全日本選手権18プレビュー2

さて、女子シングルへ続きます。

女子はグランプリシリーズに10選手が出場しました。そのうち松田悠良選手はケガの関係で、全日本選手権にはエントリーもしませんでした。それでもグランプリレベルの選手が9人も全日本に出場することになります。

それも含めて、今シーズンの国際試合、グランプリシリーズ、ジュニアグランプリシリーズ、チャレンジャーシリーズの結果を並べてみることにします。

リストにあるのは、全日本選手権にエントリーしている選手のみです。

 

 

紀平梨花 233.12(82.51(47.36,35.15) 150.61(78.21,72.40)) 優勝 グランプリファイナル

紀平梨花 224.31(69.59(38.40,32.19) 154.72(87.17,67.55)) 優勝 NHK杯

 

宮原知子 219.71(73.86(39.42,34.44) 145.85(75.00,70.85)) 優勝 スケートアメリカ

宮原知子 219.47(76.08(40.33,35.75) 143.39(71.89,71.50)) 2位 NHK杯

紀平梨花 218.16(70.79(40.67,31.12) 147.37(81.05,66.32) 優勝 オンドレイネペラ杯

坂本花織 213.90(71.29(37.92,33.37) 142.61(75.41,67.20)) 2位 スケートアメリカ

坂本花織 211.68(70.23(37.23,33.00) 141.45(74.45,68.00)) 4位 グランプリファイナル

 

三原舞依 209.22(70.94(39.06,31.88) 138.28(72.92,65.36) 2位 ネーベルホルン杯

紀平梨花 205.92(67.64(35.51,32.13) 138.28(72.23,66.05)) 優勝 フランス杯

三原舞依 204.20(70.38(37.70,32.68) 133.82(67.71,66.11)) 4位 NHK杯

山下真瑚 203.06(66.30(35.41,30.89)) 136.76(71.67,65.09)) 2位 スケートカナダ

三原舞依 202.81(67.95(35.36,32.59) 134.86(68.92,65.94)) 2位 フランス杯

宮原知子 201.31(67.52(32.58,34.94) 133.79(64.23,69.56)) 6位 グランプリファイナル

宮原知子 201.13(67.53(32.53,35.00) 133.70(66.54,68.16) 優勝 USインターナショナル

 

坂本花織 197.42(57.26(26.93,32.33) 140.16(72.96,67.20)) 3位 GPヘルシンキ

白岩優奈 191.46(63.77(33.29,30.48) 127.69(64.59,63.10)) 4位 GPヘルシンキ

 

本田真凛 188.61(65.37(33.43,31.94) 123.24(57.56,65.68)) 6位 フランス杯

横井ゆは菜 184.09(57.62(32.99,25.63)) 126.47(71.32,55.15)) 3位 JGPアルメニア

山下真瑚 182.22(55.33(27.73,28.60) 126.89(65.93,60.96) 3位 ロンバルディア

樋口新葉 181.29(66.51(34.02,32.49)) 114.78(52.37,62.41)) 6位 スケートカナダ

白岩優奈 180.93(60.35(30.17,30.18) 120.58(60.73,60.85)) 5位 ロステレコム杯

坂本花織 180.85(49.91(20.63,30.28) 130.94(66.70,64.24) 4位 ロンバルディア

 

本田真凛 178.89(56.66(27.38,30.28) 122.23(58.79,63.44) 6位 ネーベルホルン杯

荒木菜那 176.50(60.93(36.19,24.74) 115.21(62.75,52.46)) 5位 JGPカナダ

川畑和愛 173.84(58.89(31.98,26.91) 114.95(60.37,54.58)) 5位 JGPスロバキア

横井ゆは菜 173.15(51.65(28.28,24.37) 121.50(66.41,55.09)) 6位 JGPスロバキア

白岩優奈 173.01(55.35(28.79,27.56) 118.54(59.30,60.24)2位 アジアンオープン

白岩優奈 170.74(54.47(28.91,26.56) 115.39(55.39,60.00)5位 USインターナショナル

川畑和愛 167.49(66.85(38.64,28.21) 100.64(46.77,55.87)) 5位 JGPスロベニア

樋口新葉 167.01(57.54(28.22,29.32) 109.47(48.23,62.24) 5位 オータムクラシック

荒木菜那 165.80(63.06(37.23,25.83)) 102.74(51.02,53.72)) 5位 JGPアルメニア

山下真瑚 163.45(50.97(24.53,27.44) 112.48(55.44,57.04) 3位 アジアンオープン

山下真瑚 161.22(51.00(23.25,28.75) 110.22(52.33,57.89)) 7位 ロステレコム杯

 

