23-24 山本草太

2000年1月10日生まれ

シニア8シーズン目

シーズン獲得賞金:$25,000

世界ランキング:10位

シーズンランキング:11位

シーズンベストスコア 263.43 (13位) 4大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 94.44 4大陸選手権

フリーシーズンベスト 170.10 中国杯

スピンレベル4率 31/42 = 73.8%(国際大会:19/24 = 79.2%)

ステップレベル4率 3/14 = 21.4%(国際大会:1/8 = 12.5%)

スピンオールレベル4 2/7(国際大会:1/4)

スピンステップオールレベル4 0/7(国際大会:0/4)

ジャンプ回転不足率 2/70 = 2.86%(国際大会:2/40 = 5.0%)

ジャンプ回転不足なし 5/7(国際大会:2/4)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/7(国際大会:0/4)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL げんさんサマーカップ 3 237.40 91.98 145.42
CS Autumn Classic 4 231.23 70.39 160.84
RT 中部選手権 1 273.14 95.28 177.86
GP Skate Canada 1 258.42 89.56 168.86
GP Cup of China 6 245.58 75.48 170.10
NC 全日本選手権 3 287.00 94.58 192.42
4CC Four Continents 4 263.43 94.44 168.99

本草太選手は昨季グランプリファイナルの銀メダル、ワールドユニバーシティーゲームス金メダル、さらに世界選手権初出場と一気に世界に飛躍しました。今期はその余勢をかって、さらに上を目指すシーズンです。

 

初戦は国内でげんさんサマーカップを選びました。ショートよかったのですがフリーボロボロ。アクセルが1つ転倒のもう1つは1回転半。セカンドサードで3回転無しなど全体的に出来が悪かったです。

国際大会は9月のオータムクラシックから。ここはショートで4回転トーループ転倒しコンビネーション入らずのトリプルアクセルもアンダーローテーション。70.39は近年まれにみる低いスコアです。フリーもアクセル2本が1回転半になり160.84 4回転はそこそこ決まるのですがトリプルアクセルが全く決まってこず4位に終わります。

チャレンジャーシリーズで結果を出す必要のある選手ではなくまだまだ調整段階、問題ないとは言えます。翌週、免除でよかったはずの中部選手権に出場。このショートはノーミス。フリーはまたトリプルアクセル転倒。それでも177.86までは出してきます。少しづつ調子は上がってきたでしょうか。

 

そして10月からが本番です。初戦はスケートカナダ。日本から三浦佳生選手、友野一希選手との遠征。海外勢ではシードで韓国のチャジュンファン選手がいて、イタリアのマッテオリッツォ選手やカザフスタンのシャイドロフ選手あたりもいます。

ショートプログラム。ここまで3試合でトーループが先かサルコウが先かわかれていたのですが、この試合はトーループからを選びました。2本目のサルコウがq取られましたが、不安だったトリプルアクセルウィ成功。89.56を出して首位に立ちます。2位とは3.38差、3位と7.93差。それなりのリードを奪いました。

フリーは最終滑走、168.34以上でグランプリ初優勝というチャンスが巡ってきました。4回転3本をきれいに決めたのでこれは行けるか、と思った次のトリプルアクセルで転倒。さらに後半に入ってのトリプルアクセルもステップアウトになりリピート扱いに。これでかなり雲行き怪しくなって、3連続入らなかったアウト、というところはフリップからしっかり3つ目も3回転付けてきます。最後のルッツはエッジを取られましたがしっかり最後まで滑り切り。際どい勝負、点が出るまで分からない。最終的に168.86 トータル258.42は0.53の僅差で逃げ切り、グランプリ初優勝となりました。

 

2戦目は中国杯。初戦優勝を持っているのでファイナル進出は3位で確定4位でもほぼ当確、5位だと最終戦まで結果待ちでしょう、というような状況です。ここはアダムシャオイムファ選手と宇野昌磨選手がいて、他に友野選手もいるし地元中国ボーヤンジン選手もだいぶ復活してきた。なかなか厳しい試合です。

