世界ジュニア23男子シングル1

前回までの女子シングルに続いて、今回は男子シングルです。

 

○男子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Kao MIURA JPN 264.74 85.11 179.63
2 Naoki ROSSI SUI 220.68 79.46 141.22
3 Nozomu YOSHIOKA JPN 217.79 76.44 141.35
4 Nikolaj MEMOLA ITA 216.44 76.72 139.72
5 Wesley CHIU CAN 213.88 80.56 133.32
6 Hyungyeom KIM KOR 213.56 75.77 137.79
7 Lucas BROUSSARD USA 209.47 77.01 132.46
8 Yudong CHEN CHN 205.12 65.93 139.19
9 Arlet LEVANDI EST 204.73 71.01 133.72
10 Daniel MARTYNOV USA 204.67 73.93 130.74
11 Andreas NORDEBACK SWE 204.32 76.82 127.50
12 Francois PITOT FRA 202.43 74.91 127.52

三浦佳生選手圧勝。そもそもここに出てくること自体がほぼ反則です。四大陸との二冠となりました。ちょっと力が違いすぎました。

2位にはスイス国籍のロッシ直樹選手が入りました。2007年1月生まれの16歳。208.34だったパーソナルベストから大きくスコアを伸ばしての2位表彰台です。母親が日本人。表彰台が完全に公用語日本語の世界になりました。

ショート7位から吉岡希選手が逆転表彰台となりました。僅差でしたが滑り込みました。この表彰台は大きいです。来期は強制的にシニアに上がるわけですが、世界ジュニア3位を持っているとグランプリシリーズ1枠がほぼ保障されます。今季のこれまでの実績、シーズンベストでは来期のグランプリはないかな、と思っていましたが、これでつながりました。非常に大きいです。

ジュニアグランプリファイナルを制したイタリアのメモラ選手は4位。ショートのコンビネーションとフリーの後半トリプルアクセル転倒が痛かったです。230点前後を出せる選手だったのですが表彰台に届きませんでした。

地元カナダのウェズリーチウ選手はショートのリードを生かせず5位。フリーで4回転うまく入りませんでした。昨年4位でしたので今年こそ表彰台に乗りたいところでしたが届きませんでした。

韓国のキムヒョンギョン選手はパーソナルベストで6位に入ってきました。今季は韓国選手権で2位。チャジュンファン選手に次ぐ2番手の位置に定着していけるでしょうか。

ジュニアグランプリファイナルで2位に入ったブルサード選手が7位でした。4回転にトリプルアクセル、大技2転倒ではちょっと苦しかったでしょうか。

中国のユドンチェン選手が8位。昨シーズン世界ジュニアを中国は欠場したので今シーズンは枠がひどいことになっていたのですが、この8位で来期の2枠、またジュニアグランプリシリーズも6枠に回復させています。

 

○上位6選手のショートプログラム

  Kao MIURA Naoki ROSSI Nozomu YOSHIOKA Nikolaj MEMOLA Wesley CHIU Hyungyeom KIM
1 3Lo 3A 3A 3A 3Lo 3A
2 3A 3Lo 3Lo 3Lo 3A 3Lz+3T
3 FCSp4 CCoSp4 FCSp3 FCSp4 FCSp3 FCSp4
4 3F+3T 3Lz+3T 3Lz+3T 3Lz!+3T 3Lz+3T 3Loq
5 CSSp4 StSq4 CSSp4 StSq4 StSq4 StSq4
6 StSq4 CSSp4 StSq2 CCoSp4 CSSp4 CCoSp4
7 CCoSp4 FCSp4 CCoSp4V CSSp4 CCoSp4 CSSp4
Base 36.95 37.61 35.04 37.61 37.21 37.09
GOE 7.61 5.23 5.92 2.91 4.99 4.31
PCS 40.55 36.62 35.48 36.20 38.36 34.37
Total 85.11 79.46 76.44 76.72 80.56 75.77

ショートプログラムは男子も4回転禁止。単独ジャンプはループ指定。アクセルは上位はトリプルで跳べる、ということで基礎点差が出ません。三浦選手はそれをとても嫌がっていたようですが、実際、基礎点で見ると三浦選手より高い選手が何人もいます。三浦選手もスピンステップレベル4なのでこの構成ではこれ以上は出せないのですが、コンビネーションがフリップからなことで差が出ています。ロッシ直樹選手、メモラ選手の37.61がジュニアルールで出せる最高基礎点です。

上位は男子でもスピンステップレベル4が並んでいます。そんな中で吉岡希選手はステップレベル2、スピンもレベル3や4Vがあり基礎点で劣っています。このあたりの改良が望まれます。

 

○上位6選手のフリー

  Kao MIURA Naoki ROSSI Nozomu YOSHIOKA Nikolaj MEMOLA Wesley CHIU Hyungyeom KIM
1 3A+1Eu+3S 3A+2T 4T+3T 2A 3A+2T 3A+2T
2 4T 3A 4T 3A+1Eu+3S 3F 3Aq
3 4S 3Lz+1Eu+3S 3A 3F 2T 3Lzq+3Tq
4 FCSp4 ChSq1 FSSp4 3Lo 3Lo 3F
5 3A 2Lo 3Lo CSSp3 FSSp4 FCSp4
6 ChSq1 CCoSp3V 3A+1Eu+3S FCSp4 2T* 3Loq+2A+2A+SEQ
7 4T+3T 3Lz+3T 3Lz+2A+SEQ 3Aq 3A 3Lz
8 CSSp4 2A ChSq1 3Lz!+3Tq 3Lz+1Eu+3S 3S
9 3F+2A+SEQ 3Fe 3Fe 3Lz!+2A+SEQ CCoSp4 FCCoSp4
10 3Lo FCSp4 CCSp3 ChSq1 ChSq1 ChSq1
11 CCoSp3 CSSp3 CCoSp3V CCoSp3 FCCoSp4 CCoSp4
Base 82.12 60.15 76.01 68.13 54.37 69.77
GOE 13.79 5.31 -2.46 1.22 5.69 -1.30
PCS 83.72 75.76 67.80 71.37 73.26 69.32
Total 179.63 141.22 141.35 139.72 133.32 137.79

フリーはだいぶ構成差が出ました。三浦選手が4回転3本、吉岡選手が4回転2本。他は上位選手は結局4回転が入りませんでした。ウェズリーチウ選手は4回転トーループを入れようと試みましたが2回とも2回転になってしまっています。トリプルアクセルは全員2本入りました。

基礎点80点超えは三浦選手のみ、70点超えまで届いているのも吉岡選手までです。基礎点で圧倒して勝った日本勢でした。

加点も三浦選手は二桁もらっています。ロッシ選手は5点台。チウ選手は4回転入らなかったですが転倒ではなく抜けての2回転になったこともありGOEとしては5点台とだいぶプラス側で稼いでいます。吉岡選手はトータルでGOEマイナス。この辺の出来栄えでプラス側へ行けるとシニアに上がってからもう少しスコアを上げていけるかと思います。

5位のチウ選手、6位のキムヒョンギョン選手はスピンオールレベル4 ジャンプをクリーンに決められれば表彰台なのに、といったところでした。

 

次回へ続きます