ブダペスト杯 イタリア男子の躍進

日本からの派遣もなく、グランプリシリーズが近づき上位選手のエントリーも減ってきているチャレンジャーシリーズ、少し関心が薄れる時期ではありますが、第6戦が行われました。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Matteo RIZZO ITA 253.34 83.13 170.21
2 Lukas BRITSCHGI SUI 239.66 72.85 166.81
3 Nikolaj MEMOLA ITA 231.47 78.78 152.69
4 Gabriele FRANGIPANI ITA 230.99 70.79 160.20
5 Maxim NAUMOV USA 227.17 87.11 140.06
6 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE ESP 205.89 74.58 131.31
7 Vladimir SAMOILOV POL 202.25 68.64 133.61
8 Aleksandr SELEVKO EST 200.51 71.50 129.01
9 Maxim ZHARKOV USA 192.23 65.03 127.20
10 Kai JAGODA GER 188.43 67.47 120.96
11 Graham NEWBERRY GBR 182.99 61.83 121.16
12 Aleksandr VLASENKO HUN 169.77 55.81 113.96
13 Noah BODENSTEIN SUI 168.53 51.19 117.34
14 Gabriel FOLKESSON SWE 161.30 54.74 106.56
15 Nurullah SAHAKA SUI 159.94 45.75 114.41
16 Mozes Jozsef BEREI HUN 152.95 53.73 99.22
17 Iker OYARZABAL ALBAS ESP 152.42 55.81 96.61
18 Mykhailo RUDKOVSKYI UKR 151.48 51.42 100.06

優勝はイタリアのマッテオリッツォ選手でした。チャレンジャーシリーズは5年ぶり2回目の優勝。この大会は昨年はチャレンジャーシリーズではなかったのですが大会としては2連覇になっています。今シーズンからプログラムに入れている4回転ループ。ショートでは転倒でしたがフリーはGOEマイナスではありますが転倒せず立ちました。グランプリシリーズは2戦目のスケートカナダと5戦目にNHK杯で来日予定となっています。

2位はスイスのルーカスブリッチギー選手が入りました。北京オリンピック23位の選手。239.66はパーソナルベストで、チャレンジャーシリーズ初の表彰台となりました。グランプリシリーズはスケートカナダにエントリーです。

3位はメモラ選手。ジュニアグランプリファイナル進出を真っ先に決め、その後はチャレンジャーシリーズを転戦していて2戦連続の表彰台です。231.47はこれで今シーズン4試合連続のパーソナルベスト更新です。ジュニアグランプリファイナルでは日本勢の強敵になりそうです。

イタリアからさらにフランジパーニ選手が4位に入りました。230.99 230点以上出す選手がイタリアにこれで3人、この中にグラスル選手がいないわけで、イタリア男子の層が本当に厚くなりました。フランジパーニ選手はNHK杯で来日予定です。

 

○マッテオリッツォ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   2.31 11.81 2.444
2 4Lo   10.50   -2.25 8.25 -2.111
3 3F!+2T ! 6.60   0.15 6.75 1.333
4 3S   4.30   0.86 5.16 2.000
5 CCoSp4   3.50   0.75 4.25 2.222
6 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.667
7 3A+2A+SEQ   12.43 X 1.94 14.37 2.556
8 2Lz+1Eu+3S   7.59 X 0.12 7.71 0.333
9 3A   8.80 X 2.17 10.97 2.556
10 CCSp4   3.20   0.46 3.66 1.444
11 FSSp4   3.00   0.56 3.56 1.778
12 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.444
  TES   76.32   9.77 86.09  

リッツォ選手は今シーズンから4回転ループを構成に入れてきています。このフリーで初めて<もqもつかずに回転十分という判定になり、GOEはマイナスですが転倒はせずに立つことに成功しました。

