先日、白岩優奈選手のクラウドファンディングの受付が終了しました
これは、活動資金が足りない、ということによるものですが、そもそも、資金を集める手段はこれしかなかったのでしょうか?
一番単純に考えると、スポンサーが付けばいいわけです
トップ選手のスポンサー事情、というのを少し見てみたいと思います
全日本選手権の上位選手の、主なスポンサード状況を確認してみます
坂本花織:シスメックス
本田真凛選手は、樋口選手と同時にプリンスホテルとのスポンサー契約を結んだはずなんですが、IMGのサイトを見るとスポンサー欄から消えてるのはなぜでしょう??
スポンサーといっても、程度はわかりません。
坂本選手、三原選手のシスメックスあたりはフルサポートしてそうですが、樋口選手のナイキなんてのは、いくらかの用具サポートくらいかもしれませんし、それぞれの程度はほんとによく分かりません。
上位五選手は何らかのスポンサーがついているんですね。特別強化選手の中では山下真瑚選手だけ、明確なスポンサーを見つけられていません。逆に、上位五選手以外で明確なスポンサーが見つけられたのは本田真凛選手くらいでした。本郷理華選手もかつてはP&Gの製品のCMに出ていましたので、それはそれで一つのスポンサーと言えたかもしれません。
こうしてみるとスポンサーが付く最低線は、世界選手権出場ないしは世界ジュニアの表彰台、ということになるでしょうか。実際には紀平選手はまだ世界選手権に出ていないですし、世界ジュニアの表彰台にも乗っていませんが、全日本ジュニア優勝+全日本3位+トリプルアクセル、というわかりやすい実績はあったので、契約しやすい要素はありました。
男子も見てみると
島田高志郎:木下グループ
他に、全日本の上位、という表現だと入りませんが、当然ながら羽生結弦選手にもスポンサーがついていて、ANA所属です
ただ、オリンピックにも出場した田中刑事選手については、明確なスポンサーが確認できていません。
女子と比べて、傾向がいまいちはっきりしませんね。ジュニアでもしっかり所属先があったり、オリンピックに出ても明確なスポンサーが見つからなかったり。ただ、飛びぬけている二人、宇野選手羽生選手は、それぞれそれなりのスポンサーがついています。長期ブランクからの復帰という異例な動きをした高橋選手は、スポンサーも、異色な感じの先が付いています。
こうやって見てみると、確かに、白岩選手はちょっと苦しい位置にいるのかな、とは思います。シニアに上がってからはグランプリシリーズで上位には入るものの表彰台はなく、世界レベルの大会には出場出来ていない。ジュニア時代は世界ジュニアで表彰台には上がれなかった。全日本ジュニアも最高位は2位で優勝はなし。分かりやすい戦績、わかりやすい武器がありません。
神戸の二人、三原坂本組は、シスメックスというスポンサーを得ました。これは、IMGが動いたりしたんですかね? 内情はわかりませんけど。この先、神戸の中野先生のところからは、有望選手がシスメックス所属になっていく、という流れができるかもしれません。
名古屋は、本当のトップ選手にまでなるとトヨタ自動車があります。安藤美姫さんもトヨタ自動車所属で活動していました。小塚崇彦さんもそうでしたね。本来はもう一ランク下の選手にスポンサーがほしいのですが、山下真瑚選手、横井ゆは菜選手あたりだと、ちょっとトヨタはまだ認めてくれないでしょうか。でも、名古屋と言えば、という企業が一応スポンサーになってくれるコースはある。
京都で、そういう企業いてくれませんかね。まあ、今の拠点は関西大学なので、京都というより大阪ではあるのですが、元々は京都醍醐スポーツクラブなので、京都からスポンサーついてくれないかなあ、地元枠として
京都が本拠地の企業、というのは案外沢山あります。
半分そのまんまの名称な京セラなんてのが大きいですし、世界に冠たる日本の経営者だけど絶対自分の上司にはしたくない永守会長が率いる日本電産もあります。京セラは各種スポーツの支援をしている。日本電産は余計なことにカネを出さない会社ですが、かつて買収した日本電産サンキョーにスケート部が付いてきたのですが、これをつぶさず支援を続けています。高木姉妹の姉がここです。スピードスケートだけではなくて、フィギュアスケートも支援してくれないですかね
ハンドボール部持ってるオムロンやかつてノーベル化学賞受賞者を社員から出した島津製作所も京都で、テニス部やラグビー部があります。
他には、ゲーム機の任天堂。フィギュアスケーター育成ゲームリアル版としてでも、フィギュアスケート部持ちませんか
なんて、どこまでが現実的かわかりませんが、地元選手の育成、という観点で支援してくれるような企業があってもいいかな、と思います。
こういうのってある種のパラドックスがあって、支援がもう必要ないレベルの選手ほどスポンサーが集まりやすく、支援が必要なレベルの選手はスポンサーが来ない
それを解消するには、ある程度、クラブ単位のレベルくらいで面倒見てくれるスポンサーがいるといいのですが、じゃあ濱田組がどこかのスポンサーの丸抱えで、フィギュアスケート部、みたいなことにするのがいいかというと、そこまで行くと制約が出てきてしまう。宮原選手や紀平選手みたいに、自力でスポンサーが付く選手の動きが制限されてしまう、という難点もありそうではあるし、長期的に継続して本当についてもらえるのか? というのが判断付きにくく、安定性考えると簡単に丸抱えしてもらうというのも難しい
どうしたらいいんですかねえ、という結論の出ない話ではあるのですが。
チームとして丸抱え、というのは話が大きくなりすぎてしまうのでちょっと横に置きますが、白岩選手くらいの立ち位置の選手の、個人一人分のスポンサーになる、というのは企業にとってそんなに悪くない話なような気がします。企業の印象を悪くするような選手ではなく、好感度が低いというようなことにもならなそうな選手ですし。この先、山下真瑚選手と横井ゆは菜選手あたりも、同じような位置でこの問題に直面する部分はあるかもしれません。これだけの人気競技なのですから、トップ10くらいの位置にいる選手には、活動に支障が出ないレベルでスポンサーがついていくような、そんな環境が出来ていって欲しいと思います
日本電産サンキョーで、フィギュアスケートも見てくれないかなあ・・