2005年5月1日生まれ
ジュニア5シーズン目
シーズン獲得賞金:$12,500
世界ランキング:28位
シーズンランキング:14位
シーズンベストスコア 205.82(11位) JGP Gdansk
ショートプログラムシーズンベスト 70.16 JGP Gdansk
フリーシーズンベスト 137.70 ヨーロッパ選手権
フリープログラム楽曲:バタフライラバーズ
スピンレベル4率 53/63 = 84.1%(国際大会:22/24 = 91.7%)
ステップレベル4率 6/14 = 42.9%(国際大会:4/6 = 66.7%)
スピンオールレベル4 4/10(国際大会::2/4)
スピンステップオールレベル4 2/10(国際大会:1/4)
ジャンプ要素回転不足率 22/106 = 20.8%(国際大会:5/40 = 12.5%)
ジャンプ回転不足なし 1/10(国際大会:1/4)
スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし1/10(国際大会:1/4)
○22-23シーズンの戦績
J/S | Grade | Event | Pl | Total | SP | FS |
J | DL | 七夕杯 | 1 | 100.38 | 100.38 | |
S | DL | MGCアイスアリーナ杯 | 1 | 144.58 | 46.46 | 98.12 |
J | JGP | JGP Gdansk | 2 | 205.82 | 70.16 | 135.66 |
J | JGP | JGP Egna | 4 | 185.73 | 64.07 | 121.66 |
J | RT | 東日本選手権 | 4 | 167.43 | 66.37 | 101.06 |
J | NJ | 全日本ジュニア | 2 | 193.15 | 65.72 | 127.43 |
S | NC | 全日本選手権 | 5 | 200.12 | 71.06 | 129.06 |
J | IH | 全国高等学校総合体育大会 | 3 | 176.70 | 61.72 | 114.98 |
J | NG | 国民体育大会 | 1 | 191.86 | 68.00 | 123.86 |
S | 4CC | Four Continents | 3 | 204.98 | 67.28 | 137.70 |
S | IC | Coupe de Printemps | 1 | 190.99 | 66.97 | 124.02 |
千葉百音選手は今シーズンはジュニアカテゴリーを選択してスタートしました。
初戦は地元でフリーのみの試合の七夕杯。冒頭に4回転を入れたらあとはばらばらになってしまったようで100.38というなかなかあれなスコアになってしまいました。2週間後のMGCアイスアリーナトロフィーはショートフリー揃った試合ですが、ここではショートで50点割れ、フリーは100点割れ。フリーでは4回転入れようとした形跡はありますが3回転になったというのも含めショートフリーで5転倒。今シーズン大丈夫? というなかなかひどい8月でした。
ジュニアグランプリシリーズは9月3週目のアルメニアからの予定でしたが、これが何と紛争起こって中止。エントリー再配置で翌週のポーランド・グダンスクに回ります。このポーランドもその週の頭に国境付近でミサイル落ちてますけど、という実際に渡航する人の立場からするとトンでもない状態での試合。そして演じるショートプログラムはシンドラーのリスト。シニアの試合がなかなかポーランドではありませんので、おそらくこれまで、しっかりしたシンドラーのリストがポーランドで演じられるという機会はなかったと思うのですが、逆にこのシチュエーションによってかいきなり覚醒します。ショートプログラム全要素プラス評価のノーミス。最後の要素レイバックスピンは平均GOE+4.556 今シーズンの全レイバックスピンの中で最高評価を受けて70.16 人生初の70点台パーソナルベストで島田麻央選手を抑えて首位に立ちます。フリーはさすがに基礎点差で逆転されますが、それでもqが1つ付いたくらいでほぼミスのない演技でトータル205.82 国内含めた自己ベストスコアを20点以上上回って2位表彰台に立ちました。
間1週おいてジュニアグランプリ最終戦、イタリアのエーニャにエントリー。ここでファイナル進出が懸かるのですが、このショートでスピンが1つ入らないという痛恨のミス。それでも64.07の3位で、この3位を守ればおそらくスコアで上回ってファイナルというシチュエーションでターゲットスコアは126.46。しかしながら最後の3連続予定のルッツで転倒というのが致命傷。フリー121.66トータル185.73で3位と4.79差の4位に終わりファイナル進出はなりませんでした。