2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルと3回転のサルコウ。昨シーズンまでは4回転トーループ2回で4回転2本だったところから今シーズンは4回転を2種類で2本にしていて本数はフリーでは増えていません。ショートでも4回転のループを入れているので成功すれば以前の1本から2本に増やせます。ただ、フリーでの本数は変わっていないので、ループが入ったからと言って以前と比べて基礎点が上がっていくわけでもないのですが、まだその辺は調整段階でヨーロッパ選手権あたりから本番構成になっていくのでしょうか。

前回のロンバルディア杯の時とは、4回転でトーループとループを1本づつ飛ぶという冒頭は変わっていないのですが、以降のジャンプはいろいろと様変わりしています。まだ完成形が固まっているわけではなさそうですが、この構成では2Lzと2Tがそれぞれ3回転に出来たとすると、6.97基礎点を上げることが出来て83.29にまでなります。

いつものシーズンでは年が明けてヨーロッパ選手権以降に調子が上がっていく選手という印象なのですが、今シーズンは初めてこんな早い時期に250点を超えるスコアを出してきました。今シーズン、この先楽しみです。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Ava Marie ZIEGLER USA 185.83 55.59 130.24
2 Kimmy REPOND SUI 177.74 60.86 116.88
3 Niina PETROKINA EST 176.32 53.00 123.32
4 Julia LANG HUN 165.07 58.65 106.42
5 Ema DOBOSZOVA SVK 161.56 52.01 109.55
6 Anastasia GRACHEVA MDA 157.46 53.46 104.00
7 Kristina SHKULETA-GROMOVA EST 153.57 57.87 95.70
8 Gabriella IZZO USA 153.23 52.01 101.22
9 Nataly LANGERBAUR EST 147.99 53.07 94.92
10 Nicole SCHOTT GER 147.46 51.45 96.01
11 Regina SCHERMANN HUN 144.67 48.82 95.85
12 Dasa GRM SLO 135.27 47.76 87.51
13 Siwon LEE KOR 134.17 47.85 86.32
14 Frida Turiddotter BERGE NOR 123.38 43.35 80.03
15 Dora HUS CRO 120.09 40.99 79.10
16 Daria ZSIRNOV HUN 117.29 44.30 72.99
17 Hana CVIJANOVIC CRO 115.57 43.27 72.30
18 Maia SORENSEN DEN 105.19 39.62 65.57
19 Katherine ONA ECU 63.07 19.81 43.26

女子の優勝はアメリカのアバマリージーグラー選手でした。昨シーズンまでジュニアにいてこれがシニア2戦目の16歳です。185.83はパーソナルベスト。アメリカはオリンピック出場者が次々と引退してしまっていて、ジュニアグランプリでも表彰台が1人だけではありますが、これくらいの選手ならごろごろいるよ、ということで、やはりそれなりに厚い層があります。

2位はスイスのキミ―レポンド選手。昨シーズン世界ジュニアで7位に入り日本勢を蹴落として、ジュニアグランプリの枠取りでスイスに7×2の14枠をもたらした選手です。シニアの国際大会は初出場。やはり170点くらいのスコアは普通に出してきて2位表彰台となりました。ロシア以外のヨーロッパ勢は年齢を経てから伸びてくることが多いですが、この10月で16歳になるレポンド選手。この先一つ一つ階段を上がっていくでしょうか。

エストニアのペトロキナ選手が3位。こちらは18歳になり今シーズンはシニアに本格参戦です。スケートカナダNHK杯にエントリー、初来日の予定です。

 

チャレンジャーシリーズはすでに半分を過ぎ、残りは4戦です。次回は1週飛んで10月最終週にデニステンメモリアルがあります。男女シングルでは日本からの派遣はなさそうなのですが、アイスダンスで村元/高橋組がエントリー表に名前が入っています。女子シングルでは韓国のチェダビン選手というちょっと懐かしい名前も見られました。チャレンジャーシリーズはエントリー選手がそのまま出てくるとは限らないのですが、なかなか気になるところとなります。