2019年シーズンのフィギュアスケート、地方大会が終了しました。各地の上位選手が次の東日本選手権、あるいは西日本選手権へと進んでいきます。
今回はそのシリーズの三回目、ジュニア女子の結果を見てみます。
地方大会を通過し、東日本/西日本へ進出した選手の得点をまず並べます。
Event | Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
近畿選手権 | 1 | 河辺愛菜 | 関西大学KFSC | 176.82 | 63.03 | 113.79 |
中部選手権 | 1 | 吉田陽菜 | 名東FSC | 159.12 | 56.67 | 102.45 |
中部選手権 | 2 | 荒木菜那 | 中京大中京高校 | 158.29 | 48.35 | 109.94 |
関東選手権 | 1 | 吉岡詩果 | 植草学園大学附属高校 | 157.22 | 58.82 | 98.40 |
北海道・東北選手権 | 1 | 千葉百音 | 仙台FSC | 151.72 | 53.38 | 98.34 |
中部選手権 | 3 | 横井きな結 | 邦和スポーツランド | 150.18 | 50.43 | 99.75 |
中部選手権 | 4 | 手嶋里佳 | 名東FSC | 149.83 | 50.94 | 98.89 |
中四国九州選手権 | 1 | 片山緋奈子 | 倉敷FSC | 145.61 | 45.08 | 100.53 |
中部選手権 | 5 | 田村珠里亜 | 富士FC | 145.02 | 44.89 | 100.13 |
中四国九州選手権 | 2 | 鴨井彬莉彩 | 飯塚フィギュアクラブ | 144.99 | 47.77 | 97.22 |
近畿選手権 | 2 | 岩野桃亜 | 関西大学KFSC | 142.89 | 52.38 | 90.51 |
近畿選手権 | 3 | 滝野莉子 | 関西大学KFSC | 142.79 | 51.24 | 91.55 |
東京選手権 | 1 | 平金桐 | 明治神宮外苑FSC | 142.25 | 50.36 | 91.89 |
中四国九州選手権 | 3 | 岡本真綸 | 倉敷FSC | 141.85 | 48.15 | 93.70 |
中部選手権 | 6 | 長縄和奏 | 中京大中京高校 | 139.72 | 50.29 | 89.43 |
近畿選手権 | 4 | 岡田芹菜 | 大阪スケート倶楽部 | 138.56 | 48.70 | 89.86 |
近畿選手権 | 5 | 吉本玲 | 神戸クラブ | 136.93 | 48.33 | 88.60 |
中部選手権 | 7 | 加藤日向子 | 邦和SC | 135.84 | 50.70 | 85.14 |
中部選手権 | 8 | 森実愛 | 名古屋FSC | 133.54 | 50.35 | 83.19 |
東京選手権 | 2 | 依田茉里紗 | 城西大城西スケート部 | 133.05 | 46.85 | 86.20 |
近畿選手権 | 6 | 本田望結 | 関西大学中・高スケート部 | 132.52 | 43.09 | 89.43 |
東京選手権 | 3 | 穂積乃愛 | 明治神宮外苑FSC | 132.29 | 45.58 | 86.71 |
北海道・東北選手権 | 2 | 鈴木なつ | 仙台FSC | 132.10 | 43.18 | 88.92 |
中部選手権 | 9 | 磯村彩姫 | 中京大中京高校 | 130.94 | 47.28 | 83.66 |
東京選手権 | 4 | 横谷杏林 | 城西大城西スケート部 | 130.14 | 48.31 | 81.83 |
北海道・東北選手権 | 3 | 渡辺倫果 | 青森山田高校 | 129.79 | 49.77 | 80.02 |
北海道・東北選手権 | 4 | 三浦向日葵 | 東北高校 | 129.70 | 45.34 | 84.36 |
近畿選手権 | 7 | 田中梓沙 | 京都醍醐FSC | 129.25 | 54.49 | 74.76 |
近畿選手権 | 8 | 芳岡優釉 | 関西大学KFSC | 128.73 | 50.46 | 78.27 |
近畿選手権 | 9 | 清水咲衣 | 大阪スケート倶楽部 | 128.59 | 51.08 | 77.51 |
中部選手権 | 10 | 柳川加奈 | CRYSTAL F・S・C | 128.51 | 42.62 | 85.89 |
