ダニイルサムソノフ Daniil Samsonov 19-20

2005年7月13日生まれ

ジュニア1シーズン目

シーズン獲得賞金:$7,000

世界ランキング:105位

シーズンランキング:49位

シーズンベストスコア 250.51(17位) JGP Baltic Cup

ショートプログラムシーズンベスト 87.33 JGP Baltic Cup

フリーシーズンベスト 163.18 JGP Baltic Cup

ショートプログラム楽曲::

フリープログラム楽曲 :

スピンレベル4率 23/24=95.8%

ステップレベル4率 7/8=87.5%

スピンオールレベル4 3/4

スピンステップオールレベル4 2/4

ジャンプ回転不足率  5/40=12.5%

ジャンプ回転不足なし試合 1/4

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/4

 

 ●ダニイルサムソノフ選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
JGP JGP Riga 3 211.62 72.28 37.64 35.64 139.34 70.78 70.56
JGP JGP Baltic Cup 1 250.51 87.33 49.55 37.78 163.18 87.84 76.34
JGPF JGP Final 3 230.19 77.75 41.47 37.28 152.44 76.28 76.16
Others Youth Olympic 3 215.21 76.62 38.98 38.64 138.59 64.15 75.44

サムソノフ選手は今シーズンがジュニアデビューです。ジュニアグランプリシリーズに出るのも初めてですし、世界ランキングもポイントゼロからのスタートになります。ただ、それでも、今シーズンのジュニアの主役の一人になるであろうことはシーズン開幕前から期待されていましたし、実際に、主役の一人でありました。

 

初戦はショートからジャンプが二つ決まらず72.28 ジュニアとしては低いスコアではありませんが、エテリ組新兵器投入戦、という意味ではいまいちインパクトに欠けるものではありました。フリーでは投入の四回転ルッツを投入しますが回転不足の転倒。スコアを伸ばせず3位に終わりました。

本領発揮は二戦目。ショートプログラムはノーミスで全要素全ジャッジが+2以上を付け、平均GOEは最低でも3.222という評価で技術点49.55のトータル87.33 ジュニアのショートプログラム新記録を出します。フリーも四回転ルッツこそ回転不足の転倒となったものの、他はミスなくまとめ163.18の高スコアでトータル250.51 250点に乗せて優勝を果たし、ファイナルの切符を手にしました。

 

このあと、表にはありませんが、デニステンメモリアルのジュニアグレードの試合に出ます。これはISU公認スコアにはならない試合ですが、ショートでは88.64というジュニア記録を上回るスコアを出し、フリーも175.40の高スコアでトータル264.04を出し優勝。参考記録ではありますが、国際試合のジュニアの最高スコアになっています。この試合では四回転フリップを投入していましたが、回転不足でした。

 

ジュニアグランプリファイナルではショートのトリプルアクセルでまさかの転倒。それでも77.75の2位発進。フリーの逆転は十分にある位置です。フリーは四回転ルッツを回転十分で着氷したのですが、その次のトリプルアクセルをステップアウトしてコンビネーションに出来ずリピート扱いになります。結果的にはこれを取り戻すことができず、トータル230.19の3位。ただ、男子でジュニアデビューシーズンにファイナル表彰台に乗るのはなかなか困難なこと。これは十分すごいことと言えると思います。

 

年末はシニアに混ざってのロシア選手権。シニアグレードなのでショートから四回転ルッツ投入で着氷しますが、次のトリプルアクセルで転倒。フリーでは四回転のルッツとフリップでともに回転不足の転倒。結果的に四回転は決まらなかったのですが、14歳にしてシニアのナショナル選手権で6位に入る健闘を見せました。

 

年が明けるとユースオリンピックがあります。ショートではアクセルが2回転半になったうえで転倒ということで点がほとんど入らずでしたが76.62の2位で折り返しますが、フリーでは四回転ルッツにアクセル二本がやはり決まらず、トータル215.12の3位。表彰台に何とか踏みとどまりました。

