川畑和愛 19-20

2002年1月12日生まれ

ジュニア5シーズン目

所属:N高東京

スポンサー関連:

シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:69位

シーズンランキング:60位

シーズンベストスコア 193.96  全日本選手権

 (国際大会の最高は177.86(62位) JGP Baltic Cup)

ショートプログラムシーズンベスト 67.70 JGP Baaltic Cup

フリーシーズンベスト 128.43 全日本選手権

 (国際大会の最高は113.92 JGP Courchevel)

ショートプログラム楽曲: 美しく青きドナウ

フリープログラム楽曲: 夢二のテーマ

スピンレベル4率 32/48=66.7%(国際試合12/18=66.7%)

ステップレベル4率 2/16=12.5%(国際試合1/6=16.7%)

スピンオールレベル4 1/8(国際試合1/3)

スピンステップオールレベル4 0/8(国際試合0/3)

ジャンプ回転不足率  25/80=31.3%(国際試合7/30=23.3%)

ジャンプ回転不足なし試合 0/8(国際試合0/3)

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/8

 

 ●川畑和愛選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
DL 関東サマートロフィー 2 161.69 51.06 27.40 24.66 110.63 58.76 51.87
JGP JGP Courchevel 5 171.67 57.75 28.18 29.57 113.92 57.69 56.23
JGP JGP Baltic Cup 5 177.86 67.70 39.02 28.68 110.16 54.93 56.23
RT 東日本選手権 3 150.34 59.06 32.46 26.60 91.28 40.28 52.00
NJ 全日本ジュニア 2 178.95 63.55 35.59 27.96 115.40 60.36 55.04
NC 全日本選手権 3 193.96 65.53 35.96 29.57 128.43 67.62 60.81
NG 国民体育大会 2 161.35 64.54 36.48 28.06 96.81 46.60 51.21
WJ World Junior 14 159.47 62.85 33.87 28.98 96.62 43.43 54.19

川畑選手は高校三年生として迎えた今シーズンがジュニア最後のシーズンになると思われます。まだ、国内が主戦場という選手です。

シーズン初戦は8月頭からサマートロフィーに出て161.69 とりあえずの調整試合なのでこんなもんでしょうか。

ジュニアなので国際試合の始まりも早く、サマートロフィーの二週後にはジュニアグランプリがあります。初戦は171.67 3回転-3回転がショートフリー共に決まらず、点を伸ばせませんでした。

2戦目はショートは67.70のパーソナルベストをマークの2位発進。しかしフリーが3-3決まらず、回転不足も二つと伸ばせずに、トータルは177.86の5位に終わりました。パーソナルベストではありますがもう少し欲しかったところ。これで2シーズンで4試合出場したジュニアグランプリシリーズはすべて5位という変わった結果になりました。

 

ジュニアはここから国内戦に移ります。川畑選手は東日本選手権からの登場。フリーで大崩れして150.34というシーズンワーストで3位に終わりますが、全日本ジュニアには普通に進出。

全日本ジュニアは優勝候補の一人ではあったのですが、ショートフリー共に2位で総合2位に終わります。優勝すれば世界ジュニア代表に決まるのですが2位だとまだ決まらない、という状態ですが3年連続の全日本への出場を果たします。

世界ジュニア代表を目指すための全日本だったはずですが、ここでショートからいい演技。3Lz-3Tは全選手中最高の加点をもらい7位でフリーに進みます。フリーはいくつか回転不足もありノーミスでは実はなかったのですが、128.43と初めて120点台に乗せたパーソナルベストでトータル193.96 上位が崩れてきたこともあって、まさかの3位表彰台となりました。

 

年が明けてからは国体を一つ挟んでから3月の世界ジュニアを目指すというスケジュール。

世界ジュニアは2年連続の出場だったのですが、ショートからコンビネーションで回転不足が出ると、フリーはダウングレード二つや転倒などもあり100点に届かないスコアで、159.47に終わり、残念ながらジュニア最後の試合はいい形で終われませんでした。

 

当初の予定ではこのあともう一試合、シニアの国際B級試合に出る予定だったのですが中止。世界ジュニアでシーズンを終えました。

 

