前回、スケート連盟お金持ちだし、フィギュアスケートの全日本選手権は興業として成り立っているのに、賞金なしで選手からエントリーフィー取るの??? というようなことを書きました
今回は、じゃあ、地方大会は、どれくらいのエントリー費が生じているのだろう? というのを見てみます。
全日本選手権は一人15,000円(カップル競技も1人15,000円なので、各カップル30,000円計算)でした。この金額は、地方大会でも同じです。
以下、2019年の実績を計算しました。
男子31 女子29 ペア1組 アイスダンス4組
70人 × 15,000円 = 105万円
全日本ジュニア
男子29 女子30 アイスダンス2組
63人 ×15,000円 = 94.5万円
東日本+西日本
男子94 女子118 アイスダンス5組 ペア1組
224人 × 15,000円 = 336万円
地方大会
男子103 女子313 ノービスは数えていない
416 × 15,000円 = 624万円
全日本選手権およびそれにつながる地方大会(全日本ジュニア含む)において、合計すると、
105+94.5+336+624 = 1,159.5万円
1,000万円を超えるエントリー代が発生しています。
今回はノービスはカウント外としました。ノービスを入れた場合はさらに金額は増えて、全体で1,500万円ほどにまでなるはずです
地方大会も、主催は日本スケート連盟です。主管はそれぞれ地方の連盟が担当しています。
各大会の入場料は、有料/無料 どちらもありますが、地方大会は無料の方が多いでしょうか。全日本ジュニアは有料。西日本選手権は有料だけど東日本選手権は無料だったり、東日本無料なのにその予選相当の東京選手権は有料だったり、さまざまです。
ただ、高くても3,000円 全日本と比べると、大きな価格差はあります。全日本ジュニアなんかはそれなりの客数いるように見えますし、ジュニアグランプリファイナル? とか言われたりもした一時期の西日本ジュニア、横井ゆは菜、紀平梨花、白岩優奈、坂本花織、山下真瑚、本田真凜のフリー最終グループ、なんて入場料いくらの価値がある? みたいな試合も時にはありますが、基本的には全日本と違って、収支としてはマイナスでしょう。
そう考えれば、受益者負担ということで選手がエントリー代を払うのはわからないではないし、妥当は妥当だと思います
ただ、勝ち上がっていくと、大会出場料だけで結構な金額がかかります。
ジュニアで地方大会から全日本ジュニアまで勝ち上がり、さらに全日本の出場権まで得ると、4試合あるので6万円かかります。
本田一家とか結構すごいです
ジュニアの二人は理論上最大4試合、シニアの二人もブロック大会から出ると3試合あります。2×4×15,000+2×3×15,000=21万円。最大でこれだけかかります。理論値ですけど。
昨シーズン、姉妹で全日本にまで進んだ竹野姉妹は、実際に二人で9万円かかっているはずです。横井家も、そろそろゆは菜選手はブロック大会あたりは出ないようになってきていますが、ジュニアのきな結選手含め、下から全部勝ちあがっていくとすると10.5万円かかります。
あの本田家が、21万円に困ってるとは思いません。でも、21万円って、結構な金額であるのも確かです
横井家はどうだろう? 強化指定Aに入ってますし、グランプリシリーズで賞金を稼ぐ権利はありますが、明確なスポンサーはまだついていなかったはずです。この辺の、スポンサーは付かないけど上位にいて世界を転戦するクラス、というのが一番金銭的につらい、なんてことも聞いたりします
この辺の、エントリー費用というのはどうなんでしょう? 妥当なものでしょうか?
ある程度妥当なような気はするんですよね
実際、地方大会は収支はマイナスなはずですから
そして、エントリー費用として集まる1,000万円ないしは1,500万円くらいの金額は、これくらいまとまれば上位選手の強化費として、何人分かになる
一方で、それはそれとして、普及という面から見て、地方大会に出てくるレベル、バッジテスト6級あるいは7級という、トップを目指す入り口はクリアした選手たちには、全日本につながる大会のエントリーは無料にする、ということを考えるのもありかと思ったりします
まあ、フィギュアってそもそもお金かかるんで、高々15,000円の試合エントリー費用がなくなったからって、どれだけ助かるか? というと、大した影響はないとは思うんです
それでも、今回はコロナで懐が痛んでいる人がそれなりにいる
一方で、連盟は、元々結構お金を持っている中で、今回、特に懐は目立って痛んではまだいないはずなんですよね。
なので、今年、あるいは来年くらいまで、限定的にでも、エントリー費用をゼロにする、というようなことがあってもいいのかな、と
そんなことを思ったりします