デニステンメモリアル ロシア勢躍動

チャレンジャーシリーズの第6戦、デニステンメモリアルがスケートカナダの裏で行われました。カザフスタンという場所柄、ロシアとその周辺国の選手が集まった試合になりました。

 

○男子シングル シニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 Petr GUMENNIK RUS 263.14 91.84 171.30
2 Mark KONDRATIUK RUS 250.08 84.79 165.29
3 Andrei MOZALEV RUS 234.05 72.76 161.29
4 Nika EGADZE GEO 223.65 69.65 154.00
5 Ivan SHMURATKO UKR 208.66 76.94 131.72
6 Aleksandr SELEVKO EST 201.03 67.52 133.51
7 Mihhail SELEVKO EST 200.08 78.80 121.28
8 Georgii RESHTENKO CZE 190.12 68.37 121.75
9 Mikhail SHAIDOROV KAZ 187.07 57.45 129.62
10 Dias JIRENBAYEV KAZ 179.02 52.63 126.39
11 Valtter VIRTANEN FIN 177.47 64.39 113.08
12 Rakhat BRALIN KAZ 151.15 50.75 100.40

男子シングルはロシア勢のワンツースリーでした。優勝はグメンニク選手。20年の世界ジュニアで鍵山選手に次いで3位に入っていた選手です。実質的な国際大会でのシニアデビュー戦でしたが、263.14というのは昨年のロシア国内大会状態だったロステレコム杯で出したスコアに次ぐスコアですので公認のパーソナルベストとなります。今シーズンのこれまでのロシア勢の国際大会のスコアの中ではコリヤダ選手の256.98を上回ってのトップスコアです。来週、グランプリシリーズのトリノに出ますので2連戦の予定です。

 

○女子シングル シニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 Viktoriia SAFONOVA BLR 190.06 66.67 123.39
2 Ekaterina RYABOVA AZE 179.50 63.77 115.73
3 Anastasiia SHABOTOVA UKR 175.21 63.92 111.29
4 Emmi PELTONEN FIN 160.91 53.71 107.20
5 Alexandra FEIGIN BUL 146.52 51.98 94.54
6 Nargiz SULEYMANOVA GER 136.99 49.98 87.01
7 Kristina ISAEV GER 135.62 47.63 87.99
8 Anastassiya LOBANOVA KAZ 96.58 32.78 63.80
9 Yasmin TEKIK KAZ 96.07 36.96 59.11
10 Bagdana RAKHISHOVA KAZ 94.08 32.06 62.02
  Maia MAZZARA FRA 34.27 34.27

女子シングルのシニアはロシア周辺各国の代表選手が一人づつ順番に上位に並んでいます。

ベラルーシのサフォノワ選手がチャレンジャーシリーズ初優勝。今シーズンすでに4戦目ですが190点前後のスコアを出し続けてきています。オリンピックでパッと200点台に乗せての8位入賞チャンスがある、というくらいの位置になるかと思います。サフォノワ選手はグランプリは1戦。最終のロステレコム杯にエントリーです。

アゼルバイジャンのリャボワ選手はランキングを上げてきていて今シーズン初めてグランプリ2戦をもらえたという選手。180点前後の力の選手で今回も力通りに滑りました。グランプリ2戦は5戦目フランスと6戦目ロステレコムという連戦です。

ウクライナのシャボトワ選手はチャレンジャーシリーズ初表彰台。ネーベルホルン杯で出した177.70というパーソナルベストには届きませんでしたが、力通りの175点前後のスコアで今大会も滑っています。シャボトワ選手はグランプリシリーズのエントリーはありません。

 

 

チャレンジャーシリーズでは同じ大会の枠組みの中でジュニアの部があることがあります。ジュニアチャレンジャーシリーズという概念は存在しないので、ジュニアにとっては単なる国際大会であり、ランキングのポイントにもならないのですが、同じ大会のスケジュールの中にジュニアも組み込まれます。このデニステンメモリアルにもジュニアカテゴリーがあり、むしろ今回はそちらがメインなのでは? という雰囲気もありました。

 

○男子シングル ジュニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 Vladislav DIKIDZHI RUS 238.88 78.96 159.92
2 Fedor ZONOV RUS 209.80 68.67 141.13
3 Semyon SOLOVIEV RUS 209.26 69.45 139.81
4 Nikolay UGOZHAEV RUS 203.45 67.57 135.88
5 Ivan POPOV RUS 200.78 61.51 139.27
6 Lev VINOKUR ISR 198.36 68.98 129.38
7 Oleg MELNIKOV KAZ 156.04 52.62 103.42
8 Jegor MARTSENKO EST 138.53 47.11 91.42
9 Artur SMAGULOV KAZ 133.97 46.06 87.91