 ●川畑和愛選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
DL 関東サマートロフィー 2 161.69 86.16 76.53 58.15 20.54 7.47
JGP JGP Courchevel 5 171.67 85.87 85.80 55.95 21.29 8.63
JGP JGP Baltic Cup 5 177.86 93.95 84.91 62.03 22.48 9.44
RT 東日本選手権 3 150.34 72.74 78.60 47.86 17.80 7.08
NJ 全日本ジュニア 2 178.95 95.95 83.00 66.12 20.93 8.90
NC 全日本選手権 3 193.96 103.58 90.38 70.00 21.62 11.96
NG 国民体育大会 2 161.35 83.08 79.27 53.10 21.40 8.58
WJ World Junior 14 159.47 77.30 83.17 49.14 20.77 7.39

要素別は150点台に終わった、はっきり言うと失敗だった試合二つはTESよりPCSの方が高くなっていますが、他はTESが高くなっています。

PCSは一番いい全日本では90点に乗っていますが、国際試合では85.80が最高。各要素の平均は国際試合では7点前後、全日本の時で7.5くらいとなります。

 

得意な要素はジャンプですが、ばらつきもすごく大きくなっています。

全日本ではジャンプで70点稼いでいて、これは、樋口選手の四大陸選手権(今シーズンのベスト)70.19とほぼ同じですので、シニアのチャンピオンシップの大会で十分通用するレベルです。国際試合で最高だったのは62.03ですが、これくらいだと悪くはないけどジャンプが得意ならもっと欲しいなあ、という位置です。

スピンは最高で22.48 170点台の選手としては悪くない水準です。日本のトップは24点台あるので、この先シニアに上がったらそれくらいまでは出したいです。

ステップは、全日本だけシニアカテゴリーでコレオシークエンスがついているので点が高くなっています。他はコレオなしでステップのみ。実質的に一番良いのはバルティックカップの9.44でこれにコレオが乗るとGOE+2もらえれば13.44にまでなります。今シーズン、樋口新葉選手が13.59、横井ゆは菜選手が13.60なので、ステップ系要素はシニアのこれくらいの位置の選手と遜色なく演じることができる力があるようです。

ただ、シニアのトップは15点台半ばまで出しますので、そのあたりの選手とは少し差があります。

 

 ●川畑和愛選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
関東サマートロフィー 2 50.97 55.55 53.42 50.27 53.50 48.26
JGP Courchevel 5 53.69 51.09 60.44 52.75 59.42 54.34
JGP Baltic Cup 5 55.37 56.23 58.59 56.70 63.33 53.76
東日本選手権 3 47.89 49.42 50.28 41.18 49.67 49.62
全日本ジュニア 2 55.66 59.04 58.91 51.56 59.19 52.50
全日本選手権 3 59.75 59.30 65.10 53.84 54.13 57.35
国民体育大会 2 50.88 50.83 56.04 53.12 58.97 50.06
World Junior 14 50.37 49.84 51.51 51.03 52.81 52.61

偏差値に直すと、トータルスコアは50台前半が多いです。全日本の190点台で偏差値60に近づきましたが、60には乗りませんでした。

ジャンプは基礎点は50台でGOEはいい時に60に乗ってきます。

スピンは50前後。本人比でほかの要素と比べると少し落ちるでしょうか。

ステップはジュニアなのでコレオ補正を加えた後で見て、50台後半が多く、いい時は60に乗ってきます。ステップでこれだけ評価が試合ごとにばらつくのは結構珍しいのですが、レベル4からレベル2まで、レベルでばらついてしまっているが原因です。

PCSは50前後。この辺はジュニア感が出ています。

 

川畑和愛スケート偏差値

レーダーチャートは右寄り。いい時はジャンプでしっかり稼げます、という形です。

世界ジュニアが一番内側の小さい六角形になってしまっているのが残念です。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup 1 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
JGP Baltic Cup 2 3Lz+3T   10.10   2.11 12.21 3.556
JGP Baltic Cup 3 FSSp4   3.00   0.77 3.77 2.556
JGP Baltic Cup 4 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
JGP Baltic Cup 5 3Lo   5.39 x 1.61 7.00 3.333
JGP Baltic Cup 6 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 1.889
JGP Baltic Cup 7 CSp4   2.60   0.52 3.12 2.000
JGP Baltic Cup   TES   31.19   7.83 39.02  