冒頭の4回転トーループ-3回転トーループは決めたのですが、次のサルコウは3回転に。さらにトリプルアクセルでステップアウト。ショートは75.48で8位スタートという厳しい結果になります。3位までは14.46差でかなり遠く厳しい、4位まででも11.96差、5位まで9.71差。4位はボーヤンジン選手でそれほど安定感は最近はない、5位はフランジパーニ選手で構成はそれほど高くない、ということでそのあたりまでなんとか届かせたいというフリーです。冒頭の4回転サルコウは今季最高のものを決めました。次のトーループが回転微妙で結局qが付くのですが、これはセカンド付けずに流します。3つ目の4回転トーループはセカンドが2回転。そして問題のトリプルアクセル、ここがやはりステップアウトします。後半はミスなく滑っていき、スコアは170.10 トータル245.58まで出しますが、結局6位。1位と6位だとファイナルは届かず。優勝持っているのに2年連続のファイナルには手が届きませんでした。

 

この中国杯が痛くて、ファイナルに進めなかったことで全日本の時点でシーズン後半の代表選考争いではシーズンワールドランキングが5番目にある、というくらいしか入ってきていません。表彰台に乗っても世界選手権代表は厳しいかもしれない。2位なら、前年の島田選手よりは選びやすい実績を持っているので他の選手の順位次第でチャンスはありそう、という状況です。ファイナルに進んでいれば、もう少し違う展開はおそらくありました。

 

そんな全日本ですが、ショートプログラム、今回はジャンプ3つすべて決めてきました。全要素プラス評価で94.58 2位に付けます。首位の宇野選手とは10.11差あるので少し追いつくのは厳しい。3位の鍵山選手と0.66差を逃げ切れるか? 4位三浦選手との0.67差も逃げきりたい。5位の佐藤選手とは4.78差ついたので多少は余裕がある。そんなフリーです。23番滑走。先に鍵山選手が滑りました。その上に出るには197.53という高いスコアが求められます。表彰台確定には185.51が必要で、これも十分高いスコアです。厳しい状況で滑走順回ってきました。

ここで、今期随一の滑りを見せました。冒頭から4回転3本クリーン決めていきます。次に問題のトリプルアクセル、これを3連続付けてきました。後半のトリプルアクセルも完璧。この流れで次のコレオは満点付けたジャッジも出ます。フリップから今季初めてしっかりセカンドにダブルアクセルを付けて、最後のルッツもエッジ取られることなく跳びます。スピンステップもオールレベル4 フリーの技術点は107.04まで出して今大会全体で1位。フリー192.42でトータル287.00 最終順位は3位。全日本初表彰台となりました。

ただ、選考基準で3つ目に名前の多かった三浦選手がしっかり4位に入っていたこともあり、世界選手権は補欠の1 4大陸選手権の方で第2代表となりました。

 

4大陸選手権はチャンピオンシップの初メダルを狙いたい試合になってきます。日本の3人と韓国チャジュンファン選手、カザフスタンのシャイドロフ選手や中国のボーヤンジン選手あたりが強いという試合です。ショートは27人中の24番滑走。好調キープ、ここでしっかりノーミスをしてきます。94.44で4位。3位のチャジュンファン選手と0.86差、2位佐藤選手と4.78差です。首位の鍵山選手とは12.38差とだいぶ空きました。

逆転を狙うフリーでしたが、冒頭の4回転サルコウの転倒が痛かった。次のトーループもセカンドが1回転になります。以降はミスなく滑りますが168.99でトータル263.43 首位に立って後続を待ちますが、最終順位は結局4位のまま。3位とは9.52差。冒頭の2本決めていればあるいは、というチャンスのあった試合だけに残念でした。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
げんさんサマーカップ 237.40 117.30 121.10 86.15 -6.08 23.35 13.88
Autumn Classic 231.23 118.57 114.66 83.19 1.53 22.28 11.57
中部選手権 273.14 145.96 128.18 100.93 13.16 19.37 12.50
Skate Canada 258.42 135.96 123.46 95.26 4.38 22.96 13.36
Cup of China 245.58 125.49 120.09 92.63 -1.54 21.96 12.44
全日本選手権 287.00 160.23 126.77 101.85 19.96 24.61 13.81
Four Continents 263.43 141.27 123.16 99.04 4.86 24.10 13.27

トータルスコアは序盤2試合で230点台、中国杯で240点台とうまくいかない試合もありました。スケートカナダ250点台、4大陸260点台、中部選手権で270点台にナショナル280点台。ずいぶんとばらけました。中部選手権と中国杯が逆なら、もう少し違う展開もありました。

