樋口新葉 19-20

2001年1月2日生まれ

シニア4シーズン目

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所属:明治大学 ノエビア

スポンサー関連:ノエビア プリンスホテル PUMA

シーズン獲得賞金:$7,000

世界ランキング:8位

シーズンランキング:9位

シーズンベストスコア 207.46(17位) 四大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 72.95 四大陸選手権

フリーシーズンベスト 134.51 四大陸選手権

ショートプログラム楽曲: Bird Set Free

フリープログラム楽曲: Poeta

スピンレベル4率 23/39=59.0%(国際試合17/24=70.8%)

ステップレベル4率 7/13=53.8%(国際試合4/8=50.0%)

スピンオールレベル4 1/6(国際試合1/4)

スピンステップオールレベル4 0/6

ジャンプ回転不足率  10/63=15.9%(国際試合5/40=12.5%)

ジャンプ回転不足なし試合 1/6

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/6

 

 ●樋口新葉選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
DL げんさんサマーカップ   48.92 48.92 20.48 28.44      
CS Lombardia Trophy 8 164.37 52.33 23.81 29.52 112.04 53.84 59.20
GP Skate America 6 181.32 71.76 38.67 33.09 109.56 50.78 59.78
GP Internationaux de France 6 174.12 64.78 31.83 32.95 109.34 47.59 62.75
NC 全日本選手権 2 206.61 68.10 34.30 33.80 138.51 71.35 67.16
CC 日本学生氷上選手権 5 170.10 62.15 32.03 30.12 107.95 48.60 59.35
4CC Four Continents 4 207.46 72.95 38.82 34.13 134.51 68.43 67.08

樋口新葉選手は今シーズン7試合出場しました。シーズン初め、8月の国内ローカル試合ではショートのみ出てフリーは欠場。かなり心配な幕開けでしたが、チャレンジャーシリーズに入っても復調せず160点台という低調なスコアで終わります。

シーズンが本格化してのグランプリ2戦も6位が2回。スケートアメリカはショートで71点台を出したので、まあまあ戻ってきたのかなとも思いましたが、フリーはまさかの110点にも届かないスコアに終わりました。フランス杯もしっくりいかず6位。

そんな感じだったので、全日本前に好調を伝えられていましたが、どうかなあ流れ的に、三強に割って入ってチャンピオンシップに出るには厳しいのだけど、と怪しんでいましたが結果は見事に2位。2シーズンぶりに200点台復帰。現行ルールのベストスコア、ただし国際大会ではないですけれど。

ただ、そのあと、学生選手権で170点の5位に終わったりして、やっぱり安定しないなあ、四大陸、世界選手権、大丈夫かなあ、と心配させられる出来。

そんなこんな紆余曲折を経ましたが、四大陸選手権はショートフリーともパーソナルベストを出して4位に入り、久しぶりに国際大会で好結果を上げました。フリー冒頭のトリプルアクセルも、転倒はしましたが回転は足りていてトリプルアクセル認定。次は成功させそうなので世界選手権楽しみ、と思っていたら、中止になり、シーズン終了となりました。

 

樋口新葉選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
DL げんさんサマーカップ   48.92 20.48 28.44 5.17 10.24 5.07
CS Lombardia Trophy 8 164.37 77.65 88.72 43.68 22.08 11.89
GP Skate America 6 181.32 89.45 92.87 55.51 21.16 12.78
GP Internationaux de France 6 174.12 79.42 95.70 46.05 22.38 10.99
NC 全日本選手権 2 206.61 105.65 100.96 70.10 20.78 14.77
CC 日本学生氷上選手権 5 170.10 80.63 89.47 50.03 19.65 10.95
4CC Four Continents 4 207.46 107.25 101.21 70.19 23.47 13.59

要素別のスコアを見ると、意外とTESよりPCSの方が高いことが多いんだな、というのが見えます。TESの方が高かったのは四大陸選手権と全日本。ようは、いい成績を上げるにはしっかりしたTESが必要、という当たり前な話な部分はありますけれど。

 

 

PCSは一番いい四大陸選手権では100点に乗りましたが、グランプリシリーズは90点台です。全日本も100点に乗せていますが、このスコアだとPCSだけで見ると4番目でした。上位はPCSで105点を超えるところまで出してくるので、その辺と比べるとまだちょっと弱い、という現実はあります

スピンは20点台前半で22点前後が標準。あまり高い点数とは言えません。全日本は厳しくて20.78 このスコアだと全日本の中で16番目。一番いいのは四大陸の23.47ですが、これは四大陸の中で7番目。どちらかというとスピンは苦手カテゴリーに分類されそうです。

