グランプリシリーズ???

今シーズンのグランプリシリーズ、どうなるのかと思っていたら、やると言ってますね?

ただ、これは、グランプリシリーズなのか? という感じにもなっています。グランプリシリーズ代替大会、みたいな様相です

 

まず、言われていることとして、

開催国の選手、または、開催国でトレーニングしている、または、それ以外の場合はそれぞれの地理的エリアで、関係国への入国に関して衛生上の制限の適用を受けていること、が条件とされているようです

この辺は日本の報道でもそのまま言われていることですね

地理的エリアは、フランス大会の場合EU圏とか、そんな範囲を指すでしょうか。

 

また、世界ランキングのポイントは付与しない、ともされています

さらには、ISUチャンピオンシップ大会のミニマムポイントのカウントにもしない、とされています

 

ここは、グランプリシリーズだな、という点ですが、放映権は原則として、すでに権利を保有しているメディアパートナーがそのまま保持して放映する、という記載もありました

グランプリファイナルをどうするかは、結論が出次第情報提供します、だそうです

 

なんだかもはやそれはグランプリシリーズなのか? という感じではありますが、放映権料とオリンピックの準備大会としてのファイナルのためにはやっておきたい、というのが現実としてきっとあるのでしょう。

個人的には、オリンピックの開催地で、前のシーズンにファイナルを開催する、というのは準備として大事だと思うのでそれはなるべく何らかの形でやってほしい部分はあるのですが、平昌なんかとは違って、毎年グランプリシリーズがやって来る中国なら、そんなに心配しなくてもそこは平気かも、と思ったりもします

あと、放映権の方は、この大会形式で、権利持ってる人は納得するのかはかなり疑問として残ります。

 

その点以外を見ると、これはまあ、甲子園予選代替大会みたいなもんですかね

たぶん、これが初めてのグランプリシリーズ出場、という選手が多数出てくるんだと思うのですが、これをグランプリシリーズ出場と言ってよいのかどうか? という悩みが出てきます

 

さて、それはそれとして、誰がどこの大会に出てどういうものになるか? というのをちょっと想像してみます

 

あんまり考える必要がないのが5戦目のロシア、ロステレコム杯

まあ、何がどうあっても女子は激戦で、男子も、ロシア勢だけでもそんなに違和感なく大会は行えるんじゃないかと思います。練習拠点がロシアのはずの選手としては、女子ではケガから回復していればカザフスタンのトゥルシンバエワ選手と、アゼルバイジャンのエカテリーナリャボワ選手あたりがいるはずです。リャボワ選手はプルシェンコさんのところにいたはずですが、トゥルソワ・コストルナヤ両選手がやってきて、どんな気分なんでしょうかね

男子だとジョージアのクビテラシビリ選手がいるはずです

各選手1試合でファイナル12人、というのはまだ決定事項ではないようですが、12人で決まるとすると、ロシアからでもファイナルに出られるのは2人となります。これは厳しい。ロシア選手権の前に、エテリvsプルシェンコが、まずここで見られることになる。もしかしたら、コロナの影響で、ここは面白くなったのかもしれません

ロシア勢では、メドベージェワ選手がどうするか? というのも一つのポイント。まだカナダに来ていない、という報道がありますので、ロシアにいるのだと思いますが、ロシアで出てこの激戦に参加するかどうか?

 

 

3戦目の中国も、あんまり考える要素がないです

中国を拠点としている中国外選手っているのかなあ?

男子はボーヤンジン選手とハンヤン選手がいるので、まあ、それはそれとして楽しめるでしょう。

女子が・・・、大丈夫かなあ?  昨シーズン、中国国籍の選手のベストは、ホンイーチェン選手がロステレコム杯で出した175.77   もしかしたら、今回は、中国杯の優勝スコアがロステレコム杯の12位のスコアを下回る、なんて事態が生じるかもしれません

ちょっと興味あるのは、香港のクリスティレオン選手が、こういう事態の時に中国杯への出場を選択するかどうか? というのがあったりします

あとは、12人の枠、どこまで埋まるんだろう? というのもあります

 

