ネペラメモリアル 伸びないスコア

チャレンジャーシリーズ4戦目はネペラメモリアルです。今回は日本からの派遣無し。日露の参加がなく、アメリカもオリンピック代表が誰もいないという構成だと、シングル勢はメンバー的にどうしても寂しいものになるな、という印象でした。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Isabeau LEVITO USA 198.99 65.37 133.62
2 Lara Naki GUTMANN ITA 166.24 52.65 113.59
3 Haein LEE KOR 164.88 58.06 106.82
4 Aleksandra GOLOVKINA LTU 157.37 53.96 103.41
5 Nina POVEY GBR 156.92 52.52 104.40
6 Alena BUDKO USA 144.20 42.07 102.13
7 Maia MAZZARA FRA 135.04 45.10 89.94
8 Stefanie PESENDORFER AUT 133.75 49.28 84.47
9 Ema DOBOSZOVA SVK 132.74 39.79 92.95
10 Regina SCHERMANN HUN 132.29 42.28 90.01
11 Mae Berenice MEITE FRA 120.77 41.00 79.77
12 Kristen SPOURS GBR 118.61 41.01 77.60
13 Michaela VRASTAKOVA CZE 115.30 45.06 70.24
14 Antonina DUBININA SRB 106.56 34.49 72.07
  Eliska BREZINOVA CZE 34.25 34.25  

女子の優勝は今シーズンからシニアに上がったイサボーレビト選手でした。フィラデルフィアインターナショナルに次いで今シーズン2勝目。チャレンジャーシリーズ初優勝になります。スコアは200点に届かず。ショートのルッツループで回転不足で基礎点から減点されたのが痛かったです。200点台を何度も出している選手としてはこのスコアは平凡でした。

2位にイタリアのグットマン選手。チャレンジャーシリーズ初表彰台ですが、スコアは166.24と平凡でした。

3位にイ・ヘイン選手。昨シーズン4大陸選手権2位ですが今シーズン初戦は164.88というやはり平凡なスコアでした。韓国世界選手権3枠に広げた功労者ですが、流石にこのスコアだと今シーズンの枠には入れなくなります。シーズン中盤のナショナルまでに合わせていけるかどうか。グランプリシリーズは初戦のスケートアメリカと3戦目のフランスです。

 

○イサボーレビト選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3Lo   10.80   1.06 11.86 1.714
2 3S   4.30   0.95 5.25 2.286
3 2A   3.30   0.79 4.09 2.286
4 CCoSp4   3.50   1.19 4.69 3.286
5 3F   5.30   1.27 6.57 2.143
6 ChSq1   3.00   1.20 4.20 2.286
7 2A   3.63 x 0.79 4.42 2.286
8 3Lz+3T< 10.19 x -2.48 7.71 -4.000
9 3F!+2T+2Lo ! 9.13 x -0.42 8.71 -0.714
10 FCSp2   2.30   0.74 3.04 3.143
11 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.857
12 FCCoSp3   3.00   0.60 3.60 1.857
  TES   62.35   6.78 69.13  

レビト選手はセカンドループ持ちです。冒頭にルッツループを見事に決めました。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。セカンド3回転で基礎点削られたこともありトータル基礎点は62.35にとどまりました。スピンのレベルをすべて4に揃え、ジャンプの回転も足りれば2.32基礎点が上がって64.67にまでなります。高難度ジャンプ無しでここまで基礎点が出るのがセカンドループ持ちの強さですが、これより上に行くには高難度ジャンプが必須になって来るかと思います。