北海道・東北選手権 | 5 | 聖前埜乃華 | 八戸FSC | 126.94 | 43.03 | 83.91 |
北海道・東北選手権 | 6 | 中川涼 | 仙台FSC | 125.41 | 44.25 | 81.16 |
北海道・東北選手権 | 7 | 宮本藍里 | 北海高等学校 | 124.93 | 44.64 | 80.29 |
中四国九州選手権 | 4 | 伊勢野花 | 広島スケートクラブ | 124.28 | 41.79 | 82.49 |
近畿選手権 | 10 | 岩崎陽菜 | なみはやクラブ | 124.25 | 47.78 | 76.47 |
中部選手権 | 11 | 鬼頭まりあ | 愛知みずほ大瑞穂高校 | 124.01 | 47.28 | 76.73 |
東京選手権 | 5 | 岩男藍 | 明治神宮外苑FSC | 122.85 | 47.23 | 75.62 |
中四国九州選手権 | 5 | 江川マリア | パピオフィギュアクラブ | 121.63 | 45.16 | 76.47 |
中四国九州選手権 | 6 | 宇多村彩花 | 岡山国際FSC | 120.87 | 42.24 | 78.63 |
関東選手権 | 2 | 三枝知香子 | アクアリンクちばSC | 120.79 | 44.63 | 76.16 |
中四国九州選手権 | 7 | 村岡那菜 | 就実学園 | 119.91 | 39.73 | 80.18 |
北海道・東北選手権 | 8 | 伊吹有紗 | 札幌アースFC | 117.67 | 44.81 | 72.86 |
北海道・東北選手権 | 9 | 長岡柚奈 | ROYCE'F・S・C | 117.07 | 42.85 | 74.22 |
北海道・東北選手権 | 10 | 柚木心結 | 帯広FSC | 117.00 | 39.99 | 77.01 |
東京選手権 | 6 | 齋川怜子 | 明治神宮外苑FSC | 116.50 | 45.93 | 70.57 |
東京選手権 | 7 | 箱崎聖怜 | 明治神宮外苑FSC | 115.32 | 36.29 | 79.03 |
関東選手権 | 3 | 田邊桜香 | KOSE新横浜プリンスFSC | 114.84 | 38.57 | 76.27 |
東京選手権 | 8 | 馬場はるあ | 駒場学園高校 | 113.01 | 41.68 | 71.33 |
東京選手権 | 9 | 松岡あかり | 新渡戸文化中高SC | 111.21 | 38.86 | 72.35 |
関東選手権 | 4 | 田中陽織 | 山梨学院高校 | 110.48 | 36.76 | 73.72 |
東京選手権 | 10 | 小川日菜子 | 明治神宮外苑FSC | 109.96 | 36.97 | 72.99 |
東京選手権 | 11 | 堀川美咲 | 西武東伏見FSC | 109.95 | 36.65 | 73.30 |
関東選手権 | 5 | 杉本くるみ | 神奈川FSC | 106.43 | 36.18 | 70.25 |
関東選手権 | 6 | 石田真綾 | 埼玉アイスアリーナFC | 105.19 | 38.94 | 66.25 |
関東選手権 | 7 | 増田未夢 | 白鵬女子高校 | 103.51 | 33.60 | 69.91 |
関東選手権 | 8 | 北條楓 | 栃木県スケート連盟 | 99.39 | 36.82 | 62.57 |
関東選手権 | 9 | 吉野汐香 | 神奈川FSC | 98.33 | 36.70 | 61.63 |
地方ブロック予選を通過したのはこの58人です。実際には、荒木菜那選手は、上記に名前がありますが、昨年全日本ジュニア2位のシードで、地方予選へ出場する義務はないので、予選通過という表現には当たらないので、通過、といえるのは57人になります。
最高点は176.82と一人突出した点数を出した河辺愛菜選手。ジュニアグランプリのレークプラシッドで5位に入った中学三年生です。フリー冒頭のトリプルアクセルは決まりませんでしたがショートフリー共に3回転-3回転のコンビネーションをしっかり決めてトップスコアを出しました。
そこから少し離れて150点台が5人います。スコア二番手の吉田陽菜選手は今年ジュニアに上がった中学二年生。彼女もトリプルアクセルの使い手で、今シーズンは国内で三試合すでに出場して1回トリプルアクセルを決めています。
