21-22 チャジュンファン

2001年10月21日生まれ

シニア5シーズン目

シーズン獲得賞金:$32,000

世界ランキング:12位

シーズンランキング:13位

シーズンベストスコア 282.38(7位) オリンピック

ショートプログラムシーズンベスト 99.51 オリンピック

フリーシーズンベスト 182.87 オリンピック

ショートプログラム楽曲:Fate of the Clockmaker

フリープログラム楽曲:トゥーランドットより

スピンレベル4率 33/39=84.6%

ステップレベル4率 8/13=61.5%

スピンオールレベル4 2/6

スピンステップオールレベル4  1/6

ジャンプ要素回転不足率 13/63=20.6%

ジャンプ回転不足なし 1/6

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/6

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS Asian Open Figure 6 214.24 74.47 139.77
GP Grand Prix Torino 5 247.74 95.56 152.18
GP NHK Trophy 3 259.60 95.92 163.68
NC Korean Championships 1 283.31 98.31 185.00
4CC Four Continents 1 273.22 98.96 174.26
OG Olympic Games 5 282.38 99.51 182.87
WC World Championships   82.43 82.43  

昨シーズンは世界選手権で10位。韓国初のオリンピック2枠に貢献したチャジュンファン選手。今シーズンはアジアンオープンフィギュアで開幕しました。この試合がびっくりするくらいひどい出来で214.24の6位。現行ルールでの最低スコアをこのタイミングで出していました。

さて、復調ぶりはどうなのか? というグランプリシリーズ。トリノではまず247.74まで戻してきました。プログラムもショートは4回転1本、フリーでも2本と確実コースに戻してきています。そしてNHK杯で3位表彰台。オリンピックでも上位で争えそうな力を見せてきました。

年が明けて韓国選手権。これは楽勝です。チャジュンファン選手にとってはなんでもない調整試合。翌週するに4大陸選手権に出ました。スケジュール的にはどうか? という試合ではあったのですが、ショートフリー共に僅差ながら1位でチャンピオンシップ初優勝。韓国男子としてチャンピオンシップ初の戴冠となりました。

それでも今シーズンはオリンピックが本番。韓国は今回は団体戦無しです。ショートプログラムノーミス。全要素全ジャッジ+1以上の評価で99.51とパーソナルベスト、4位に付けます。フリーはノーミスして上位が崩れれば表彰台もある、というところでしたが冒頭の4回転トーループで見るからに痛い転倒。これは崩れる流れだ・・、と思ったのですが、以降立て直して全要素プラス評価をもらい滑り終わった時点で2位に付けます。残り3人を待つ控室。ジェイソンブラウン選手、羽生結弦選手と3人。オー、ニュークリケットブラザーズだ、と思いましたが、この3人で結局4位5位6位。チャジュンファン選手は韓国男子史上最高位の5位入賞となりました。3位表彰台とは10.62差。結果的には冒頭の4回転がクリーンに決まっていればもしや、というくらいの位置にいたことになりました。

世界選手権も出場しましたが、ショート17位。靴の状態がよくないとかでフリーは棄権してシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Asian Open Figure 6 214.24 97.83 119.41 84.94 -22.69 22.43 13.15
Grand Prix Torino 5 247.74 123.06 125.68 85.11 -1.26 23.82 15.39
NHK Trophy 3 259.60 130.76 129.84 87.07 4.56 24.52 14.61
Korean Championships 1 283.31 148.26 135.05 93.46 13.28 25.68 15.84
Four Continents 1 273.22 140.85 133.37 91.50 7.79 26.84 14.72
Olympic Games 5 282.38 147.89 135.49 93.10 13.10 25.59 16.10
World Championships   82.43 40.40 43.03 27.36 -4.65 12.40 5.29

 

トータルスコア282.38のオリンピックのスコアは今シーズン7位でした。技術点は140点台まで出ています。技術点の147.89は10位になります PCSは135.49までで5項目平均9点程度となっています。PCS順位は6位。TESよりPCSの方が高い順位にいます。

ジャンプの基礎点はオリンピックの93.10が最高。100点を超える選手が多数いるなかでこれは割と平凡なスコアになります。ジャンプの加点の方は13.10と二桁出ました。アジアンオープンフィギュアの-22.69は今シーズン全体で下から2番目というなかなかひどい出来でした。よくそこからオリンピック5位まで上がってきたと思います。