技術点は4大陸で141.27まで出ました。今期全選手中11位のスコアです。全日本で160.23を出しています。国内参考記録ではありますが、国内外の試合でこれより上の技術点を出した日本人選手はいません。

PCSは120点台です。スケートカナダの123.46が国際大会の最高で8点平均を少し超える程度です。ここで上位との差が結構あるので、こちらの差をもう少し埋めたい。美しい滑りに定評のある山本選手ですが、その滑りはあまりPCSには効いてきていません。

ジャンプの基礎点は国内参考で100点に達しました。国際大会では99.04が最高です。今期の全選手中10位の基礎点になります。ショートフリーで合計5本の4回転でこれくらいまで出ます。

加点の方は国内では二桁稼げたのですが、国際大会では一桁の前半までに留まっています。

スピンは4大陸で24.10まで出ました。今期の全選手中15位にあたるスピンです。

ステップ系要素は13点台までであまり伸びていません。ステップレベル4率が低く、ショートフリー共にレベル4だった試合が1つも無い、というのが1つの要因になります。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
げんさんサマーカップ 56.92 56.64 44.02 60.17 61.10 60.05
Autumn Classic 55.33 54.86 53.44 56.49 50.55 55.75
中部選手権 66.16 65.50 67.83 46.49 54.79 64.77
Skate Canada 62.35 62.10 56.97 58.83 58.72 61.62
Cup of China 59.03 60.52 49.64 55.40 54.52 59.37
全日本選手権 69.74 66.05 76.25 64.50 60.78 63.83
Four Continents 63.65 64.36 57.56 62.75 58.31 61.42

偏差値としては国際大会は60前後のスコアです。全日本並みを出せれば70近くなります。

ジャンプの基礎点は60台中盤になります。加点の方は全日本は国内参考で、国際大会は50台までに留まりました。国内参考ではありますが全日本並みにジャンプを成功させていけばスコアは一変します。

スピンは60前後です。ステップ系要素は50台にとどまります。PCSも60前後。

イメージと違ってジャンプの基礎点が一番偏差値高くなる、という選手です。

 

山本草太選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャートは右に偏ります。全日本を除くと右下もあまり伸びていなくて、右上偏重型です。全日本の出来の良さが、どの点取っても一番外側にあることでよく見えます。

 

●シーズン最高の基礎点構成

スケートカナダ ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+3T   13.70   2.58 16.28 2.667
2 4Sq q 9.70   -2.36 7.34 -1.667
3 FCSp3   2.80   -0.08 2.72 -0.444
4 3A   8.80 x 1.37 10.17 1.778
5 CSSp4   3.00   0.94 3.94 3.111
6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
7 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
  TES   45.40   4.52 49.92  

ショートプログラムの最高基礎点はスケートカナダで45.40がありました。4回転がサルコウトーループの2種類。トリプルアクセルを1.1倍で跳んでスピン1つレベル3で45.40です。ノーミス基礎点は45.80になります。

4回転2種類飛んでセカンド3回転も決めて基礎点満額取る、というのは意外と難しく、この45.40は今期全選手中9位タイの基礎点になります。45.80まで出ると7位タイです。基礎点上げることを考えるより、この構成で45.80出してノーミスする、というのが今の目指すところなのだろうと思われます。

 

○4大陸選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S F 9.70   -4.85 4.85 -4.889
2 4T+1T   9.90   -2.99 6.91 -3.222
3 4T   9.50   2.44 11.94 2.556
4 3A+1Eu+3S   12.80   1.71 14.51 2.000
5 FCSp4   3.20   0.46 3.66 1.444
6 3A   8.80 x 1.49 10.29 1.889
7 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
8 3F+3T   10.45 x 1.29 11.74 2.444
9 3Lz! ! 6.49 x 0.17 6.66 0.222
10 CSSp4   3.00   0.77 3.77 2.667
11 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
12 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
  TES   83.64   4.17 87.81  

フリーは国際大会では83.64の基礎点がありました。4回転はサルコウトーループの2種類です。ステップがレベル3 セカンドで1つ1回転があって83.64になります。

全日本では似たような構成で87.05まで基礎点を出していました。2つ目のところでしっかりセカンド3回転が入り、8番目はセカンドがダブルアクセル。スピンステップオールレベル4で87.05です。