本田真凛 158.04(62.74(30.38,32.36)) 95.30(37.66,58.64)) 8位 スケートアメリカ

本郷理華 156.59(51.11(23.79,28.32) 105.48(51.64,53.84)) 10位 GPヘルシンキ

青木祐奈 154.24(54.81(28.58,26.23) 99.43(47.78,51.65)) 7位 JGPカナダ

新田谷凛 133.86(45.57(20.41,26.16) 88.29(39.05,50.42) 9位 オンドレイネペラ杯

本郷理華 133.66(46.54(19.69,26.85) 87.12(39.91,49.21) 16位 フィンランディア杯

 

220点を超える点数を出したのは紀平選手ただ一人です。210点以上で宮原知子選手と坂本花織選手が加わり、200点以上には三原舞依選手、山下真瑚選手。ここまでで5人もいます。

 

今シーズンの結果を見ると、紀平選手が頭一つ出ていて、それに平昌オリンピック組の宮原坂本の二選手が続く、といった構図に見えます。これは昨年の全日本選手権の表彰台の三人と同じで、順番が入れ替わっているだけです。日本の女子全体のレベルが上がってはいるのですが、上三人はここ一年間でその内部での入れ替わりはあるものの、その下から追い越される構図にはなかった、ということになります。

 

優勝争いはこの三人かな、というように見えます。紀平選手が圧倒的に強いか? というと、ノーミス比べをしたらそうなるけれど、まだまだノーミスでいつでも滑る力はなく付け入るスキはある、といったところではないでしょうか。グランプリファイナルの点を出されると、ちょっと日本ではだれもとどかなさそうですが、NHK杯くらいなら、宮原選手はノーミスで届きます。ましてフランス杯くらいの点だと、表彰台から落ちる可能性も残ります。

宮原選手は五連覇がかかる大会です。五連覇すれば伊藤みどりさん以来。浅田真央さんも5連覇目の大会では安藤美姫さんに敗れています。ジャンプの矯正をしていて調子が悪い、というシーズンのことでした。宮原選手はソチオリンピックから平昌オリンピックまでの間、日本人選手に負けたのは、平昌直前の四大陸選手権のみでした。それがこの一年では、その四大陸に次いで、世界選手権では樋口選手が上に行き、今シーズンは紀平選手に二敗しました。まだまだ十分強い選手だとは思いますが、盤石さはだいぶ薄れてきています。また、浅田真央選手の連覇が途切れたときと同じように、宮原選手も今シーズンはジャンプの矯正中、とされています。

ソチの翌シーズン、浅田真央さん不在の中で全日本に優勝しました。それでも次のシーズンは浅田真央選手が戻ってきたので、やはりそちらの方が強いのかな? という空気が最初はありました。それが、NHK杯浅田真央復帰後の初対戦に勝って優勝。ファイナルでも2位に入って浅田真央さんの上に行きました。そして全日本選手権、ショートフリーともに1位の完全優勝で二連覇。二週間おきの三連戦で、浅田真央さんに三連勝して、宮原知子の時代の到来を印象付けました。

歴史は繰り返すのでしょうか。シニアに上がった紀平梨花選手が、NHK杯で宮原選手と初対戦、フリーでトリプルアクセル2本を決めて優勝。ファイナルでも優勝し、宮原選手の上を行きます。最後は全日本選手権。初優勝を目指す紀平選手と五連覇を賭ける宮原選手。これに勝てば、日本は紀平梨花の時代、という風になりそうに見える。歴史は繰り返されるのか、五連覇を果たして歴史を塗り替えるのか。

 