スピンは4大陸選手権で26.84まで出しています。これはシーズン4位の高評価。ステップ系要素ではオリンピックで16.10 これはシーズン6位です。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
Asian Open Figure 6 51.40 56.92 23.98 55.73 57.34 58.49
Grand Prix Torino 5 60.51 57.03 52.01 60.24 67.01 62.74
NHK Trophy 3 63.73 58.29 59.62 62.51 63.64 65.57
Korean Championships 1 70.18 62.38 71.03 66.27 68.96 69.10
Four Continents 1 67.44 61.12 63.85 70.04 64.12 67.96
Olympic Games 5 69.93 62.15 70.80 65.98 70.08 69.40

トータルスコアではオリンピックで偏差値69.93まで出ました。

ジャンプの基礎点はいい時で偏差値が60台前半まで。上位の選手ではありますがトップとは差がある位置です。ジャンプの加点はオリンピックで偏差値70に乗せました。

スピンステップも最高の試合で偏差値70超え。PCSも69.40が最高で70に近いところまでいます。

ジャンプの基礎点以外は偏差値70前後をマークする力がある、という形です。

21-22シーズン チャジュンファン要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャート化するとこうなります。アジアンオープンフィギュアのジャンプGOEがなかなかひどい・・・。

ジャンプGOEは増減しますが、それ以外見ると右上が凹む形です。ジャンプの基礎点は取れないけれどそれ以外で満遍なく点を取っている、という形です。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○オリンピック ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   3.33 13.03 3.444
2 3Lz+3Lo   10.80   1.69 12.49 2.778
3 FCSp4   3.20   1.01 4.21 3.222
4 3A   8.80 x 1.37 10.17 1.778
5 CSSp4   3.00   0.99 3.99 3.222
6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.222
  TES   42.90   11.40 54.30  

ショートプログラムの最高基礎点は42.90でした。オリンピックの他に、韓国選手権、グランプリトリノでも42.90は出しています。

4回転はサルコウ1本で、3回転からのルッツループ、1.1倍はトリプルアクセルという構成です。45点を超える選手が多数いる中ではやや見劣りするのは事実です。ルッツループを4T+3Tに変えることができれば基礎点を2.90上げることができますが、4T+2Tで終わった場合は基礎点は全く変わりません。リスクとリターン。チャジュンファン選手にとってはセカンドループの方が4回転増やすよりもリスクが低いということなのでしょうか。

 

○オリンピック フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000
2 4S   9.70   3.19 12.89 3.333
3 3Lz+3Lo   10.80   1.77 12.57 2.889
4 FCSp4   3.20   1.01 4.21 3.111
5 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
6 3A+2T   9.30   1.83 11.13 2.222
7 3A   8.80 x 1.94 10.74 2.333
8 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 0.42 12.19 0.667
9 3F   5.83 x 1.36 7.19 2.444
10 ChSq1   3.00   2.29 5.29 4.556
11 CSSp4   3.00   0.99 3.99 3.333
12 CCoSp3   3.00   1.24 4.24 4.222
  TES   79.90   13.69 93.59  

フリーの最高基礎点は79.90です。韓国選手権では80.76を出していました。

4回転はサルコウトーループで2本構成です。セカンドループで基礎点を稼いでいるのですが、セカンド3Tが入っていなかったりします。振り返って見るとここ4シーズン国際大会でセカンド3Tをしっかり飛べていません。4年前の平昌オリンピックでは3Lz+3Tを飛んでいましたので、全く飛べないということはないと思うのですが、4シーズンこれがちゃんと入れられていないということは、かなり苦手なのだろうと思います。

ただ、やはり70点台の基礎点はトップと勝負するには厳しく、セカンドループだけでなく、セカンド3Tを構成に入れて基礎点を稼ぎたいところ。上記の構成でスピンレベル4を取り、4回転トーループの回転が足りていれば基礎点が2.40上がって82.30に。トリプルアクセルからのコンビネーションで3Tを付けられればさらに基礎点が2.90上がって85.20にまでなります。この辺までくれば、基礎点90点を超える選手は少ないですので、出来栄え勝負にまで持ち込んで表彰台争いに参加できるくらいにはなってくると思います。