 

ロシアはジュニア選手権がナショナル選手権より後にあり、2月に開催されます。ショートはアクセルが乱れたものの後はしっかりまとめて84.40の2位で折り返します。フリーでは四回転ルッツを封印。今シーズン初めての四回転サルコウを投入し、GOEはわずかにマイナスながら着氷させ176.82という高スコアを出して逆転優勝を果たしました。

 

この後は世界ジュニアの予定だったのですが、欠場となりました。

 

 ●ダニイルサムソノフ選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
JGP JGP Riga 3 211.62 108.42 106.20 73.06 25.61 9.75
JGP JGP Baltic Cup 1 250.51 137.39 114.12 99.36 27.72 10.31
JGPF JGP Final 3 230.19 117.75 113.44 81.82 26.87 9.06
Others Youth Olympic 3 215.21 103.13 114.08 66.58 26.58 9.97

サムソノフ選手の要素別スコアを見ると、一番良かったバルチックカップ以外はTESとPCSが割と拮抗しています。PCSは110点台半ばまで出ています。5項目平均7.5で112.5なので、7.5を少し超えるくらい。ジュニア一年目としては十分高い値かと思います。

ジャンプは99.36まで出した試合がありました。これは今シーズン全体で13位という高いスコアです。

14歳の四回転ルッツを注目されることの多いサムソノフ選手ですが、サムソノフ選手の一番得意な要素はジャンプではなくスピンです。一番いい試合は27.72 これは今シーズンの全選手中トップのスコアでした。一度だけならまぐれ、と言えないこともないのですが、ファイナルの26.87もかなり高いスコアで、これより高いスコアを今シーズン出したのは、サムソノフ選手自身の他にはジェイソンブラウン選手しかいません。

 

ステップは10.31が最高。ジュニアはコレオシークエンスがないので、シニアと単純比較はしづらいのですが、ジュニアの中で見て10.31は最高スコアでした。ユースオリンピックの9.97でも、これをジュニアで超えた選手はいません。ステップもジュニアの選手の中では傑出しています。

 

 ●ダニイルサムソノフ選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
JGP Riga 3 51.88 57.42 41.04 66.21 62.28 50.84
JGP Baltic Cup 1 61.80 60.00 68.82 72.80 66.63 55.65
JGP Final 3 56.62 56.73 53.29 70.15 59.28 55.23
Youth Olympic 3 52.80 47.50 52.16 69.24 63.98 55.62

偏差値で表すと、250点に乗せると60台に入ってきました。他は50台です。

ジャンプは基礎点で何とか60に乗せた試合がある、という程度ですし、GOEも一番いい試合で60台後半を出していますが、他はそうたいした値ではありません。

高い値があるのはスピン。全選手中最高ですので当然なのですが、72.80という高い偏差値をたたき出しました。

ステップも60台後半までジュニアにして出しています。

PCSはまだジュニア感のある状態ではあるものの50台半ばまでは到達。

 

小さいけれど四回転ルッツ、というイメージの強いサムソノフ選手ですが、実際には得点を見ると、スピンステップの選手、という分類になります。

 

ダニイルサムソノフ スケート偏差値

レーダーチャートは下に凸です。スピンでとにかく稼いでいます。

ジャンプのいい時でもスピンが強くて下に伸びる形です。四回転の確率が上がっていけば話は変わってくるのでしょうけれど、今の段階ではスピンステップ、特にスピンで稼いでいます。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup 1 3A   8.00   2.74 10.74 3.333
JGP Baltic Cup 2 3Lo   4.90   1.75 6.65 3.667
JGP Baltic Cup 3 CCSp4   3.20   1.33 4.53 4.111
JGP Baltic Cup 4 3Lz+3T   11.11 x 2.28 13.39 3.778
JGP Baltic Cup 5 FSSp4   3.00   1.11 4.11 3.556
JGP Baltic Cup 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
JGP Baltic Cup 7 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.333
JGP Baltic Cup   TES   37.61   11.94 49.55  