上記の83.64でも今季9位の基礎点です。狙いの基礎点87.05まで出れば7位になります。世界の頂点を争うにはまだ少し低いですが、表彰台争いくらいまでなら今の構成でも出来栄え次第でチャンスがあります。具体的には鍵山選手で88.94 宇野選手で87.26が今期の最高ですので、まず87.05出れば勝負は出来ます。

その上狙うには、一時期試していた4回転フリップの投入、ということになっていくのだろうと思われます。

 

○平均GOE3.000以上(国際大会と全日本より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Four Continents SP 5 CSSp4   3.00   1.11 4.11 3.778
全日本選手権 SP 5 CSSp4   3.00   1.11 4.11 3.556
全日本選手権 FS 10 CSSp4   3.00   0.99 3.99 3.333
全日本選手権 FS 12 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.333
Four Continents FS 7 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
Four Continents SP 6 StSq3   3.30   1.04 4.34 3.111
全日本選手権 FS 1 4S   9.70   3.05 12.75 3.111
全日本選手権 FS 7 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.111
Skate Canada SP 5 CSSp4   3.00   0.94 3.94 3.111
全日本選手権 FS 11 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Cup of China FS 1 4S   9.70   2.91 12.61 3.000
全日本選手権 FS 2 4T+3T   13.70   2.85 16.55 3.000
Skate Canada FS 10 CSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
Skate Canada SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Four Continents FS 12 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000

山本選手の評価の高い要素はスピンでした。

4大陸選手権の足替えのシットスピン+3.778は今期の全選手のスピンの中で8位タイ、ISU公認で7位タイ、足替えのシットスピンとして全選手中3位にあたる高い評価でした。

中国杯では4回転サルコウが+3.000の評価を受けました。これは今期の4回転サルコウを飛んだ全選手の中で9位の評価になります。

 

○4回転サルコウ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ SP 1 4S   9.70   1.94 11.64 2.200
げんさんサマーカップ FS 1 4S   9.70   2.91 12.61 2.800
Autumn Classic SP 1 4S   9.70   2.72 12.42 2.714
Autumn Classic FS 1 4S   9.70   2.13 11.83 2.286
中部選手権 SP 2 4S   9.70   1.62 11.32 1.600
中部選手権 FS 1 4S   9.70   3.23 12.93 3.200
Skate Canada SP 2 4Sq q 9.70   -2.36 7.34 -1.667
Skate Canada FS 1 4S   9.70   2.91 12.61 2.889
Cup of China FS 1 4S   9.70   2.91 12.61 3.000
全日本選手権 SP 2 4S   9.70   1.52 11.22 1.444
全日本選手権 FS 1 4S   9.70   3.05 12.75 3.111
Four Continents SP 2 4S   9.70   1.52 11.22 1.444
Four Continents FS 1 4S F 9.70   -4.85 4.85 -4.889

4回転サルコウはショートフリーで1回づつ飛びます。中国杯のショートでは3回転になりました。それも含めて14回今季跳ぼうとして、転倒が1回、3回転になったのが1回、qでGOEマイナスが1回、残りの9回はGOEプラスの成功ジャンプです。4大陸のフリーが非常に残念でしたが、基本的には成功率の高いジャンプになっています。昨季からかなり改善された要素でした。

 

○4回転トーループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ SP 2 4T+3T   13.70   0.32 14.02 0.400
げんさんサマーカップ FS 2 4T+2T   10.80   -0.95 9.85 -1.000
げんさんサマーカップ FS 3 4Tq q 9.50   -4.75 4.75 -5.000
Autumn Classic SP 2 4T+COMBO F 9.50   -4.75 4.75 -5.000
Autumn Classic FS 2 4T+3T   13.70   1.52 15.22 1.714
Autumn Classic FS 3 4T   9.50   -0.19 9.31 -0.286
中部選手権 SP 1 4T+3T   13.70   3.17 16.87 3.400
中部選手権 FS 2 4T+3T   13.70   3.17 16.87 3.200
中部選手権 FS 3 4T   9.50   0.00 9.50 -0.200
Skate Canada SP 1 4T+3T   13.70   2.58 16.28 2.667
Skate Canada FS 2 4T+3T   13.70   2.31 16.01 2.333
Skate Canada FS 3 4T   9.50   2.85 12.35 2.889
Cup of China SP 1 4Tq+3T q 13.70   -0.27 13.43 -0.444
Cup of China FS 2 4Tq q 9.50   -0.95 8.55 -1.111
Cup of China FS 3 4T+2T   10.80   0.95 11.75 1.000
全日本選手権 SP 1 4T+3T   13.70   2.58 16.28 2.667
全日本選手権 FS 2 4T+3T   13.70   2.85 16.55 3.000
全日本選手権 FS 3 4T   9.50   2.71 12.21 2.889
Four Continents SP 1 4T+3T   13.70   2.71 16.41 2.889
Four Continents FS 2 4T+1T   9.90   -2.99 6.91 -3.222
Four Continents FS 3 4T   9.50   2.44 11.94 2.556

