21-22 河辺愛菜

2004年10月31日生まれ

シニア2シーズン目

シーズン獲得賞金:$13,000

世界ランキング:47位

シーズンランキング:38位

シーズンベストスコア 205.44 (30位) NHK杯

ショートプログラムシーズンベスト 73.88 NHK杯

フリーシーズンベスト 133.22 スケートカナダ

ショートプログラム楽曲:四季より 冬

フリープログラム楽曲:ミラク

スピンレベル4率 43/63=68.3% (国際大会:16/24=66.7%)

ステップレベル4率 7/21=33.3%(国際大会:3/8=37.5%)

スピンオールレベル4 1/9(国際大会:0/4)

スピンステップオールレベル4  0/9(国際大会:0/4)

ジャンプ要素回転不足率 7/107=6.54%(国際大会:3/40=7.50%)

ジャンプ回転不足なし 5/9(国際大会:2/4)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/9(国際大会0/4)

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL みなとアクルス 3 168.94 62.77 106.17
DL 木下トロフィー争奪 2 171.12 53.29 117.83
DL げんさんサマーカップ 7 184.06 64.73 119.33
Others Japan Open 3 134.91   134.91
RT 近畿選手権 2 184.14 65.16 118.98
GP Skate Canada 9 186.52 53.30 133.22
GP NHK Trophy 2 205.44 73.88 131.56
DL 愛知県代表選考会 1 64.24 64.24  
DL 京都府総体 2 125.23   125.23
NC 全日本選手権 3 209.65 74.27 135.38
OG Olympic Games 23 166.73 62.69 104.04
WC World Championships 15 182.44 63.68 118.76

シニア2シーズン目、昨シーズンはコロナで大会が壊滅していたことを考えると、実質的に国際的にはシニアデビューなシーズンになっていた今シーズン。非常に浮き沈みの大きなことになりました。

シーズン序盤は国内ローカルレベルの選手のような大会の回り方をしています。7月8月ですでに3試合。徐々にスコアを上げ、げんさんサマーカップでは184.06の7位。代表を争うトップ選手とは少し差があるけど、将来有望だから頑張ろうね、みたいな位置でした。

10月に入りジャパンオープン。国内選手のみとなったこの試合に、若手の有望株みたいな位置づけで出場してトリプルアクセルを決めて130点台のスコアを出し3位。このあたりで、そうだ、トリプルアクセル決めれば一発あるんだ、と存在感を出し始めました。

いろいろなめぐりあわせで、本来はチャレンジャーシリーズ巡りな位置だったはずが、グランプリ2戦の出場権が回ってきます。スケートカナダ、グランプリデビュー戦。ショートは散々の出来で洗礼を浴びますが、失うものが何もありませんなフリーでqながらもトリプルアクセルを着氷、スピンステップオールレベル4で133.22のスコア。ISU公認大会でトリプルアクセル認定。総合順位は9位に終わってランキングポイントも得られませんでしたが、それでもやはり、一発あるなあ、という存在感を見せています。

そしてNHK杯。本来はオーストリア杯に翌週出るはずが、紀平選手のケガ欠場で回ってきた代役舞台。ここでショートからトリプルアクセルを決めて73.88 失礼ながらまさかの2位スタート。フリーはトリプルアクセルが入らず転倒からのスタートとなりましたが、以降の要素は無難にまとめ130点台には乗せてトータル205.44 ユヨン、アリサリュウ、海外の同世代有力選手を打ち負かし、グランプリ2位表彰台となりました。

流れ的には4年前の坂本花織選手と似ていました。シーズン開幕前はそれほど目立たない立場、シニアの国際大会デビューシーズンの高校2年生。グランプリ初戦でもそれほど目立つ順位でもないところから、グランプリ2戦目で人生初の200点に乗せ、日本のトップ選手に続いて2位表彰台。ここまで来てもまだ全日本の表彰台候補というよりはその少し下という位置づけ。