紀平選手の不利な点としては、連戦が続いている、というところにあります。NHK杯から二週間おきにフランス杯、グランプリファイナルときて、全日本まで来ました。NHK杯の前には西日本選手権にも出ています。11/3の西日本選手権ショートプログラムから、12/23全日本選手権フリーまで、50日間で5試合、海外2か所付き、エキシビジョン三戦付。この間に、彼女の周りの環境も激変しています。それについていけているか。ここまで三戦とは周りの見る目も違います。挑戦者ではいられない立ち位置になってきている。その中で結果を出せるか。

宮原選手はグランプリファイナルの出来はよくありませんでした。一方で、その出来でも200点には乗るんだ、というのは一つの驚きであり強さだなとも思いました。ジャンプの矯正中、ということで、今シーズンはもっと苦労すると思っていたのが、グランプリシリーズは219点台二つ、と並べてファイナルへ。ファイナルの出来が悪かったので心配ではあるのですが、二週間でどこまで立て直しているか。

この二人が同じ先生のところにいるんですよねえ。どっちが勝っても濱田先生は五連覇です。

それに挑戦するのが中野先生のチーム。坂本選手は210点台後半までは出せるので、紀平宮原両選手にミスが出てくるとチャンスはあるという立ち位置です。ファイナルはもったいなかったですけど、今度はどうでしょう? ミスなく滑れば・・・。

 

その三人に次ぐのが、やはり中野先生のチームで三原舞依選手。昨年のグランプリシリーズから国際試合+全日本で8試合連続で200点台継続中。この安定感は紀平選手、坂本選手より上です(宮原選手は10試合連続200点以上継続中)。ただ、爆発力が残念ながらなくて210点台に乗らない。

技術点はあるんですが、演技構成点が8点前後しかもらえなくて、上位三人と差があります。三原選手の今シーズンのベストスコアは、世界全体で見ても8番目、シニアの選手だけで見れば6番目なんですけどね。それなのに、日本の中では4番目になってしまう・・・。昨シーズンから持ち越しのフリー、ガブリエルのオーボエは、大きな舞台で見たいプログラムでもあるんですが、どうなるでしょう

 

今シーズン200点台を出している、というところでは山下真瑚選手もいますが、実績、安定感共に、三原選手とはちょっと同列には並べにくいでしょうか。このあたりは、5番手グループとして、白岩優奈選手、本田真凛選手あたりと広く括る方が近いかもしれません。5番手グループの一番上、的な位置にいるでしょうか。ここにもう一人、ジュニアからですが横井ゆは菜選手も入れて4人の5番手グループ、と見たい印象です。

この辺のグループの中で誰が一番上に来るか。

今回の大会、表彰台に乗れないまでも、5位に入ることは結構大事だと思っています。予想であり、可能性の話に過ぎませんが、四大陸選手権の出場権は5位あたりにまで回ってくるのではないか、と思っています。

シニア一年目の紀平選手は、上位に入れば四大陸選手権にも出るでしょう。しかしながら、四大陸選手権で優勝経験のある、宮原坂本三原三選手は、四大陸選手権に出るかどうか?

世界選手権の出場権がなければ、四大陸にも出るでしょう。しかし、世界選手権の出場権が入ってくればどうか。選んでいいなら出るかもしれませんが、今回の選考条件からすると、その辺には出場権を渡さないのではないか、と思うのですよね。四大陸選手権にはロシアがいませんし、北米の強い選手も今シーズンは休みが目立つ。そんな中で、日本の表彰台に乗った選手で、経験をすでに十分積んだ選手を出しても仕方ない、という感覚はあるかと思います。なので、5位に入っておけば、四大陸選手権の切符は回ってくるかもしれない。

山下、白岩、本田の三選手は、四大陸選手権の出場経験はありません。ジュニアだけど年齢的にはその三人より上の横井選手を含め、四大陸選手権の争いも、かなり激しくなるかと思います。

 

さて、この辺で、世界選手権の選考基準を確認します。

 

全日本選手権大会優勝者を選考する。

②以下のいずれかを満たすものから総合的に判断して1名先行する。

A)全日本選手権大会2位、3位

B)ISUグランプリファイナル出場者上位2名 (紀平梨花、坂本花織)

