白岩優奈選手が2018年11月15日より受付を開始したクラウドファンディングが、2019年1月15日AM0:00を持って受付終了しました。
結局、受付金額は次のようになりました
総額 14,754,000円
応募人数2,521人 延べ2,735口
1,000円 447口
3,000円 533口
5,000円 1,409口
10,000円 235口
30,000円 37口
50,000円 44口
受付開始直後の立ち上がりは早かったのですが、その後しばらくは一日数件程度で停滞していました。それが最終日には78件の応募が入って最終的にはこの金額になっています。
序盤の勢いからしたら1,500は固くて2,000までいくかもなあ、なんてことを思ったりもしていましたが、そこまでは伸びず、1,500万円にややとどかない額となりました。
募集を開始してから、グランプリシリーズのロシアと全日本選手権、2試合出たのですが、どちらも今一つな結果に終わってしまったので、そのあたりが少しもったいなかったでしょうか。白岩選手は、ちょっと、チャンスをつかみきれない傾向があるように見えるのですが、今回もそれが出てしまったかなあ、という感じがあります。
支援金は、5,000円が圧倒的に多数になっています。5,000円から、バナータオルがもらえるのですが、これがほしい、という人が結構多かったんですかね。3,000円でお礼のメール+サイン入りポストカードで、5,000円になるとそれにバナータオルが付く、となると5,000円出そうかな、という気になるでしょうか。当初は、返礼品の発送はこの1月15日の応募受付締め切り後、ということになっていましたが、応募が殺到したこともあり、12月10日頃に発送を開始したとのことで、結果的に、全日本選手権でも、このYUNAバナータオルが会場を飾っていました。お礼のメールやサイン入りポストカードですともらって終わりですが、バナータオルになると、会場で、選手に向けてかざすことで、「応援してますよ」の姿勢が繰り返し示すことができるので、ファンの側としても、こういうものをもらえる方がうれしくて、ある種のwin-winとでもいえるでしょうか
さて、下世話なことしますが、前回この話に触れたときと同じような計算を、金額確定段階でどうなったかしてみることにします。
集まった金額は14,754,000円です
ここから消費税がまず引かれます
14,754,000 ÷ 1.08 = 13,661,111円
これはつまり、消費税として1,092,889円と100万円以上持って行かれたことを意味します。
次に、クラウドファンディングの仕組みを提供したプラットフォーマーが10%確保します。
13,661,111 × 0.9 = 12,295,000円
プラットフォーマーの取り分は 1,366,111円になります
スケート連盟は、500万円を超えた部分の10%を徴収する、と言っていますので、
12,295,000 - (12,295,000-5,000,000) ×0.1 = 11,565,500円
スケート連盟の取り分は729,500円 となります
ここから、お礼にかかる費用を引くのですが、これは前回も書いたように正直言ってどれくらいかいまいちわかりません。少なくともオリジナルクリアファイル316枚や、オリジナルバナータオル1,725枚というのを作成しないといけないですし、サイン入りポストカードを2,258枚郵送しないといけない、ということはわかっています。この辺を、まあ雑な予測ですけど前回と同じように50万円、としておきます。
11,565,500 - 500,000 = 11,065,500円
これが手元に残ります。
ここから税金が引かれますが、所得としてどこまでカウントされるかは、これもやはり不明です。ここからは、上記金額がすべて所得扱いになるケースと、ワンシーズンにかかる経費600万円を差し引いた部分を所得とするケースと、二パターン考えます。実際には、白岩選手クラスになると、いくらかの賞金が入ったり、出演料というものが入るので、600万円丸々経費として差し引いた分が所得、というのはおそらく引きすぎですが、そこまで考えきれないので、上記二パターンだけ考えます。
また、もっと言えば、白岩選手が17歳の高校生であることを考えると、今回得た金額が白岩選手本人の手元に入る、と考えるよりは、白岩選手のご家族に一旦入る、と考えた方が自然かもしれません。その場合、ご家族が事業を自身でなさっているか、あるいは会社勤めか、株で稼いでたりするか、住宅ローン背負ってたりするか、などなどにより税金の考え方は様々変わってくるので、実際の税額は、本当はよく分からない、としか言えないのですが、それを言ってはおしまいなので、その辺は横において、以下の計算は行います。
11,065,500円がすべて所得扱いの場合、所得税は2,115,450円となります
600万円分を経費として差し引いた場合の所得税の金額は、585,500円となります
また、住民税というものもありますのでそちらも計算します
住民税は住民登録している場所によって異なりますが、まあその辺は適当にこの辺だろうという仮定のもとで計算します
11,065,500円がすべて所得扱いの場合、住民税は1,076,600円ほどとなります
600万円分を経費として差し引いた場合の住民税は476,600円ほどとなります
したがって、白岩選手の手元に残る金額は、
600万円を経費と考えられない場合は、
11,065,500 - 2,115,450 - 1,076,600 = 7,873,450円
600万円を経費扱い出来た場合は、
11,065,500 - 585,000 - 476,000 = 10,004,500円
となります
多く見ると300万円以上、少なくても100万円ちょっとは税金に持っていかれる、という計算です
今回のクラウドファンディングでは、1,500万円近い金額が集まりましたが、白岩選手の手元に残るのは、最大で1,000万円程度となりそうです。
結構な大金と言えば大金ではありますが、2年分の活動費に満たない額と言えば、その程度でしかないとも言えます。日本の中でそれなりの人気スポーツの全日本選手権で9位だった選手が獲得した金額、と考えると、そんなに大きくもないような気がします。
比べても仕方ないですが、日本女子プロゴルフツアーの2018年賞金ランキングを見ると、獲得賞金¥15,165,779で69位 ¥14,653,000で70位ですので、今回集まった金額はその間です。まあ、スポンサーの付き方がゴルフとは全然違うので、比べても仕方ないのですが、そんな大金かき集めやがって、とねたまれるような額でもないよな、とはこの辺からも感じますし、もうちょっとうまく、選手にお金が還流するような仕組みを作れないものか、とも思います。
金額的には、これですべて解決とはいかず、この先も少なくとも北京オリンピックシーズンまで、さらにはその4年後まで考えると、ご家族の方の負担が大きい状態はきっとある程度続いてしまうことも考えられます。また、今回の支援への返礼対応も、実はそれなりに負担で、白岩選手が2,258枚のポストカードにサインするんだよな・・・、とか、発送の負担とか、さまざまあります。
また、多くの方から支援を受けた、ということ自体が心理的な負担になってしまうこともあるでしょうか
白岩選手は今シーズン、まさかの世界ジュニア代表となりました
クラブの先輩である宮原知子選手以来の、シニアからの出戻り世界ジュニア代表です。確かに、権利のある年齢ですし、樋口選手や山下選手、あるいは本田真凛選手のように、世界ジュニアのメダルを持ってはいないですので、今更感はなく出ることができないわけでもない。その手があったか、という感じで、これにより現在19位の世界ランクを保つないしは上げることができ、来シーズンのグランプリシリーズ2戦出場権を得られる可能性も高まります。
今回集めた資金で2年分くらいは、問題なく競技に打ち込めるかと思います。できれば、その間にスポンサーを見つけられるといいのですが、そのあたりは成績次第、というところもあるかもしれません。
いずれにしても、今後の白岩選手の活躍を祈りたいと思います
動画
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