坂本花織 19-20

2000年4月9日生まれ

シニア3シーズン目

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所属:シスメックス 神戸学院大学

スポンサー関連:シスメックス 

マネジメント会社:IMG

シーズン獲得賞金:$11,000

世界ランキング:6位

シーズンランキング:8位

シーズンベストスコア 202.79(位) 四大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 73.25 スケートアメリカ

フリーシーズンベスト 135.16 フランス杯

ショートプログラム楽曲:No Roots

フリープログラム楽曲:映画「The Matrix」より

スピンレベル4率 28/48=58.3% (国際試合:15/24= 62.5%)

ステップレベル4率 9/16=56.3% (国際試合:6/8=75.0%)

スピンオールレベル4 1/8 (国際試合0/4)

スピンステップオールレベル4  0/8

ジャンプ要素回転不足率 16/80=20.0% (国際試合:5/40=12.5%)

ジャンプ回転不足なし 1/8(国際試合1/4)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/8

 

 ●坂本花織選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
DL げんさんサマーカップ 2 187.53 58.62 27.18 32.44 128.91 65.15 63.76
CS Nepela Memorial 2 194.42 59.97 29.77 31.20 134.45 67.41 67.04
GP Skate America 4 202.47 73.25 38.97 34.28 129.22 61.86 67.36
GP Internationaux de France 4 199.24 64.08 31.88 33.20 135.16 66.76 68.40
NC 全日本選手権 6 188.26 69.95 35.03 34.92 118.31 50.73 68.58
CC 日本学生氷上選手権 2 186.47 70.63 38.15 32.48 115.84 53.84 66.00
NG 国民体育大会 1 225.95 77.50 41.58 35.92 148.45 76.93 72.52
4CC Four Continents 5 202.79 73.07 37.63 35.44 129.72 61.73 68.99

今シーズンは、というべきか、今シーズンも、というべきか、坂本選手は国内の試合にも多数出ていまして、上記リストには合計8試合あります。国内は、さらに小さい試合に出ていたりするかもしれませんが、はっきり目についたものだけ載せています。

国内のさらにローカル大会、げんさんサマーカップでシーズンスタート。ショートで50点台? フリーで120点台? というかなり心配な出だし。国際大会はオンドレイネペラ杯で190点台と、昨シーズン220点台までもっていったのと比べると、あれれ? という序盤でした。

その心配な流れがグランプリシリーズでも変わらず。シニアデビュー年に、人生変わるきっかけともなった験のいいスケートアメリカで200点には乗せたものの、台には乗れない4位。ショートで73点台なので、やるときはやるんだやっぱりと思ったのですが、フリーで130点にとどかずで、あれれ? なまま。フランス杯でも200点に届かず、シニアデビュー後初めてグランプリシリーズで表彰台に乗れないシーズンとなりました。

その流れのまま全日本でも190点に届かず、はっきり書くと惨敗。6位だけどなんとか四大陸の代表には選んでもらいました。国内2試合で、国体ではスーパースコアもらいましたが、四大陸でもフリーが伸びずの5位。

実はエントリーしていたクープドプランタンもなくなり、シーズンを終えました。

 

 ●坂本花織選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
DL げんさんサマーカップ 2 187.53 92.33 96.20 56.80 21.42 14.11
CS Nepela Memorial 2 194.42 97.18 98.24 63.52 21.18 12.48
GP Skate America 4 202.47 100.83 101.64 64.33 21.29 15.21
GP Internationaux de France 4 199.24 98.64 101.60 62.26 21.72 14.66
NC 全日本選手権 6 188.26 85.76 103.50 52.06 19.21 14.49
CC 日本学生氷上選手権 2 186.47 91.99 98.48 56.54 22.48 12.97
NG 国民体育大会 1 225.95 118.51 108.44 77.76 26.17 14.58
4CC Four Continents 5 202.79 99.36 104.43 59.47 24.34 15.55

今シーズン8試合出て200点超えは3試合ありますが、国体は何というか、ちょっと横に置きたくて、国際試合と全日本を見ると、2試合しか200点に届かない、という形でした。

こうしてみると、TESよりPCSの方が国体以外の7試合で高くなっています。ただ、PCSもそれほど高いものでもなく、一番高くて四大陸の104.43 つまり105点まで届いていません。グランプリシリーズでは101点台。100点台後半まで出してくる紀平選手、宮原選手、あるいはロシアのPCS系強い選手との差がはっきりあります。