ステップも評価がばらついていますが、一番いいのは全日本の14.77 これはこの試合の全選手中トップでした。ステップ系要素は宮原選手坂本選手あたりは世界のほぼ頂点にいるのですが、同じ試合の同じジャッジでその上に行ったのは素晴らしいことです。ただ、国際試合でのベストは四大陸の13.59でした。これはこの試合の中で4番目。ステップに定評のある坂本選手や、紀平選手、テネル選手が15点台なのと比べると差があります。国際舞台ではここ2年いい成績を上げられていないこともあってか、ステップ系要素でもあまり評価してもらえていないようでした。

 

樋口新葉選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Lombardia Trophy 8 51.70 47.56 47.47 55.37 53.82 56.26
Skate America 6 56.31 51.55 58.54 52.32 57.84 58.98
Internationaux de France 6 54.35 48.34 49.73 56.36 49.75 60.84
全日本選手権 2 63.18 61.19 60.68 51.06 66.84 64.29
日本学生氷上選手権 5 53.26 50.39 51.72 47.32 49.57 56.75
Four Continents 4 63.42 63.02 56.38 59.98 61.50 64.45

要素別の偏差値を見ます。200点台後半というトータルスコアは偏差値にして60台前半になります。それと比べるとスピンはいい時でも50台にとどまっていますし、相対的に苦手なんだなというのが数値上も現れています。

ステップはいい時と悪い時の差が激しい。四大陸で高評価を得たので、来シーズンもしっかり活躍できれば、国際舞台での評価も高まっていくのではないでしょうか。ステップ系要素はPCSと並んで、継続的にいい印象を与えると点が上がっていく、という傾向がありそうですので。

ジャンプは、トリプルアクセルを後世に入れた四大陸で、基礎点段階の偏差値が63まであがりました。回転不足や抜けが多かったグランプリシリーズですと偏差値50前後なので、全体の中の普通、という位置になってしまっています。ジャンプのGOEはどの選手にとっても試合ごとにばらつきが出る要素ですが、全日本以外では偏差値60まで届いていない現実があります

 

 

樋口新葉スケート偏差値

レーダーチャートだとこうなります。なんだか、はっきりした傾向が見られないですね。全日本と四大陸がいい結果だった試合なのですが、形が全然違います。ステップやスピンでここまで試合ごとの差が出る選手も珍しいです。ジャンプで差が出るのは多くあることですが。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 2A   3.30   0.94 4.24 2.750
Four Continents 2 FCSp4   3.20   0.59 3.79 1.625
Four Continents 3 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.250
Four Continents 4 CCoSp4   3.50   0.88 4.38 2.500
Four Continents 5 3F! ! 5.83 x 0.53 6.36 1.000
Four Continents 6 LSp4   2.70   0.54 3.24 2.000
Four Continents 7 StSq4   3.90   1.43 5.33 3.500
Four Continents   TES   32.53   6.29 38.82  

ショートプログラムの最高基礎点は32.53でした。トリプルアクセル無し構成の最高値はトゥルソワ選手シェルバコワ選手の33.78なので、そことは少し差がありますが、この先代表権争いをしていくことになる宮原選手坂本選手あたりよりは高い基礎点になっています。ジャンプの組み合わせとしてはルッツループを持ってこないとこれより上にはダブルアクセル組は行けません。また、コンビネーション後半にするともう一段階基礎点は上がりますが、いじれるところはそれくらいです。それよりも樋口選手の場合は、トリプルアクセル投入の方が早そうで、それが実現してダブルアクセルに単純に置き換えられれば37.23まで一気に基礎点が跳ね上がります。その上はもう、コストルナヤ選手紀平梨花選手の、コンビネーション1.1倍化による基礎点37.65しかなくなります。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 3A   8.00   -4.00 4.00 -4.875
Four Continents 2 3Lz+3T   10.10   1.48 11.58 2.500
Four Continents 3 2S   1.30   0.09 1.39 0.625
Four Continents 4 CCoSp4   3.50   0.58 4.08 1.750
Four Continents 5 3Lo   4.90   1.47 6.37 2.875
Four Continents 6 ChSq1   3.00   0.75 3.75 1.500
Four Continents 7 2A+3T   8.25 x -0.28 7.97 -0.625
Four Continents 8 3F!+2T+2Lo ! 9.13 x 0.00 9.13 0.125
Four Continents 9 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.000
Four Continents 10 FCSp4   3.20   0.64 3.84 1.875
Four Continents 11 StSq3   3.30   1.21 4.51 3.625
Four Continents 12 FCCoSp4   3.50   0.64 4.14 1.750
Four Continents   TES   64.67   3.76 68.43  