4戦目のフランス杯は、EU圏で活動する選手たちが集まる感じになるでしょうか

ランビエール先生のところにいる選手はフランス大会に出ることにおそらくなるでしょう。ロシアはEUではないので、出入りが面倒なはずです。宇野選手はつい先日、ランビエール先生のところにいる写真がありましたので、そのままそこでトレーニングを続けて、フランス大会に出場と思われます。島田高志郎選手も同じ条件なのですが、12人の枠に入れるかちょっと心配だったりします。バシリエフス選手もフランスに出るでしょう。男子では他に、ケビンエイモズ選手を筆頭としたフランスの選手は当然と言おうとして、あれ、エイモズ選手、練習拠点アメリカだっけ? とちょっとわからなくなりました。イタリアのリッツォ選手やグラスル選手も普通にいけばフランス大会に出るんでしょうけれど、どうかな。

周辺国という点ではチェコブレジナ選手もいますが、練習拠点はアメリカなはず。いまどこにいるか? というので変わってきそうで、そういった選手の動向次第で、島田高志郎選手がフランス大会に出られるかどうかも変わってきそうに感じます

島田高志郎選手にはもう一つ問題があって、グランプリシリーズがフランス一大会への出場の場合、日本の地方大会と時期がかぶりません。これはつまり、全日本選手権の予選としての地方大会(西日本選手権なはず)と時期がかぶらないため、予選免除の権利が得られない、という事態が生じます。これをどう考えるか?

 

よくわからないのが女子。フランス選手や、スイスのパガニーニ選手あたりはフランスに出てくると思うのですが、あれ? もしかして? というのが紀平梨花選手。先日、スイスのランビエール先生の下での合宿の模様がインスタグラムにアップされていました。日本に出入りするのも面倒、カナダに渡るのも大変、となったときに、そのままランビエール先生のところでしばらくトレーニングする、という選択肢もなくはなくて、その場合はフランス大会に出る、という選択肢が出てきます。

 

初戦にスケートアメリカがあるのですが、ここが練習拠点という選手が結構いるので、その選手たちが、今どこにいるか? というので情勢が結構変わってきそうです。カナダ国籍のメッシング選手は出生地も練習拠点もアメリカ合衆国なので、スケートアメリカの方に出るでしょうか。ナムニューエン選手は、いまは拠点はどっちでしたっけ? アメリカの方で出たりするのかな? 逆に、ジェイソンブラウン選手は、練習拠点はカナダ。どっちにいるのかこれもよくわかりません。ネイサンチェン選手はアメリカ国内なので、出る気があれば(そろそろそれが怪しい)アメリカで出るでしょう。ヴィンセントゾー選手は、今シーズンどうするか自体もよくわかりませんが、まさかこの情勢で濱田先生のところで練習してたりしないでしょうから、出るならアメリカでしょうか。

女子はどうなんでしょう。テネル、ベル、チェン三選手はアメリカにいて普通にスケートアメリカと思われます。アメリカ拠点の海外選手、女子は意外と少ない? イムウンス選手は昨シーズン韓国に帰ったはずなのでアメリカには出てこない。そうすると、本田真凜選手くらいになってたりするんでしょうか?

そうなった場合、アメリカ国内選手権の上位選手が出て来たりすることになるのですが、実は気になっているのが、昨シーズン全米選手権12位のグレイシーゴールド選手。優勝したアリッサリュウ選手はジュニアなので、こんな条件の時でもグランプリシリーズには出られない。他国籍のめぼしい選手が本田真凜選手くらい、となると、11番目で入ってくることができる可能性があります。ただ、これがまだはっきりしていないのですが、通常のシーズンの場合、グランプリシリーズにもミニマムスコアがあります。ゴールド選手はこれを持っていません。中国なんかもそうですが、自国選手で空いている枠を賄おうとした場合、ミニマムスコアないんですけど? ということが生じるはずなのですが、これをどうするのか、ISUの明言はまだなかったはずです

