北京オリンピック 女子シングルプレビュー

団体や男子シングルのレビューが入っていませんが、それより先に女子シングルのプレビューをします。

女子シングルはわけのわからない状態になっていて、ブックメーカーなんかも困ったようで、アイスダンスよりも先に女子シングルの販売を打ち切ったりしていますが、今回は基本的にはその辺には触れずに進みます。状況が訳が分からなすぎるので、そこは無視して、単に今シーズンの実績を並べてみていくこととします。

一言だけ添えておくとしたら、エテリなんか言え。

 

オリンピック団体戦のスコアまで拾っていますが、団体戦のショートフリー両方滑った選手のスコアは、トータルスコアとしては見ていません。例えばカナダのシーザス選手は団体戦のショートフリーの合計はシーズンベストより高い200点台になりますが、一つの試合とはみなせないので合計スコアからは外されています。

 

○今シーズンの戦績

Name   Season best 2nd best Worst National
Kamila VALIEVA RUS 272.71 265.08 249.24 283.48
Anna SHCHERBAKOVA RUS 237.42 236.78 222.73 239.56
Alexandra TRUSOVA RUS 234.36 232.37 216.80 248.65
Kaori SAKAMOTO JPN 223.34 215.93 202.28 234.06
Alysa LIU USA 219.24 207.40 202.90  
Loena HENDRICKX BEL 219.05 212.07 203.69 221.04
Young YOU KOR 216.97 203.60 180.25 221.49
Mariah BELL USA 210.35 190.79 179.42 216.25
Yelim KIM KOR 209.91 199.34 193.50 207.64
Mana KAWABE JPN 205.44 186.52 186.52 209.65
Wakaba HIGUCHI JPN 205.27 204.91 189.43 221.78
Ekaterina KURAKOVA POL 204.73 193.58 175.64 190.06
Anastasiia GUBANOVA GEO 203.91 188.17 184.29  
Karen CHEN USA 202.49 194.00 173.00 213.85
Eva-Lotta KIIBUS EST 202.04 171.64 143.40 183.07
Viktoriia SAFONOVA BLR 198.08 190.29 185.41  
Ekaterina RYABOVA AZE 196.75 187.49 175.24  
Madeline SCHIZAS CAN 192.14 186.56 173.34 198.24
Nicole SCHOTT GER 186.66 172.37 148.08 178.75
Josefin TALJEGARD SWE 182.24 166.05 143.02  
Alexia PAGANINI SUI 180.48 178.10 171.48 175.23
Anastasiia SHABOTOVA UKR 177.70 177.40 145.69 188.59
Lindsay van ZUNDERT NED 171.40 169.91 163.36  
Yi ZHU CHN 171.25 147.38 147.38  
Jenni SAARINEN FIN 168.72 164.85 148.30 179.13
Natasha MCKAY GBR 167.75 162.54 145.60 169.69
Kailani CRAINE AUS 165.35 164.02 142.10  
Alexandra FEIGIN BUL 164.95 159.41 146.52  
Olga MIKUTINA AUT 164.01 161.09 161.09 173.83
Eliska BREZINOVA CZE 163.95 158.53 141.37 168.83

上位にいるのは当たり前のようにロシア勢です。メディアだったら表記をROCと変えないといけないのでしょうが、めんどくさいのでRUSのまま進めます。

ワリエワ選手のシーズンワーストはシーズンベスト2位のシェルバコワ選手のそれよりも上。圧倒的に強いです。最強の敵はコロナ、等と言っていたところに、想定外の何かが表れていますが、スコアだけ見れば圧倒的です。

シェルバコワ選手とトゥルソワ選手が230点台のシーズン別とで続きます。セカンドベストも230点台。これが標準でうまく伸びれば240点台はある二人。崩れると220点台210点台ということもあります。崩れたら表彰台から落ちる。安全策取ると表彰台は固いけど優勝の芽は全然なくなる。どういう戦略で来るか? まあ、勝ちに行くんでしょうけど二人とも。

220点台で追いかけるのは坂本花織選手一人になってます。国内参考記録の全日本は230点台。ノーミスノーミスで79点の155点がないではないですが、そこまで行ってミス待ち表彰台チャンス。やるべきことやって待ちます、という立場でしょうか。