11月に入って気を取り直しての国内戦。東日本選手権はショートはまずまずよかったのですが、フリーは2転倒含め大崩れして4位。全日本ジュニア大丈夫? という心配な流れですが、2週置いて立て直してきました。ショートは65.72で首位と0.80差の2位。ただし4位とも0.60差という僅差で誰が表彰台を確保するか? という戦い。大事なフリーをq1つだけで乗り切りトータル193.15 逆転優勝はなりませんでしたが2位を守って全日本進出を決め、世界ジュニアの芽を大きく伸ばしました。
勝負の全日本は世界ジュニアを賭けるのか、あるいは年齢的には世界選手権もあるにはある、という立ち位置で臨みます。ショートはシニアルールなのでいつものループをフリップに飛び変えて技術点40.33と40点台に乗せて71.06の3位スタート。表彰台なら世界ジュニアも飛び越えてワールドも、ワールドも、という中で最終グループ4人目で登場。表彰台確定には131.74が必要、世界ジュニア枠直接対決の中井亜美選手に勝つには130.44が必要。シーズンベストは135.66があるし、全日本ジュニアは127.43なのでそこにステップ分足せれば!!! という状況下。冒頭ルッツ転倒。直後にダブルアクセルからリカバリー3Tを付けて立て直し、ぎりぎり希望をつなぎます。遠目にはその後はミスなくいい演技でしたが、3連続でqが付きステップはレベル3というのが最終的には効いてきてフリー129.06 総合200.12は表彰台まで2.67差の5位となりました。5位でもシニアでは3番目、代表選考どうなるか? どうなるか? と1日待たされた結果は4大陸の代表入り、世界ジュニアは補欠1、世界選手権は補欠2となりました。表彰台乗っていたらどうなっていたか・・・
1月は国内戦を2つこなします。2年生として出場したインターハイは4強の闘いのようでしたが、3年生の2人、河辺愛菜選手、松生理乃選手に敗れ3位。国体はジュニアの部で出場しこちらは優勝します。
全日本の後に国内ジュニア戦2戦を挟んでまた4大陸ではシニアプログラムに戻すという展開でしたが、国体から4大陸までは10日ほど、調整はいかばかりか。
高地コロラドスプリングに飛んでの4大陸選手権、ジュニアからの飛び級組はランキングも低く前半グループに回ってのショートプログラム。コンビネーションでqと<と残念な部分もありましたが、PCSはシーズン最高もらって67.28 日本勢最高の7位に付けます。
フリーは第3グループ最終滑走。経験値的には最終グループに入る方がいいわけですが、米韓のトップ選手が集まるところにいるより日本勢プラスαな第3グループの方から守るものなく追い上げるだけの方が心理的には良かったでしょうか。フリーはq1つあるくらいのノーミスでPCSもシーズン最高もらって137.70でトータル204.98 首位に立って残りの選手を待ちます。最終グループ1番目のイ・ヘイン選手がすぐに上に行ったので、ちょっとこれは厳しいかな、とも思いましたがアメリカ勢は伸びてこず、最終的に3位に残って、チャンピオンシップのメダルを手に入れました。
世界ジュニアや世界選手権の補欠もあるので、4大陸ではシーズン終わらず、3月のクープドプランタンにもシニアカテゴリーで出場。問題なく優勝してランキングを上げることが出来ました。
○要素別スコア
Event | Total | TES | PCS | J Base | J GOE | Spin | Step |
七夕杯 | 100.38 | 50.31 | 52.07 | 37.47 | -1.45 | 10.29 | 4.00 |
MGCアイスアリーナ杯 | 144.58 | 71.13 | 79.45 | 45.68 | -6.98 | 22.78 | 9.65 |
JGP Gdansk | 205.82 | 111.22 | 94.60 | 66.43 | 9.44 | 25.47 | 9.88 |
JGP Egna | 185.73 | 95.29 | 91.44 | 60.99 | 3.92 | 21.31 | 9.07 |
東日本選手権 | 167.43 | 88.57 | 80.86 | 59.07 | -2.05 | 23.33 | 8.22 |
全日本ジュニア | 193.15 | 104.75 | 88.40 | 65.59 | 5.36 | 24.17 | 9.63 |
全日本選手権 | 200.12 | 109.38 | 91.74 | 65.73 | 4.76 | 24.91 | 13.98 |
全国高等学校総合体育大会 | 176.70 | 90.46 | 87.24 | 59.81 | -0.47 | 22.77 | 8.35 |
国民体育大会 | 191.86 | 100.99 | 90.87 | 64.05 | 4.23 | 23.92 | 8.79 |
Four Continents | 204.98 | 109.62 | 95.36 | 66.07 | 5.42 | 24.65 | 13.48 |
Coupe de Printemps | 190.99 | 102.19 | 89.80 | 65.68 | -1.70 | 24.20 | 14.01 |
