げんさんサマーカップ 欠場多し

近年では夏のローカル大会の目玉化しているげんさんサマーカップが行われました。

今シーズンは初めて世界チャンピオンのエントリーもあったのですが、残念ながら欠場でした。学校行事参加による調整不足とか言わずに、単位取れなさそうなので欠場とか言ってもらえたら、そのキャラと相まって受けたんじゃないかと思いますが、いずれにしても欠場。まあ、すでに出る大会を選べる立場ですので仕方ないとは思いますが、ただのファンからしたら残念ではありました。

 

○女子シングルシニア(上位12名)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 三  原  舞  依 シスメックス 207.61 69.16 138.45
2 河  辺  愛  菜 中京大中京高校 179.67 66.58 113.09
3 住  吉  りをん オリエンタルバイオ/明治大学 176.29 55.25 121.04
4 横  井  ゆは菜 邦和みなとSC/中京大 170.96 57.07 113.89
5 大  庭      雅 東海東京FH 166.69 57.38 109.31
6 籠  谷  歩  未 同志社大学 164.61 56.74 107.87
7 永  見  千代乃 ノートルダム清心女子大学 157.16 55.11 102.05
8 横  井  きな結 中京大中京高校 156.54 54.15 102.39
9 山  下  真  瑚 中京大学 155.16 51.86 103.30
10 渡  辺  倫  果 法政大学 149.55 60.14 89.41
11 青  木  祐  奈 日本大学 148.50 55.03 93.47
12 竹  野  仁  奈 筑紫女学園大学 143.89 46.63 97.26

世界チャンピオンを欠いた試合の優勝は、現四大陸チャンピオンの三原舞依選手でした。ただ一人200点を超えるスコアで圧勝です。途中で曲が止まるとか、もはや全く関係なく勝ちました。グランプリシリーズは4戦目のイギリスと6戦目のフィンランドという通常では入らない地での2試合。メンバー的にはイギリスはユヨン、レビト、テネルにグバノワ、となかなかのメンバーですが初優勝のチャンスはあるメンバーとも感じます。

2位には河辺愛菜選手が入ってきました。実績的には順当な位置なんだと思いますがスコアが伸びませんでした。今回はトリプルアクセル投入はショートフリー共になし。今シーズンは新天地へ移籍というか故郷帰郷というか、拠点を変えて臨んでいますが、まだまだ調整段階でしょうか。グランプリは2戦持っていて、3戦目のフランスと6戦目のフィンランドです。

3位には住吉りをん選手。ショート2転倒でなかなかひどいことになっていましたがフリーで盛り返して3位表彰台。大崩れしても170点台後半くらいまでは来ました。フリーは冒頭4回転投入もアンダーローテーションで転倒。まだ決まってきません。グランプリは1戦、フランスを持っています。

グランプリ組の横井ゆは菜選手が4位。ショートはフリップが2回転になり零点、フリーもジャンプが不安定でスコアが今一つ伸びてきませんでした。グランプリは今シーズンは1戦、2戦目のスケートカナダにエントリーです。

その他大庭選手、籠谷選手といった全日本常連組が上位に入ってきました。昨年全日本6位の渡辺倫果選手は10位。ショートフリー、3本飛びに行ったトリプルアクセルはすべて転倒に終わります。スコアは伸びませんでしたが、まだまだ調整段階でしょうか。

女子のシニアは松生理乃選手も欠場、吉田陽菜選手はジュニアグランプリを控えコロナ対策を指示されたようでやはり欠場。200点級の選手たちの欠場が目立ち、ローカル大会では仕方ないとはいえ、少し残念な展開となりました

 

三原舞依選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A+3T   7.50   0.84 8.34 2.000
2 3Lz   5.90   1.18 7.08 2.200
3 3S   4.30   0.86 5.16 1.800
4 3F!q ! 5.30   -1.06 4.24 -2.000
5 FSSp4   3.00   0.70 3.70 2.200
6 CCoSp4   3.50   0.93 4.43 2.400
7 2A+3T   8.25 X 0.84 9.09 1.800
8 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 0.79 10.58 1.400
9 3Lo   5.39 X 0.98 6.37 1.800
10 StSq4   3.90   1.43 5.33 3.600
11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
12 FCCoSp4   3.50   1.17 4.67 3.200
  TES   63.33   10.16 73.49  

三原選手は大技なしの構成です。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。スピンステップオールレベル4 ショートでもスピンステップレベル4でした。減点ついたのはフリップ。!マークがついています。これ、ショートでも同じようにフリップに!がついてGOE減点。今の構成の中ではフリップが唯一残る課題なようです。

 