フリーの基礎点最高は四大陸選手権の64.67でした。トリプルアクセル無し勢からすると極めて高いスコアですが、トリプルアクセル投入組としては低いスコア、という位置です。

トリプルアクセルは回転認定されたので、基礎点は満額の8.00もらえています。問題は、サルコウが2回転になっていること。ここがきちんと3回転になっていれば、基礎点は3.00あがります。後はステップレベル4ならもう+0.60  そこまでそろった段階で基礎点は68.27 コストルナヤ選手のシーズン最高構成が70.15ですので、それに比較的近いところまで達します。四回転組はまだ遠いですが、トリプルアクセル入れてのノーミスなら、計算上は上位と勝負可能なところまで達します。トリプルアクセル2本に出来ればさらに伸びる。

 

●平均GOE+2.800以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents FS 11 StSq3   3.30   1.21 4.51 3.625
全日本選手権 FS 11 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.556
Four Continents SP 7 StSq4   3.90   1.43 5.33 3.500
Skate America SP 1 2A   3.30   1.13 4.43 3.444
Lombardia Trophy SP 7 StSq4   3.90   1.33 5.23 3.286
Skate America FS 1 2A   3.30   1.08 4.38 3.222
全日本選手権 SP 7 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.111
Skate America SP 7 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Internationaux de France FS 11 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
げんさんサマーカップ SP 7 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
全日本選手権 SP 1 2A   3.30   1.08 4.38 3.000
Skate America SP 5 3F   5.83 x 1.59 7.42 2.889
Internationaux de France FS 1 2A   3.30   0.94 4.24 2.889
Four Continents FS 5 3Lo   4.90   1.47 6.37 2.875
日本学生氷上選手権 FS 11 StSq2   2.60   0.78 3.38 2.800

樋口選手の中で高評価だった要素を拾い上げるとこうなっています。基準は平均GOE+2.800  上位選手だと基準を3.500それでだめでも3.200くらいにして拾うとかなりの数が出てくるのですが、樋口選手の場合は2.800としました。このあたりに上位との差が見えてしまいます。基礎点上は完成まじかのトリプルアクセルが装備された時点で勝負できそうなのですが、加点の弱さ、というのが弱点になってきています。

 

評価が高いのは二つ。ステップとダブルアクセルです。不思議なもので、ステップはたくさん並ぶのに、コレオシークエンスは一つもいません。

ダブルアクセルが高評価として入って来るというのは、ダブルアクセルが得意で、トリプルアクセルに挑戦しやすい、ということの表れな部分はあるでしょうか。あるいは、ショートでもフリーでも冒頭、体力的に一番余裕のあるところでのジャンプであるから、という理由もいくらかはあるでしょうか。

人によっては三回転のジャンプ、それもルッツあたりよりもダブルアクセルが苦手、なんて選手もいますので、そういった選手と比べると、トリプルアクセルに挑みやすい素地はあったようです。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents FS 1 3A   8.00   -4.00 4.00 -4.875

トリプルアクセル挑戦は結局、四大陸の1度だけでした。結果は転倒。ただし回転は十分に足りていました。六分間練習では複数回成功していましたし、あとは試合で飛んでいればやがて成功する、という段階かと思います。世界選手権があれば成功したんじゃないかな、と思うのですが残念ながら中止。その後、リンクも閉鎖され練習もできないようで、練習不足によりまたトリプルアクセルを一から作り直し、なんてことにならなければよいのですが。

 

●3連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 9 3Lz+1Eu+2S   8.47 x 0.47 8.94 0.714
Skate America FS 8 3F!+2T+2Lo ! 9.13 x 0.00 9.13 0.111
Four Continents FS 8 3F!+2T+2Lo ! 9.13 x 0.00 9.13 0.125
全日本選手権 FS 9 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 1.01 10.80 1.444
日本学生氷上選手権 FS 8 3F!+2T+2Lo ! 9.13 X -0.18 8.95 0.000

3連続ジャンプはフリップからが基本で、それが入らないとその次のルッツでリカバリーを試みる、というコースなようです。

高いGOEは得られていませんが、転倒したり回転不足になったりという大きな減点にもなっていません。フリップの!はついてしまっていますが・・。

フランス杯ではリカバリーのところも2連続で終わったため、3連続ジャンプが入りませんでした。

 