スピンも21点台というのは上位で戦う選手の中ではだいぶ低いな、という数字です。24.34の四大陸で、やっと日本のトップと肩を並べます。

ステップ系要素は15点台に乗ると世界の上位に来ます。四大陸の15.55より高いスコアを今シーズン出したのは、宮原選手の二回とメドベージェワ選手、2人で延べ3回のみでした。ここはエテリ組に勝った要素です。

 

 ●坂本花織選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
げんさんサマーカップ 2 58.00 52.21 59.19 53.18 63.85 61.16
Nepela Memorial 2 59.87 56.11 61.49 52.39 56.48 62.50
Skate America 4 62.06 54.37 67.17 52.75 68.82 64.73
Internationaux de France 4 61.18 56.87 57.41 54.18 66.34 64.71
全日本選手権 6 58.20 52.59 49.93 45.86 65.57 65.95
日本学生氷上選手権 2 57.71 55.18 51.49 56.70 58.70 62.66
国民体育大会 1 68.44 60.55 75.70 68.93 65.98 69.20
Four Continents 5 62.15 57.54 50.89 62.86 70.36 66.56

偏差値で並べるとこうなります。国体のJump GOEは偏差値75越えですが、まあまあまあまあ・・・、そういうこともある、というくらいで。四大陸のステップ系要素が偏差値70越え。ステップは世界のトップクラスです。

ジャンプの基礎点が、偏差値50台にとどまっているのが痛いでしょうか。全日本ではジャンプのGOEやスピンが偏差値40台。どうなっちゃってるんでしょうね。スピンは、ちゃんとやればそんなにぶれない要素だと思うのですが・・・。国体はちょっと置くとして、四大陸では偏差値60台はちゃんとあります。ジャンプは水物としてちょっと置くにしても、スピンステップは四大陸くらいのものはいつでも平均的にできると思うのですけどね。

スケートアメリカではジャンプのGOEがしっかり稼げていました。2回転になったジャンプが二つあったので、基礎点は取れてないのですが、基礎点がちゃんと取れた上で、スケートアメリカくらいにジャンプのGOEが取れて、スピンステップが四大陸並み、というのが本来の坂本選手の姿なのかな、と思います。

 

 

坂本花織のスケート偏差値

レーダーチャートで表すとこんな形に。国際大会と全日本のみにしています。国体入るとおかしなチャートになるし・・・。

全日本が・・・、ですね。ジャンプの回転不足が5つとダウングレード1つではこうなるのもわかりますが、スピンでレベル4が一つだけ。3が3つにあとは3Vと2Vというのは、厳しいですね。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 3F+3T   9.50   1.68 11.18 3.125
Four Continents 2 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
Four Continents 3 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
Four Continents 4 CCoSp4   3.50   0.88 4.38 2.625
Four Continents 5 3Lo   5.39 x -0.74 4.65 -1.375
Four Continents 6 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.125
Four Continents 7 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.125
Four Continents   TES   31.49   6.14 37.63  

ショートプログラムの基礎点最高は31.49でした。スピンステップレベル4ではあるのですが、ルッツなし構成。コンビネーションを後半に持ってくればもう少し上がるのですが、単独ループでここにいるとこういう基礎点になります。ショートのルッツなしは全試合共通でした。構成全体でも、やりたいことは上記の構成で共通です。コンビネーションが一つ目に入らないと、3Lo-2Tになる、というリカバリーになって、基礎点がさらに下がるという形でした。

 

 ●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -5.000
Four Continents 2 3F   5.30   -1.41 3.89 -2.625
Four Continents 3 3Lz! ! 5.90   0.39 6.29 0.500
Four Continents 4 3S+3T   8.50   0.93 9.43 2.125
Four Continents 5 StSq4   3.90   1.11 5.01 3.000
Four Continents 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Four Continents 7 3Lo+2T   6.82 x 1.23 8.05 2.500
Four Continents 8 2A+1T+2T   5.50 x 0.17 5.67 0.625
Four Continents 9 FSSp3   2.60   0.65 3.25 2.500
Four Continents 10 ChSq1   3.00   2.08 5.08 4.125
Four Continents 11 3Lo   5.39 x -1.47 3.92 -3.000
Four Continents 12 FCCoSp4   3.50   0.99 4.49 2.750
Four Continents   TES   58.11   3.62 61.73  