○男子シングルシニア(上位12名)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 山  本  草  太 中京大学 263.84 95.15 168.69
2 友  野  一  希 上野芝スケートクラブ 218.48 82.43 136.05
3 三  浦  佳  生 オリエンタルバイオ目黒日大高 203.88 80.11 123.77
4 山  隈  太一朗 明治大学 183.12 66.58 116.54
5 櫛  田  一  樹 倉敷FSC 153.56 48.11 105.45
6 佐  藤  由  基 日本大学 149.45 51.47 97.98
7 小  林      隼 同志社大学 144.41 49.31 95.10
8 鈴  木  楽  人 法政大学 126.80 41.54 85.26
9 鈴  木      空 就実大学 126.59 49.64 76.95
10 嘉手納  宙  大 臨海フィギュアSC 125.34 42.29 83.05
11 三  島  悠  生 ひょうご西宮FSC 122.34 42.47 79.87
12 和  田  龍  京 中京大学 121.01 47.33 73.68

男子のシニアでは山本草太選手が優勝しました。スコア的には圧勝。お肉初ゲットです。山本選手は昨シーズンまで国内では240点台がベストだったのですが、7月のみなとアクルス杯で271.41を出したのに続いて今大会でも260点台まで乗せてきました。今シーズン、世界選手権は激しい3枠目争いが予想されるわけですが、その有力候補です、というのをこの7月8月に見せているように感じます。グランプリは3戦目のフランスにエントリー。270点前後を出していけば初の表彰台も見えそうにも感じます。

2位に友野一希選手。げんさん5連覇ならず。4連覇の前の年はジュニアで勝ってますので、サマーカップにげんさんがスポンサーとしてついてから5戦全勝だったのですが、今シーズンは初めて肉を取り逃しました。スコア的にも本人比でなんともあれなスコア。世界選手権6位の実力者ですので、夏の調整試合でどんなスコアでも問題はないのだろうと思いますが、肉待ちのご家族はさぞ残念だったろうと思います。グランプリシリーズは3戦目フランスと5戦目NHK杯のエントリー。調子を上げてファイナルを目指してほしいようにも感じます。

三浦佳生選手が3位表彰台。コロナで練習不足でした、とのことですが、それがあからさまに出たスコア。フリーは決まった4回転なし。昨シーズンは4大陸でケガをし世界ジュニアも満身創痍状態で終え、この夏にはコロナ。練習詰めてない要素山盛りで大変そうですが、今シーズンは本格的なシニアデビューというか昇格というかのシーズン。グランプリはスケートカナダ1戦だけになってますが、試合結果次第でNHK杯地元枠あるか? ということになるのでしょう。復調期待です。

 

○山本草太選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   2.91 12.61 2.800
2 4T+2T   10.80   1.58 12.38 1.600
3 4T   9.50   2.85 12.35 2.800
4 3A+1Eu+3S   12.80   -1.33 11.47 -1.000
5 FCSp4   3.20   0.64 3.84 1.800
6 StSq3   3.30   1.10 4.40 3.400
7 2A   3.63 X -0.66 2.97 -1.800
8 3F+3T   10.45 X 1.06 11.51 2.200
9 3Lz   6.49 X -1.77 4.72 -3.000
10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
11 CSSp3   2.60   0.78 3.38 3.000
12 CCoSp2   2.50   0.50 3.00 2.200
  TES   77.97   9.16 87.13  

本草太選手はフリーで4回転3本を着氷しました。ただその後のジャンプで減点が散見します。スピンではレベル2や3も見られます。このあたり、昨シーズン前半の友野選手の状態に近い印象です。難しいところはクリアできたのだけど、そのあとのそれよりは簡単なはずの要素で取りこぼす。とはいえ、難しいところが出来たのですから、あとは細部の詰めであって、それが完成した時、全日本の表彰台も見えてくる、というところかもしれません。フリーで4回転3本をすべて加点で決めたのは初めてのこと。さらに今回はショートフリー通じて4回転5本を加点付きで成功でした。

 

○女子シングルジュニア(上位12名)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 山  田      恵 木下アカデミー 148.65 48.07 100.58
2 和  田  薫  子 グランプリ東海クラブ 147.08 50.53 96.55
3 奥  野  友莉菜 駒場学園高校 137.36 53.63 83.73
4 清  水  咲  衣 大阪スケート倶楽部 134.23 47.73 86.50
5 後  藤  千  弦 中京大中京高校 126.85 39.90 86.95
6 矢  口  真  央 スペリオール愛知FSC 125.19 45.33 79.86
7 大  坪  瑚  子 邦和みなとスケート部 122.87 41.10 81.77
8 杉  山  菜  那 京都宇治FSC 122.76 43.17 79.59
9 鴨  井  彬莉彩 パピオフィギュアクラブ 122.73 45.26 77.47
10 吉  本      玲 神戸クラブ 119.97 47.65 72.32
11 伊  勢  野  花 広島スケートクラブ 118.89 43.66 75.23
12 田  邊  桜  香 星槎国際横浜 118.67 44.05 74.62