そんな流れで全日本を迎えました。世界ランクはNHK杯のポイントしかないので話にならず、シーズンベストは5番目。まだまだダークホース的位置づけでしたが、ショートからトリプルアクセルを着氷、全要素プラス評価の74.27で3位、表彰台圏内に付けます。フリーは先に滑った宮原知子三原舞依、有力2選手が微妙なミスが積み重なってスコアを力ほどは伸ばしきれず、132.60を出せばその時点で首位に立ち表彰台が確定する、という状況で自分の滑走順を迎えます。この時点のシーズンベストは133.22 ジャパンオープンでの134.91というのもある一方、NHK杯の131.56では届かない。そんな微妙なターゲットスコア。濱田先生のいってらっしゃい、に送り出されてのフリー、ミラクル。冒頭、トリプルアクセルを平均GOE2.444の高評価で成功させますが、そこで逆に何かが見えてしまって固くなったのか、2つ目の要素の3回転-3回転が決まらずセカンドが2回転に、次のループもなんとか着氷という形のジャンプになり、4つ目のルッツからのコンビネーションはステップアウトしてセカンドが入らず。パーソナルベストレベルが必要な中で苦しくなるのですが、ここからが素晴らしい、ステップレベル4をしっかり確保し、2A-3T-2Tの3連続でも加点を取る。その次フリップ、通常は単独なところ、きれいな着氷ではないものの力でセカンドでトリプルトーループを付け見事に着氷、結果的に1.1倍にセカンド3Tが入ったことで基礎点が上がります。ここまで入ってようやく際どい勝負。コレオをしっかり滑り最後のスピンもレベルが取れないと危ないという中でしっかりレベル4。天を仰ぐフィニッシュ。どうだろう? パーフェクトではない、大きなミスもない、できることはやった、そんな表情で何度かうなづきました。結果、135.38でこの時点で首位に立ちます。決定打は、フリップの後に付けたリカバリーのトリプルトーループでした。

表彰台に乗って初めて選考の対象としてまともに考えてもらえる、というくらいの位置にいましたが、代表発表で名前を呼ばれオリンピック代表に選ばれます。全日本だけの本当の一発ならおそらく選ばれてなかったのではないかと思いますが、NHK杯2位でシーズンベスト5位までのスコアは持っていた、というのが結果的に大きかったのではないかと思われます。

 

ただ、河辺選手の今シーズンのハイライトは、ある意味ここで終わってしまいました。オリンピックはショートフリーとトリプルアクセルは決まらず、ほかのジャンプも精彩を欠いて23位。世界選手権も15位に終わります。一発当たれば大きいけれど、当たらないと世界の舞台では厳しかった、というシーズン後半になりました。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
みなとアクルス 3 168.94 85.53 85.41 58.30 -5.81 21.31 11.73
木下トロフィー争奪 2 171.12 88.02 84.10 55.57 1.61 19.04 11.80
げんさんサマーカップ 7 184.06 95.61 89.45 65.52 -1.80 20.10 11.79
Japan Open 3 134.91 74.79 60.12 50.44 4.62 10.67 9.06
近畿選手権 2 184.14 99.41 85.73 69.75 -4.08 20.66 13.08
Skate Canada 9 186.52 96.32 92.20 66.90 -3.31 21.92 10.81
NHK Trophy 2 205.44 109.51 96.93 69.67 6.28 21.07 12.49
愛知県代表選考会 1 64.24 35.29 28.95 19.23 0.49 10.89 4.68
京都府総体 2 125.23 67.29 58.94 50.44 -0.77 9.38 8.24
全日本選手権 3 209.65 114.31 95.34 74.79 3.99 21.77 13.76
Olympic Games 23 166.73 81.53 90.20 60.80 -11.80 20.55 11.98
World Championships 15 182.44 91.17 91.27 68.07 -11.14 20.57 13.67

シーズン序盤は、ショートフリー足しても技術点は80点台で国内の中堅選手並みです。それが徐々に上がっていってNHK杯では109.51まで出ます。全日本では114.31 これくらい出ると世界で戦えます。