●セカンド三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 2 3Lz+3T< 9.26   -0.24 9.02 -0.571
Skate America SP 3 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
Internationaux de France SP 3 3Lz+3T< 9.26   -0.08 9.18 -0.222
Internationaux de France FS 7 2A+3T< 7.33 x -1.10 6.23 -3.222
Four Continents SP 3 3Lz+3T   10.10   1.38 11.48 2.250
Four Continents FS 2 3Lz+3T   10.10   1.48 11.58 2.500
Four Continents FS 7 2A+3T   8.25 x -0.28 7.97 -0.625
全日本選手権 SP 3 3Lz+3T< 9.26   -1.69 7.57 -2.556
全日本選手権 FS 2 3Lz+3T   10.10   1.60 11.70 2.444
全日本選手権 FS 7 2A+3T   8.25 X 1.14 9.39 2.444
日本学生氷上選手権 SP 3 3Lz+3T< 9.26   -0.79 8.47 -1.400
日本学生氷上選手権 FS 2 3Lz+3T< 9.26   -0.59 8.67 -1.200
日本学生氷上選手権 FS 7 2A+3T   8.25 X 0.56 8.81 1.200

セカンド三回転は二種類。3Lz-3Tというハイグレードと、2A-3Tというローグレードです。

13回飛んで、後ろの3Tの回転不足が6回。特に3Lz-3Tのハイグレードの方は9回飛んで5回回転不足、実際には要素として3回転-3回転に出来なかった、というものがさらにいることを考えると、成功率は低めです。

そんな中で3-3のコンビネーションが3分の3回転足りさせた四大陸がパーソナルベスト。コンビネーションジャンプの出来、というのは全体の出来に直結するように見えます。

 

●単独二回転以下

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 3 2Lz* * 0.00   0.00 0.00  
Lombardia Trophy FS 8 2F   1.98 x 0.11 2.09 0.571
Skate America FS 5 2Lo<< <<  0.50   -0.25 0.25 -4.889
Skate America FS 7 1A   1.21 x 0.02 1.23 0.111
Internationaux de France FS 5 2Lo   1.70   0.15 1.85 0.778
Internationaux de France FS 8 1F! ! 0.55 x -0.10 0.45 -2.000
Four Continents FS 3 2S   1.30   0.09 1.39 0.625
げんさんサマーカップ SP 3 2Lz<<* * 0.00   0.00 0.00  
日本学生氷上選手権 FS 3 2S<< <<  0.40   -0.20 0.20 -5.000
日本学生氷上選手権 FS 5 1Lo   0.50   -0.20 0.30 -4.000
日本学生氷上選手権 FS 9 1Lz   0.66 X -0.18 0.48 -3.000

樋口選手には、単独ジャンプの2回転以下の要素、というのが結構あります。全日本でこそそれがなかったのですが、グランプリ2試合でもありましたし、四大陸でもフリーでサルコウが2回転になりました。

回転不足は遠目には分かりにくくて、最後に採点の段階で印象より点が低い、ということになるのですが、ジャンプが抜けて2回転以下になると、もうその時点で見ただけで点が下げられるのがわかります。そして、回転不足は基礎点の0.8倍ですが、抜けで2回転あるいは1回転になると、基礎点段階で半分以下、ひどいと2割くらいになってしまうので、ダメージは著しく大きいです。一回転になってしまう場合は、回転十分の転倒よりむしろ痛い、ということも起きます。これが毎試合出てしまう、というのが樋口選手の大きな弱点になっているという現状がありそうです。

 

●フリップジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 8 2F   1.98 x 0.11 2.09 0.571
Skate America SP 5 3F   5.83 x 1.59 7.42 2.889
Skate America FS 8 3F!+2T+2Lo ! 9.13 x 0.00 9.13 0.111
Internationaux de France SP 5 3Fe e 4.66 x -0.73 3.93 -1.778
Internationaux de France FS 8 1F! ! 0.55 x -0.10 0.45 -2.000
Four Continents SP 5 3F! ! 5.83 x 0.53 6.36 1.000
Four Continents FS 8 3F!+2T+2Lo ! 9.13 x 0.00 9.13 0.125
げんさんサマーカップ SP 5 3F<<!+COMBO ! 1.98 X -0.90 1.08 -5.000
全日本選手権 SP 5 3F! ! 5.83 X 0.30 6.13 0.556
全日本選手権 FS 8 3F! ! 5.83 X -1.74 4.09 -2.556
日本学生氷上選手権 SP 5 3F! ! 5.83 X 0.18 6.01 0.200
日本学生氷上選手権 FS 8 3F!+2T+2Lo ! 9.13 X -0.18 8.95 0.000