あるいは、ルッツが得意そうなので、4回転ルッツを習得する、という選択もあるかもしれません。

 

○平均GOE3.700以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Four Continents FS 10 ChSq1   3.00   2.42 5.42 4.750
Olympic Games FS 10 ChSq1   3.00   2.29 5.29 4.556
Four Continents SP 5 CSSp4   3.00   1.30 4.30 4.250
Four Continents SP 7 CCoSp4   3.50   1.52 5.02 4.250
Four Continents FS 5 StSq3   3.30   1.38 4.68 4.250
Olympic Games SP 7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.222
Olympic Games FS 12 CCoSp3   3.00   1.24 4.24 4.222
Korean Championships FS 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.143
Four Continents SP 6 StSq3   3.30   1.32 4.62 4.000
Olympic Games SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
NHK Trophy FS 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 3.889
Four Continents SP 1 4S   9.70   3.72 13.42 3.875
Korean Championships SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.857
Korean Championships SP 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 3.857
Grand Prix Torino SP 6 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.778
Grand Prix Torino FS 10 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.778
Olympic Games FS 5 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
Four Continents SP 3 FCSp4   3.20   1.17 4.37 3.750
Four Continents FS 12 CCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.750
Korean Championships SP 5 CSSp4   3.00   1.14 4.14 3.714
Korean Championships FS 5 StSq4   3.90   1.48 5.38 3.714

評価の高い要素はコレオシークエンスでした。4大陸選手権の、トゥーランドット姫への勝利を確信してのコレオシークエンスは今シーズンのコレオの中で3位の評価でした。

ジャンプの高評価が少ないのが特徴的です。

 

サルコウで始まる要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Asian Open Figure SP 1 4S+3T< 13.06   -1.46 11.60 -1.500
Asian Open Figure FS 2 4S   9.70   -2.26 7.44 -2.250
Asian Open Figure FS 6 4Sq+REP q 6.79   -3.40 3.39 -3.375
Grand Prix Torino SP 1 4S   9.70   3.46 13.16 3.556
Grand Prix Torino FS 2 2S   1.30   0.02 1.32 0.222
NHK Trophy SP 1 4S   9.70   2.91 12.61 2.889
NHK Trophy FS 2 4S<< <<  4.30   -2.15 2.15 -5.000
Korean Championships SP 1 4S   9.70   2.91 12.61 3.000
Korean Championships FS 2 4S   9.70   3.10 12.80 3.143
Four Continents SP 1 4S   9.70   3.72 13.42 3.875
Four Continents FS 2 4S   9.70   0.00 9.70 0.125
Olympic Games SP 1 4S   9.70   3.33 13.03 3.444
Olympic Games FS 2 4S   9.70   3.19 12.89 3.333
World Championships SP 1 4S< 7.76   -3.88 3.88 -5.000

4回転サルコウをショートフリーでそれぞれ飛んできます。シーズン初戦のアジアンオープンフィギュアではショートでコンビネーションに、フリーで2本というチャレンジプログラムを組んだのですがこなしきれませんでした。以降は単独ジャンプとしていますが、グランプリ2戦は成功率5割。韓国選手権、4大陸選手権、オリンピックは2本そろえました。

4回転の中ではこちらの方が確率の高いジャンプとなっていますが、まだ万全ではないようです。

 

○4回転トーループを含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Asian Open Figure SP 2 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000
Asian Open Figure FS 1 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000
Grand Prix Torino FS 1 4T   9.50   -4.75 4.75 -5.000
NHK Trophy FS 1 4T   9.50   2.85 12.35 3.000
Korean Championships FS 1 4T   9.50   2.66 12.16 2.714
Four Continents FS 1 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000
Olympic Games FS 1 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000

4回転トーループには苦しみました。アジアンオープンフィギュアではショートフリー共に回転不足で転倒。以降はフリーの冒頭に1本ですが、トリノでも転倒。NHK杯、韓国選手権は成功させたものの、優勝した4大陸でも5位に入ったオリンピックでも回転不足の転倒でした。成功率は2/7 まだ計算できないジャンプです。

 