こうやって眺めてみると、国内戦は結構ひどいスコアも目立ちます。国際大会は1番悪くても185.73で200点台が2試合。大きな試合の方が点が出てくるのは集中力があるのか、調整が出来ているのか、たまたまか。205.82は今シーズン全体で11位にあたります。
技術点はJGPのグダンスクで110点を超えました。111.22はこれも今シーズン11位にあたります。
PCSはまだ100点まで届きませんが、4大陸選手権では95.36まできました。1項目平均8点にわずかに欠ける程度です。
ジャンプの基礎点はJGPのグダンスクで66.43まで出ています。これも今シーズン全体で11番目にあたります。ダブルアクセル組ではかなり高い領域に来ています。
ジャンプの加点もグダンスクで9.44まで出ました。出来の悪い時はマイナスになっている試合もあります。9.44はシーズン8位の高い加点です。
スピンもグダンスクが最高で25.47 他の試合は24点台まででした。25.47はシーズン10位にあたります。
ステップ系要素はジュニアカテゴリーの試合だとステップ1つ分少ないので低く出ます。シニアの試合ではクープドプランタンで14.01と14点台に乗せました。
各項目で10位くらいのスコアが多く、ここからPCSとステップがシニア本格参戦で上がっていくと強いですね、というように見えます。
○要素別偏差値
Event | Total | J Base | J GOE | Spin | Step | PCS |
MGCアイスアリーナ杯 | 46.53 | 45.62 | 41.90 | 59.18 | 45.12 | 50.77 |
JGP Gdansk | 66.77 | 65.86 | 75.52 | 68.16 | 69.74 | 61.78 |
JGP Egna | 60.13 | 60.56 | 64.21 | 54.27 | 62.45 | 59.48 |
東日本選手権 | 54.08 | 58.68 | 51.99 | 61.02 | 57.68 | 51.79 |
全日本ジュニア | 62.58 | 65.04 | 67.16 | 63.82 | 68.57 | 57.27 |
全日本選手権 | 64.88 | 65.18 | 65.93 | 66.29 | 64.61 | 59.70 |
全国高等学校総合体育大会 | 57.14 | 59.40 | 55.23 | 59.15 | 58.08 | 56.43 |
国民体育大会 | 62.15 | 63.54 | 64.85 | 62.99 | 60.56 | 59.07 |
Four Continents | 66.49 | 65.51 | 67.29 | 65.42 | 62.36 | 62.33 |
Coupe de Printemps | 61.87 | 65.13 | 52.71 | 63.92 | 64.74 | 58.29 |
トータルスコアは60台が標準で60台後半まで出しています。
ジャンプの基礎点は60台半ばが標準です。大崩れすると50台にしずむこともあるようです。
ジャンプの加点はグダンスクで75.52という高い偏差値が出ていますが60台後半くらいが標準でしょうか。
スピンは60台前半が標準でいい時は後半まで出ます。
ステップ系要素はジュニアの試合は補正もあって参考程度でしかないですが、シニアルールでも60台は出ています。
PCSはまだ50台が標準でいい時に60台に乗って来るくらいです。
全体的に60を超える偏差値が出ているので、穴がなくバランスよく能力を発現しているタイプに見えます。
レーダーチャートで表すとJGPのグダンスクはPCSが凹んでジャンプの加点が突出しているように見えますが、他はいい試合では割とバランス取れたチャートになっています。
東日本選手権やインターハイのような、スコア伸びていない試合はジャンプの加点がやはりだいぶ凹む位置に来ます。
バランス型の選手のようです。
・シーズン最高の基礎点構成
○全日本選手権 ショートプログラムの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 2A | 3.30 | 0.94 | 4.24 | 2.778 | ||
2 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.35 | 11.45 | 2.333 | ||
3 | CCoSp4 | 3.50 | 0.85 | 4.35 | 2.444 | ||
4 | 3F | 5.83 | X | 1.29 | 7.12 | 2.444 | |
5 | FCSp4 | 3.20 | 0.87 | 4.07 | 2.778 | ||
6 | StSq4 | 3.90 | 1.34 | 5.24 | 3.444 | ||
7 | LSp4 | 2.70 | 1.16 | 3.86 | 4.222 | ||
TES | 32.53 | 7.80 | 40.33 |
ショートプログラムの最高基礎点はシニアの試合で全日本になっていました。ジュニアの試合ではグダンスクの32.09があります。シニアジュニアの差はフリップとループの差です。