PCSは100点に乗らず、NHK杯の96.93が最高でした。5項目平均8点ほどです。7点台前半が標準だったところからだいぶ伸びてきました。

ジャンプの基礎点はNHK杯の69.67が最高、全日本では74.79まで出ました。74.79は国内参考記録ですが、国際大会でこれより上の基礎点構成を出した日本人選手は今シーズンいないという高い基礎点です。

ジャンプの加点はNHK杯の+6.28が最高。全日本はミスもあったので+3.99とそれほど高いわけでもありませんでした。オリンピック、世界選手権の二桁マイナスは残念です。

スピンは20~21点台、ステップは11から12点台でしたが、世界選手権で13.67と13点台半ばまで出してきました。シーズン後半苦しんでいましたが、何も成長がなかったということでもなく、ステップは世界選手権が一番の出来でした。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
みなとアクルス 3 52.52 55.87 42.63 52.03 53.25 53.50
木下トロフィー争奪 2 53.11 53.83 55.09 44.96 53.53 52.62
げんさんサマーカップ 7 56.62 61.26 49.36 48.26 53.49 56.19
近畿選手権 2 56.65 64.42 45.53 50.00 58.63 53.71
Skate Canada 9 57.29 62.29 46.83 53.93 49.59 58.02
NHK Trophy 2 62.43 64.36 62.93 51.28 56.28 61.18
全日本選手権 3 63.57 68.18 59.08 53.46 61.33 60.12
Olympic Games 23 51.92 57.74 32.57 49.66 54.25 56.69
World Championships 15 56.18 63.16 33.68 49.72 60.97 57.40

偏差値で見ると、シーズン序盤の国内ローカルレベル時代は50をちょっと超えたあたりという水準です。それがNHK杯では60台に乗って、世界で戦う選手になっています。

ジャンプの基礎点は60台が標準。全日本レベルなら60台後半まで出ます。

ジャンプの加点はばらつきが大きく、NHK杯で60台に乗せてトップ選手の姿を見せていますが、オリンピック、世界選手権では大きく崩れて30台前半、失礼ながら落第レベルになってしまっています。

スピンは50前後、普通の選手というか、本人比で苦手な要素なのだろうと思います。

ステップは世界選手権で偏差値60に乗りました。初めてステップレベル4をショートフリーで揃えた試合。今シーズン成長した部分なのだろうと思われます。

 

21-22シーズン 河辺愛菜要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートを見ると、ジャンプGOEのばらつきの大きさが目立ちます。ジャンプでGOEをしっかり稼げた時は下がやや凹む形です。それにしてもジャンプのGOEは極端な形で出ました。

 

●シーズン最高の基礎点構成

NHK杯 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   2.06 10.06 2.556
2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
3 FSSp4   3.00   0.56 3.56 1.778
4 3F! ! 5.83 X 0.15 5.98 0.222
5 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.444
6 LSp4   2.70   0.66 3.36 2.333
7 CCoSp4   3.50   0.65 4.15 1.778
  TES   36.43   6.28 42.71  

ショートプログラムの最高基礎点はNHK杯で36.43まで出ました。国内大会なので外しましたが全日本では37.03まで出ています。このNHK杯の構成でステップレベル4だと37.03です。トリプルアクセル投入はさすがに強い。36.43は今シーズン7位の高い基礎点です。37.03は5位に相当します。これをノーミスで滑ればショートは当然上位へ顔を出せます。

 

スケートカナダ フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Aq q 8.00   -0.69 7.31 -0.778
2 3Lz+3Tq q 10.10   -0.51 9.59 -0.778
3 LSp4   2.70   0.66 3.36 2.444
4 3Lo   4.90   1.26 6.16 2.333
5 3Lz+2T   7.20   -0.25 6.95 -0.333
6 StSq2   2.60   0.59 3.19 2.333
7 2A+3T+2T   9.68 x 0.72 10.40 1.778
8 FSSp4   3.00   0.43 3.43 1.333
9 3Fq q 5.83 x -0.45 5.38 -0.889
10 3S   4.73 x 0.98 5.71 2.222
11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
12 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
  TES   65.24   5.07 70.31  