男子のジュニアは5位までロシア勢。200点を超えるジュニアが5人いるロシアです。

優勝は、読めませんがDIKIDZHI選手。昨シーズンのロシアジュニア選手権で6位だった選手です。ジュニアグランプリシリーズには出場していないのですが、ジュニアグランプリシリーズのロシア勢のスコアを上回る得点をこの試合で出しました。2004年8月22日生まれで17歳になります。

 

○女子シングル ジュニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 Sofia SAMODELKINA RUS 215.59 70.29 145.30
2 Elizaveta KULIKOVA RUS 196.50 67.87 128.63
3 Varvara KISEL BLR 167.49 63.70 103.79
4 Chiara HRISTOVA BUL 127.94 46.84 81.10
5 Anna LEVKOVETS KAZ 127.14 48.63 78.51
6 Marianne MUST EST 121.04 43.06 77.98
7 Maria MANOVA BUL 116.50 41.26 75.24
8 Sofiya FARAFONOVA KAZ 110.48 36.20 74.28
9 Sabina NASSYROVA KAZ 102.92 35.78 67.14
10 Sofiia SHUBINA KGZ 101.11 34.27 66.84
11 Elizaveta YUN KAZ 98.32 34.07 64.25
12 Darya SVOBODINA UZB 80.30 27.12 53.18
13 Aibike ESENTAEVA KGZ 72.50 25.02 47.48

女子のジュニアもロシア勢が優勝。サモデルキナ選手はジュニアグランプリで2戦して3位と2位。ベストスコア205.67でファイナル進出はできなかったのですが、この試合でパーソナルベスト相当のスコアを出してきています。2007年2月18日生まれの14歳。

この大会はシニアのチャレンジャーシリーズですが、むしろジュニアの彼女こそが真打でした。

 

○サモデルキナ選手のショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3A+3T   12.20   1.20 13.40 1.167
2 2A   3.30   1.24 4.54 3.667
3 FSSp   0.00   0.00 0.00  
4 3F   5.83 x 1.72 7.55 3.167
5 LSp4   2.70   0.95 3.65 3.500
6 StSq4   3.90   1.27 5.17 3.167
7 CCoSp3   3.00   1.28 4.28 4.167
  TES   30.93   7.66 38.59  

ショートからコンビネーションにしてトリプルアクセルを決めました。3つ目のスピンでフライングのところをミスして零点になってますが、それでも70点に乗せています。

 

○サモデルキナ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 4T   9.50   2.85 12.35 2.833
2 4S   9.70   3.15 12.85 3.333
3 3Lo   4.90   1.47 6.37 3.000
4 2A   3.30   0.83 4.13 2.500
5 FCCoSp4   3.50   1.14 4.64 3.333
6 3Lz+3T   11.11 x 1.62 12.73 2.667
7 3Lzq+2T q 7.92 x -1.03 6.89 -1.667
8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.19 12.30 2.333
9 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.167
10 CCoSp3V   2.25   0.79 3.04 3.500
11 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.167
  TES   69.29   13.81 83.10  

フリーでは四回転二種類を着氷。グランプリではないジュニアの試合ですのでISU公認にはなりませんが、それでもロシア国内ではなく国際大会において、トリプルアクセルと四回転2種類を一つの試合で決めたことに大きな価値があると思います。

ジュニアグランプリでは調子を落としていましたがここにきて戻してきていますので、世界ジュニアの芽もあるでしょうか? ロシア女子でエテリ組と戦えているのは現状はトゥクタミシェワ選手だけになっていますが、ジュニアの中からようやくエテリ組に対抗できる選手が上がってきた形です。

シニアに上がるのは来シーズン見込みですが、グランプリのロシアの枠は足りていないので、少なくとも世界ジュニアに出場しないと枠が回ってこない、なんて可能性がこのレベルの選手でもあります。

 

チャレンジャーシリーズは残り三戦。次回は間一週置いて11月2週目のカップオブオーストリアです。日本から男子は本田ルーカス剛史選手と三宅星南選手。女子では樋口新葉選手、川畑和愛選手、河辺愛菜選手がエントリーしています。海外勢では男子ではケビンエイモズ選手、ダニエルサモーヒン選手、ミヒャルコリアダ選手など、女子ではそういえば試合たくさん出るタイプだったなあというトゥクタミシェワ選手がエントリーしています。樋口選手はフランス杯との連戦ということになるのですが、ホントに出るのかなあ? 出ない場合はサブとして横井ゆは菜選手が入っています。