210点台にアリサリュウ選手、ルナヘンドリックス選手、ユヨン選手、マライアベル選手と続きます。アリサリュウ選手はトリプルアクセル持ち。今シーズンほとんど決まっていませんが、これがショートフリーで決まるようであれば230点台まで来ます。ユヨン選手も同じパターンです。ルナヘンドリックス選手は大技はないですが、ショートフリーノーミスの神演技で230点台チャンスまではある坂本花織型です。このあたりの選手たちは、誰がロシアへの挑戦権を得るか、という争い。そんな中でマライアベル選手は今シーズンセカンド3回転もほぼ出ておらず、スコアの上積みは難しい部分はありそうです。ただ、団体戦も出場がないのに会場に入って応援していたり、一番オリンピックを楽しんでいる感じはします。

日本勢二人はその下、200点台後半にいます。トリプルアクセル持ちの樋口新葉選手と河辺愛菜選手。樋口選手はショートフリー揃えれば220点台までは普通に見える。神演技で230点台もなくはない。ロシアへの挑戦権を得られる可能性のある最後の一人な感じはします。河辺選手はその他の要素を考えると230点までの可能性は感じにくいのですが、220点までなら75点145点で届く。アクセルの確率は今回出ている選手の中では高い方なので、ほかの要素の差をこの1カ月半で縮めてこられたかどうか。

200点台前半にロシア周辺国の有力選手たちやカレンチェン選手がいます。ジョージアのグバノワ選手は団体戦ショートでもうひと頑張りすればチームとして後半に進めたという選手。ジョージアが後半に進んでいれば、展開次第で日本がアメリカに勝つコースもあったので、実は大注目していたのですがちょっと残念でした。個人戦で上位に絡むことができるか。

200点以上のシーズンベストが15人。200点では入賞は厳しい。210点以上で8人。入賞ラインに乗るには210点くらいは必要そうです。

 

ショートプログラムの今シーズンの戦績

Name   Season best 2nd best Worst National
Kamila VALIEVA RUS 90.45 90.18 74.93 90.38
Wakaba HIGUCHI JPN 79.73 74.73 63.87 74.66
Anna SHCHERBAKOVA RUS 77.94 74.76 69.05 81.46
Alexandra TRUSOVA RUS 77.69 75.13 74.75 74.21
Kaori SAKAMOTO JPN 76.70 76.56 71.16 79.23
Loena HENDRICKX BEL 76.25 73.52 64.44 71.49
Alysa LIU USA 74.31 73.63 67.72 71.42
Mana KAWABE JPN 73.88 53.30 53.30 74.27
Young YOU KOR 70.73 68.08 59.74 76.55
Yelim KIM KOR 70.56 68.93 62.78 67.52
Madeline SCHIZAS CAN 69.60 67.82 59.29 72.05
Anastasiia GUBANOVA GEO 69.50 67.56 65.68  
Mariah BELL USA 69.37 67.07 60.81 75.55
Karen CHEN USA 68.74 67.50 58.01 74.55
Jenni SAARINEN FIN 68.71 67.05 57.26 67.81
Viktoriia SAFONOVA BLR 68.68 66.67 58.19  
Ekaterina KURAKOVA POL 67.47 61.51 56.43 59.32
Ekaterina RYABOVA AZE 66.00 65.47 58.87  
Alexia PAGANINI SUI 65.65 62.32 62.14 64.82
Eva-Lotta KIIBUS EST 64.53 59.16 49.26 52.46
Anastasiia SHABOTOVA UKR 63.92 62.49 51.21 66.04
Nicole SCHOTT GER 63.03 62.66 52.84 59.75
Kailani CRAINE AUS 61.62 58.02 50.95  
Eliska BREZINOVA CZE 61.05 59.62 52.13 58.56
Olga MIKUTINA AUT 60.16 57.09 57.09 62.77
Yi ZHU CHN 60.00 52.88 47.03  
Natasha MCKAY GBR 59.79 57.26 45.46 63.34
Josefin TALJEGARD SWE 59.17 58.24 53.04  
Alexandra FEIGIN BUL 58.74 56.78 51.98  
Lindsay Van ZUNDERT NED 58.72 57.90 48.92  