コンビネーションがルッツ-トーループで単独ジャンプを1.1倍に入れると32.53の基礎点になってきます。コンビネーションを1.1倍にすれば0.48基礎点が上がって33.01になり、ダブルアクセル組の最高基礎点にまでなります。
今シーズン32.53より上の基礎点を国際大会のショートで出した選手は8人いました。
ダブルアクセル組の中では十分に高い基礎点です。
この構成はGOE満点の時に技術点46.43が出るのでPCS加味して86.43満点となります。
○4大陸選手権 フリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 3Lz+3Tq | q | 10.10 | -0.08 | 10.02 | -0.111 | |
2 | 2A | 3.30 | 0.42 | 3.72 | 1.222 | ||
3 | 3S | 4.30 | 0.74 | 5.04 | 1.667 | ||
4 | FCCoSp4 | 3.50 | 0.95 | 4.45 | 2.667 | ||
5 | CCoSp4 | 3.50 | 0.80 | 4.30 | 2.333 | ||
6 | 3Lo | 4.90 | 0.91 | 5.81 | 1.667 | ||
7 | 3F+2A+SEQ | 9.46 | x | 0.98 | 10.44 | 1.889 | |
8 | 3Lz+2T+2Lo | 9.79 | x | 0.59 | 10.38 | 1.111 | |
9 | StSq3 | 3.30 | 0.90 | 4.20 | 2.667 | ||
10 | 3F | 5.83 | x | 1.29 | 7.12 | 2.333 | |
11 | ChSq1 | 3.00 | 1.43 | 4.43 | 2.889 | ||
12 | LSp4 | 2.70 | 1.12 | 3.82 | 4.000 | ||
TES | 63.68 | 10.05 | 73.73 |
フリーの最高基礎点は4大陸選手権で出ています。
63.68は今シーズン全体で11位の基礎点構成です。ダブルアクセル組ではこれより上は2人しかいません。
ステップレベル3な分基礎点は削られていてノーミス基礎点は64.28になります。スピンがレイバックスピン入っている分マックス値より0.50低いですが、それ以外は十分高い構成でしょうか。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。1.1倍はルッツとフリップで構成されていてシークエンスアクセルや3連続もいます。セカンド3T2本立てが基礎点高くなりそうに一見感じるのですが、実際はルッツとフリップの2本立てでセカンド3T1本の方が基礎点高くなります。この構成だと満点の時に技術点91.03まで出てPCS加味すると171.03満点です。トリプルアクセル以上なしで170点を超える満点の構成にはなかなかならないです。
3Fと3Lz+3Tを入れ替えればさらに0.48基礎点が上がりますし、極限いくなら3連続を3F+2A+2Aにして、3Lz+2Loのコンビネーションを作り、単独2Lzを入れるところまでやればさらに1.0基礎点が上がるというのもありますが、単独2Lzは見栄え的になかなか入れにくいかと思います。
ここから基礎点上げていくには、シーズン冒頭にチャレンジしていた4回転トーループの投入、というのが本線かと思われます。
○平均GOE3.200以上(国際大会+全日本選手権+全日本ジュニアより)
Event | Elements | Base | GOE | Scores | AvGOE | ||||
JGP Gdansk | SP | 7 | LSp4 | 2.70 | 1.23 | 3.93 | 4.556 | ||
JGP Egna | SP | 7 | LSp4 | 2.70 | 1.23 | 3.93 | 4.556 | ||
JGP Egna | FS | 11 | LSp4 | 2.70 | 1.23 | 3.93 | 4.556 | ||
全日本選手権 | SP | 7 | LSp4 | 2.70 | 1.16 | 3.86 | 4.222 | ||
Four Continents | SP | 7 | LSp4 | 2.70 | 1.16 | 3.86 | 4.222 | ||
Four Continents | FS | 12 | LSp4 | 2.70 | 1.12 | 3.82 | 4.000 | ||
JGP Gdansk | FS | 11 | LSp4 | 2.70 | 1.08 | 3.78 | 4.000 | ||
全日本選手権 | FS | 12 | LSp4 | 2.70 | 1.08 | 3.78 | 4.000 | ||
Coupe de Printemps | SP | 7 | LSp4 | 2.70 | 1.08 | 3.78 | 3.800 | ||
