島田麻央選手の戦績

2020年の全日本ジュニアで、安藤美姫さん以来20年ぶりとなるノービスからの表彰台を成し遂げた島田麻央選手。

彼女の20-21シーズンまでの主な戦績を取り上げます

 

●島田麻央選手の20-21シーズンまでの主な戦績

J/S Season Event Pl Nation Total SP TSS FS TSS
NB 18-19 東京選手権 1 ムサシノFSクラブ 69.15   69.15
NB 18-19 全日本ノービス 5 ムサシノFSクラブ 68.71   68.71
NB 19-20 東京選手権 1 明治神宮外苑FSC 88.12   88.12
NB 19-20 全日本ノービス 1 明治神宮外苑FSC 88.05   88.05
NA 20-21 近畿選手権 1 木下アカデミー 105.25   105.25
NA 20-21 全日本ノービス 1 木下アカデミー 108.42   108.42
J 20-21 全日本ジュニア 3 木下アカデミー 173.44 57.89 115.55
NA 20-21 京都府総体 1 木下アカデミー 106.39   106.39
NA 20-21 全関西ノービスA1 2 木下アカデミー 91.41   91.41
NA 20-21 京都府選手権 1 木下アカデミー 117.74   117.74
NA 20-21 レイクカップ 1 木下アカデミー 109.77   109.77

19-20シーズンまでは全日本と地方大会のみ、20-21シーズンはローカル大会の結果も入れました。

2021年現在、木下アカデミーに所属している島田麻央選手ですが、19-20シーズンまでは東京にいました。明治神宮外苑FSCといえば、樋口新葉選手、ムサシノFSクラブといえば今井遥さんのイメージが私は強いです。

全日本ノービスはBの1年目から出場して5位。2年目には東京選手権で88.12というノービスB歴代最高スコアを記録し、全日本ノービスも88.05で制しました。この実績をもって、新設された木下アカデミーへ移籍します。そしてノービスAの一年目にして全日本ノービスを優勝。優勝スコア108.42はこの時点でノービスAの歴代最高スコアですが、これをシーズン後半にはさらに上回る試合が二試合。京都府選手権では117.74というとてつもないスコアをノービスA1年目にして出しています。20-21シーズンはノービスAで7試合中試合で100点越え。100点超えたらトップクラス、というノービスAですが、それを1年目でほぼ確実にその領域のスコアを出せるようになっています

推薦出場した全日本ジュニアは3位表彰台。ノービスより要素が多いですが、フリーで115.55という高スコアを出しています。

 

  • ノービスB1年目の構成要素(全日本ノービス)

  Elements    BaseValue   GOE Scores
1 3S< 3.23   -1.62 1.61
2 ChSq1   3.00   0.80 3.80
3 3T+2T+2Lo   7.20   0.67 7.87
4 3T   4.20   0.84 5.04
5 LSp4   2.70   0.81 3.51
6 FSSp2   2.30   0.14 2.44
7 2Lz+2A+SEQ   4.75 X 0.00 4.75
8 2F   1.98 X 0.14 2.12
9 CCoSp4   3.50   1.05 4.55
  TES   32.86   2.83 35.69

ノービスB1年目の時点で三回転が二種類構成に入っていました。トリプルサルコウは回転不足の転倒でしたが、トリプルトーループは2回ともしっかり決めています。スピンは2種類ですでにレベル4でした。

 

●ノービスB2年目の構成要素(全日本ノービス

  Elements    BaseValue   GOE Scores
1 3Lz+2T+2Lo   8.90   0.98 9.88
2 2A+3T   7.50   0.98 8.48
3 3Fe e 4.24   -0.85 3.39
4 FSSp4   3.00   0.60 3.60
5 CCoSp4   3.50   1.17 4.67
6 3Lz   5.90   1.38 7.28
7 ChSq1   3.00   1.00 4.00
8 3S   4.30   0.86 5.16
9 LSp3   2.40   0.56 2.96
  TES   42.74   6.68 49.42

ノービスB 2年目では三回転四種類。ルッツもしっかり二回入っています。フリップはeマーク。フリップジャンプのエッジ問題、というのはこの先もついて回ることになりそうです。

この時点で、ダブルアクセル起点ですが、セカンド三回転もすでに入っています。スピンも二つレベル4 レイバックスピンでレベルを取りこぼしてはいますが、これもレベル4を取れる実績をすでにノービスB1年目から上げていますので、ノービスB2年目の時点で、スピンレベル4を三つ揃えることが可能、というところまで来ています

 

●ノービスA1年目の高難度ジャンプ

Event   Elements    BaseValue   Scores   Date
近畿選手権 1 3A<< <<  3.30   2.09 -3.600 2020/10/4
全日本ノービス 1 3A<< <<  3.30   1.65 -5.000 2020/10/25
京都府総体 1 3A< 6.40   5.28 -1.750 2020/12/19
全関西ノービスA1 1 4Tq q 9.50   6.65 -3.000 2021/3/20
京都府選手権 1 4T   9.50   12.11 2.667 2021/3/28
レイクカップ 1 4T   9.50   6.33 -3.333 2021/5/3

四回転を決めたことで名を上げた島田麻央選手ですが、実際に先に挑んだのはトリプルアクセルでした。全日本ノービスまではダウングレード。年末の府総体では回転不足ながら着氷するところまでは来ていました。

そこから方針を変えたのか、年が明けてから挑んだのは四回転トーループ。これを3月の二連戦で、まずqマークながら着氷、次いで回転十分で加点付き着氷までしてみせます。

5月のレイクカップではGOEマイナスではありますが、回転十分で着氷。四回転はGOEを常にプラスとまでは行きませんが、常に着氷するところまでは出来ています。

四回転とトリプルアクセルが揃えばとてつもないことになります。ジュニアデビュー時にアリッサリュウ選手並みということになるでしょうか。

 

●ノービスA最高スコア117.74の構成要素(京都府選手権)

  Elements    BaseValue   GOE Scores
1 4T   9.50   2.61 12.11
2 3Lz+3T+2T   11.40   1.03 12.43
3 3F! ! 5.30   -0.27 5.03
4 CCoSp4   3.50   0.88 4.38
5 3Lo   4.90   1.10 6.00
6 2A+3T   8.25 X 0.84 9.09
7 3Lz   6.49 X 1.62 8.11
8 StSq2   2.60   0.52 3.12
9 FSSp4   3.00   0.68 3.68
10 LSp4   2.70   0.88 3.58
  TES   57.64   9.89 67.53

四回転をクリーンに決めた3月の京都府選手権の構成要素を示します。

冒頭が四回転、そのすぐ後に3-3付の3連続が入ります。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。コンビネーションがノービスAでは二つまでしか入らないのですが、どちらもセカンド三回転を入れました。

減点要素はフリップ一つだけ。エッジ判定に!がついています。フリップのエッジがノービスBの頃から残る課題となっているのが見て取れます。

スピンは三つレベル4 GOEも2から3を付けるジャッジが多いです。

ステップはレベル2  さすがにノービスからステップで点を稼ぐ選手というのは基本的にいないわけで、島田麻央選手でもここは普通でした。試合によってはレベル3までは出すことがあります。

 

ノービスA2年目。このままいけばもしかしたら、松生選手の抜けたジュニアカテゴリー、全日本ジュニアで、ノービスからの推薦選手として初の優勝を果たすかもしれません。また、きっと今シーズンは国際大会も行われていくと思うので、順当にいけば22年にはアドバンスドノービスで国際大会デビューして、世界をというかロシアをというか、騒がしてくれることかと思います