C)ISUワールドスタンディング上位3名 (樋口新葉三原舞依宮原知子)

➂以下のいずれかを満たすものから総合的に判断して、①②で選考された選手を含め3名に達するまで選考する。

A) ②のA)からC)に該当し、②の選考から漏れた選手

B)  ISUワールドランキング上位3名 (紀平梨花宮原知子、坂本花織)

C)  ISUシーズンベストスコア上位3名 (紀平梨花宮原知子、坂本花織)

 

やはり、紀平坂本宮原三選手の名前が並びます。そんな中に、ここまで出てきていない名前が一つあります。樋口新葉選手です。

樋口選手は今シーズン不調です。チャレンジャーシリーズでは170点にも届かず、グランプリシリーズに入っても181点にとどまりました。二戦目は欠場。国内の試合含め、点が伸びていない中でケガも抱えている。過去の実績考えれば、表彰台争いに絡んできてもおかしくないんですけど、現在の怪我の状況はどうなんでしょう?

元々全日本は強い選手でしたし、ケガからしっかり回復できていれば、一発やってくれる、という展開もあるのかもしれません。

 

 

さて、シニアの上位はそんな戦いがあるわけですが、ジュニアは、世界ジュニアを目指しての試合となります。全日本ジュニア優勝者である横井ゆは菜選手は、世界ジュニアの出場権は獲得済み。残りの五選手で、残りの枠二つを争います。

 

①全日本ジュニアの優勝者 (横井ゆは菜)

②以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、①で選考された選手を含め3名に達するまで選考する。

A)全日本ジュニア3位以内 (荒木菜那、川畑和愛)

B)JGPファイナル出場者 (該当なし)

C)全日本の上位3名

D)ISUシーズンワールドランキング上位3名 (横井ゆは菜 荒木菜那? 川畑和愛?)

E)ISUシーズンベストスコア上位3名 (横井ゆは菜 荒木菜那 川畑和愛?)

 

基本的に並んでいる名前は、横井、荒木、川畑三選手だけですね。時折?が付いているのは、全日本の出場権のない、住吉選手や吉岡選手の方がランキングが上だったりするのですが、ここにある選考基準は、全日本出場者の中の上位3名なのか、全体含めて3名以内であることが名を連ねる条件なのか、わからないためです

 

いずれにしても、全日本ジュニアで4から6位で、かつ、ジュニアグランプリシリーズに出場しなかった、あるいはしても上位に残れなかった、渡辺倫果、青木祐奈、長縄和奏の三選手は、全日本で、ジュニア中3番以内に入ることが必須になります。

まあ、ここまでの今シーズンの成績や、昨シーズンの実績あたりを見ても、順当にいくと、残りの二枠は、荒木川畑二選手で埋めそうに見えるのですが、ノービス時代には優勝経験のある青木祐奈選手が、ショートフリーでルッツループをしっかり決めてきたりすると、勝負に絡んできたりするかもしれません。

 

 

さて、最後にユニバーシアード、の選考もあるのですが、女子シングルは、トップ選手でこの年代の選手はあまりいません。高校生年代がいまの主力になっていて、ユニバーシアードの対象年齢にいるのは、ここまで名前を上げてきた中では、宮原知子選手と三原舞依選手の二人だけです。宮原さんは、さすにがユニバーシアードはないでしょう。三原選手は世界選手権の選考に漏れたら、ユニバーシアードでも出る可能性はあるかもしれません。(事前に派遣の希望を出すことが条件としてあるのですが、おそらく申請していないと思われます)

その下に下がっていくと、大学生年代でいるのは、4年生になっている本郷理華さんがいます。また、チャレンジャーシリーズには出場していた新田谷凛選手も大学3年生です。新田谷選手は、前回ユニバーシアードに出場して、トゥクタミシェワ選手あたりを抑えて、ラジオノワに次ぐ二位に入っています。

 

そのあたりの選手の今年の状況を見てみるために、ユニバーシアード対象選手の、国内地方大会の成績を見てみます。

 

