22-23シーズンの地方大会が始まりました。
まずは中部選手権から。伝統的に強い名古屋の選手が集まる試合なわけですが、今回は異質な人が入ってきました。
○女子シングルシニア
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | 松 生 理 乃 | 中京大中京高校 | 192.63 | 64.70 | 127.93 |
2 | 河 辺 愛 菜 | 中京大中京高校 | 176.62 | 58.59 | 118.03 |
3 | 横 井 ゆは菜 | 邦和みなとSC/中京大 | 173.36 | 64.26 | 109.10 |
4 | 大 庭 雅 | 東海東京FH | 166.37 | 62.05 | 104.32 |
5 | 山 下 真 瑚 | 中京大学 | 162.89 | 57.24 | 105.65 |
6 | 紀 平 梨 花 | トヨタ自動車 | 154.49 | 56.69 | 97.80 |
7 | 横 井 きな結 | 中京大中京高校 | 150.01 | 47.77 | 102.24 |
8 | 磯 村 彩 姫 | 中京大学 | 139.81 | 47.16 | 92.65 |
9 | 竹 内 す い | 大同大学 | 132.18 | 47.44 | 84.74 |
10 | 渡 邉 朱 音 | 椙山女学園大学 | 125.58 | 40.74 | 84.84 |
11 | 田 村 珠里亜 | 愛知みずほ大瑞穂高校 | 125.13 | 41.00 | 84.13 |
12 | 加 藤 利緒菜 | 中京大学 | 123.57 | 45.76 | 77.81 |
13 | 浦 松 千 聖 | 中京大学 | 119.81 | 46.92 | 72.89 |
14 | 渡 辺 真 央 | 中京大学 | 109.03 | 37.70 | 71.33 |
15 | 笠 掛 梨 乃 | 中京大学 | 104.37 | 40.09 | 64.28 |
16 | 松 岡 さら沙 | 中京大学 | 102.22 | 38.63 | 63.59 |
17 | 浦 冨 真 以 | CRYSTAL F・S・C | 102.12 | 38.58 | 63.54 |
18 | 金 澤 茉 由 | 中京大学 | 96.33 | 33.71 | 62.62 |
19 | 植 杉 梨 南 | 中京大学 | 90.22 | 32.69 | 57.53 |
女子シングルの西日本への通過枠は13です。ただし、河辺愛菜選手はシード扱いですので、実質的には上位14位までが西日本へ通過するということになります。
全体的にあまり伸びなかった印象です。優勝は松生理乃選手で3連覇になります。スコアは190点台で昨年より下がりました。2位にはシードついている河辺愛菜選手が入ります。
横井ゆは菜選手は3位。やはりグランプリシリーズの出場権を持っている3人は強かったわけですが、フリーはいずれも伸びなかった印象でした。グランプリシリーズまで1カ月、どれだけ調整してくるでしょうか。
ベテラン大庭雅選手が4位。おそらく地方大会にエントリーしている女子選手の中では最年長になると思うのですが今シーズンも全日本までたどり着けるでしょうか。ベテランですが構成にダブルアクセルシークエンスを入れたり、新ルールにも対応してきているのですが、最後に2A+2Tは2A3つ目、2Tに至っては4つ目、ついでに言えばコンビネーション自体が4つ目、結果その要素丸ごと零点というベテランらしからぬ珍しいこともしてました。長く現役を続けて全日本に出続けてもらえたらと思います。
世界ジュニア表彰台経験のある山下真瑚選手が5位。ちょっと復調具合が見えない感じになっています。これくらいのスコアになってくると全日本出場は際どくなってきます。
そして、紀平梨花選手が6位でした。最初、あれ? 中部? と思いましたが、トヨタ自動車由来で中部ですね。正直なところ、この状態で出てきてほしくなかったなあ、とも思います。怪我がまた悪化してなければいいのですが。これでジャパンオープンに出たりグランプリシリーズを転戦したり、なかなか心配です。
横井きな結選手が7位。竹野家に続いて姉妹全日本を狙える位置にいる横井家なのですが、このスコアだと西日本を抜けるのは厳しいです。木下トロフィーで出した172.22くらいは西日本では欲しいです。
女子シングルの西日本への通過ラインは109.03になりました。枠が昨シーズンより広がってはいますが、130点台だった昨年のラインと比べるとだいぶ下がっています。
○紀平梨花選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 3S+2T | 5.60 | 0.86 | 6.46 | 2.000 | ||
2 | 2A+2T | 4.60 | 0.33 | 4.93 | 1.000 | ||