グランプリシリーズは初戦のアメリカと4戦目のイギリスにエントリー。昨シーズンの世界ジュニアチャンピオンは今シーズンのダークホース的立ち位置。ファイナルのチャンスはありますが、世界チャンピオンへ挑戦のスケートアメリカでまずはどうなるでしょうか。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Gabriele FRANGIPANI ITA 244.57 87.39 157.18
2 Junhwan CHA KOR 226.32 80.81 145.51
3 Deniss VASILJEVS LAT 214.19 69.66 144.53
4 Hyungyeom KIM KOR 202.19 67.21 134.98
5 Hangil KIM KOR 200.23 70.42 129.81
6 Vladimir SAMOILOV POL 194.04 67.31 126.73
7 Aleksandr SELEVKO EST 187.47 63.84 123.63
8 Adam HAGARA SVK 182.95 60.30 122.65
9 Edward APPLEBY GBR 182.64 67.85 114.79
10 Aleksandr VLASENKO HUN 177.16 65.20 111.96
11 Graham NEWBERRY GBR 174.56 54.26 120.30
12 Landry le MAY FRA 174.02 56.37 117.65
13 Larry LOUPOLOVER BUL 113.09 34.14 78.95

男子はイタリアのフランジパーニ選手。244.57はパーソナルベストでの初優勝となります。昨シーズンヨーロッパ選手権で9位に入ったイタリアの3番手。イタリアはかつては、女の子と手をつなげる種目があるのに、わざわざ一人で滑らないでしょ、と言った選手がいたとかいないとか、というくらいに男子が弱かったのですが、リッツォ選手以降一気にレベルが上がっています。ジュニアグランプリでは4戦中優勝1つ含め3戦で表彰台。チャレンジャーシリーズも優勝がここで出ました。

2位はチャジュンファン選手です。226.32は平凡なスコア。4回転トーループはショートもフリーも決まりましたが、4回転サルコウがショートもフリーも決まりませんでした。エッジジャンプの方が得意なんじゃなかったでしたっけ? グランプリシリーズは初戦のスケートアメリカと5戦目のNHK杯です。

バシリエフス選手が3位。チャレンジャーシリーズ3シーズンぶり3回目の表彰台になりました。昨シーズンヨーロッパ選手権で272.08を出して3位表彰台に乗ったことを考えると214.19は寂しいですが、まだまだ調整段階といったところなのでしょう。国の代表になるには何の苦労もない、という立ち位置ですので、年が明けてからが本番。課題の4回転サルコウはダウングレードでした。フリーはドボルザーク新世界より。ノーミス出来たら非常に格好いいんだろうなあ。

 

○フランジパーニ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   2.66 12.16 2.571
2 4S   9.70   1.16 10.86 1.143
3 3A+3T   12.20   -2.24 9.96 -2.857
4 3Lo   4.90   0.20 5.10 0.429
5 FSSp4   3.00   0.36 3.36 1.143
6 3A   8.80 x 0.80 9.60 1.000
7 3F!q+1Eu+3S ! 11.11 x -1.80 9.31 -3.286
8 3Lz+1T   6.93 x -0.59 6.34 -1.000
9 ChSq1   3.00   0.80 3.80 1.571
10 CCoSp2V   1.88   0.19 2.07 1.000
11 StSq3   3.30   0.66 3.96 2.000
12 CCSp3   2.80   0.45 3.25 1.714
  TES   77.12   2.65 79.77  

冒頭から4回転2種類決めてきました。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルのみ。トリプルトーループを2回飛ぶ意思があったのではないかと思われます。

コンビネーションジャンプがすべてGOEマイナス。ここでプラスが取れるようになってくるといいのと、スピンステップのレベルが獲り切れていないので、この辺もしっかり取れると250点に乗って来るのだろうと思います。

この先はチャレンジャーシリーズのブダペストにエントリーがあって、グランプリシリーズは1戦、NHK杯に入っています。

 

ネペラメモリアルはコロナ以前は日本からの派遣もあった試合でした。紀平梨花選手のシニアデビュー戦優勝がここでした。それが今シーズンは無し。以前と比べると今シーズンはチャレンジャーシリーズへの派遣が少ない印象です。選手たちの希望であるならいいのですが、そうではないならもう少し派遣があってもいいような感じはします。

チャレンジャーシリーズ5戦目は次週、フィンランディア杯になります。日本からの派遣はなし。男子ではチャジュンファン選手がエントリーしてますが、2戦連続で本当に出るかどうか? 女子はジョージアのグバノワ選手、韓国からキムイェリム選手、イ・ヘイン選手などがエントリーしています。