ショートプログラムの基礎点最高は31.19でした。今シーズンのジュニアはループジャンプが必須要素になっているので、ループをフリップに変えて基礎点を上げる、という手は使えません。ここから基礎点を上げるならステップをレベル4にするというのがまずあります。それで0.6基礎点が上がります。あとはコンビネーションの1.1倍化。それによって0.52基礎点を上げられます。そこまで行くと32.31まで基礎点が上がります。

後、実は、スピンの基礎点が低いです。キャメルスピンCSpはレベルでも基礎点が2.60です。これをレイバックスピンに出来れば2.70に基礎点が上がります。そこまでいくと、基礎点が32.41となり、3A-3Tを投入する以外ではジュニアルールの最高基礎点となります。

この31.19でも、ジュニアとしてはかなり高めな基礎点になっています。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
全日本選手権 1 3Lz+3T   10.10   1.10 11.20 1.667
全日本選手権 2 3Lo   4.90   1.12 6.02 2.111
全日本選手権 3 2A+3T   7.50   0.96 8.46 2.000
全日本選手権 4 3F<e e 3.18   -0.68 2.50 -1.889
全日本選手権 5 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.333
全日本選手権 6 CCoSp3   3.00   0.47 3.47 1.444
全日本選手権 7 2A+2T+2Lo< 6.56 X -0.28 6.28 -0.667
全日本選手権 8 3Lz   6.49 X 0.93 7.42 1.444
全日本選手権 9 3S   4.73 X 0.86 5.59 1.889
全日本選手権 10 FCSp4   3.20   0.55 3.75 1.556
全日本選手権 11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.667
全日本選手権 12 FCCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.222
全日本選手権   TES   59.46   8.16 67.62  

フリーの基礎点最高は59.46でした。200点出す選手たちの多くは60点に基礎点を乗せているので、次の階段を上るにはそこまで基礎点が欲しいです。

全日本は好成績でしたのでノーミスだったように思われがちですが、回転不足が二つありました。フリップもeマークで基礎点から減点。ここを解消できれば1.39基礎点が上がるので、60.85にまでできます。後はスピンステップのレベル4化、で1.1基礎点が上がります。

61.95まで基礎点があると、200点台の選手と同等な水準になります。62点以上の基礎点を今シーズン出した選手は13人だけ。したがって、難易度を上げなくても、今の構成をミスなく演じることでそのレベルの選手と同じ水準の点数まで持っていけることになります。

現在の構成で2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。できれば、1.1倍のところにコンビネーションを二つ入れられるともう一段階基礎点を上げられるのですが、それは次の段階でしょうか。

 

●平均GOE+2.500以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel SP 1 2A   3.30   1.23 4.53 3.667
JGP Baltic Cup SP 2 3Lz+3T   10.10   2.11 12.21 3.556
JGP Courchevel SP 4 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
JGP Baltic Cup SP 4 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
JGP Baltic Cup SP 5 3Lo   5.39 x 1.61 7.00 3.333
JGP Courchevel SP 7 CSp4   2.60   0.78 3.38 3.111
JGP Baltic Cup SP 1 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
World Junior SP 4 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.000
JGP Baltic Cup FS 5 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
全日本選手権 SP 4 StSq2   2.60   0.78 3.38 2.778
全日本ジュニア SP 2 3Lz+3T   10.10   1.65 11.75 2.714
全日本ジュニア SP 4 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.714
JGP Courchevel FS 5 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.667
全日本選手権 FS 11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.667
JGP Courchevel SP 6 CCoSp2V   1.88   0.48 2.36 2.556
JGP Baltic Cup SP 3 FSSp4   3.00   0.77 3.77 2.556
全日本選手権 SP 2 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 2.556

ここは、国際大会と全日本選手権、全日本ジュニアの5試合のみから抜き出しました。

評価の高い要素はジャンプが目立ちます。次にステップ。ジュニアでステップの評価が高い、という選手は少ないのですが、川畑選手はステップの評価が高い。まあ、年齢的には18歳で、今のシニアの上位選手と遜色ないですし、そう違和感あることでもないとは言えます。ただ、レベル3ナノは少し残念。

ジャンプの中では3Lz-3Tが多く出てきています。川畑選手が飛ぶ中で一番難易度の高いジャンプで加点が多く得られている、というのは強みです。

 