フリーはスケートカナダで65.24まで出ました。全日本では66.96まであります。このスケートカナダの構成でステップレベル4なら66.54まで出すことができ、ジャパンオープンで実際にそこまで基礎点を出しました。そこに、セカンド3回転のコンビネーションをリカバリーで後半に入れたことで全日本では66.96まで基礎点が上がりました。65.24だと日本勢で今シーズン3番目、66.54や66.96なら2番目相当になります。この領域はトリプルアクセルが構成に入っていないと出ません。トリプルアクセルがあっても、ほかのジャンプで基礎点を削られるとここまで出ないのですが、そういったことなく60点台後半の基礎点構成を何度も今シーズン出すことが出来ていました。

 

○平均GOE2.400以上(国際大会+全日本選手権より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
World Championships SP 7 CCoSp3   3.00   0.90 3.90 3.000
NHK Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
Skate Canada FS 11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
Olympic Games FS 3 LSp4   2.70   0.77 3.47 2.778
Skate Canada SP 7 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
World Championships SP 1 2A   3.30   0.85 4.15 2.667
Skate Canada FS 12 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
NHK Trophy SP 1 3A   8.00   2.06 10.06 2.556
Olympic Games SP 6 LSp4   2.70   0.69 3.39 2.556
World Championships SP 5 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.556
World Championships FS 12 CCoSp3   3.00   0.81 3.81 2.556
Skate Canada FS 3 LSp4   2.70   0.66 3.36 2.444
NHK Trophy SP 5 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.444
NHK Trophy FS 2 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.444
全日本選手権 SP 5 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.444
全日本選手権 SP 6 LSp4   2.70   0.66 3.36 2.444
全日本選手権 FS 1 3A   8.00   1.94 9.94 2.444
全日本選手権 FS 11 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.444
World Championships FS 3 LSp4   2.70   0.66 3.36 2.444

河辺愛菜選手の今シーズンの最高評価要素は世界選手権のショート最後のスピンでしたがレベルが3でした。NHK杯スケートカナダのコレオも高評価。いいフリーの時のコレオは高評価を受けるようです。ジャンプからは世界選手権のダブルアクセルが入っています。トリプルアクセル持ちは単独ダブルアクセル要素がなかなかないのですが、自重して入れたダブルアクセルはさすがに高評価だったという形です。その次にトリプルアクセルNHK杯のショートでとんだものが高評価として入ってきています。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
みなとアクルス FS 1 3A<< <<  3.30   -1.65 1.65 -5.000
Japan Open FS 1 3A   8.00   0.20 8.20 0.167
近畿選手権 SP 1 3A   8.00   1.33 9.33 1.600
近畿選手権 FS 1 3Aq q 8.00   -4.00 4.00 -4.600
Skate Canada FS 1 3Aq q 8.00   -0.69 7.31 -0.778
NHK Trophy SP 1 3A   8.00   2.06 10.06 2.556
京都府総体 FS 1 3Aq q 8.00   -4.00 4.00 -5.000
全日本選手権 SP 1 3A   8.00   0.91 8.91 1.111
全日本選手権 FS 1 3A   8.00   1.94 9.94 2.444
Olympic Games SP 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000
Olympic Games FS 1 3A<< <<  3.30   -1.65 1.65 -4.889
World Championships FS 1 3A< 6.40   -3.02 3.38 -4.556

今シーズン、国内ローカル大会含めトリプルアクセルを多数跳びました。12回飛んでダウングレード2、アンダーローテーション2、あとの8回はqはありますが基礎点は満額入りました。基礎点満額の8回のジャンプのうち、GOEがわずかなマイナスまででしっかり着氷したのは6回。成功ジャンプは6/12 とみなせて5割の成功率でした。ショートフリー2本そろったのが全日本。勝負所にしっかり合わせた形でした。

 

