前回男子シングルでしたので今回は女子シングル
今回も文字羅列編です。データ編は次回以降
長くなったので二回に分けました
女子も一応、単純な順位の結果は載せておきます
本田真凜選手欠場で全29選手の出場でした
●全日本選手権 女子シングル結果
Pl | Name | Total | SP | FS |
1 | 紀 平 梨 花 | 234.24 | 79.34 | 154.90 |
2 | 坂 本 花 織 | 222.17 | 71.86 | 150.31 |
3 | 宮 原 知 子 | 209.75 | 66.48 | 143.27 |
4 | 松 生 理 乃 | 204.74 | 65.57 | 139.17 |
5 | 三 原 舞 依 | 203.65 | 69.55 | 134.10 |
6 | 河 辺 愛 菜 | 201.58 | 64.70 | 136.88 |
7 | 樋 口 新 葉 | 195.04 | 61.53 | 133.51 |
8 | 横 井 ゆは菜 | 194.22 | 59.83 | 134.39 |
9 | 白 岩 優 奈 | 190.39 | 63.96 | 126.43 |
10 | 新田谷 凜 | 189.48 | 67.16 | 122.32 |
11 | 川 畑 和 愛 | 186.18 | 64.56 | 121.62 |
12 | 住 吉 りをん | 186.08 | 62.62 | 123.46 |
13 | 山 下 真 瑚 | 185.56 | 67.28 | 118.28 |
14 | 鈴 木 な つ | 170.13 | 59.93 | 110.20 |
15 | 吉 岡 詩 果 | 168.82 | 62.00 | 106.82 |
16 | 吉 田 陽 菜 | 163.78 | 58.79 | 104.99 |
17 | 竹 野 比 奈 | 163.06 | 57.04 | 106.02 |
18 | 本 郷 理 華 | 160.85 | 59.05 | 101.80 |
19 | 青 木 祐 奈 | 158.24 | 59.97 | 98.27 |
20 | 千 葉 百 音 | 158.22 | 54.45 | 103.77 |
21 | 松 原 星 | 155.46 | 56.25 | 99.21 |
22 | 廣 谷 帆 香 | 149.58 | 55.27 | 94.31 |
23 | 浦 松 千 聖 | 148.36 | 55.05 | 93.31 |
24 | 永 井 優 香 | 146.94 | 58.99 | 87.95 |
25 | 大 矢 里 佳 | 54.09 | 54.09 | |
26 | 佐 藤 伊 吹 | 53.71 | 53.71 | |
27 | 渡 辺 倫 果 | 46.18 | 46.18 | |
28 | 松 田 悠 良 | 44.69 | 44.69 | |
29 | 滝 野 莉 子 | 43.69 | 43.69 |
紀平梨花選手の二連覇。過去に全日本を二連覇以上してオリンピック出場しなかった女子選手は、1950年代の生田艶子さんまでさかのぼらないと例がありません。実質的にはオリンピック当確の位置にいるんだと思いますが、あとはケガと、オリンピックがあるかどうか、というのがカギになってしまうんですかね
フリーで四回転成功ですが、残念ながらトリプルアクセルは回転不足。四回転とトリプルアクセルの両方回転充足の成功とはなりませんでした。18歳での四回転成功は女子では2位の高い年齢での成功となると思います。ISU公認大会ではないですが。これまでの女子の四回転成功の最高年齢記録は19年世界選手権のトゥルシンバエワ選手が19歳36日で決めたもの。まだ20歳を超えての成功者はいません。この先も安定して決めていけるかどうか。
構成要素もフリーの前半は超高難度でしたが後半は紀平選手レベルで見ると余裕を持たせていたように感じました。後半3-3がありはしましたが、最後のジャンプはルッツ来るか、と思わせておいての単独ダブルアクセル。足への負担の考慮からかフリーではルッツなし。四回転飛べた、という一つの実績をまず持っておいて、その次は四回転ありで構成を上げていく、という段階を踏んでいる形なんでしょうか
トリプルアクセルが回転不足だったのですが、四回転サルコウとの間の時間がずいぶん短いなと思いました。要素として続いてしまうのはわかるのですが、もう少しつなぎをとった方が心理的に楽な気もするのですがどうなんでしょう? あんまりジャンプの準備動作が長すぎるとPCSは痛むし全体の印象が良くなくなるのはあるんですけど。まあ、四回転入れるときだけ要素間を長くする、なんてことは振付の関係上出来ないですし仕方ないんですかね。というよりも、それでも飛べるでしょ、飛びなさい、というのが今回は振付師兼コーチなランビエール先生の考え方だったりもするのかもしれませんけれど。