ショートプログラムトリプルアクセルの有り無しで全然違うので総合スコアとは上位の並びが違います。

ワリエワ選手が抜けているのは変わりません。トリプルアクセルは4回転よりまだ確率は低いですが難しい精神状態の中で決まるかどうか

樋口新葉選手が2番目にいます。団体戦ではトリプルアクセル無しで74点台まで来ていますので、そこにトリプルアクセルが載れば79点まで確かに来ます。他の要素もしっかり取れているので、トリプルアクセルが決まるかどうか。決まらくなくても回転さえ足りれば70点台までは来ます。

シェルバコワ選手はトリプルアクセル無しで70点台後半。トゥルソワ選手もこのスコアはトリプルアクセル無しでだしています。坂本花織選手、ヘンドリックス選手もトリプルアクセル無しで70点台後半。セカンドベストも高いのは坂本花織選手です。シェルバコワ選手がノーミス出来たらちょっと勝てない印象ですが、それでもショートは基礎点差なく勝負できるので付いていくか出来れば上へ行きたいところ

この下にアリサリュウ、河辺愛菜、ユヨン、トリプルアクセル勢が並びます。アリサリュウ選手はダブルアクセルで出したスコアですがここにトリプルアクセルが乗れば樋口選手のあたりまで行きます。後の二人はトリプルアクセルありで何とか70点台といったところ。河辺愛菜選手は今シーズン大失敗の53.30があるのですが、これをオリンピックでやるとショート落ちしますので、それだけはしたくないところです。夢見るならノーミス75点でフリー最終グループ入りがある。

最終グループに入るには70点台後半まで必要そうです。70点なら第3グループには入れそうです。

シーズンベスト60点以上が26人。中堅どころのレベルが上がってきていて、60点でもショート落ちという可能性が出てきています。

 

○フリーの今シーズンの戦績

Name   Season best 2nd best Worst National
Kamila VALIEVA RUS 185.29 180.89 168.61 193.10
Anna SHCHERBAKOVA RUS 168.37 165.05 147.97 158.10
Alexandra TRUSOVA RUS 159.23 154.68 142.05 174.44
Kaori SAKAMOTO JPN 148.66 146.78 125.58 154.83
Young YOU KOR 146.24 135.52 119.59 144.94
Loena HENDRICKX BEL 145.53 143.25 131.72 149.55
Alysa LIU USA 144.93 136.54 132.90  
Wakaba HIGUCHI JPN 141.04 136.27 109.70 147.12
Yelim KIM KOR 140.98 130.72 128.78 140.12
Mariah BELL USA 140.98 129.98 112.35 140.70
Eva-Lotta KIIBUS EST 137.51 113.85 91.16 130.61
Ekaterina KURAKOVA POL 137.26 132.54 119.21 130.74
Karen CHEN USA 134.99 131.52 114.67 139.30
Mana KAWABE JPN 134.91 133.22 131.56 135.38
Anastasiia GUBANOVA GEO 134.41 121.15 118.61  
Madeline SCHIZAS CAN 132.04 125.44 113.64 126.19
Ekaterina RYABOVA AZE 131.28 123.31 115.73  
Viktoriia SAFONOVA BLR 129.40 128.27 122.34  
Nicole SCHOTT GER 123.63 114.44 95.24 119.00
Josefin TALJEGARD SWE 123.07 111.09 89.98  
Anastasiia SHABOTOVA UKR 117.45 116.21 94.48 122.55
Alexia PAGANINI SUI 115.78 114.83 109.34 110.41
Lindsay van ZUNDERT NED 114.36 111.19 105.46  
Eliska BREZINOVA CZE 111.82 105.52 88.85 110.27
Yi ZHU CHN 111.25 94.50 91.41  
Alexandra FEIGIN BUL 109.74 100.67 94.54  
Natasha MCKAY GBR 107.96 105.28 100.14 106.35
Kailani CRAINE AUS 106.56 105.43 91.15  
Olga MIKUTINA AUT 104.00 103.85 103.85 111.06
Jenni SAARINEN FIN 101.67 101.39 91.04 111.32

フリーはロシア勢が上に3人並びます。ワリエワ選手がシーズンワーストでシェルバコワ選手のシーズンベストより上という状況です。トゥルソワ選手は爆発力がありますが、140点台前半まで崩れる可能性もあります。