ショートプログラムの最高基礎点は37.61でした。ジュニアカテゴリーですので四回転がそもそも投入できません。また、今シーズンのジュニアは単独ジャンプがループ指定なため、コンビネーションでルッツループを使うこともできません。したがって、この37.61はジュニアルールの最高基礎点となります。

今シーズンこの37.61を達成したジュニア選手は4人だけで、そのうちサムソノフ選手だけが2回達成しています

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup 1 3A+3T   12.20   2.40 14.60 3.000
JGP Baltic Cup 2 4Lz< 9.20   -4.60 4.60 -5.000
JGP Baltic Cup 3 3A   8.00   2.29 10.29 2.778
JGP Baltic Cup 4 2A   3.30   1.18 4.48 3.556
JGP Baltic Cup 5 FCSp4   3.20   1.28 4.48 4.000
JGP Baltic Cup 6 3Lz+3Lo   11.88 x 1.60 13.48 2.889
JGP Baltic Cup 7 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.59 12.70 2.889
JGP Baltic Cup 8 3Lz   6.49 x 1.94 8.43 3.222
JGP Baltic Cup 9 FCCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.444
JGP Baltic Cup 10 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
JGP Baltic Cup 11 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.778
JGP Baltic Cup   TES   76.28   11.56 87.84  

フリーの最高基礎点は76.28でした。四回転は一本一種類。二回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツです。

四回転ルッツが回転不足なのですが、回転が足りていた場合は基礎点は2.30上がって78.58にまでなります。四回転ルッツが構成に入っているものの、四回転が一本なので、ノーミスでも基礎点はまだ80点に到達しません。ジュニアルールでも81.40の基礎点をジュニアグランプリファイナルでたたき出した佐藤駿選手と比べるとまだ低いです。

 

四回転が一本の中、コンビネーションでセカンド3Loあり、3連続の三つ目3Sありで、3回転ジャンプをフルに使う結果、ジャンプが足りずに構成にダブルアクセルが入ってきています。こういうの見ると、エテリ組構成だなあ、と感じます。

 

この構成に入っている四回転はルッツが1回だけですが、フリップもサルコウも跳ぶことがあるようですので、やがて、三種類四本くらいまではたどり着くんでしょうか。四回転三種類使いの中に、現在はセカンドルーパーがいません。四回転三種類四回でセカンド3Loが使えると、構成の中にコンビネーション含めて2回転が一つもなく、四回転4本トリプルアクセル2本3回転4本というすごい構成が出来上がります。

 

●平均GOE+3.200以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Baltic Cup SP 7 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.333
JGP Baltic Cup SP 3 CCSp4   3.20   1.33 4.53 4.111
JGP Baltic Cup FS 5 FCSp4   3.20   1.28 4.48 4.000
JGP Final FS 11 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
Youth Olympic SP 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
JGP Baltic Cup SP 4 3Lz+3T   11.11 x 2.28 13.39 3.778
JGP Baltic Cup FS 11 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.778
Youth Olympic SP 3 CCSp4   3.20   1.23 4.43 3.778
JGP Riga SP 3 CCSp4   3.20   1.14 4.34 3.667
JGP Baltic Cup SP 2 3Lo   4.90   1.75 6.65 3.667
JGP Final SP 3 CCSp4   3.20   1.19 4.39 3.667
JGP Baltic Cup SP 5 FSSp4   3.00   1.11 4.11 3.556
JGP Baltic Cup FS 4 2A   3.30   1.18 4.48 3.556
JGP Final FS 5 FCSp4   3.20   1.19 4.39 3.556
JGP Riga FS 5 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.444
JGP Baltic Cup FS 9 FCCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.444
JGP Final SP 7 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
JGP Baltic Cup SP 1 3A   8.00   2.74 10.74 3.333
JGP Riga SP 7 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.222
JGP Baltic Cup SP 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
JGP Baltic Cup FS 8 3Lz   6.49 x 1.94 8.43 3.222
JGP Baltic Cup FS 10 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
JGP Final SP 5 FSSp4   3.00   0.94 3.94 3.222
Youth Olympic FS 5 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.222