4回転トーループはショートフリーで合計3回飛ぶ要素です。今期は21回要素として入ってきて、転倒は1回、qなどそれ以外でGOEマイナスが7回あり、13回はGOEプラスの成功ジャンプとなっています。セカンドが1回転になったり2回転になったものはコンビネーションとしては成功とはいいがたいかもしれませんが、おおよそ3回飛んで2本は決めるという程度の割合です。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ SP 4 3A   8.80 X 1.07 9.87 1.400
げんさんサマーカップ FS 4 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
Autumn Classic SP 4 3A< 7.04 x -3.20 3.84 -5.000
中部選手権 SP 4 3A   8.80 X 1.33 10.13 1.600
中部選手権 FS 4 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
中部選手権 FS 6 3A+2T   10.23 X 1.87 12.10 2.600
Skate Canada SP 4 3A   8.80 x 1.37 10.17 1.778
Skate Canada FS 4 3A< F 6.40   -3.20 3.20 -5.000
Skate Canada FS 6 3A+REP   6.16 x -2.74 3.42 -3.444
Cup of China SP 4 3Aq q 8.80 x -3.89 4.91 -4.778
Cup of China FS 4 3A   8.00   -2.51 5.49 -3.222
Cup of China FS 6 3A+2T   10.23 x 1.03 11.26 1.333
全日本選手権 SP 4 3A   8.00   1.37 9.37 1.556
全日本選手権 FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   1.49 14.29 1.778
全日本選手権 FS 6 3A   8.80 X 1.60 10.40 2.000
Four Continents SP 4 3A   8.00   1.37 9.37 1.778
Four Continents FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   1.71 14.51 2.000
Four Continents FS 6 3A   8.80 x 1.49 10.29 1.889

今期苦労したのがトリプルアクセルでした。要素としてトリプルアクセルになっているのが18回ありますが、それ以外にシングルアクセルになったものが3回あります。それを含めて21回のうち3回がシングルになり、3回が転倒、それ以外にGOEマイナスになったのが4回あり、成功ジャンプは11回で5割を少し超える程度です。ただ、全日本と4大陸選手権では3本すべて成功しています。これが中国杯でしっかり決まっていればファイナルに進めたし、それによってシーズン後半には違った展開があったかもしれません。

シーズン前半はトリプルアクセルが決まらず、4大陸選手権は4回転が決まらず。両方揃ったのが全日本で点が出たわけですが、これを国際大会で出したいところでした。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ FS 8 3F+1Eu+1S   6.82 X -1.24 5.58 -2.600
Autumn Classic FS 4 1A+1Eu+3S   5.90   0.52 6.42 1.143
中部選手権 FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 X 1.59 12.70 2.800
Skate Canada FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 0.83 11.94 1.556
Cup of China FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.36 12.47 2.556
全日本選手権 FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   1.49 14.29 1.778
Four Continents FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   1.71 14.51 2.000

今期、3連続ジャンプはおそらく4番目の要素のトリプルアクセルから飛ぶはずでした。しかしながら実際には8番目のフリップから飛んだ要素が多くなっています。全日本と4大陸では4番目でしっかり飛べたのですが、それ以前は4番目のトリプルアクセルがことごとくうまく決まっていなかったことでこういったかたちになっています。ただ、フリップからのリカバリーはほとんど成功していました。

 

昨季国際大会で結果を残した山本選手。今期はグランプリ初優勝はあったものの、4大陸4位など、もう一方、欲しい結果が残せませんでした。一方、全日本は初表彰台。ようやくここまで登ってきた、とも言えます。

来期はもう一度国際大会で結果を残したいところ。三浦佳生選手、佐藤駿選手あたりと熾烈な代表争いも繰り広げることになるかと思われます。