140点後半まで出ているのが坂本花織選手、ユヨン選手、ヘンドリックス選手の3人。この辺は誰がロシアへの挑戦権を掴むか? という争い。誰か一人くらいオリンピックでは150点に乗る可能性が高そうに感じます。女子は男子より、歴史的に、オリンピックのノーミス率は高い。女子でも4回転並べると話は違ってきますが、坂本選手、ヘンドリックス選手のような構成の場合、好演技でPCSのオリンピック加算も入って150点台に乗ってきて、あとは椅子に座って手を振りながら待つ、という構図になるのではないかと思われます。

その下のアリサリュウ選手と樋口新葉選手は、トリプルアクセル持ちで、それがしっかり決まれば同じように150点台に乗せてロシア待ちとなるかもしれません。

キムイェリム選手、マライアベル選手は140点に乗ったところまで。150点の芽はちょっと厳しいかなあ、という感じがします。

河辺愛菜選手はまだ130点台前半です。まずは自己ベストを出して210点台に乗せて8位入賞を目指す、というのが現実的な線に見えますが、その上、どこまで夢を見るか、見せてくれるか。

昨年の世界選手権で200点に乗ったのは7人。オリンピックでは何人乗って来るでしょう?

 

○シーズンベスト時の要素別スコア

Name Nation Total PCS J Base J GOE Spin Step
Kamila VALIEVA RUS 272.71 113.72 90.08 25.00 28.02 15.89
Anna SHCHERBAKOVA RUS 237.42 110.53 71.67 12.60 27.54 16.08
Alexandra TRUSOVA RUS 234.36 104.24 91.48 2.05 25.56 14.03
Kaori SAKAMOTO JPN 223.34 107.63 65.27 10.79 25.29 14.36
Alysa LIU USA 219.24 102.36 68.29 8.51 25.05 15.03
Loena HENDRICKX BEL 219.05 103.79 63.01 12.60 24.98 14.67
Young YOU KOR 216.97 101.86 76.08 1.74 23.72 14.57
Mariah BELL USA 210.35 102.74 59.31 8.65 24.65 15.00
Yelim KIM KOR 209.91 99.51 65.18 10.67 22.66 11.89
Mana KAWABE JPN 205.44 96.93 69.67 6.28 21.07 12.49
Wakaba HIGUCHI JPN 205.27 100.68 62.02 2.44 24.56 15.57
Ekaterina KURAKOVA POL 204.73 98.21 62.19 7.02 23.20 14.11
Anastasiia GUBANOVA GEO 203.91 95.23 64.66 8.45 23.83 12.74
Karen CHEN USA 202.49 104.25 55.53 1.99 26.45 15.27
Eva-Lotta KIIBUS EST 202.04 92.77 63.35 9.73 21.86 14.33
Viktoriia SAFONOVA BLR 198.08 91.38 64.26 7.49 23.03 11.92
Ekaterina RYABOVA AZE 196.75 91.03 65.06 5.80 22.59 12.27
Madeline SCHIZAS CAN 192.14 93.00 60.52 4.88 21.80 11.94
Nicole SCHOTT GER 186.66 91.44 57.05 4.39 21.86 11.92
Josefin TALJEGARD SWE 182.24 90.20 55.02 1.35 24.37 12.30
Alexia PAGANINI SUI 180.48 88.15 54.87 4.12 21.92 11.42
Anastasiia SHABOTOVA UKR 177.70 83.15 63.71 -0.89 20.31 11.42
Lindsay van ZUNDERT NED 171.40 80.87 60.39 -1.85 22.97 11.02
Yi ZHU CHN 171.25 84.87 50.46 1.76 22.88 12.28
Jenni SAARINEN FIN 168.72 91.90 44.12 0.36 20.94 13.40
Natasha MCKAY GBR 167.75 87.67 44.82 -1.55 22.17 14.64
Kailani CRAINE AUS 165.35 84.05 56.99 -7.28 21.46 10.13
Alexandra FEIGIN BUL 164.95 78.13 55.47 -2.93 22.25 13.03
Olga MIKUTINA AUT 164.01 85.77 45.59 -1.28 22.22 12.71
Eliska BREZINOVA CZE 163.95 78.87 53.94 0.15 22.80 9.19