フリーの基礎点最高は四大陸選手権の58.11でした。トップ選手としては60に乗る基礎点がない、というのはだいぶ低い印象です。一応国体では62.09というのがありましたが、実はそれでもそれほど高くないです。

四大陸の構成は四回転トーループチャレンジがあるのですが、これがダウングレードで3回転扱いになっています。ただ、エレメントとしては3回転カウントされないので3Tはもう一回使えて、3連続の二つ目で入れる予定だったはずです。それが入っていればもう4.22プラスされ62.33が基礎点でした。紀平梨花選手のシーズン最高構成で71.15でしたので、まだ8.82ポイント差あります。スピンのレベル3があるので、ちゃんとレベル4取れたとして+0.40なので62.73です。

さて、では、四回転が決まったら? 基礎点はさらに5.30上がりますので、68.03になります。これでもまだ紀平選手に届かない。その差が3.12ある。つまり、四回転トーループ1本では、トリプルアクセル2本と比べて、まだはっきり落ちる、ということが見えます。

四回転2本入れば、フリーの基礎点は追いつけますが、ショートの差分がまだあって、トータルするとまだ負けています。一種類だけなら四回転を習得するよりトリプルアクセルを習得する方が、得点としては得である、ということが言えます。

 

●平均GOE+3.200以上(国際大会+全日本)

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents SP 7 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.125
Four Continents FS 10 ChSq1   3.00   2.08 5.08 4.125
Skate America FS 10 ChSq1   3.00   2.07 5.07 4.111
Internationaux de France FS 10 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.667
全日本選手権 FS 1 2A   3.30   1.32 4.62 3.667
Internationaux de France FS 8 2A+3T+2T   9.68 x 1.44 11.12 3.556
Skate America SP 5 3Lo   5.39 x 1.68 7.07 3.444
Internationaux de France FS 12 FCCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
全日本選手権 SP 7 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.444
Skate America SP 7 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.333
Internationaux de France FS 1 2A   3.30   1.08 4.38 3.333
Internationaux de France FS 2 3F+3T   9.50   1.74 11.24 3.333
全日本選手権 SP 5 3Lo   5.39 X 1.75 7.14 3.333
Nepela Memorial FS 1 2A   3.30   1.12 4.42 3.286
Skate America FS 1 2A   3.30   1.08 4.38 3.222
Internationaux de France SP 1 3F+3T   9.50   1.74 11.24 3.222

坂本選手は国内の小さな試合の出場も多いのですが、要素別でみるときにそれを足すとわけのわからないことになるので、以下は、国際大会と全日本までの5試合分で見ます。ちなみに、国体でのGOEはものすごい値がたくさんついていまして、3連続ジャンプで平均GOEが4.600なんてのもありました。(だからこそ外す)

 

平均GOE4.0超えはステップとコレオ二つです。やはりステップ系要素の評価が高くなっています。四大陸選手権のステップシークエンス平均GOE4.125は、今シーズンの全選手のステップ要素の中で、ロステレコム杯のメドベージェワ選手に次いで2番目の高評価です。

また、コレオシークエンスは四大陸選手権の+4.125が全体でトップ、スケートアメリカの4.111が全体2位です。全体の1,2が坂本花織選手です。そこだけ取れば今シーズンのマトリックスは素晴らしいプログラムだったんですけどね。

 

平均GOEの高い要素を並べると、他の選手はスピンがかなり上位に来ることが多いのですが、坂本選手はスピンがほとんどなく、ステップ、コレオの次にはジャンプ系要素が来ます。

単独トリプルループは昨シーズンに全選手中トップの高評価がありました。今シーズンは、ジュニアのショートプログラムの必須要素がループだったこともあり、ジュニア勢に高評価が並んでいますが、シニアでは坂本選手のスケートアメリカ+3.444というのが紀平選手、コストルナヤ選手、メドベージェワ選手といったあたりと並んでトップでした。

 