トリプルアクセルを含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Asian Open Figure SP 4 3Aq q 8.80 x -4.00 4.80 -5.000
Asian Open Figure FS 3 1A   1.10   -0.02 1.08 -0.250
Asian Open Figure FS 7 3A+1Eu<<+3S< <<  12.58 x -3.87 8.71 -4.625
Grand Prix Torino SP 4 3A   8.80 x -0.34 8.46 -0.444
Grand Prix Torino FS 6 3A+1Eu+3Sq q 12.80   -2.17 10.63 -2.778
Grand Prix Torino FS 7 3A   8.80 x 1.37 10.17 1.778
NHK Trophy SP 4 3A   8.80 X 1.14 9.94 1.444
NHK Trophy FS 6 3Aq+1Eu+3S< 11.94   -2.40 9.54 -3.000
NHK Trophy FS 7 3A   8.80 X 1.60 10.40 2.000
Korean Championships SP 4 3A   8.80 x 1.76 10.56 2.143
Korean Championships FS 6 3A+2T   9.30   1.76 11.06 2.143
Korean Championships FS 7 3A   8.80 x 2.24 11.04 2.714
Four Continents SP 4 3A   8.80 x 1.47 10.27 1.875
Four Continents FS 6 3A<+2T 7.70   -1.17 6.53 -1.750
Four Continents FS 7 3A   8.80 x 1.73 10.53 2.125
Olympic Games SP 4 3A   8.80 x 1.37 10.17 1.778
Olympic Games FS 6 3A+2T   9.30   1.83 11.13 2.222
Olympic Games FS 7 3A   8.80 x 1.94 10.74 2.333
World Championships SP 4 3A   8.80 x -2.29 6.51 -2.778

トリプルアクセルはショートで当然飛び、フリーも2回飛ぶジャンプです。今シーズンは19回飛んで、抜けて1回転半になったのが1回、トリプルアクセル自体が回転不足で減点されたのは1回、コンビネーションの後ろの回転が足りないのが2回、転倒1回、それら以外でGOEマイナスが2回ありました。シーズン中盤以降は単独ジャンプとしての成功率は上がっていました。

 

○セカンド3回転ループの要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Asian Open Figure FS 8 3Lzq+3Lo q 11.88 x -0.79 11.09 -1.250
Grand Prix Torino SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.94 12.74 3.222
Grand Prix Torino FS 9 3F+3Lo   11.22 x 0.91 12.13 1.778
NHK Trophy SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.60 12.40 2.556
NHK Trophy FS 8 3Lz!q+3Lo< ! 10.80 X -2.28 8.52 -3.556
Korean Championships SP 2 3Lz+3Lo   10.80   0.83 11.63 1.571
Korean Championships FS 8 3Lz+3Lo< 10.80 x -1.89 8.91 -3.143
Four Continents SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.57 12.37 2.375
Four Continents FS 3 3Lz+3Lo   10.80   1.38 12.18 2.250
Olympic Games SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.69 12.49 2.778
Olympic Games FS 3 3Lz+3Lo   10.80   1.77 12.57 2.889
World Championships SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.52 12.32 2.556

チャジュンファン選手はセカンドジャンプにループを飛びます。これをショートからほとんどの試合で入れてきます。基本的にはルッツからですがフリップからも1例ありました。

12回飛んで、2つ目のループが回転不足になったのが2回、それ以外でGOEマイナスが1回。後の9回はGOEプラスなので75%の成功率でした。

 

韓国男子を一人で引っ張るチャジュンファン選手。シニアデビューシーズンにグランプリファイナル3位になって以来、しばらく伸び悩んでいた印象でしたが、今シーズンは4大陸制覇をはじめ結果を出してきました。バランスよく各要素で点を取れるのは魅力。一方で頂点を伺うには4回転が少し足りなさそうです。

羽生選手がしばらくカナダにいなかったことで、クリケットの中ではジェイソンブラウン選手と並んでトップの位置にいたと思います。意外とクリケット、今ジャンプが得意な選手がいませんかね。手本が身近にあるといいのですが。羽生選手が現役を続けるか、カナダに帰って来るか、その辺でずいぶん変わってきそうです。

まだ二十歳。4大陸勝ちましたので次は世界選手権の表彰台を目指すことになるのかと思います。