PCSはワリエワ選手、シェルバコワ選手に次ぐのは坂本花織選手になっています。ここで110点くらいになってくると面白い。ヘンドリックス選手は103点台で5番目。意外と伸びていないのです。樋口新葉選手も100点に乗った程度。ただ、団体戦ショートで今シーズン初のPCS34点まで出していますし、ノーミスで滑ればもう少し上乗せは出来そうです。

 

ジャンプの基礎点はワリエワ選手よりトゥルソワ選手の方が上です。90点台にその二人がいて80点台無しで70点台まで降りてきてユヨン選手がいます。ショートフリーでトリプルアクセルが入ると四回転1本には勝る、ということでシェルバコワ選手より基礎点が高い。シェルバコワ選手はフリーに2本あるいは3本準備しようとしている、という風に見える練習光景もあるようですが、1本だけだとトリプルアクセル勢に普通に基礎点で負ける可能性があります。というわけで河辺選手が全体5番目の基礎点を持っている。樋口選手の基礎点が低いのはトリプルアクセルがあっても他が抜けるからで、そういった抜けなしで勝負できればかなり高いところまで行きます。

坂本花織選手は65点台で全体7番目。ルッツもフリーで1本だけだったり構成は強くはないはずなのですが、ミスで抜けたりしないので、高難度ジャンプ無し勢の中ではトップの基礎点になります。

 

ジャンプの加点もワリエワ選手が抜けていますが、その下にシェルバコワ選手とヘンドリックス選手が来ます。坂本選手とキムイェリム選手までが二桁加点。キムイェリム選手はPCSの弱さなどもあり表彰台の可能性のある選手としてはなかなか名前が上がりませんが、ジャンプの確実性は高いです。トゥルソワ選手はこの項目はかなり低めですが、ここで高い点が出るような滑りをすれば一気に表彰台の頂点の可能性も見えてきます。

 

スピンもワリエワ選手で、その次にシェルバコワ選手がいます。三番手はカレンチェン選手。こういったところで確実に点を取って来る。坂本選手は25点台、樋口選手は24点台です。河辺愛菜選手が21点台。この辺がトリプルアクセルをショートフリーで両方跳べる可能性があっても、表彰台の芽がある選手として名前が上がりにくい要因だったりします。

 

ステップ系要素はシェルバコワ選手が16点台でワリエワ選手を上回っています。3番手が樋口新葉選手。この辺の要素で点が取れているので、ジャンプノーミスならチャンスがあります。

 

○上位6人のシーズンベストの試合のショートプログラム構成

  Kamila VALIEVA Anna SHCHERBAKOVA Alexandra TRUSOVA Kaori SAKAMOTO Alysa LIU Loena HENDRICKX
1 3A 2A 2A 2A 2A 3Lz+3T
2 3F 3F 3F 3Lz 3F 2A
3 CCoSp4 FCSp4 CCoSp4 CCoSp4 FCSp4 CCoSp4
4 3Lz+3T 3Lz+3T 3Lz+3T 3F+3T 3Lz+3T 3F
5 StSq4 CCoSp4 FCSp4 FCSp4 CCoSp4 FCSp4
6 FCSp4 StSq4 StSq4 StSq4 StSq4 StSq4
7 LSp4 LSp4 LSp4 LSp4 LSp3 LSp4
Base 37.71 33.01 33.01 32.95 32.71 32.53
GOE 14.02 8.59 9.20 9.02 8.44 9.12
PCS 38.72 36.34 35.48 34.73 33.16 34.60
Total 90.45 77.94 77.69 76.70 74.31 76.25

ショートプログラムの技術点がシーズンベストだった試合で要素を見ています。

上位6人でトリプルアクセル込みだったのはワリエワ選手だけでした。他はダブルアクセル。トゥルソワ選手も結局、ケガで構成落としたダブルアクセルの日がシーズンベストという皮肉。ヘンドリックス選手以外はコンビネーションを1.1倍に入れています。坂本選手はコンビネーションがフリップな分32点台の基礎点にとどまっていますが、0.06の差は誤差で、出来栄え勝負と見てよいでしょう。アリサリュウ選手はレイバックスピン取りこぼしでやや基礎点が下がっています。

それにしてもみんな測ったように最後の要素はレイバックスピンです・・・

 