評価の高い要素はスピンです。平均GOE+4.0以上をスピンで4回出しています。そういう選手は他にもいますが、サムソノフ選手のすごいところは、使ってるスピン4種類のうち3種類で+4以上を出していることです。特定のスピンが得意というだけでなく、複数種類のスピンで高いGOEを出すことができる。これが、スピンのスコアで全選手最高になった所以です。

 

●四回転ルッツ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Riga FS 2 4Lz< 9.20   -4.60 4.60 -5.000
JGP Baltic Cup FS 2 4Lz< 9.20   -4.60 4.60 -5.000
JGP Final FS 2 4Lz   11.50   -0.16 11.34 -0.222
Youth Olympic FS 2 4Lz< 9.20   0.00 9.20 0.111

サムソノフ選手は今シーズン四回転ルッツに挑んでいました。四回飛んで回転が足りたのは1回だけ。その1回もGOEはマイナスなので、しっかりとした成功ジャンプはなかった、ということになります。

まだ、四回転は飛べるジャンプ、とはちょっと言えない水準なのかな、と思います。試合で飛べそうなジャンプ、というくらいです。ただ、転倒の二回はともかく、あとのジャンプは回転不足でも3回転より十分に高い得点になっていますから、プログラムに入れる価値はあるジャンプになっています。

 

●アクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Riga SP 1 3A   8.00   -2.17 5.83 -2.556
JGP Riga FS 1 3A   8.00   -2.63 5.37 -3.222
JGP Riga FS 4 2A   3.30   0.66 3.96 2.222
JGP Baltic Cup SP 1 3A   8.00   2.74 10.74 3.333
JGP Baltic Cup FS 1 3A+3T   12.20   2.40 14.60 3.000
JGP Baltic Cup FS 3 3A   8.00   2.29 10.29 2.778
JGP Baltic Cup FS 4 2A   3.30   1.18 4.48 3.556
JGP Final SP 1 3A   8.00   -3.77 4.23 -4.667
JGP Final FS 1 3A   8.00   1.14 9.14 1.333
JGP Final FS 3 3A+REP   5.60   -3.20 2.40 -4.000
JGP Final FS 4 2A   3.30   0.66 3.96 1.889
Youth Olympic SP 1 2A   3.30   -1.65 1.65 -4.778
Youth Olympic FS 1 1A   1.10   0.05 1.15 0.556
Youth Olympic FS 3 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000

サムソノフ選手は、意図的なダブルアクセルもあるのですが、それも含めてアクセルジャンプをすべて入れました。

ジュニアグランプリとファイナルの3戦のダブルアクセルは、おそらく意図的なダブルアクセルだと思われます。ユースオリンピックはミスでしょう。という解釈をすると、今シーズン上記の試合で飛ぼうとしたトリプルアクセルは11回あり、1回転半が1度、2回転半が1度、それ以外のGOEマイナスが5回あり、成功率は4/11  意外と低い成功率です。

四回転が決まっていないだけでなく、トリプルアクセルの確率も低い、というのが、今シーズン、ジャンプはそれほどでもなくて、スピンやステップの方が実は評価が高かった、ということの現れになっているかと思います。

そんな中で、パーソナルベストを出したバルティックカップでは、ショートフリーで3本トリプルアクセルをそろえたというのが大きかったです。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Riga FS 7 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.29 12.40 2.444
JGP Baltic Cup FS 7 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.59 12.70 2.889
JGP Final FS 7 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.36 12.47 2.667
Youth Olympic FS 4 3F+1Eu+3S   10.10   1.14 11.24 2.222

3連続ジャンプはフリップからの3つ目3Sです。これはすべて平均GOE+2台の成功ジャンプです。きっちり跳べてます。

 

