この時期は各地で国体、インターハイ、全中の予選会が開かれています。
そんな中で割と有力選手が集まることの多い愛知県の代表選考会が行われました。
今回は基本的にはショートプログラムだけの大会です。ノービスはショートプログラムという概念がないのでフリーのみとなります。
○女子シングルシニア (上位10人)
Pl | Name | 所属 | TSS | TES | PCS |
1 | 河 辺 愛 菜 | 木下アカデミー | 64.24 | 35.29 | 28.95 |
2 | 山 下 真 瑚 | 中京大学 | 62.16 | 32.71 | 29.45 |
3 | 大 庭 雅 | 東海東京FH | 59.42 | 32.42 | 27.00 |
4 | 浦 松 千 聖 | 中京大学 | 54.99 | 29.09 | 25.90 |
5 | 荒 木 菜 那 | 中京大学 | 52.95 | 28.45 | 25.50 |
6 | 本 田 真 凜 | JAL | 52.88 | 25.38 | 27.50 |
7 | 後 藤 千 弦 | グランプリ東海クラブ | 52.37 | 30.47 | 21.90 |
8 | 酒 井 祐 香 | 中京大学 | 50.87 | 28.12 | 22.75 |
9 | 堀 見 華 那 | 明治大学 | 50.42 | 28.02 | 22.40 |
10 | 井 上 千 尋 | 明治大学 | 50.11 | 27.46 | 22.65 |
女子シングルのシニアでは河辺愛菜選手が優勝。現在は京都の高校に通い、木下アカデミー所属ですが、出身は名古屋でしたかね。NHK杯では73.88というパーソナルベストを記録しましたが、国内戦では64点前後の試合が多いです。今回は意図的にトリプルアクセル無し構成にしたようですが、まずまず位のスコアだったでしょうか。国内トップと勝負するには最低でもPCS30点が欲しそうですが、国内戦では昨年の全日本でもらった29.62が最高です。本人はオリンピックはそれほど意識していないようなコメントをしていますが、実際にはどうでしょう? ステップ的には四大陸というのが順当ではあるものの、チャンスのあるスコア、チャンスのある構成を持っている選手ではあるのは確かです。
2位には今シーズン今一つ調子が上がっていなさそうな山下真瑚選手が入っています。今シーズンはグランプリ無しで国内を転戦。西日本選手権では戻ってきたセカンド三回転ですが、今回はまた二回転に戻っていました。今シーズン海外派遣がないのは昨年の全日本で13位に終わったのが影響していると思うのですが、今年はどうでしょう。ランキングも下がっているので来シーズンのグランプリ復帰は厳しいですが、国際大会復帰くらいまではしてもらいたいです。
3位から5位は全日本常連組が入ってきています。大庭雅選手の59.42はシーズンベスト。2年ぶりの全日本。3年ぶりのフリー進出には十分な得点です。女子シングルでは最年長になりますがまだ26歳。もうしばらく現役を続けてほしい選手です。浦松選手、荒木選手も全日本フリーに進めるかどうか、くらいの位置にいる選手ですが、昨年のボーダーラインが54.45なので際どい所にいます。
6位に本田真凜選手。愛知県には縁もゆかりもないはずなのですが、2シーズン前に大庭雅選手に誘われて出たこともあってか今年も出場してきました。国体の予選会ではありますが、確かに要項見ても愛知県在住者とかそういう条件はまったくないので誰でも出られるようです。
こんなスコアではありますが、本人コメントとしては調子が上がっているとのことでした。強がりということでもなく本人の感覚として実際にそうなんだろうと思います。ショートプログラムの技術点としてはここ2シーズンで一番高いスコアですし。今シーズン初めてセカンド三回転が入りました。一つ目が2回転になっているのでスコア的には意味がありませんが、少し希望は出てきました。このままいくと高確率で全日本はショート落ちなのですが、今シーズンは中位の勢力やジュニア勢が今一つスコアが伸びていないので、ショートノーミスで60点に乗ってフリー120点ほど出して180点でもトップ10に入り強化選手に復帰する、という芽も10%くらいはあるように見えます。ステップのGOEが全選手最高なのはさすがでした。レベルが2なのはいただけませんが。
今大会に出場していて一番心配なのが新田谷凜選手。上位10人に名前がありませんが、実は出場していて24位でした。スコアは40.93で確認できる範囲で自己ワーストスコアです。フリップは2回転、ルッツは1回転になりどちらも零点。ジャンプ二つ零点で点が伸びるはずもなくこんなことに・・。引退表明していて今度こそ最後の全日本なはずなのですが、このままでは終わってほしくありません。
○男子シングルシニア
Pl | Name | 所属 | TSS | TES | PCS |
1 | 壷 井 達 也 | 神戸大学 | 80.82 | 46.24 | 34.58 |