野比奈 170.76(62.18(35.38,26.80) 108.58(54.82,53.76)) 2位 西日本選手権

大庭雅 168.38(60.22(32.78,27.44) 108.16(55.68,52.48)) 4位 西日本選手権

細田采花 164.52(52.22(28.82,23.40) 112.30(63.58,48.72)) 6位 西日本選手権

新田谷凛 164.37(56.67(31.55,26.12) 107.70(57.14,50.56)) 7位 西日本選手権

野比奈 160.80(55.22(30.28,24.94) 105.58(54.25,51.33)) 優勝 中四国九州選手権

細田采花 157.70(56.48(32.90,23.58) 101.22(54.62,47.60)) 3位 近畿選手権

磯邉ひな乃 155.31(58.55(33.67,24.88) 96.76(48.44,48.32)) 8位 西日本選手権

磯邉ひな乃 155.22(55.29(30.75,24.54) 99.93(51.40,48.53)) 3位 中部選手権

大庭雅 148.14(52.16(27.30,25.86) 95.98(45.71,50.27)) 4位 中部選手権

 

150点以上のスコアを出した選手のみを選んでいます。年齢的には、グランプリシリーズ出場経験のある、加藤利緒菜選手や中塩美悠選手、さらにはグランプリシリーズで表彰台経験のある永井優香選手も対象なのですが、このあたりの選手は150点に乗せることが地方大会で出来ていませんでした。

大庭選手は、大学を卒業しているようですが、卒業した年はユニバーシアードの出場権利があります。

 

この中では、新田谷選手が、強化指定B選手でもあり、過去の実績は高めです。大庭雅選手は全日本でトップ10に入ったり、世界ジュニアに出場した経験もあります。また、磯辺選手は前回のユニバーシアードに出場し、新田谷選手に次ぐ3位表彰台でした。

面白いのは細田采花選手でしょうか。濱田チームの一員で、西日本選手権では、ショートフリー合わせて3本のトリプルアクセルに挑み、すべて着氷。何を思ったか西日本に出ていた紀平選手と、NHK杯より一足早く、日本国内でトリプルアクセルの競演、しかも二人して3本づつというのをしていました。

 

このあたりの選手は、全員チャンスがあるように見えます。本郷理華選手のグランプリシリーズでの得点が156点台ですから、彼女もこの一群に埋もれている現状です。

今シーズンの持ち点が高いのは竹野選手ですが、ここに並んだ名前の中では、国際大会の経験がほかの選手と比べて少なく、トリプルアクセルのような目立つ武器がありません。ただ、唯一の九州地区からの全日本出場選手でもありますし、本人も、強化指定選手入りを目指している、というコメントを出しています。確かに今シーズンは、強化指定選手の下位の方とは同等以上の得点も出していますし、ここでユニバーシアードの代表に選ばれて、できれば表彰台にでも乗って帰ってくると、来シーズンは指定選手に入って国際大会へ、という可能性もあるでしょうか。二十歳を過ぎてから初めて強化選手に入って、国際大会へ出るようになって世界へ羽ばたく、というような選手が出てくると、日本のフィギュア界もまた変わっていく、厚みが増していく、と思うので、そういう点でも頑張ってほしい選手ではあります。

 

女子は、全体のレベルが高いので、この辺の選手の層も厚く大変なのですが、見ている方としては、上位だけでなく、中位以下の選手の滑りでも十分楽しめる、という点で大変ありがたいことではあります。

(追記:女子のユニバーシアードの枠は2つ、となりました)

 

大きな大会には出場枠、というものがあるので、これは選手同士で争うしかありません。当然ですが、枠に入れる選手と入れない選手が出てきます。なので、欲しいものが手に入らなかった、という選手は出てくるでしょう。それでも、自分が納得できる演技、というのは、枠に関係なく、誰もができるチャンスを与えられています。世界の頂点を目指す選手から、この大会に出ることが夢だった選手まで。平等に、自分が納得いく演技をするチャンスは与えられています。

練習してきたことを、自分一人、あるいはペア競技では二人、だけで、ステージに立って発表する。ある意味では、日本最大のお稽古事発表会。それが、フィギュアスケート全日本選手権、のようにも感じたりしています。

 

いい演技には拍手を、ミスの出た演技には慈愛を

そんな気持ちで、見ることができればよいかな、と思っています