フィギュアスケートグランプリシリーズ、今年もはや3戦が終了し、残り3戦となりました
昨年は、樋口新葉選手が、ファイナルに残るかどうか? の基準線という形で残り三戦を迎えました。
今年は、坂本花織選手が同じように、ファイナルに残るかどうか? 基準線ということになるようです。
三試合を残した時点で、彼女がファイナルに残る可能性、というか、どういう条件ならファイナルに残ることになるのか? というのを考えます。
ファイナルに進むことができる選手は6人ですので、坂本選手を上回る選手が5名以下ならよいわけです
ここまでに、2戦をすでに終えた選手の中に、坂本選手を上回る成績の選手はいません。
次に、1戦を終えた選手で、坂本選手を超える可能性があるのは、初戦が4位以内であり、二戦目の出場権を持っている選手、ということになります。
この条件に合うのは9選手います。
また、まだ一試合も出ていないで、残り二試合の出場権を持っている選手、というのも、坂本選手を上回る可能性があります。
その条件に合うのは6選手います。
したがって、坂本選手を上回る可能性があるのは、全部で15選手です
この中から、実績で、まあないだろう、と考えられる以下の選手をまず外します
Mae Berenice MEITE(FRA)
Eunsoo LIM(KOR)
Alexia PAGANINI(SUI)
この三選手は、このあと2戦に出場しますが、2位と3位、あるいは1位と4位、のような成績を収めるとはちょっと考えにくいので、外します
残りは12選手
二戦を残している選手は3人います
いずれも、4戦目のNHK杯と6戦目のフランス杯の組み合わせです
紀平梨花(JPN)
三原舞依(JPN)
マリア・ソツコワ(RUS)
この三選手です。
坂本選手を上回るには、1位と4位、あるいは2位と3位で合計スコアが411.32以上であること、よりいい成績が必要です
残りが1試合の選手からは、1戦目で優勝した3選手は、2戦目が4位でも坂本選手の上に出ます
宮原知子、エリザベータ・トゥクタミシェワ、アリーナ・ザギトワの三選手です
ザギトワが5戦目のロシアで5位以下になる、という可能性は、突然の怪我にでも見舞われない限りあり得ない、と思われます
宮原選手とトゥクタミシェワはNHK杯に出場しますが、この二人が5位以下になる光景というのもまったくないではないですが、可能性は低いでしょうか。少なくとも一人は4位以内に入っては来るでしょう。
初戦が4位の選手は、2戦目優勝が坂本選手の上に行く条件です
白岩選手は初戦4位ですが、二戦目の権利がないのですでに除外です
残ってくるのは、6戦目を残すブラディ・テネル(USA)と、NHK杯に出てくるマライアベル(USA)の二人です
マライアベルが宮原三原紀平ソツコワトゥクタミシェワに勝って優勝、という光景はちょっと思い浮かべられないので、なし、ということでよいと思います。
テネルは、チャレンジャーシリーズで、調子の上がらないメドベージェワに勝ったりしていますので、可能性は残している、と思われます。
初戦が3位の選手は、2戦目で優勝か、2位で合計点数が坂本選手の上に出ることが必要です
初戦三位のサムドゥロワ(RUS)は、5戦目のロシアで優勝か、2位で212.52以上が必要
カナダで三位のメドベージェワは6戦目フランスで優勝か、2位で213.41以上が必要
メドベージェワは全然普通にありえますね。サムドゥロワはザギトワに勝って優勝、はイメージしづらいですが、高得点の二位、というのは低確率ながらあり得るかと思われます。
初戦2位の選手は2戦目で2位以内か3位で合計点数が坂本選手の上に出ることが必要です
山下真瑚選手が5戦目のロシアで2位以内、あるいは3位で208.26以上を出せるか?
コンスタンティノワが6戦目フランスで2位以内、あるいは3位で213.75以上を出せるか?