3 | 2Lo | 1.70 | 0.17 | 1.87 | 0.800 | ||
4 | 1A | F | 1.10 | -0.55 | 0.55 | -5.000 | |
5 | FSSp4 | 3.00 | 0.30 | 3.30 | 1.200 | ||
6 | 3S | 4.73 | X | 0.72 | 5.45 | 1.600 | |
7 | 1A+2T* | * | 1.21 | X | -0.15 | 1.06 | -1.400 |
8 | 2Lo | 1.87 | X | 0.11 | 1.98 | 0.600 | |
9 | CCoSp3 | 3.00 | 0.60 | 3.60 | 2.200 | ||
10 | ChSq1 | 3.00 | 1.17 | 4.17 | 2.400 | ||
11 | StSq2 | 2.60 | 0.78 | 3.38 | 2.800 | ||
12 | LSp3 | 2.40 | 0.48 | 2.88 | 2.000 | ||
TES | 34.81 | 4.82 | 39.63 |
まだまだ構成も整ってないですしスピンステップのレベルも取れていない、という紀平選手のフリーです。飛んだ3回転はサルコウのみ。こういう構成に慣れていないのでダブルトーループも3回飛んで零点もらってました。出来とかどうでもよくて、無事に終えられれば良い、という試合でした。結果的に西日本進出ラインはかなり低かったですので、ショートもフリーも3回転無し、みたいな構成でもよかった計算ではありました。怪我が悪化していないことを祈ります。
○男子シングル シニア
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | 山 本 草 太 | 中京大学 | 253.80 | 94.12 | 159.68 |
2 | 岩 野 颯 太 | 邦和SC | 117.50 | 38.22 | 79.28 |
3 | 和 田 龍 京 | 中京大学 | 96.79 | 37.92 | 58.87 |
男子シングルは西日本への通過枠は6に対して出場者3人ですので全員通過です。
山本草太選手が当然優勝。253.80は今シーズン3試合目で一番低いスコアです。250点台で最低点と言える水準に今シーズンはなってきています。
○山本草太選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 4F | F | 11.00 | -5.50 | 5.50 | -5.000 | |
2 | 4S | 9.70 | 1.94 | 11.64 | 2.000 | ||
3 | 4T+2T | 10.80 | 0.63 | 11.43 | 0.800 | ||
4 | 3A+1Eu+3S | 12.80 | 2.13 | 14.93 | 2.400 | ||
5 | FCSp2 | 2.30 | 0.08 | 2.38 | 0.400 | ||
6 | StSq3 | 3.30 | 0.66 | 3.96 | 2.200 | ||
7 | 4Tq | q | 10.45 | X | -4.75 | 5.70 | -5.000 |
8 | 3F+2A+SEQ | 9.46 | X | 0.88 | 10.34 | 1.600 | |
9 | 3A | 8.80 | X | 0.00 | 8.80 | 0.200 | |
10 | ChSq1 | 3.00 | 1.33 | 4.33 | 2.400 | ||
11 | CSSp3 | 2.60 | 0.78 | 3.38 | 2.800 | ||
12 | CCoSp4 | 3.50 | 0.70 | 4.20 | 2.000 | ||
TES | 87.71 | -1.12 | 86.59 |
入れてきました4回転フリップ。これは転倒に終わります。でも回転は足りていました。これを含め4回転は4本構成。サルコウ、トーループの確率は上がってきています。2回飛ぶジャンプは4回転トーループとトリプルアクセル。余るダブルアクセルをシークエンスに組み込むこともできていて基礎点は87.71 スピンステップのレベルが獲り切れていませんが本人比で過去最高基礎点です。フリップ入れない方が安定するから3本構成でこの先やっていくかも、というようなコメントをしていましたが、それでも83点台の基礎点は出していました。
グランプリシリーズは3戦目のフランスと5戦目のNHK杯をもらえました。今シーズンの出来だと表彰台争いには顔を出してきそうです。
○女子シングル ジュニア(上位12人)
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | 和 田 薫 子 | グランプリ東海クラブ | 155.15 | 49.66 | 105.49 |
2 | 矢 口 真 央 | スペリオール愛知FSC | 147.14 | 50.98 | 96.16 |