●セカンド三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Riga SP 4 3Lz+3T   11.11 x -2.78 8.33 -4.667
JGP Riga FS 3 3F+3T   9.50   1.06 10.56 2.000
JGP Riga FS 6 3Lz+3Lo   11.88 x 0.93 12.81 1.556
JGP Baltic Cup SP 4 3Lz+3T   11.11 x 2.28 13.39 3.778
JGP Baltic Cup FS 1 3A+3T   12.20   2.40 14.60 3.000
JGP Baltic Cup FS 6 3Lz+3Lo   11.88 x 1.60 13.48 2.889
JGP Final SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.77 12.88 3.000
JGP Final FS 8 3Lz+3T   11.11 x 1.43 12.54 2.333
Youth Olympic SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.69 12.80 2.889
Youth Olympic FS 7 3F+3T   10.45 x 0.53 10.98 1.000

サムソノフ選手はセカンドループの使い手です。ただ、今シーズンはジュニアグランプリの2戦でのみ入っていました。この2試合では1.1倍のところに入れてGOEプラスの成功ジャンプとしています。

セカンドトーループはルッツからフリップからの他にトリプルアクセルからの時もありました。8回飛んでGOEマイナスは1度だけなので7/8成功です。

セカンド3Loが使えて、かつ、セカンド3Tとの二刀流で行ける場合、セカンド3Tだけの選手と比べて、コンビネーションの二つ目で2Tを入れないといけない場面を3Loに出来るので、基礎点で3.6上げることができます。これはかなりの価値を持っています。

 

●FCSp フライングキャメルスピン

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Riga FS 5 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.444
JGP Baltic Cup FS 5 FCSp4   3.20   1.28 4.48 4.000
JGP Final FS 5 FCSp4   3.20   1.19 4.39 3.556
Youth Olympic FS 5 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.222

スピンの中から一種類、フライングキャメルスピンをもってきました。

平均GOEはすべて+3以上。バルティックカップの+4.000は、今シーズンの全選手のフライングキャメルスピンの中での最高評価となっています。

 

スピンのレベル4率は95.8% 基本的にはオールレベル4を取ることができる。まあ、スピンのスコアが全選手中トップなのですから、それはそうだろうという感じがそもそもありますけれど。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Riga SP 6 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556
JGP Riga FS 10 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.444
JGP Baltic Cup SP 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
JGP Baltic Cup FS 10 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
JGP Final SP 6 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.778
JGP Final FS 10 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.444
Youth Olympic SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Youth Olympic FS 10 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556

ステップもレベル4を取ることができます。レベル4率は7/8 ジュニアでステップレベル4を並べられる選手は希少です。

GOEも+2台半ばは普通に取ってきて、良い時は+3台まで出ます。シニアのトップはさすがにもっと上に行きますが、サムソノフ選手がシニアに上がるころには、+4台を平気で出してくるんだろうなあ、という雰囲気がすでにあるように感じています。

 

 

14歳、ジュニアデビューのサムソノフ選手。噂通りの活躍を見せてくれましたが、シーズン終盤は残念ながら欠場となってしまいました。

エテリ組の最終兵器、というか、男子初のトップ選手となっていくか? というところなのですが、ここまでの育て方は、おそらく女子を育てたスキームと同じなんじゃないかと思うのですが、そのスキームで四回転を14歳で飛ぶに至りました。たぶん、今、背が伸びて行っている最中なのではないかと思うのですが、この先ジャンプは安定していくか? 楽しみなようであり心配なようであり。

今シーズンは実際にはスピンでナンバーワンになっていました。スピンステップで点が取れているので、ジャンプだけの選手ではない。だからこそ、四回転無しルールのジュニアショートで歴代最高点が取れるわけです。

ケガさえなければどこかで世界ジュニアは獲るんだろうなあ、と思わされるんですが、ケガは心配。

 

北京オリンピックに間に合う年齢です。その時期に四回転三種類が完備していたら、オリンピック表彰台に、あるいはその真ん中に、という可能性を感じさせられる選手でもあります。