あれ、フランスのメイテ選手がアメリカ拠点だったかな? だとすると、ゴールド選手にまで枠がそもそも回ってこないかも? でも、本田真凜選手、家族でユーチューバーしてるから、日本滞在中で渡米しないかも? それにスケートアメリカだと、東日本選手権と重ならないから、全日本予選としての地方大会に出ないといけなくなるし、帰国後14日以内に大会来ちゃうしで、日本にいる選択をすることになるかも

などなど、情勢不透明ですが、グランプリシリーズという名の付く大会で滑るゴールド選手をまた見たい、という期待感はあります

 

 

さらに情勢不透明なのがスケートカナダです

オーサー先生のところに多数の生徒がいるのですが、これがまた、ほとんどみんな今来てないよ報道がありました。この選手たちがどうするかによって、スケートカナダの顔ぶれ、レベルが全然違ってきます。

男子の最大の注目は、羽生選手がどうするかです。このレベルの選手になると、個人的には、全日本免除でカナダに早めに行かせてあげて、グランプリもスケートカナダに出て、世界選手権までそこでトレーニングしている、というのがいいような気がします。大会間隔があくと、練習に倦みが出る、というような選手でもないでしょうし。

韓国のチャジュンファン選手もどうしますかね。これも、韓国選手権免除でいいんじゃ、というくらいのレベル差があるので、韓国の協会次第ですけど、渡加してスケートカナダ出ればいいんじゃない、と思います。ジェイソンブラウン選手はアメリカにいるか、カナダにいるか。

女子がさらに混沌としてる感じです。確実な上位選手としては、オーサー先生のところにいるカナダ人であるデールマン選手くらいでしょうか。ミスコンに出るくらい元気なようですし、全盛期のような滑りができるかはわからないまでも、スケートカナダにはきっと出てくる意志はあるはず。ただ、昨シーズンの成績が良くないので、枠が回ってこない可能性はあったりしますけれど

オーサー先生のところに行く、と明言した紀平選手は、7月終わりにはスイスにいたことは確かなのですが、そのあとどう動くか? 紀平選手は、まだ、全日本免除で代表と言い切って誰も文句言わない、というところまでの実績は積み上げ切れていないのが難しいところです。全日本はまだ一勝だけで、世界選手権の表彰台もない、となると、特別扱いはまだ仕切れない感じです。

宮原知子選手はもうカナダにいますかね? ブログを見る限りではトロントにいるはず。ただ、宮原選手、昨シーズンの全日本で表彰台に乗れませんでした。なので、全日本のシード権がないのですが、西日本選手権とスケートカナダは日程丸被りなので、グランプリシリーズに出る選手は、日程が前後一週間で被ったら予選免除、の条項で全日本に出られます。なので、予選問題はなくスケートカナダにそのまま出場可能。あとは全日本に出るための帰国をどうクリアするかです。

メドベージェワ選手の動きも大きな影響があります。ロシアにいて激烈な競争に身を投じるか、カナダに来るか。紀平選手が来なければ、ファイナル進出もメドベージェワ-宮原、切符二枚でほぼ確定、とかなりそうなものですが、紀平選手が来たときには一気にレベルが上がります。まあ、今シーズンはファイナルがどうのこうのと考えることにあんまり意味がなさそうですけど。そんなことを考えるのではなくて、やはりロシア-カナダの行って戻ってをどうするか問題は重いです

 

さて、残るは日本。NHK杯。男子は羽生選手がどうするかですが、カナダへ行った場合は羽生宇野二枚看板なし、ということになります。そうしたら、優勝候補は鍵山佐藤シニアデビュー組二人、ということになるでしょうか。佐藤選手は2月にババリアンオープンで国際大会シニアデビューしています。今回グランプリシリーズが、ミニマムスコアカウントに含めない、と出ていたので、このババリアンオープンがなかったら、四大陸や世界選手権のミニマムポイントが無い状態で全日本を迎えることになるところでした。男子は、日本が練習拠点の海外選手って誰かいましたかね? ヴィンセントゾー選手は、さすがに今日本には来てないでしょうし。韓国から誰か来ていたかもしれませんが、トップ選手はいないでしょうか