○3回転-3回転を含む要素(国際大会+全日本選手権より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate Canada FS 2 3Lz+3Tq q 10.10   -0.51 9.59 -0.778
NHK Trophy SP 2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
NHK Trophy FS 2 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.444
全日本選手権 SP 2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
全日本選手権 FS 9 3F+3T   10.45 X -0.23 10.22 -0.333
Olympic Games SP 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
World Championships SP 2 3Lz!+3Tq ! 10.10   -1.18 8.92 -2.000
World Championships FS 2 3Lzq+3T q 10.10   -0.17 9.93 -0.222

3回転-3回転は河辺選手の場合、トリプルアクセルの直後に来るという負荷のかかるジャンプです。これが成功率高く、軽いGOEマイナスがあるくらいで、基礎点削られることもなく、転倒もなく、しっかり成功させています。強いて言えば全日本のフリーは本来入るところの2番目の要素が3-2になり、リカバリーで後半にフリップに付けた、というのはありますが、それもしっかり着氷しました。

3回転3回転を回転不足もせずしっかり飛べる、というのは大きな強みです。

 

○3連続ジャンプ(国際大会+全日本選手権より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate Canada FS 7 2A+3T+2T   9.68 x 0.72 10.40 1.778
NHK Trophy FS 7 2A+3T+2T   9.68 X 0.72 10.40 1.667
全日本選手権 FS 7 2A+3T+2T   9.68 X 0.54 10.22 1.333
Olympic Games FS 7 2A+3Tq+2T q 9.68 x -1.02 8.66 -2.556
World Championships FS 7 2A+3Tq+2Tq q 9.68 x -1.44 8.24 -3.444

3連続はダブルアクセル起点のもの。シーズン中盤まではうまくいっていたのですが、オリンピックと世界選手権ではうまくいきませんでした。この2試合は3連続がうまくいかなかったというよりは、それまでの流れが悪すぎてそれに飲まれたという印象でした。

 

○回転不足があった要素(国際大会+全日本選手権より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Olympic Games SP 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000
Olympic Games FS 1 3A<< <<  3.30   -1.65 1.65 -4.889
World Championships FS 1 3A< 6.40   -3.02 3.38 -4.556

今シーズン主要大会で回転不足があったのはトリプルアクセルのみです。オリンピックや世界選手権、本人比で見てもかなり悪い出来だったのは確かですが、それでもトリプルアクセル以外のジャンプはすべて回転は足りています。ですから出来が良ければ当然回転不足の心配などしなくていいレベルなわけで、いい滑りをしたように見えるのだけどレビューの積み重ねでスコアが下がる、というような心配がほとんどない選手です。

 

今シーズン、一気にスターダムに駆け上がりオリンピック代表へ。シンデレラガールともされましたが、オリンピック、世界選手権では厳しい結果となりました。天国と地獄を見た形。いろいろと叩かれる形にもなってしまいましたが、NHK杯で表彰台に上がり、全日本でも表彰台に上って、選考レースでしっかり結果を出したのは事実です。河辺選手の立ち位置ではオリンピックに照準を合わせる、のではなくて、選考会に照準を合わせる、という形になるのは当然で、シーズン後半失速してしまったのは仕方ないところな気がします。

フリーのミラクル、冒頭、不敵な表情を浮かべるところから始まってトリプルアクセルを下りるところまで、一連の流れが決まると素晴らしいものがあります。演技内容以前にそういう絵になる部分がある選手だと思いますので、これくらいの挫折でつぶされずに活躍を続けてほしいものです。

今シーズン、元々グランプリの枠はなかった選手。来シーズンは本人の今シーズンの実績と、世界情勢の関係から、おそらく最初から枠が回って来るかと思います。それだけでもある種今シーズンは飛躍した、と言えるのだと思います。17歳でオリンピックに出ました。17歳でオリンピックに出られず、21歳でオリンピックにたどり着いた選手もいます。4年後、またチャンスはある。今度は、結果まで出すチャンスもある。それまでに力を付けていく姿を見たいと思います。