女子のジュニアは島田麻央選手、柴山歩選手、櫛田育良選手といったところがジュニアグランプリを控えコロナ対策で欠場。ジュニアグランプリ組がこぞって欠場となってしまったのでややスコアが伸びない展開となりました。

優勝は山田恵選手。昨シーズンまでは福岡のハピオフィギュアクラブ所属でしたが今シーズンから木下アカデミーに入ってきています。全日本ノービスAで昨年4位に入っていて今シーズンからジュニアに上がってきた選手です。

2位には和田薫子選手。昨シーズン全日本ノービスAで2位に入り今シーズンからジュニアに上がってきています。昨シーズンの2位とは島田麻央選手の次、という意味ですから価値があります。2月の愛知県内の試合で170点台を出していますので、ちょっと今回のスコアは本人比で残念だったかもしれません。ジュニアグランプリはサブメンバーとしてエントリーに名前が見られます。

3位には東京からエントリーしてきた奥野友莉菜選手が入りました。昨年のこの大会はショート落ちしていた選手。ジュニア3年目で今年高校1年生になりました。昨年全日本ジュニア12位。全日本進出を狙いたいくらいの位置の選手かと思います。

 

○女子の高難度ジャンプ要素

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
SP 渡辺倫果 1 3A<< <<   F 3.30   -1.65 1.65 -5.000
FS 渡辺倫果 1 3Aq q  F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
FS 住吉りをん 1 4T< <  F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
FS 横井きな結 1 3A< <  F 6.40   -3.20 3.20 -5.000
FS 渡辺倫果 3 3A<+REP <  F 4.48   -3.20 1.28 -5.000

今大会で高難度ジャンプを要素に入れたのは3人。渡辺倫果選手はトリプルアクセル3本に挑みましたがすべて転倒に終わりました。シーズン序盤としてはありなチャレンジだったと思います。

トリプルアクセルはもう一人、横井きな結選手。こちらも回転不足で転倒。3シーズンぶりのトリプルアクセル成功はなりませんでした。

住吉りをん選手は4回転トーループに挑戦。これも回転不足で転倒。まだ、4回転成功を掴めていません。住吉選手はフリーの予定要素で1つ目4Tのあと2つめに4Sの記載があったのですが、4回転2種類を将来的には組み込んでいくつもりなんでしょうか。

 

○男子シングルジュニア(上位12名)

Pl Name 所属 Total SP FS
1 吉  岡      希 法政大学 197.73 66.68 131.05
2 中  村  俊  介 木下アカデミー 194.94 73.89 121.05
3 垣  内  珀  琉 ひょうご西宮FSC 183.47 60.79 122.68
4 田  内  誠  悟 名東FSC 177.71 60.76 116.95
5 佐々木  晴  也 京都大学 173.71 50.82 122.89
6 中  田  璃  士 MFアカデミー 166.59 53.01 113.58
7 高  橋  星  名 木下アカデミー 164.90 53.41 111.49
8 松  岡  隼  矢 法政大学 154.87 49.69 105.18
9 蛯  原  大  弥 明治神宮外苑FSC 154.10 53.70 100.40
10 北  村  凌  大 日本大学 150.45 48.07 102.38
11 磯  和  大  智 京都宇治FSC 149.81 50.06 99.75
12 名  倉  一  裕 岡山SC 146.25 50.55 95.70

男子のジュニアもジュニアグランプリ組の森本選手がコロナ対策欠場となりました。

優勝は西宮から上京し今年から法政大学に通う吉岡希選手でした。昨シーズン2位から1つ上がってジュニアの部初優勝。197.73はパーソナルベスト相当のスコアです。かつて出場者数が少なかったころはノービス部門があったのですが、16年のノービスAで優勝して以来6年ぶりのげんさんサマーカップ優勝です。6年前のノービスにお肉は配られたかどうか? 吉岡選手はジュニアグランプリの2戦目と5戦目にエントリーしています。

2位は中村俊介選手。昨シーズン国際大会で210点台を出しているので、194.93というスコアは少し残念だったかもしれません。中村選手はジュニアグランプリで1戦目と4戦目にエントリー。同じ初戦エントリーの森本選手はコロナ対策欠場してるのですが、出てきていいのか? コロナ対策欠場は木下アカデミー組の方針だったと思うのですが・・・。

3位には垣内珀琉選手。やはりジュニアグランプリエントリー組です。2戦目のオストラバにエントリーしています。

 

木下アカデミー組をはじめ、欠場が多く少し残念な試合でしたが、今年も夏のメイン大会として見どころあるげんさんサマーカップでした。