○7~12番手のシーズンベストの試合のショートプログラムの構成

  Young YOU Mariah BELL Yelim KIM Mana KAWABE Wakaba HIGUCHI Ekaterina KURAKOVA
1 3A 2A 3Lz+3T 3A 3A 3F!+3Tq
2 3Lz+3T 3Fq+3T 2A 3Lz+3T 3Lz+3T 2A
3 FCSp4 FSSp4 FCSp4 FSSp4 FCSp4 FCSp4
4 LSp4 3Lz 3F 3F! 3F 3Lo
5 3F CCoSp3 StSq4 StSq3 CCoSp4 StSq4
6 StSq4 StSq3 CCoSp4 LSp4 StSq4 CCoSp4
7 CCoSp3 LSp4 SSp4 CCoSp4 LSp4 LSp4
Base 36.73 31.29 32.33 36.43 37.23 31.49
GOE 2.29 4.82 6.51 6.28 9.02 4.29
PCS 32.71 30.96 31.72 31.17 33.48 31.69
Total 70.73 67.07 70.56 73.88 79.73 67.47

男子と違って、上位6人だけだと日本人選手が拾いきれないので7~12位まで見ます。

トリプルアクセル組がここに3人。樋口新葉選手は37.23まで基礎点があって全体2位です。まあスコアも79.73で全体2位なわけですが。

ユヨン選手、河辺愛菜選手それぞれスピンステップでレベル3があります。その辺の取りこぼしもなくして、二人はトリプルアクセルを活かしてフリー最終グループ入りを目指したいところ。

マライアベル選手やクラコワ選手は基礎点低めです。そして二人ともコンビネーションでqマーク。セカンド3回転のコンビネーションをしっかり飛べるかどうか。これで上位に絡めるかどうかが決まってきそうです。

 

○上位6人のシーズンベストの試合のフリー構成

  Kamila VALIEVA Anna SHCHERBAKOVA Alexandra TRUSOVA Kaori SAKAMOTO Alysa LIU Loena HENDRICKX
1 4S 4F 4F 2A 3A< 3Lz+3T
2 3A 3F+3T 4S 3Lz! 3Lz 2A
3 4T+3T 2A 2A+3T 3F+2T 3Lo 3F
4 3Lo ChSq1 4Tq 3S 2A+1Eu+3S 2A
5 FCSp4 2A CCoSp4 FSSp4 FCCoSp4 CCoSp4
6 ChSq1 FCSp4 ChSq1 3F+3T StSq4 StSq4
7 4T+1Eu+2S 3Lz+3Lo 4Lz<< 2A+3T+2T 3Lz+3T< 3Lz+2T
8 3F+3T 3F+1Eu+3S 3Lz+1Eu+3S StSq3 3F+2T 3F+2T+2Lo
9 3Lz 3Lz 3Lz+3T CCoSp4 3F 3S
10 StSq4 StSq4 FCSp4 ChSq1 ChSq1 LSp4
11 FCCoSp4 FCCoSp4 StSq3 3Lo CCoSp4 ChSq1
12 CCoSp4 CCoSp4 FCCoSp4 FCCoSp4 LSp4 FCCoSp4
Base 82.77 73.68 83.57 61.92 65.18 60.38
GOE 26.25 20.42 8.11 15.01 10.55 14.53
PCS 76.27 74.27 69.55 71.73 69.20 70.62
Total 185.29 168.37 159.23 148.66 144.93 145.53

フリーの構成はやはり基礎点ではトゥルソワ選手がワリエワ選手の上へ行きます。ただ、出来栄え差が大きくある。ワリエワ選手に4回転3本にトリプルアクセル付きでノーミスされるとなかなかついていけません。なお、3連のサルコウが3回転になれば構成の中から2回転が消え190点も見えるというものすごい構成です。

トゥルソワ選手はこの構成は4回転4本でした。5本目入れようとすると2本ある3回転のルッツを一つフリップにする必要はありますが、2回転が消えるというすごい構成になります。そこまで攻めてくるかどうか。

シェルバコワ選手は70点台前半。4回転1本だとダブルアクセルが2本入って来る。4回転ルッツが入った瞬間基礎点は80点台に乗るのですが、そこまで行けるか? ルッツ2本フリップ1本の3本構成まで行くと、セカンドループ持ちなところも生かして基礎点が90点近くなってきます。そこまで行ってノーミスなら実はワリエワ選手とフリーだけなら戦える力がある。一方、今シーズン前半のように、1本しかない構成でその1本を転倒すると、坂本選手以下、狙っている選手たちに食われる形になります。