もう一つ、わかりやすい課題としてフリップジャンプがあります。12回飛んで!が9回、eが1回です。フリップのエッジがしっかり決まらない。エッジ注釈なしのスケートアメリカショートでは、平均GOE+2.889をもらいましたが、他は一番良くても+1.000までです。これくらいの成功率の場合、ショートの単独ジャンプをフリップにするよりループにした方が点が上になる可能性は結構高いのですが、それでもフリップを今シーズンは飛び続けました。何とか改善して点が出せるようにするんだ、という前提で試合に入れ続けているということなのかもしれません。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 7 StSq4   3.9   1.33 5.23 3.286
Lombardia Trophy FS 6 ChSq1   3.0   -0.50 2.50 -0.857
Lombardia Trophy FS 11 StSq3   3.3   0.86 4.16 2.571
Skate America SP 7 StSq4   3.9   1.17 5.07 3.000
Skate America FS 6 ChSq1   3.0   -0.14 2.86 -0.222
Skate America FS 11 StSq4   3.9   0.95 4.85 2.333
Internationaux de France SP 7 StSq3   3.3   0.90 4.20 2.667
Internationaux de France FS 6 ChSq1   3.0   -0.50 2.50 -1.111
Internationaux de France FS 11 StSq3   3.3   0.99 4.29 3.000
Four Continents SP 7 StSq4   3.9   1.43 5.33 3.500
Four Continents FS 6 ChSq1   3.0   0.75 3.75 1.500
Four Continents FS 11 StSq3   3.3   1.21 4.51 3.625
げんさんサマーカップ SP 7 StSq4   3.9   1.17 5.07 3.000
全日本選手権 SP 7 StSq4   3.9   1.34 5.24 3.111
全日本選手権 FS 6 ChSq1   3.0   1.07 4.07 1.889
全日本選手権 FS 11 StSq4   3.9   1.56 5.46 3.556
日本学生氷上選手権 SP 7 StSq3   3.3   0.77 4.07 2.400
日本学生氷上選手権 FS 6 ChSq1   3.0   0.50 3.50 0.800
日本学生氷上選手権 FS 11 StSq2   2.6   0.78 3.38 2.800

ステップとこれは結構特徴的な点の出方をしています。ステップで平均GOE+3を超えるような評価が結構ある一方、コレオシークエンスではあまり伸びていない、それどころか、マイナスがついたりもしています。フリーでは、確かにステップの情熱あふれる感じと比べると、コレオは弱いかな、という印象を受けるのは事実です。それにしても、グランプリシリーズでコレオシークエンスが-1.111というのは全選手中一番下のスコアになるのですが、そこまでつけますか? という感じはあります。

 

スピンのレベル4率もあまり高くありません。ただ、やたら基準が厳しかった全日本によって全体が押し下げられているので、国際大会基準で見ると70%台にはのります。結果の良かった四大陸ではスピンオールレベル4なので、気持ちに左右される部分がもしかしたら強かったりするのかな? と思うところもあります。

 

昨シーズン不振で、今シーズンも序盤の出来は良くなく、ケガの要素が大きそうとはいえ、二シーズン続けて国際舞台で結果が出ないとこの先苦しくなっていきそうだな、と思っていたのですが、全日本で復活の200点から四大陸でも200点台を出しての4位まで戻ってきました。

ショートのBird Set Freeは、ああ、樋口さんが選びそう曲、という印象で、樋口選手に合っていて、70点台も2回出して、結果の出たプログラムだったかと思います。

フリーのPoetaも、そうねそうねそうね、そうくるのね、そうね、それだ。という感じの、樋口選手向きに感じられるプログラム。これで、トリプルアクセル決めてノーミスで世界選手権滑ったら、名作Skyfallに並ぶ、樋口選手の代表作になるのかもとも思ったのですが、世界選手権は中止。やっぱりこのレベルの選手の代表作とするには、オリンピックか世界選手権あたりでのノーミス演技が必要かと思うので、もうワンモアチャンス欲しいような気がしています。

 

昨シーズン終わった時点では、もしかして今シーズンのグランプリシリーズ、2戦もらえないかも? みたいな立ち位置にいましたが、今シーズンは四大陸選手権で結果を出したこともあり、そんなこと何の心配もない、というところにいます。世界ランキングは8位ですし、ISUシーズンベストは16位。トップ争いができるところに戻ってきました

今シーズンは大学に進学。明治大学というのは女子のトップではあまり今までなかったチョイスでしょうか。関東の女子のトップ層は早稲田を選ぶ印象でしたが。ツイッターなんかを見ていると、割と楽しんでいるようでなによりです。