●3連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel FS 7 2A+2T+2Lo   6.93 x 0.66 7.59 2.000
JGP Baltic Cup FS 7 2A+2T+2Lo   6.93 x 0.28 7.21 0.889
World Junior FS 7 2A+2T+1Lo   5.61 x -0.57 5.04 -1.778
関東サマートロフィー FS 7 2A+2T+2Lo   6.93 X 0.55 7.48 1.600
東日本選手権 FS 7 2A<+2T+2Lo 6.20 X -0.10 6.10 -0.286
全日本ジュニア FS 7 2A+2T+2Lo   6.93 X 0.46 7.39 1.286
全日本選手権 FS 7 2A+2T+2Lo< 6.56 X -0.28 6.28 -0.667
国民体育大会 FS 7 2A+2T+1Lo   5.61 X -1.54 4.07 -4.600

3連続ジャンプは1.1倍の一つ目で入っていてダブルアクセルからと難易度は低めです。

8試合すべてこの7番目の要素でしっかり入っていて、ここでうまくいかなくて後からリカバリーというようなものがありませんでした。

ただ、ダブルアクセルで回転不足が1つと、最後のダブルループの回転不足1つ、さらには最後のループが1回転になること2つ、とあるので、成功率は50%にとどまっています。

 

●セカンド三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel FS 3 2A+3T< 6.66   0.10 6.76 0.222
JGP Baltic Cup SP 2 3Lz+3T   10.10   2.11 12.21 3.556
JGP Baltic Cup FS 3 2A+3T< 6.66   0.00 6.66 0.000
World Junior SP 2 3Lz+3T< 9.26   0.08 9.34 0.111
World Junior FS 1 3Lz+3T<< <<  7.20   -2.95 4.25 -5.000
関東サマートロフィー SP 2 3Lz+3T<< <<  7.20   -2.95 4.25 -5.000
関東サマートロフィー FS 3 2A+3T< 6.66   -0.23 6.43 -0.800
全日本ジュニア SP 2 3Lz+3T   10.10   1.65 11.75 2.714
全日本ジュニア FS 1 3Lz+3T   10.10   1.30 11.40 2.143
全日本ジュニア FS 3 2A+3T< 6.66   -0.14 6.52 -0.286
全日本選手権 SP 2 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 2.556
全日本選手権 FS 1 3Lz+3T   10.10   1.10 11.20 1.667
全日本選手権 FS 3 2A+3T   7.50   0.96 8.46 2.000
国民体育大会 SP 2 3Lz+3T< 9.26   0.59 9.85 1.000
国民体育大会 FS 1 3Lz+3T< 9.26   0.00 9.26 0.200
国民体育大会 FS 3 1A+3T< 4.46   -0.67 3.79 -2.400

セカンド三回転は、ショートでルッツ-トーループ。フリーはルッツ-トーループの他にダブルアクセルからのものもあります。

これが実は回転不足率が高いです。3Lz-3Tは要素として10回あるなかでダウングレード2つ、回転不足3つで、しっかり回転が足りたのは50%だけです。実際には最初から後ろを2回転にしたなどがあるので、成功率という見方だとさらに下がります。

ダブルアクセルからのものも5回あって回転不足が4回と、ほとんど成功がありません。ダブルアクセルがシングルになった時も、後ろのトーループが回転不足でした。

決まれば加点がしっかり取れる強みなのですが、成功率が低いというのが弱い部分で、全日本のように190点を超えるスコアを出せるのに、試合によっては150点台に終わってしまうのは、この辺の確度の低さによるものなようです。

 

●単独のルッツとフリップ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel FS 1 3Lz   5.90   1.26 7.16 2.222
JGP Courchevel FS 4 3Fe<< e 1.44   -0.72 0.72 -5.000
JGP Baltic Cup FS 4 3Fe< 3.18   -1.59 1.59 -5.000
JGP Baltic Cup FS 8 3Lz   6.49 x 0.67 7.16 1.222
World Junior FS 4 3F!<< <<  1.80   -0.90 0.90 -5.000
関東サマートロフィー FS 4 3F<! ! 4.24   -0.85 3.39 -1.800
関東サマートロフィー FS 8 3Lz   6.49 X 0.79 7.28 1.400
東日本選手権 FS 4 3F<! ! 4.24   -0.68 3.56 -1.429
全日本ジュニア FS 4 3F<! ! 4.24   -0.68 3.56 -1.714
全日本ジュニア FS 8 3Lz   6.49 X 0.12 6.61 0.143
全日本選手権 FS 4 3F<e e 3.18   -0.68 2.50 -1.889
全日本選手権 FS 8 3Lz   6.49 X 0.93 7.42 1.444
国民体育大会 FS 4 1Fe e 0.40   -0.12 0.28 -3.000
国民体育大会 FS 8 3Lz   6.49 X 1.38 7.87 2.400

