62(32.99,25.63)) 126.47(71.32,55.15)) 3位(7)

Young YOU(KOR) 183.98(64.45(36.17,28.28) 119.53(65.89,54.64)) 3位(1)

Viktoria VASILIEVA(RUS) 182.87(64.53(37.76,26.77) 118.34(65.69,52.65) 3位(5)

Haein LEE(KOR) 180.48(63.01(36.89,26.12) 117.47(64.58,52.89)) 3位(6)

 

荒木菜那 176.50(60.93(36.19,24.74) 115.21(62.75,52.46)) 5位(5)

吉岡詩果 175.19(59.95(34.24,25.71) 115.24(64.96,50.28)) 6位(5)

住吉りをん 174.96(55.07(32.12,24.95) 119.89(64.97,54.92)) 3位(4)

川畑和愛 173.84(58.89(31.98,26.91) 114.95(60.37,54.58)) 5位(1)

横井ゆは菜 173.15(51.65(28.28,24.37) 121.50(66.41,55.09)) 6位(1)

住吉りをん 171.65(59.80(33.78,26.02) 111.85(58.19,53.66)) 4位(6)

川畑和愛 167.49(66.85(38.64,28.21) 100.64(46.77,55.87)) 5位(6)

荒木菜那 165.80(63.06(37.23,25.83)) 102.74(51.02,53.72)) 5位(7)

吉岡詩果 165.42(56.11(32.55,23.56) 113.71(63.02,50.69)) 3位(2)

 

青木祐奈 154.24(54.81(28.58,26.23) 99.43(47.78,51.65)) 7位(4)

岩野桃亜 153.94(53.49(27.04,26.45) 100.45(49.81,51.64)) 5位(3)

滝野莉子 147.07(50.00(25.92,25.08) 97.07(48.6,49.61)) 7位(2)

横井きな結 126.98(45.68(23.59,22.09) 81.30(37.50,44.80)) 14位(3)

 

 

こうしてみると、世界の上位、の枠の中に入っているのは横井ゆは菜さんだけ、だということが分かります。

日本からの出場選手の中で、彼女だけが180点を超えるスコアを出し、彼女だけがフリーで120点を超えるスコアを出し、彼女だけがフリーの技術点で70点を超える試合がありました

初戦のショートプログラムで失敗し、フリーでの挽回も届かず6位に終わったときには、今シーズンどうなってしまうんだ? と思いましたが、二戦目を何とか回してもらって最終戦に出て、そこでもショートはいまいちだったものの、フリーでしっかり滑って3位表彰台に乗りました

フリーの126.47というスコアは、全体の中でもロシア三強と韓国のキムイェリムに次ぐ5番目です。トゥルソワははるかに遥か遠くの彼方、という感じですが、それ以外の選手となら勝負は出来るレベルにはいる。少しミスをしてくれれば上へ出ることができる、というくらいの水準にはいます

ただ、ミスをしてしまうのが自分であることの方が多い、という感じです

とはいえ、ショートでひどいミスをして、フリーでの挽回が今一つだった初戦の方の点数でも173.15はありました。

こちらの点数でも日本人選手の中では5番目です。日本のジュニアの中で5番目なら全日本選手権には出ることができます。全日本できっちり滑って、ジュニアの中の上位三番までに入れば、おそらく世界ジュニアの切符は手に入る

全日本ジュニアでしっかり勝つか、全日本でまともに滑って3枠目までに入り込むか。どちらかは何とかできるでしょうから、世界ジュニアに出るところまでは彼女は行けるのだろうと思います。

世界ジュニアで表彰台が狙えるのは、今シーズン見ていると彼女しかいません

 

トリプルアクセルへのチャレンジは封印していますが、それでも、ショート・フリー、ノーミスで滑ることができれば195点くらいまでは届く選手です。

同い年の坂本花織選手はオリンピックで6位、四大陸選手権ではタイトルも取りました。樋口新葉選手は世界選手権二位です。坂本選手も、樋口選手も、ジュニア卒業年には世界ジュニアで三位表彰台でした。