●三回転-三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial FS 2 3F+3T   9.50   1.17 10.67 2.143
Skate America SP 1 3F+3T   9.50   1.59 11.09 2.889
Internationaux de France SP 1 3F+3T   9.50   1.74 11.24 3.222
Internationaux de France FS 2 3F+3T   9.50   1.74 11.24 3.333
Four Continents SP 1 3F+3T   9.50   1.68 11.18 3.125
Four Continents FS 4 3S+3T   8.50   0.93 9.43 2.125
全日本選手権 SP 1 3F+3T< 8.66   0.23 8.89 0.222
全日本選手権 FS 7 3Lo+3T< 9.09 X -1.61 7.48 -2.778

三回転三回転は、基本的にはフリップトーループが選ばれています。全日本はリカバリーの形になって無理しての後半ループトーでしたが決まらず。四大陸もリカバリーでサルコウ-トーループになりました。

フリップトーで平均GOE+3超えが3回。結構確率高く決めているジャンプの印象ですが、実際にはそうでもなく、うまくコンビネーションを付けられずに要素として別の者扱いになっている、ということが結構あります。なので、決まれば高評価だけど、確率はそれほど高くない、というのがたぶん実情です。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Skate America FS 8 2A+3T+2T   9.68 x 0.78 10.46 1.889
Internationaux de France FS 8 2A+3T+2T   9.68 x 1.44 11.12 3.556
Four Continents FS 8 2A+1T+2T   5.50 x 0.17 5.67 0.625

三連続ジャンプは2A-3T-2Tが基本構成。これのGOEがどうこうというより、国際大会4試合と全日本の五試合から要素を拾っているのに、載っているのが3つしかない、というのがまず見るべきところです。ようは、プログラムに3連続を入れることが出来ていないことが多い。コンビネーションジャンプは3回あるのですが、その3つ目を3連続にしている関係で、3連続の3つ目がうまく跳べそうになくて2つでやめて回避、としたときに、リカバリーが効かないという構図がどうもあるようです。この辺もちょっともったいないところかなと思います。

 

一方、フリーの三連続ジャンプは案外成功率高くなっています。ジャパンオープン含め8回飛んで7回が加点です。

ただ、オータムクラシックを除くと、シーズン序盤はダブルアクセル起点で2回転3連続なので難易度は低いです。圧巻なのは4大陸での3-3-2でGOE+3を取ったところでしょうか。

紀平選手の3連続がどういう種類になるのかは、4回転の投入やルッツの投入の有無により大きく変わってきます。四回転サルコウありのトリプルアクセルトリプルルッツ2本構成で行くと、トリプルサルコウが余るので3連続の三本目に入れる、となって高難度3連続になってくる可能性が高くなります。その高難度3連続をきっちり跳べるか? というのも、4回転を入れた時の一つのポイントになってくるかもしれません。

 

●三回転以上の単独ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial SP 1 3F< 4.24   -2.12 2.12 -5.000
Nepela Memorial FS 3 3Lz   5.90   0.94 6.84 1.571
Nepela Memorial FS 4 3S   4.30   0.09 4.39 0.286
Nepela Memorial FS 11 3Lo   5.39 x 1.57 6.96 3.143
Skate America SP 5 3Lo   5.39 x 1.68 7.07 3.444
Skate America FS 3 3Lze e 4.72   -0.74 3.98 -1.667
Skate America FS 11 3Lo   5.39 x 1.47 6.86 2.889
Internationaux de France SP 5 3Lo   5.39 x -0.56 4.83 -1.000
Internationaux de France FS 3 3Lze e 4.72   -0.67 4.05 -1.333
Internationaux de France FS 4 3S< 3.44   0.10 3.54 0.222
Internationaux de France FS 11 3Lo< 4.31 x 0.22 4.53 0.556
Four Continents SP 5 3Lo   5.39 x -0.74 4.65 -1.375
Four Continents FS 1 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -5.000
Four Continents FS 2 3F   5.30   -1.41 3.89 -2.625
Four Continents FS 3 3Lz! ! 5.90   0.39 6.29 0.500
Four Continents FS 11 3Lo   5.39 x -1.47 3.92 -3.000
全日本選手権 SP 5 3Lo   5.39 X 1.75 7.14 3.333
全日本選手権 FS 2 3F< 4.24   -0.12 4.12 -0.222
全日本選手権 FS 3 3Lze e 4.72   -0.81 3.91 -1.333
全日本選手権 FS 4 3S< 3.44   0.20 3.64 0.667