単独ジャンプのルッツとフリップ。これは結構傾向がはっきりしています。

ルッツは、単独で飛ぶときはすべて成功ジャンプです。6回飛んですべて回転充足でGOEプラス。はっきり、得意ジャンプであることがわかります。

問題はフリップ。8回飛んで、ダウングレード2、回転不足5、1回転になったもの1なので、回転がしっかり足りたことがありません。また、eも3回ついています。

フリップのeや!は昨シーズンもついていましたので、もともと苦手は苦手だったのですが、それでも昨シーズンは回転は足りていました。それが今シーズンは回転が一度も足りずということで、かなり厳しいことになっています。

 

●単独のループとサルコウ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel SP 5 2Lo   1.87 x 0.22 2.09 1.333
JGP Courchevel FS 2 3Lo   4.90   1.26 6.16 2.444
JGP Courchevel FS 9 3S   4.73 x -0.43 4.30 -1.000
JGP Baltic Cup SP 5 3Lo   5.39 x 1.61 7.00 3.333
JGP Baltic Cup FS 2 3Lo   4.90   -0.56 4.34 -1.111
JGP Baltic Cup FS 9 3S   4.73 x 0.37 5.10 0.889
World Junior SP 5 3Lo   5.39 x 1.12 6.51 2.444
World Junior FS 2 3Lo   4.90   0.91 5.81 1.778
World Junior FS 9 1S   0.44 x -0.01 0.43 -0.333
関東サマートロフィー SP 5 3Lo   5.39 X 0.65 6.04 1.200
関東サマートロフィー FS 2 3Lo   4.90   1.31 6.21 2.600
関東サマートロフィー FS 9 3S   4.73 X 0.00 4.73 -0.200
東日本選手権 SP 5 3Lo   5.39 X 1.08 6.47 2.286
東日本選手権 FS 2 3Lo< 3.92   -1.10 2.82 -2.571
東日本選手権 FS 9 3S< 3.78 X -0.07 3.71 -0.143
全日本ジュニア SP 5 3Lo   5.39 X 0.29 5.68 0.429
全日本ジュニア FS 2 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.000
全日本ジュニア FS 9 3S< 3.78 X -0.41 3.37 -1.143
全日本選手権 SP 5 3Lo   5.39 X 1.26 6.65 2.333
全日本選手権 FS 2 3Lo   4.90   1.12 6.02 2.111
全日本選手権 FS 9 3S   4.73 X 0.86 5.59 1.889
国民体育大会 SP 5 3Lo   5.39 X 1.31 6.70 2.600
国民体育大会 FS 2 3Lo   4.90   1.31 6.21 2.800
国民体育大会 FS 9 3S<< <<  1.43 X -0.65 0.78 -5.000

ループとサルコウは、ループの方が得意なようです。

ループは合計16回、ショートフリーで1回づつある要素ですが、回転不足は2、1回転になったもの1 回転は足りたけどGOEマイナスが1 なので12回成功で成功率75%あります。

サルコウはフリーに1回あるので合計8回飛んで、ダウングレード1、回転不足が2、1回転になったもの1、回転が足りてGOEマイナスなものは2、ということでしっかりとした成功は2回だけで成功率25%となります。

 

●単独のアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel SP 1 2A   3.30   1.23 4.53 3.667
JGP Baltic Cup SP 1 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
World Junior SP 1 2A   3.30   0.80 4.10 2.444
World Junior FS 3 2A   3.30   0.61 3.91 1.667
関東サマートロフィー SP 1 2A   3.30   0.66 3.96 2.200
東日本選手権 SP 1 2A   3.30   0.92 4.22 2.714
東日本選手権 FS 3 2A   3.30   -1.65 1.65 -5.000
全日本ジュニア SP 1 2A   3.30   0.66 3.96 2.000
全日本選手権 SP 1 2A   3.30   0.71 4.01 1.889
国民体育大会 SP 1 2A   3.30   0.99 4.29 3.000