Coupe de Printemps | FS | 12 | LSp4 | 2.70 | 0.99 | 3.69 | 3.800 | ||
全日本ジュニア | SP | 7 | LSp4 | 2.70 | 0.97 | 3.67 | 3.714 | ||
JGP Gdansk | SP | 6 | StSq4 | 3.90 | 1.34 | 5.24 | 3.444 | ||
全日本選手権 | SP | 6 | StSq4 | 3.90 | 1.34 | 5.24 | 3.444 | ||
JGP Egna | SP | 6 | StSq3 | 3.30 | 1.13 | 4.43 | 3.444 | ||
全日本ジュニア | SP | 6 | StSq4 | 3.90 | 1.33 | 5.23 | 3.429 | ||
JGP Gdansk | FS | 10 | ChSq1 | 3.00 | 1.64 | 4.64 | 3.333 | ||
JGP Egna | FS | 10 | ChSq1 | 3.00 | 1.64 | 4.64 | 3.222 | ||
全日本選手権 | FS | 9 | StSq3 | 3.30 | 1.08 | 4.38 | 3.222 |
千葉選手は高評価要素が多いです。ただし、ほとんどがレイバックスピンでした。レイバックスピンで平均GOE+4.556を3回出しています。国際大会のワーストレイバックスピンでクープドプランタンの平均GOE+3.800でした。ISU公認3大会では6本すべて4.000以上。+4.556は全選手最高評価でした。宮原知子さんの跡を継いだレイバックスピンマスターです。そのうち満点も出しそう。
その次の評価はステップとコレオになってきます。ステップはレベル3も目立つので、まだスコア的には取り切れていない部分はありますが評価としては高いです。
ジャンプはリストに入ってこなくて、最高評価でJGPエーニャのフリーで跳んだ単独フリップが+3.000で唯一+3に到達した要素でした。ジャンプの評価が上がってくると、もう1段階全体のスコアが上がって来るかと思われます。
○4回転
Event | Elements | Base | GOE | Scores | AvGOE | ||||
七夕杯 | FS | 1 | 4T<< | << | 4.20 | -2.10 | 2.10 | -5.000 |
シーズン序盤に4回転チャレンジしましたがダウングレードでした。
次の試合でも4回転チャレンジをしたと思われるのですが、3Tの転倒とカウントされています。
○セカンド3回転を含む要素
Event | Elements | Base | GOE | Scores | AvGOE | ||||
七夕杯 | FS | 2 | 3Lz+3Tq | q | 10.10 | 0.20 | 10.30 | 0.200 | |
MGCアイスアリーナ杯 | FS | 2 | 3Lz+3Tq | q | 10.10 | -0.98 | 9.12 | -1.600 | |
JGP Gdansk | SP | 2 | 3Lz!+3T | ! | 10.10 | 0.51 | 10.61 | 0.667 | |
JGP Gdansk | FS | 1 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.52 | 11.62 | 2.222 | ||
JGP Egna | SP | 2 | 3Lz!+3Tq | ! | 10.10 | -0.67 | 9.43 | -1.000 | |
JGP Egna | FS | 1 | 3Lz!+3T< | < | 9.26 | -0.93 | 8.33 | -1.444 | |
東日本選手権 | SP | 2 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.30 | 11.40 | 2.143 | ||
東日本選手権 | FS | 1 | 3Lz+3T< | < | 9.26 | -1.06 | 8.20 | -1.714 | |
全日本ジュニア | SP | 2 | 3Lz+3T< | < | 9.26 | -0.71 | 8.55 | -1.143 | |
全日本ジュニア | FS | 1 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.42 | 11.52 | 2.429 | ||
全日本選手権 | SP | 2 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.35 | 11.45 | 2.333 | ||
全日本選手権 | FS | 2 | 2A+3Tq | q | 7.50 | 0.06 | 7.56 | 0.111 | |
全国高等学校総合体育大会 | SP | 2 | 3Lz!<+3T< | ! | 8.08 | -2.20 | 5.88 | -4.400 | |