女子は紀平選手がどうするか。カナダに渡るあるいはスイスに留まる、とすると、やはり紀平宮原二枚看板なし、となります。そうなると優勝候補は坂本選手、あるいは樋口選手? となりそうなところですが、昨シーズン実績から考えると、実はユヨン選手だったりします。

まあ、韓国に戻っていて、こんな情勢なので濱田先生のところに戻ってこない、という線もありますけれど

韓国勢はどうするんでしょう? 女子の韓国は200点ランカーが何人もいます。この選手が今シーズンのグランプリシリーズをどう考えるか? 優勝するには中国に乗り込むというのが一番いいんでしょうけれど、入出国の甘さ厳しさ考えた時、中国と日本で二択なら日本を選ぶ方が容易でしょうか。そうなった場合、NHK杯は日韓戦(日本はエース抜き)なんてことになるのかもしれません。

可能性としては、ユヨン選手vs日本勢、日本vs韓国、あとは韓国勢も誰も来なくてプチ全日本選手権、というコースもありそうです。そうなった場合、選手の選出はどうなるでしょう?

まず、グランプリシリーズのミニマムスコアの問題があります。昨シーズンの全日本の上位の選手では、新田谷凜選手がこれをたぶん持っていません。昨シーズンは国際大会出場無し。二シーズン前にチャレンジャーシリーズに出ているのですが、そのスコアが133.86でした。通常、グランプリシリーズのミニマムスコアは、前のシーズンの世界選手権の優勝スコアの五分の三、とされていて、昨シーズンは142.50に設定されていました。同じスコアをスライドで今シーズン使うなら、新田谷選手はこれを持っていないことになります。

また、全日本9位の永井優香選手など、全日本上位選手で、近年、国際試合に出ていない選手は何人もいて、そのあたりの選手もミニマムスコアがありません。

さらに、ジュニア勢をどう考えるか? というのがあります。ジュニアグランプリシリーズに出場した選手は同じシーズンにシニアのグランプリシリーズに出ることは出来ません。しかし今シーズンは、ジュニアのグランプリシリーズへの派遣がない。そうなると、年齢さえ足りていればシニアのグランプリシリーズに出ることができます。全日本10位の吉岡詩歌選手、13位の河辺愛菜選手あたりをどうするか? 問題は、NHK杯の前の週に全日本ジュニアがある、というのもあるわけです。世界ジュニアの選考会である全日本ジュニアなので、免除、というわけにはいきません。免除も何も、その試合が目標です、という話なわけで。さすがにジュニアで、全日本ジュニア免除で世界ジュニア代表ってわけにはいかないでしょう。先に全日本ジュニアが来るので、調整無視でNHK杯も、という手もなくはないですが、どうなるか

昨シーズンジュニアグランプリシリーズに出ていて、ミニマムスコアを持っている選手を全日本ジュニア優先でNHK杯に出場させない、となると、シニアでミニマムスコアを持っている選手だけでは、おそらく12人に足りません。これは男子も同様です。その辺、どうするんでしょう? 韓国から選手が来れば12人に足りますが、日本勢だけだとおそらく足りない。足りなくても10人くらいでプチ全日本選手権(優勝経験者二人抜き)、にするのか

こんな形ですが、永井優香選手の国際大会復帰とか、新田谷凜選手、あるいは竹野比奈選手のグランプリ出場とか、見てみたい気もするんですけれど、どうなりますかねえ。

ついでに言うと、ペアとアイスダンス、成り立つんでしょうか・・・。他の国の大会は、あんまりそこの心配ないんですけど、日本で、他国から選手が来られないとなると、この二種目、大会自体が成り立つのかどうか。数少ない日本選手も、この二競技は練習拠点が海外である率が高いですし。大丈夫かなあ・・・。

 

 

全体として、グランプリシリーズとしてのミニマムスコアをどうするか? 日本勢で海外に練習拠点があり、海外のグランプリシリーズに出るような選手の地方大会の扱いをどうするか? そして、やはり、各国への出入国。大会開催国への、自国への、練習拠点への出入国がどうなるか。その辺が問題でしょうか

 

こんな状況ですが、見どころはいろいろありそうです

10月11月、どんな世界になっているかわかりませんが、これはこれで、楽しみにしたいと思います