2 | 中 村 俊 介 | 木下アカデミー | 62.38 | 31.54 | 30.84 |
3 | 田 内 誠 悟 | 名東FSC | 60.93 | 32.77 | 28.16 |
4 | 和 田 龍 京 | 中京大学 | 52.34 | 26.67 | 25.67 |
5 | 三 島 舞 明 | 名古屋FSC | 51.14 | 27.13 | 25.01 |
6 | 誉 田 知 己 | 愛知みずほ大瑞穂高校 | 45.44 | 20.69 | 24.75 |
7 | 佐 藤 和 那 | 邦和SC | 43.02 | 22.52 | 21.50 |
男子は壷井達也選手が圧勝です。四回転サルコウ着氷しました。全日本ジュニアはジュニアルールで四回転無しながら81.05を出していますので、それには届いていません。全日本ジュニアの時は各要素の加点がすごかったのですが、今回はそこまで出なかったようです。世界ジュニアの代表争いをしているわけですが、佐藤駿選手、本田ルーカス剛史選手と、シニア組のジュニア年齢の選手が二人回って来ると際どい勝負になってきます。ただ、一人以下なら順当に世界ジュニアに出られそうなスコアをここ数試合は出しているように感じられます。
○女子シングルジュニア (上位10人)
Pl | Name | 所属 | TSS | TES | PCS |
1 | 和 田 薫 子 | グランプリ東海クラブ | 55.80 | 32.82 | 22.98 |
2 | 上 薗 恋 奈 | グランプリ東海クラブ | 51.56 | 30.70 | 20.86 |
3 | 横 井 きな結 | 中京大中京高校 | 50.35 | 27.95 | 22.40 |
4 | 森 実 愛 | 名古屋FSC | 48.80 | 27.46 | 21.34 |
5 | 矢 口 真 央 | スペリオール愛知FSC | 48.56 | 27.64 | 21.92 |
6 | 吉 田 陽 菜 | 木下アカデミー | 46.87 | 22.73 | 24.14 |
7 | 大 坪 瑚 子 | 邦和SC | 43.53 | 25.95 | 18.58 |
8 | 柳 川 加 奈 | CRYSTAL F・S・C | 40.04 | 21.78 | 18.26 |
9 | 山 𥔎 藍 香 | 誉高校スケート部 | 39.13 | 22.13 | 17.00 |
10 | 彦 坂 吏 咲 | 豊川高等学校 | 38.89 | 21.03 | 17.86 |
ジュニアの優勝は和田薫子選手。全日本ノービスAで2位になり来シーズンからジュニアに上がる選手です。55.80は全日本ジュニアのスコアを超えるパーソナルベスト相当のスコアでした。
ジュニアで気になるのは吉田陽菜選手。コンビネーションと単独ジャンプ、すべて2回転で点が伸びませんでした。単独ジャンプのフリップでうまく決まらないというのは今シーズンずっと続いている傾向ですが、コンビネーションが2S+2T サルコウから入っています。日程的に二日後にあたったシニアの方もエントリーしていましたが棄権。通常時はルッツから入っているコンビネーションにサルコウから入っているというだけでも状態の悪さを感じるのですが大丈夫なんでしょうか? 次週、京都府総体にもエントリーしているので、そこでまた状態が見えるのだろうと思います。
○男子シングルジュニア (上位10人)
Pl | Name | 所属 | TSS | TES | PCS |
1 | 中 村 俊 介 | 木下アカデミー | 61.78 | 32.78 | 30.00 |
2 | 誉 田 知 己 | 愛知みずほ大瑞穂高校 | 54.48 | 29.49 | 24.99 |
3 | 田 内 誠 悟 | 名東FSC | 54.41 | 29.49 | 25.92 |
4 | 三 島 舞 明 | 名古屋FSC | 53.11 | 26.79 | 26.32 |
5 | 中 野 瑠 伽 | 名東FSC | 45.78 | 23.85 | 21.93 |
6 | 岩 野 颯 太 | 邦和SC | 45.29 | 22.12 | 23.17 |
7 | 花 井 広 人 | 邦和SC | 44.95 | 23.95 | 21.00 |
8 | 彦 阪 昇 吾 | 静岡西FSC | 42.83 | 22.50 | 21.33 |
9 | 佐 藤 和 那 | 邦和SC | 41.22 | 21.21 | 21.01 |
10 | 村 上 晴 哉 | グランプリ東海クラブ | 36.52 | 17.36 | 19.16 |
男子シングルのジュニアは木下アカデミーから乗り込んだ中村俊介選手が勝ちました。全日本ジュニア6位で全日本選手権にエントリー。世界ジュニアの代表争いに残っている選手です。
顔触れの割にはスコアが伸びなかったなという印象の試合でしたが、全日本の3週間前という点ではこれくらいでもいいのかもしれません。