全国高等学校総合体育大会 | FS | 1 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.18 | 11.28 | 2.200 | ||
国民体育大会 | SP | 2 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.18 | 11.28 | 2.200 | ||
国民体育大会 | FS | 1 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.18 | 11.28 | 2.000 | ||
Four Continents | SP | 2 | 3Lzq+3T< | < | 9.26 | -1.69 | 7.57 | -2.778 | |
Four Continents | FS | 1 | 3Lz+3Tq | q | 10.10 | -0.08 | 10.02 | -0.111 | |
Coupe de Printemps | SP | 2 | 3Lz!+3Tq | ! | 10.10 | -0.98 | 9.12 | -1.800 | |
Coupe de Printemps | FS | 1 | 3Lz!+3Tq | ! | 10.10 | -0.79 | 9.31 | -1.600 |
コンビネーションは3Lz+3Tが基本です。全日本選手権ではフリー冒頭のルッツで転倒した直後に2A+3Tのリカバリーを入れました。
ショートプログラムは10回滑って1回は転倒があってセカンド3T入らずですが、それも含めると5回!が付きました。セカンドジャンプにアンダーローテーションが付いたのが3回、qも2回つきました。GOEプラスの成功ジャンプは4回。フリーは11回あって、1つ目ルッツの転倒が1、セカンドのアンダーローテーション2 ルッツの!が2回にqが4つあって、GOEプラスの成功は5回です。
確率5割を割ってしまっている現状があるので、このコンビネーションの安定化ができると、上位でより安定して戦えると思われます。
○3連続ジャンプ
Event | Elements | Base | GOE | Scores | AvGOE | ||||
七夕杯 | FS | 8 | 3Lz<+2T+2Lo | < | 8.49 | X | 0.00 | 8.49 | -0.200 |
JGP Gdansk | FS | 9 | 3Lzq+2T+2Lo | q | 9.79 | x | -0.59 | 9.20 | -1.000 |
東日本選手権 | FS | 9 | 3Lz!q+2T+2Lo | ! | 9.79 | X | -2.12 | 7.67 | -3.714 |
全日本ジュニア | FS | 9 | 3Lz+2T+2Lo | 9.79 | X | 0.12 | 9.91 | 0.143 | |
全日本選手権 | FS | 8 | 3Lzq+2T+2Lo | q | 9.79 | X | -0.25 | 9.54 | -0.444 |
国民体育大会 | FS | 9 | 3Lz<+2T+2Lo | < | 8.49 | X | -0.94 | 7.55 | -2.200 |
Four Continents | FS | 8 | 3Lz+2T+2Lo | 9.79 | x | 0.59 | 10.38 | 1.111 | |
Coupe de Printemps | FS | 8 | 3Lz!+2T+2Lo< | < | 9.42 | x | -1.57 | 7.85 | -3.000 |
3連増ジャンプは8回入りました。3試合では3連続を入れられず。ジュニアグランプリのエーニャで入れられなかったのが大変痛かったです。
ルッツ起点で2回転2つ付けるタイプ。ルッツのアンダーローテーションが2つをはじめマークが多数ついていてGOEプラスの成功ジャンプは2回だけでした。
ショートフリーで3回飛ぶルッツに!が目立つので、これを何とかできるとそれだけでだいぶ点数上がってきそうです。
今シーズンはジュニアスタートでジュニアグランプリファイナル、世界ジュニアが目標というところだったかと思われますが、最終的には4大陸表彰台というちょっと違う着地点にたどり着きました。ジュニア組では高難度ジャンプで点を取る戦略の選手が割と上の方には多いのですが、その中で結果的に完成度とPCSで点を取るという異なった戦略で結果を出してきました。
来期はシニアに上がるということで、4大陸3位とシーズンベスト11位を引っ提げて、おそらくグランプリシリーズは2枠もらえるのではないかと思われます。今季出られなかった世界ジュニアへ来期は3枠になったから出戻りで出られる、というコースもあったりするかもしれませんが、本線は、来期こそ全日本表彰台から世界選手権へ、という狙いになると思われます。
木下アカデミーへの移籍が報道されました。4回転習得にはここへ行くのが良い、というのもあったでしょうか。千葉選手に4回転までそろうと鬼に金棒なわけですがどうなるか。来シーズンの活躍が待たれます。