この二人と、来シーズンは三人並び立てるように、世界ジュニアの表彰台に立ってもらえたらと思います。

 

その下の層が少し団子状態です

横井選手以外で170点台のスコアを出したのは4人

この4人は全員2試合出ていて、悪い方のスコアでも160点台には乗せています

 

昨年の全日本ジュニアで3位表彰台ながら、全日本で13位に終わり、世界ジュニアの出場権が取れなかった荒木菜那選手が2戦とも5位に終わったものの、スコア的には横井選手に次ぐ176.50を出しています。2戦目のフリーがバタバタで点が伸びなかったのが痛いです

それでも、去年の実績もありますし、今のところ世界ジュニア出場権争いでは二番手かと思います。

 

その下に、表彰台に乗った吉岡詩果、住吉りをんの二選手、さらに昨年全日本でフリーに残って21位に入った川畑和愛選手の三人が続きます

 

この辺までの5選手で、中学生は住吉選手だけ。他はみな高校生です。住吉選手はジュニア二年目。今シーズンはジュニア一年目でグランプリシリーズで活躍、という選手が出てきませんでした。

ここ最近は、世界ジュニアに必ず中学生メンバーが入っていて、というよりも、主力が中学生、という状態が続いていたのですが、もしかしたら今シーズンは、全員高校生の世界ジュニア代表、ということになるかもしれません

まあ、坂本花織選手も、高校1年生で出場した世界ジュニアで3位表彰台に乗り、翌年平昌オリンピック、という流れですから、高校生が世界ジュニアに出るのはもう遅い、ということでもないのですけど、ちょっと寂しいですかね

世界ジュニアの代表に中学生が入らない、ということにもしなると、2014年に高校1年の宮原知子選手、高校2年の本郷理華選手の二人が代表だった時以来、5シーズンぶりとなります

 

 

その下の層では、1試合だけに出た四選手がいますが、世界ジュニア出場権を争うにはちょっと苦しいですかねえ。青木祐奈選手は、かつて全日本ノービスAでは本田真凛選手を破って優勝していたのですが、最近は苦しんでいます。昨シーズンは全日本ジュニアで17位に沈んでいます。同い年の本田真凛選手、白岩優奈選手もここ一二年、少し伸び悩みといった感じになってますが、もう一度、大きな舞台で活躍してもらいたいのですけどね。

ルッツ-ループも飛ぶ、ジャンプの得意な選手だったはずなのですが、最近は今一つジャンプがうまくいっていない。なんとか戻してきてほしいものです

 

今シーズン、ジュニア一年目でグランプリシリーズに唯一派遣されたのが横井きな結選手。言わずと知れた横井ゆは菜選手の妹。ちょっと今回のジュニアデビューはショートからうまくいかず、フリーの後半は心も折れてしまったようにも見えてしまいました。

彼女は昨シーズンノービスながら全日本ジュニアに出場して14位に入った選手です。彼女が全日本ジュニアで頑張って上位に入ってくれば、浅田姉妹、村元姉妹、以来数年ぶりに、姉妹での全日本出場、という可能性もあるのですが、今回の出来のままだとちょっと苦しいでしょうか。本田姉妹と横井姉妹、どちらが先に全日本に姉妹出場してくれるでしょうか

今の中2中3世代は、ちょっと上下の年代と比べて手薄な感じがあります。高1~高3はグランプリレベルの選手が二人以上そろっている。中1はトリプルアクセルを装備してきた吉田陽菜選手がいます。

その辺と比べると、ちょっと手薄なのですが、共にリュブリャナでの試合に出た岩野桃亜選手や、知名度抜群の本田望結選手あたりと共に、中2中3世代も黙ってないぞ、というところを見せてもらえたらと思います