単独のアクセルはそれなりの成功率です。10回飛んで1回転倒がありましたが、あとの9回は成功ジャンプです。GOEも+3まで達していることが何度かあります。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Courchevel SP 4 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
JGP Courchevel FS 5 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.667
JGP Baltic Cup SP 4 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
JGP Baltic Cup FS 5 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
World Junior SP 4 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.000
World Junior FS 5 StSq3   3.30   0.71 4.01 2.111
関東サマートロフィー SP 4 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.800
関東サマートロフィー FS 5 StSq2   2.60   0.69 3.29 2.600
東日本選手権 SP 4 StSq2   2.60   0.26 2.86 0.857
東日本選手権 FS 5 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.714
全日本ジュニア SP 4 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.714
全日本ジュニア FS 5 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.000
全日本選手権 SP 4 StSq2   2.60   0.78 3.38 2.778
全日本選手権 FS 5 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.333
全日本選手権 FS 11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.667
国民体育大会 SP 4 StSq3   3.30   1.21 4.51 3.600
国民体育大会 FS 5 StSq3   3.30   0.77 4.07 2.200

ステップはレベル3が標準ですが、4を取れることもあります。一方で、レベル2になることもすくなくありません。レベル2だと基礎点2.6 レベル4は基礎点3.9 基礎点だけで1.3違ってきますし、それがショートフリーと重なると結構な差となります。

GOEはそれなりに高いものをもらえていて+2台までは普通に出ますし、+3まで行くことも少なくありません。

シニアカテゴリーの試合は全日本選手権だけでしたが、そこでのコレオシークエンスはGOEが+2.667とそれなりにありました。

ステップ系要素の評価は高いので、あとはレベルを安定して取れるようになれば、シニアのカテゴリーの中でも得意要素と言えるようになります。

 

スピンはレベル4率66.7%なので、3つのうち1つはレベル4が取れない、ということになります。シニアのトップは90%くらいありますので、ここはトップ層との差になっています。

 

 

今シーズンがジュニア最終シーズンとなった川畑選手。全日本で3位表彰台という素晴らしい成績を上げました。ただ、ジュニアカテゴリーの試合では残念ながら結果が出せなかった印象です。全日本ジュニアは優勝候補に挙がっていましたが、勝ち切れず。世界ジュニアも昨シーズンより順位を落としてしまいました。

N高東京。実は紀平梨花選手の先輩。まあ、通信制ですので、学内での接点とかそういうのないんでしょうけど、インターハイとか出たら実は強かったのですが、二人とも出ていません。そこに視点はあてていないのでしょう、川畑選手も。

青い衣装でトリプルルッツ-トリプルトーループを豪快に飛ぶ。進学先は早稲田大学、と、なんとなく永井優香選手を彷彿させるものがあります。

 

全日本で結果は出せたのですが、国際大会で結果が出なかったので、来シーズンシニアに上がった時点でのグランプリシリーズの出場枠が微妙です。2枠はないですし、1枠も怪しい。

世界ランキングもシーズンベストも50位以下ですので、出場権確保は難しい情勢です。この位置の選手のシニアデビューシーズンは、割とNHK杯の地元枠が回って来ることが多いのですが、それ狙いになるでしょうか。

 

来シーズン、グランプリシリーズの枠が取れなかった場合は、チャレンジャーシリーズに多めに派遣してもらえたらな、と思います。ほとんどの選手はチャレンジャーシリーズは1試合、時折例外的に2試合な選手もいるのですが、グランプリ2戦がないなら、できればグランプリシリーズの裏でやっている時期のチャレンジャーシリーズも含めて3試合派遣してほしい。

チャレンジャーシリーズは単なる国際B級大会よりポイントが高いので世界ランキングを上げやすいのと、ISU公認スコアになるので、シーズンベストスコアを上げるのに大事な試合です。その、シーズンベストスコアを高めるチャンスをなるべく増やしてほしい。

幸い、川畑選手は全日本3位になっているので、来シーズンはシードで、地方大会に出場せずとも無条件に全日本に出られます。なので、全日本前はすべて国際大会に充てることができる。

 

まだ、ベストスコアは170点台ですし、世界の上位と戦うには差があるのは事実ですが、3シーズン前までは全日本ジュニアでフリーに進めなかった選手が、高校3年間で全日本の表彰台に上るところまで来ました。15歳でシニアデビューしていく選手が多いフィギュア界ですが、大学に上がったところでシニアデビューして、それからさらに成長していく、そんな選手に川畑選手はなっていけるのではないかと思っています。