全日本は同じ時期にロシア選手権があるという何とも皮肉なスケジュールなのですが、あちらでは260点が出てました。それと比べると234点というスコアは見劣りしてしまうのですが、あっちはルールも違うし、審判団の採点方針も彼我でだいぶ違うしで、あまり直接的には比較参考に出来るようなものではないと思います。なので、比較ではなくて紀平選手だけを見て考えた方がたぶん良いのですが、四回転サルコウが装備されたことで、フリーは構成を際際まで攻めていけば160点台後半までは見える、170点もGOE頑張れば出る、というところまで来ています。
滑走直前、今回は来日したランビエール先生と、日本でずっとついていた濱田先生と二人と話をしていました。あれ、紀平選手の頭の中どうなってるんですかね? 瞬時に日本語と英語とそれぞれ聞き取って理解してるんでしょうか? リスニング力かなり高くないと、英語聞いた後一度日本語に戻ってすぐに次の英語を聞き取るって大変だと思うのですが、実は聞き流してたりするのかなあ
ショートもフリーも今シーズン初披露。今のところまだ、昨シーズンのプログラムの方が私は好きです。穏やか系より壮大系の方が何となくあっていて好みに感じてます。ただ、そういうのを続けるのではなく今シーズンはピアノで、とオリンピック前に入れていくのは幅が広がっていいんだろうな、とも思いました。
坂本選手が二位。フリー冒頭スーパーダブルアクセル。あれを見てしまうと、トリプルアクセル跳んでよー!!! と叫びたくなる。飛べそうに見えるんですけどねえ。それでも難しいもんなんでしょうねえ。坂本選手にトリプルアクセル三本入ったらすごい点出そうに思うのですけど
とは言いつつ、出来はNHK杯の方がよかったように感じました。それがそのまま点数にも出てましたけど。フリー最後の得意のトリプルループで軸傾いてしまってたのがプログラム全体の印象を私の中ではだいぶ左右してしまっています。あのトリプルループに+5を付けたジャッジがいるのがよくわからぬ・・。その同じ要素に別のジャッジは-1付けるし、ジャッジ感ばらつきのこの大きさは何なんだ・・
滑る方向間違えて反対行ったのは紀平選手でしたが、坂本選手が間違えて反対行ったら、コレオのジャッジを斬るところどうするんだろ? いいや、せっかくだからコーチ斬っちゃえ、とかやるんだろうか、と思ったりもしました。それにしてもあれ、人間は避けるけど、アクリル板は避けないので、あんまりやりすぎるとアクリル板に引っ掛かって転倒とかなるんじゃと心配
豪快なジャンプで加点をたくさん獲るのですが、実際にはジャンプ基礎点はかなり低いです。今回はフリーでルッツ一本、その一本もeマークで基礎点から減点。フリーのジャンプの基礎点合計は宮原選手よりも低い。そう考えると、トリプルアクセル入れるより前に、3回転以下だけの組み合わせでももう少し基礎点を上げることもできたりする。そっちの伸び代を先に埋めていくんでしょうか。でもトリプルアクセル見たい。四回転でもなく。
宮原選手が表彰台に復帰しました。これで7期連続で世界選手権の代表(ケガ棄権や中止含む)。近年ではこれを超えるのは9期連続の浅田真央さん、8期連続の村主章枝さんくらいです。あとは伊藤みどりさんが欠場2回を含めて9期連続、ということになってそうですが、そういった錚々たるメンバーしかもう上にはいません。
昨シーズンあたりからジャンプが決まらないではすまず、ジャンプで転倒が目立ち始めたのでだいぶ心配していて、ショートでループ零点やったし、まずいなあこれ、と思っていたのですがフリーまとめて表彰台に乗りました
安定と信頼の知子さん、とかどこかの誰かが言っていたようですが、正直な感覚としてここ一二年は、はらはらとドキドキの知子さんであって、ジャンプの安定感がない・・・。今回はショートとフリー、大きなミスは一つづつくらいで済んだので210点近い点数は確保してくれました。
フリーのトスカ、すごかったですね。宮原選手の衣装は青系、赤系の二つのタイプが多いように感じていますが、私は赤系の方が好きです。ファイアーダンスしかりミスサイゴンしかり。パッと見、小さくて弱そうなのだけど、実は燃えてますみたいなのが好きです。
フリーのステップがレベル4の満点。それだけを単独で取り出してもすごいことですが、これ、転倒した直後の要素でした。ショート6位で表彰台に乗るには巻き返さなきゃいけなくて、1位2位は置くとしても3位にいたのは三原舞依選手で、それをひっくり返すにはミスすると厳しくて、という中でジャンプ転倒という大きなミスをした直後の要素としてのステップ。どういうメンタルしてたらそこで満点取れる滑りができるんでしょう。
ショートでループがしっかり入ってフリーもノーミスだったら10点ちょっとの上積みができたはずでした。そう考えると宮原選手のノーミス標準は220点ほど、これはたぶん平昌のころからここ数年変わっていないと思います。この220点ノーミス標準に対して、どこまでミスなく滑れるか。そう考えると上二人がしっかり滑った時にはちょっと勝てない。一方で自分がしっかり滑れば台からは落ちない。そんな位置にいるように感じました。
こうやって上位3人見ると、平昌オリンピックのシーズンと順番こそ変わっているのですが表彰台メンバー同じです。昨シーズンこそ坂本選手宮原選手が大崩れして表彰台に違うメンバーが入ってきていましたが、結局、上三人が崩れてくれないとまだ他は勝てない、という構図があるようです。
一旦ここで切ります