全日本選手権 お金取ります?

入場料の話じゃないです。

 

前回、スケート連盟の財務状態は、だいぶ余力がありますよ、コロナコロナ世の中言ってますけど、スケート連盟の財務状態は、基本的に問題ないはずです、というお話をしました。

 

ただ、選手たちの財務状態は、どうなんでしょうか?

この辺は、正直なところよくわかりません

トップの方の選手にはスポンサーというのが割とついていますが、そのあたりとの契約は、基本的にはコロナ関係なく維持されるのではないか、と思いますが、中には、更新のタイミングで切られちゃうようなこともあるかもしれないでしょうか

はっきりと出ているのは、この春から夏のアイスショーはほぼ全滅、というのがあると思います。このあたりは、中堅選手にとって、ある程度の収入源となっている部分もあったでしょうから、いくらか痛いかもしれません

あとは、各選手のご家庭がどうか?

こんなの、わかりようがないですけど、中には、多少傷んでいる人もいるのではないかとも思われます

 

さて、ここからが本題

スケート連盟主催で、毎年、全日本選手権が開かれています

まだ今年の要項は出ていないので、今年も同じなのかは確定していませんが、昨年以前はずっと変わらないでいるものがありました。

各選手は、出場するために必要なものがあります

15,000円です

各選手なので、ペアやアイスダンスは、それぞれ15,000円で、一組30,000円が必要です。

 

まあ、わかるんですけど

受益者負担、ということで、大会に出る選手が出場料を払う

その辺のマラソン大会とかでもそうですよね。大会の運営にはお金がかかりますので、その試合に出たい、と言う人がお金を出し合ってその運営費をいくらか賄う、というのは、自然と言えば自然な考え方です

 

全日本選手権と名の付く大会で、選手から参加料を徴収する競技というのは結構あります

例えば、卓球なんかも参加料を取っています。卓球は、出場選手数も半端ないので、大会運営においてそういった選手たちを管理するのも大変、という部分もたぶんありますが、一方で、賞金が出ます。全体から参加料を取りつつ、成績優秀者には賞金が出る、というのはある種バランスが取れているかと思います。

体操協会なんかも、天皇杯では1選手1万円の参加料を取っています。女子選手のみ、JASRAC負担金500円、というのは床競技の音楽を指すんでしょうけど、これはどうにかならんのか? という気もしますが、ともかく、参加料を取っています

まあ、ただ、体操協会は、すごく潤っている、というような協会でもないですしね。結果はこれまでだいぶ出してきた競技ではあるんですけれど。

 

それと比べると、スケート連盟というのは潤っている連盟です。

そして、この、全日本選手権、というイベントは、明らかに興業として成り立っています

主に入場料収入を元にして、毎年黒字を出しています。2018年大会はおおよそ1億円の黒字でした。また、その外数(大会毎ではなくシーズン契約だと思われるため)として、放映権料収入が入ります。

 

という催しにおいて、選手たちから参加料取りますか? というお話です。

 

大した額ではないです。15,000円。羽生選手や紀平選手が、15,000円に困っているなんてことはないでしょう。とはいえ、その二人に向かって、試合に出たいならお金出しなさい、というのも違和感ありますけれど

もちろん、15,000円に相当する見返りが、トップ選手だけでなく、ショート落ちするような位置の選手にもあることはわからないではないです。会場は設営しないといけませんし、バンケットのメニューもそれなりの金額するでしょう

なので、対価として意味があることは否定はしません

ただ、選手たちを支援していく、というのが一つの大きな目的の団体なので、財政面に余裕があるなら、参加料という形で選手からお金を取らなくてもよいのではないかな、と思います

 

ただ、難しいのは、同じスケート連盟の中の他の競技との兼ね合いでしょうか

スピードスケート、ショートトラックにも、当然、全日本選手権に相当する大会はあり、それらは基本1名10,000円となっています(1種目5,000円のパターンもある)。

まあ、その辺は、フィギュアだけは明らかに興業として成り立っている、というあたりの理由で整合性とるんですかね

 

ちなみに、スケート連盟と比べて、各段に財政面で貧弱なカーリングは、全日本選手権の参加料は無料です。「全国農業協同組合連合会の協賛により無料とする。」 と大会要項に明記されています。

そんなんだから競技力の割に財政が貧弱で強化にお金費やせないんだよ、と思わないこともないですが、強化の対象となるチーム自体からお金集めても仕方ない、という意味では妥当な対応と思います

 

トップ選手が15,000円に困っているとは思っていません。

中堅選手も、15,000円くらいじゃ、逆に、大した足しにはならないでしょう

それでも、連盟というものの理念として、財政に余裕があり、興業として成立して大きな黒字が出ている競技会において、選手から参加料を取るのはいかがなものか、とどうしても感じてしまいます

 

特に今年は、コロナウイルスというものが蔓延し、各地で、経済的に困窮しているひとがいます

選手たちのご家庭でも、そういった部分がいくらかあってもおかしくはありません

 

全日本選手権、というものにおいて、選手から参加料を徴収するのを、やめていくいい機会なのではないかと思います