坂本選手はショートプログラムにルッツがありません。理由がこの表に表れています。フリーでルッツを入れても高確率でeがつく。ルッツで一番いい点だったのはネペラメモリアルの6.84であるのに対し、ループでは1.1倍ボーナス時ではありますが7点越えが複数回あります。

そのルッツを含め、単独ジャンプでの回転不足、GOEマイナスが目立ちます。シーズン通じてジャンプが不安定だったな、というのがこの辺に表れているように見えます。

 

●ステップとコレオ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial SP 7 StSq3   3.30   0.59 3.89 1.857
Nepela Memorial FS 5 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
Nepela Memorial FS 10 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.429
Skate America SP 7 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.333
Skate America FS 5 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.778
Skate America FS 10 ChSq1   3.00   2.07 5.07 4.111
Internationaux de France SP 7 StSq4   3.90   1.11 5.01 3.000
Internationaux de France FS 5 StSq4   3.90   0.89 4.79 2.222
Internationaux de France FS 10 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.667
Four Continents SP 7 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.125
Four Continents FS 5 StSq4   3.90   1.11 5.01 3.000
Four Continents FS 10 ChSq1   3.00   2.08 5.08 4.125
全日本選手権 SP 7 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.444
全日本選手権 FS 5 StSq3   3.30   1.08 4.38 3.000
全日本選手権 FS 10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.000

これは圧巻、というステップとコレオ。ステップはレベル3もいくつかありますが、チャレンジャーシリーズでレベル3なのはまあ、調整試合ですし、ということでいいんでしょう。グランプリシリーズに四大陸選手権ではすべてレベル4 高GOEのところで上げたように、コレオシークエンスは今シーズンの全選手中のトップ。世界最高のコレオでした。

 

 

今シーズンはショートもフリーも印象的なプログラム。ショートのNoRootsは、スケートアメリカ、あるいは四大陸選手権でいい演技があったのですが、フリーは満足な結果は出せず。見た目印象、滑り終わったときの本人感想としてはフランス杯はすごくよかったんですけどね。回転不足が目立ったこともあって得点は印象ほどは伸びず。

いそうでいなかったマトリックスのトリニティ。あの、始めから終わりまで途切れることのない疾走感。得意のループジャンプなんかは完全に振付の一種のようにプログラムの中に入り込んでいて、つなぎと言えるような部分もない。個人の感想としては、今シーズン屈指の印象に残るプログラムだったと思うので、できれば得点も兼ね揃えてほしかったのですが残念でした。

 

 

今シーズンは、初めて、受けに回ったシーズンだったのかな、と思いました。シニアに上がって最初のシーズンは、アウトサイダーの立場からオリンピックを狙うという立ち位置。攻める以外手立てはなくて、守る、なんてことは考えようもありませんでした。

昨シーズンも、まだ、世界選手権には出たことないし、全日本も勝ったことないしで、まだまだがつがつ行くという立場にありました。

今シーズンは、全日本チャンピオンとして臨むシーズン。世界選手権も経験して、日本では三強の一人。ロシアですごいのが三人シニアに上がってくる、というところでそれを迎え撃つという立場でした。迎え撃つ、な時点で立ち位置は守り側。攻める気持ちが失われたとか、そんな次元の話でもなく、立ち位置的にタイミング的に仕方なかったのだろうと思います。

同じ中野門下生の三原舞依選手がシーズン欠場。これも少し心理的に何か影響していた部分はあったでしょうか。

さらには大学進学で生活も変わった。

なかなか大変なシーズンだったのだろうと思います。

 

トリプルアクセル、来年飛ばせる、と昨シーズンの全日本の後に中野先生が言っていたのに、なかなか跳びにいかないなあ、と思っていたらまさかの四回転トーループ。個人的な意見としては、上記のように、一本だけ覚えるならトリプルアクセルの方がお得だと思っているのですが、その辺は、選手それぞれのアプローチがあってよいかと思います。日本にはトリプルアクセルを飛ばせるノウハウはたまっていると思うのですが、四回転を飛ばせるノウハウはまだいまいちないので、苦労はすると思うのですけどね。試すなら次の冬まで。次の春に飛べてなければ、世界選手権は枠取り大会なのでちょっと試せない。この時期に練習できないのはつらいですが、なんとか入れていけたら。

 

まあ、あの、コレオとステップがあれば、他はもうどうでもいい、と思ったりする部分もあったりしますけれど。