坂本選手、ヘンドリックス選手はやはり基礎点はかなり低めになります。坂本選手はルッツでeがつきがちな弱点。ヘンドリックス選手はループが昔から構成になく、実は3回転ループ飛べないんじゃないか疑惑があるのですが、それにより基礎点が60.38に留まる。実はトリプルアクセル以上のジャンプがないだけでなく、普通の3回転にも弱点を抱えている弱みがあるのが残念だったりします。

 

○7~12番手のシーズンベストの試合のフリーの構成

  Young YOU Mariah BELL Yelim KIM Mana KAWABE Wakaba HIGUCHI Ekaterina KURAKOVA
1 3Aq 3F+2A+SEQ 3Lz+3T 3A 3Aq 3Lz+1Eu+3F
2 3Lz+3Tq 3Lo 2A+3T 3Lz+3T 3Lz+3T 3Lz
3 3Lo CCoSp4 3Lo LSp4 3S 3T
4 2A 3S 3F 3Lo CCoSp4 2A
5 StSq4 2A FCSp4 3Lz+2T 2A FCCoSp4V
6 3Lz+1Eu+3S StSq4 3Lz StSq4 3Lz+3Tq+2T 3S+2A+SEQ
7 LSp3 3F+2T+2Lo 3S+2T+2Lo 2A+3T+2T 3Lo+2T 3Lo+2T
8 2A+3Tq 3Lz+2T CCoSp4 FSSp4 3Fe ChSq1
9 3F! FCCoSp4 ChSq1 3F! FCSp3 3Lo
10 FCCoSp4 3Lz 2A 3S StSq4 CCoSp4
11 ChSq1 ChSq1 StSq3 ChSq1 ChSq1 StSq3
12 CCoSp4 LSp4 SSp4 CCoSp4 FCCoSp4 LSp4
Base 68.45 59.52 61.45 66.54 66.42 59.13
GOE 8.64 12.03 12.61 8.25 7.38 11.61
PCS 69.15 69.43 66.92 60.12 67.24 66.52
Total 146.24 140.98 140.98 134.91 141.04 137.26

ここにはトリプルアクセル組がいるので60点台後半までは基礎点が来ます。ただ、1本だけなのでここまで。2本あれば基礎点は70点に乗ってきます。1本だけだとユヨン選手で坂本花織選手と基礎点差が6.53 これを出来栄え差とPCS差で逆転されないように滑る必要がある。それが表彰台争いに絡む、ロシアへの挑戦権を得る必要条件になってくるわけです。樋口選手、河辺選手もトリプルアクセル持ちですが、加点は7点台8点台。これを二桁までは持って行ってその上でPCS差をあまり坂本選手と付けられないようにしたい。この辺の選手のターゲットはロシアではなくまず坂本花織選手です。

そういう観点で、マライアベル選手やクラコワ選手といった、基礎点段階で坂本選手に負けているとちょっと苦しく、8位入賞が目標、というのが現実的な位置になりそうですが、二人とも加点は二桁取る力があります。こういった選手は、観戦する立場からすると、非常にいい印象で見ていることができるのでありがたいです。

 

今シーズンの戦績を並べると、どう見てもロシア勢の優位は動かないですし、ワリエワ選手が抜けているのも間違いないです。ただ、今回はわけのわからない状況になりました。これは、ワリエワ選手だけでなく、ほかのロシアの選手たちも心理的な影響は受けざるを得ない。さらに言えば、ほかの国の選手たちもおかしな空気の中で滑ることになります。そういったものがどう作用していくか。そんな注目点いらないんですが、一つの試合の優勝争い、表彰台争いとして見ても、そういったところがどうしてもポイントに今回はなります。

最大の敵はコロナだと思っていて、男子も結局その被害を多大に受けましたし、団体もコロナがなかったら違う展開をしていた可能性もあるくらいにやはり被害を受けました。女子は幸いにしていまのところコロナ欠場話は聞かないのですが、コロナより大きな問題が出てきてしまいました。

とりあえず、コロナ陽性は出ないでね、というのは願いますが、それ以外は何を願ってよいのかよくわからない状況になっています。