スコア6番手の横井きな結選手もトリプルアクセルを飛びます。彼女の今シーズンのトリプルアクセル成功率は3分の3、100%です。ただ、その他の要素が今一つ伸びないため、トリプルアクセルがあるのにフリーで100点に届かない、といったことになっています。大技があってもそれだけでは高得点は出ない、という構図。吉田選手横井選手、ともに今シーズンはジュニアグランプリへの派遣がなく、やや残念な感じでした。
東日本勢では四番手に吉岡詩果選手が入ってきています。昨シーズンはジュニアグランプリで表彰台にも乗った選手ですが、今シーズンは派遣なし。ジュニアグランプリの派遣選手がだいぶ入れ替わってますね今シーズン。ただ、それで今シーズン結果が全然出せないかというとそうでもなく、こうやって全国の中で上位のスコアは出せているわけで、割と小さな差の中でジュニアグランプリの派遣、未派遣が決まっているような印象です。
ジュニアでは話題になる選手として本田望結選手がいます。近畿選手権6位の132.52で西日本選手権進出。全体21位というスコアは彼女としてはあまり良いものではありません。今シーズン三試合に出て、ベストはショートで54.47はいいとして、フリーは89.43 トータルでは139.18 140点にも満たないスコアしか出せていません。昨シーズンは150点台を何度も出していましたから、それと比べるとだいぶ悪い位置にいます。昨年の全日本ジュニアは12位。上位にはシニアに抜けた選手もいますし、けがで欠場の選手、調子の上がっていない選手もいて、今年はチャンスなのですが、彼女自身の調子も上がっておらず、ちょっと心配です。近畿選手権では3回転のルッツとフリップは一つも決まらず、ループも回転が足りたのは三分の一、ということでジャンプの精度が苦しいなあ、という状態は変わっていません。彼女の近畿選手権の点数は、このままだと西日本選手権を抜けられない、という位置になります。
昨年全日本まで進んだ、全日本ジュニアの上位6人では、優勝した横井ゆは菜選手はシニアに上がりました。5位の青木祐奈選手は残念ながらけがで欠場。3位の川畑和愛選手はシードがあるため地方予選には出場しなかったようです。
心配なのは4位の渡辺倫果選手と6位の長縄和奏選手。長縄選手は139.52と140点にも届かないスコアで全体の15番目。渡辺選手に至っては129.79で26番目です。渡辺選手の位置だと、東日本選手権を通過できない序列になっています。
長縄選手は今シーズンショートのコンビネーションが3S-2Tだったり、フリーで単独の3Tがあったりと、ジャンプ構成が明らかに本調子の時のそれではありません。げんさんサマーカップにも出場していたので、ケガで全然滑れない、というほどのひどい状態ではないのでしょうが、ちょっと心配です。
渡辺選手もフリーで回転不足なく跳べた3回転のジャンプは3Lo一つだけ、という状態になっています。ジャンプは、これくらいの世代の選手が突然飛べなくなってそこから復活できない、というのをよく見るような気がしますが、それに当てはまっていないことを願います。
全日本ジュニアへの出場枠は東日本からは10、西日本からは14です。上記のリストにある選手のほかに、西日本選手権には、中部選手権をジュニアグランプリ免除になっていた浦松千聖選手と松生理乃選手が加わってきます。
地方選手権での東日本勢の10番目の得点は126.94 西日本勢の12番目の得点は139.72でした。
昨シーズンの通過スコアは、東日本が125.34、西日本が136.58 西日本の方が厳しい、というのは昨年も今年も変わらなさそうです。東は130点、西は140点が欲しい、という情勢でしょうか。
最後に、地方選手権でトリプルアクセルに挑んだジュニアを改めて並べてみます
Event | Name | Nation | Elements | BaseValue | GOE | |||
中部選手権 | FS | 吉田陽菜 | 名東FSC | 1 | 3A<< | ! | 3.30 | -1.65 |
中部選手権 | FS | 横井きな結 | 邦和スポーツランド | 1 | 3A | 8.00 | 1.33 | |
近畿選手権 | FS | 河辺愛菜 | 関西大学KFSC | 1 | 3A< | < | 6.40 | -3.20 |
3人いますが、回転が足りたのが一人だけ。その横井きな結選手はしっかり着氷し加点の付くトリプルアクセルでした。