3 | 後 藤 千 弦 | 中京大中京高校 | 137.51 | 46.22 | 91.29 |
4 | 大 坪 瑚 子 | 邦和みなとスケート部 | 134.37 | 42.77 | 91.60 |
5 | 山 根 有加里 | 名東FSC | 118.00 | 42.30 | 75.70 |
6 | 門 田 桃 愛 | 名東FSC | 117.30 | 41.15 | 76.15 |
7 | 高 岡 も も | 中京大中京高校 | 108.09 | 40.17 | 67.92 |
8 | 森 実 愛 | 名古屋FSC | 107.92 | 36.26 | 71.66 |
9 | 佐久間 結 子 | ポラリス中部FSC | 105.02 | 35.08 | 69.94 |
10 | 柳 川 加 奈 | CRYSTAL F・S・C | 104.43 | 33.67 | 70.76 |
11 | 窪 田 真 衣 | エヌエフエスクラブ | 102.65 | 35.20 | 67.45 |
12 | 菰 原 皐 月 | グランプリ東海クラブ | 101.25 | 37.38 | 63.87 |
女子シングルジュニアの西日本への通過枠は8です。
名古屋勢は今シーズンジュニアグランプリに誰も出場出来ていないのですが、唯一サブ枠にまでは入っていた和田薫子選手が優勝しました。ショート2位からの逆転優勝でした。昨シーズン全日本ノービスAで2位に入った島田麻央世代。それはすなわち、長いジュニアを強制される最初の世代でもあります。優勝したので張っておきます、クラウドファンディング受付中です。
同じく今シーズンからジュニアに上がった矢口真央選手が2位。島田麻央選手が麻央麻央騒がれてますが、こちらの真央は真正浅田真央と字まで同じわけで、きっと何か言いたいこともあると思います。ジュニアの中でも上位まで上がっていくと、そういう取り上げられ方もするようになるのだろうと思います。
西日本通過ラインは107.92でした。ジュニアも昨シーズンよりラインが下がっています。有望ジュニアが木下アカデミーに、つまり近畿選手権に取られていくというのが一つこの辺に出ている感じもします。
○男子シングルジュニア
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | 田 内 誠 悟 | 名東FSC | 160.58 | 63.23 | 97.35 |
2 | 三 島 舞 明 | 名古屋FSC | 159.07 | 55.96 | 103.11 |
3 | 芳 岡 優 希 | LYS | 157.05 | 52.96 | 104.09 |
4 | 誉 田 知 己 | 愛知みずほ大瑞穂高校 | 144.85 | 47.33 | 97.52 |
5 | 三 原 庸 汰 | ノイエス金沢FSC | 131.41 | 46.59 | 84.82 |
6 | 佐 藤 和 那 | 邦和みなとスケート部 | 124.22 | 41.63 | 82.59 |
7 | 中 野 瑠 伽 | 名東FSC | 116.63 | 40.77 | 75.86 |
8 | 福 地 一 真 | 金沢フィギュアSC | 100.45 | 39.97 | 60.48 |
9 | 村 上 晴 哉 | グランプリ東海クラブ | 96.91 | 34.08 | 62.83 |
男子ジュニアの西日本進出枠は7です。優勝は中部からはただ一人ジュニアグランプリのエントリーがある田内選手でした。ジュニアグランプリは6戦目にエントリーで2週間後でしたのでブロック大会免除にはならずに出場していました。やはりジュニアでもグランプリの出場権を持っている選手は強いようです。
西日本進出ラインは116.63でした。昨シーズンより枠が3つも広がってますので進出ラインは下がりましたがレベルは少し上がったようでした。
○女子シングル ノービスA
Pl | Name | Nation | Total | TES | PCS |
1 | 上 薗 恋 奈 | LYS | 98.08 | 54.45 | 43.63 |
2 | 岡 田 芽 依 | ポラリス中部FSC | 86.86 | 43.97 | 43.39 |
3 | 大 野 友心音 | ポラリス中部FSC | 61.96 | 27.49 | 34.47 |
4 | 戸 川 南 沙 | アテナ豊橋FSC | 61.04 | 27.00 | 34.04 |
5 | 佐 藤 心 春 | 邦和SC | 59.65 | 27.20 | 32.95 |
6 | 森 田 愛 華 | グランプリ東海クラブ | 56.11 | 27.93 | 28.68 |
7 | 中 谷 玲 菜 | グランプリ東海クラブ | 55.05 | 25.44 | 29.61 |
8 | 村 上 惺 菜 | グランプリ東海クラブ | 54.57 | 23.41 | 31.16 |