山下選手は、サムドゥロワとの争い、ということになるかと思います。また、樋口新葉選手もこの大会では強敵です
コンスタンティノワは、なかなか苦しいメンバーですが、低確率では可能性を残すと思います。
この辺で一旦、可能性順にでも並べてみましょうか
ザギトワ:5戦目のロシアで4位以内
トゥクタミシェワ:4戦目NHK杯で4位以内
メドベージェワ:6戦目のフランスで優勝か2位で213.41以上
山下真瑚:5戦目のロシアで2位以内か3位で208.26以上
紀平/三原/ソツコワ:4戦目NHK杯と6戦目フランスで1位/4位以上あるいは2位3位で411.32以上
サムドゥロワ:5戦目ロシアで優勝か2位で213.41以上
テネル:6戦目フランスで優勝
コンスタンティノワ:6戦目フランスで2位以内あるいは3位で213.75以上
このうち6つが成り立ってはいけないわけです
結構厳しいですね
上から三人はもう当確でしょう
四番目も普通に起こりそうな事象
万が一四番目が起こらない場合は、六番目が二人以上で起きたり、下二つが起きたりする可能性が飛躍的に上がることになります
山下選手が2位に入るかどうか、というのが一つの大きなポイント
入った場合、紀平/三原/ソツコワの誰もファイナルに行かないような条件が必要、ということになります
山下選手が条件を満たさない場合でも、紀平/三原/ソツコワのうち二人が条件を満たしたらアウトです
坂本選手の運命のカギは、山下選手が握っている感じがします
4戦目のNHK杯は、宮原・トゥクタミシェワ・紀平・三原・ソツコワの他に、アメリカからマライアベルやコートニーヒックスが出ます。
宮原・トゥクタミシェワ・紀平・三原・ソツコワのうち、5位以下になった1名はこの時点で脱落ですが4位以内の4名はここで坂本の上に出るか、6戦目のフランスまで可能性を残します
坂本視点では、宮原/トゥクタミシェワのワンツーが理想で、紀平三原ソツコワは良くても3位以下くらいでいてもらうと可能性が広がります。一方で、紀平三原あたりが優勝したうえで、宮原トゥクタミシェワがどちらも4位以内に残ったりすると、一気に苦しくなってきます。紀平/三原/ソツコワのうちだれか一人が2位で他は4位以下、というくらいになってくると、五戦目で山下選手が条件満たさなければ大丈夫そう、条件満たしても六戦目次第、という展開です。
5戦目は、上記に名前がある以外に、樋口新葉、トゥルシンバエワ、ツルスカヤ、さらにはアメリカからグレーシーゴールにカレンチェン、といった有名どころはたくさん出てきます
それでも、ザギトワが勝つのが本線。問題は2位にだれが入るか。有名どころの誰か、というのが入ってきてくれるのが坂本視点では有り難いわけですが、山下選手あたりがポンと入ってきて、先にファイナル進出を決めていくかもしれません。サムドゥロワ二位の山下三位で、どちらも合計ポイントが坂本選手を下回る、というシナリオもそれなりにあります。坂本選手は高い2位のポイントを持っているので、二位三位で被る場合は、結構有利です
最終6戦目もまた混戦で、調子の上がらないメドベージェワ、フィンランドで二位に入ったコンスタンティノワ、そろそろ勝ちたいテネルに、日本から紀平三原に本田といて、ロシアからはソツコワもいるよ、という戦いです
ここは、NHK杯で紀平三原ソツコワがどんな順位だったか、で全然状況が違ってくるので、どうなるかよくわかりませんね、もはや
最悪なのは、テネル優勝メドベージェワが214点くらいの二位、という形で二人上に行ってしまう構図です。似た構図で、紀平選手がここで爆発して220点超えの優勝だけどNHK杯で4位、メドベージェワが214点くらいの2位で二人が坂本選手の上に行く、という構図もありえます。
そうはならずに、メドベージェワが素直に勝つようだと、2位に誰が来るのか。その場合、NHK杯で紀平/三原/ソツコワの誰かが2位になっていれば、その選手がここで2位に入ってきた場合に坂本選手の上に行く形になります。コンスタンティノワが2位でも同じで坂本選手の上に行きます
坂本選手としては、NHK杯で3位以下になっただれか頑張って、という感じになります
こうやって見てみると、坂本選手視点では、まずNHK杯ではそこが初戦になる紀平/三原/ソツコワ三選手がどの順位に入ってくるか。また、二位や三位の選手の点数がどの程度か、というのがポイントになります
次に五戦目は、山下選手とサムドゥロワの順位と得点。樋口新葉全力応援! ゴールド復活でもいいよ みたいな状態です
最終戦は、可能性が残る選手ばかりになるわけなので、NHK杯で失敗した選手頑張れ! といった状況です。
ざっと眺めて考え直すと、坂本花織選手のファイナル進出可能性は、五分と五分というくらいでしょうか
コレオシークエンスでエッジをつかみ損なわなければ二位になって、ファイナル進出当確になっていたような気がするのですが、そのわずかなミスで、ハラハラする楽しみを与えてくれた、と思うことにしましょうか
坂本選手の当落、というのもありますが、彼女も含めて、先ほど挙げた12人が、ファイナル進出の可能性を現実的に持っている候補となると思います
12人は、ロシア6、日本5、アメリカ1
なかでもアメリカは可能性が低いので、ファイナルはロシアと日本の二か国で争う、という構図になりそうです
下手すると、全六戦で、表彰台に乗るのはロシアと日本しかいない、というようなことにもなりかねない展開をしています
競技としてはあまり好ましいことではないような気もしますが、そのあたりもどうなっていくか、残り三戦注目しどころかと思います