9 | 渡 瀬 陽 香 | 邦和SC | 53.37 | 23.80 | 30.07 |
10 | 宮 崎 紗矢香 | ノイエス金沢FSC | 44.45 | 16.96 | 28.49 |
11 | 河 津 来 奈 | グランプリ東海クラブ | 43.89 | 18.29 | 25.60 |
女子のノービスAの全日本ノービス進出は4人です。ノービスは東日本西日本がなくいきなり全日本なので枠が結構厳しく見えますが、推薦選手で出場が決まっているのが2人いますので、実際には6位まで全日本へ進めます。
優勝は上薗選手。昨年の全日本ノービスAで5位。上4人はジュニアに上がってますので今シーズンは優勝候補です。98.08というのも十分優勝が狙えるスコアです。LYSは樋口美穂子先生が作った新しいチームですね。
全日本進出ラインは56.11 結構際どい勝負でした。
○男子シングル ノービスA
Pl | Name | Nation | Total | TES | PCS |
1 | 花 井 広 人 | 邦和みなとスケート部 | 86.06 | 43.30 | 42.76 |
2 | 松 本 悠 輝 | スペリオール愛知FSC | 70.50 | 27.14 | 43.86 |
3 | 竹 中 慎 | アテナ豊橋FSC | 57.74 | 25.50 | 32.74 |
4 | 青 木 蓮 耶 | グランプリ東海クラブ | 51.27 | 18.53 | 32.74 |
男子のノービスAは全日本進出枠5に対して出場4人ですので全員全日本ノービスに出場できます。
優勝は花井広人選手。昨シーズン全日本ノービスAで17位でした。その時からはだいぶスコアを上げてきていて表彰台争いもできるか、という水準にいます。
○女子シングル ノービスB
Pl | Name | Nation | Total | TES | PCS |
1 | 花 井 咲 良 | 邦和みなとスケート部 | 63.37 | 32.04 | 31.83 |
2 | 星 碧 波 | グランプリ東海クラブ | 63.34 | 28.20 | 35.14 |
3 | 矢 島 凜 果 | グランプリ東海クラブ | 59.99 | 25.98 | 34.01 |
4 | 榎 本 ミ ク | 名東FSC | 58.68 | 26.61 | 32.07 |
5 | 森 岡 凛 | LYS | 57.95 | 26.15 | 31.80 |
6 | 竹 島 花 英 | LYS | 56.42 | 26.17 | 30.25 |
7 | 河 合 美璃杏 | 邦和SC | 55.99 | 23.95 | 32.04 |
8 | 河 合 心々渚 | グランプリ東海クラブ | 55.10 | 24.18 | 30.92 |
9 | 宋 玟 炅 | 邦和SC | 54.70 | 25.12 | 29.58 |
10 | 宇佐美 麻 帆 | 名東FSC | 50.56 | 21.64 | 28.92 |
11 | 木 原 永 稀 | 邦和SC | 44.63 | 18.76 | 27.37 |
女子ノービスBの全日本進出枠は6ですが推薦枠が3人外数で決まっていますので9位まで全日本に進める計算です。
優勝の花井選手は昨シーズンは全日本ノービスBで14位でした。63.37は際立ったスコアではないですが、8月には78.26という昨シーズンの全日本ノービスの優勝スコアを超える得点を出していますし優勝候補として今年は臨むことになります。
○男子シングル ノービスB
Pl | Name | Nation | Total | TES | PCS |
1 | 三 浦 琉 生 | グランプリ東海クラブ | 60.05 | 20.09 | 39.96 |
2 | 河 合 悠 立 | 名東FSC | 58.96 | 23.69 | 35.27 |
3 | 木 村 勇 翔 | グランプリ東海クラブ | 54.64 | 18.78 | 36.36 |
4 | 丸 山 喜 生 | アイリスFSC | 51.05 | 19.44 | 31.61 |
5 | 三 田 夏 輝 | 邦和SC | 48.75 | 17.08 | 32.17 |
6 | 富 樫 悠 也 | グランプリ東海クラブ | 48.34 | 16.17 | 32.17 |
7 | 岡 本 陽 輝 | アイススターFSC | 35.28 | 10.80 | 24.98 |
男子ノービスBの全日本進出枠は6 残念ながら1人だけ枠から外れることになりました。
優勝した三浦選手は昨シーズンは全日本ノービスBで13位でした。60.05は今シーズンのスコアランクでは2位にあたるスコアです。
近年、関西大学、木下アカデミーなど近畿勢に押されて、若干地盤沈下気味なところを少し感じるのですが、今大会もジュニアシニアの女子はスコアが伸びなかったなという印象でした。一方でノービスは名古屋勢も元気で樋口美穂子先生の新設チームLYSの面々も活躍していました。