オータムクラシック 大差で圧勝

チャレンジャーシリーズ2戦目、オータムクラシックが行われました。世界チャンピオンが2組に4回転アクセルもいる、豪華チャレンジャー大会となりました。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Kaori SAKAMOTO JPN 203.20 75.62 127.58
2 Kaiya RUITER CAN 172.68 58.87 113.81
3 Justine MICLETTE CAN 169.24 59.45 109.79
4 Audrey SHIN USA 169.04 60.07 108.97
5 Dabin CHOI KOR 163.26 58.60 104.66
6 Mone CHIBA JPN 160.25 57.66 102.59
7 Emmi PELTONEN FIN 139.87 45.51 94.36
8 Elizabet GERVITS ISR 134.71 48.45 86.26
9 Sofia Lexi Jacqueline FRANK PHI 128.93 48.02 80.91
10 Eliska BREZINOVA CZE 125.56 49.84 75.72
11 Andrea ASTRAIN MAYNEZ MEX 118.41 39.16 79.25
12 Amanda HSU TPE 113.60 40.65 72.95
13 Ella CHEN ISR 109.43 37.76 71.67
14 Eugenia GARZA MEX 91.37 30.51 60.86

世界チャンピオン、坂本花織選手が2位に30点以上の差をつけて圧勝しました。ショートの75.62は今シーズンの最高スコアです。

2位には開催国カナダからカイヤルイター選手入りました。昨シーズン世界ジュニア10位の選手。今期グランプリデビューでスケートカナダでの活躍が期待されます。カナダのエースマデリンシザス選手を脅かす存在です。

3位もカナダからジャスティンミクレット選手。昨季は4大陸選手権11位。パーソナルベストでチャレンジャーシリーズ表彰台に上がりました。4大陸は日米加の3強から、女子は日米韓の3強になってしまってカナダはその他勢力みたいになってきてしまっていますが、今期は再び3強を脅かす位置に上がってこられるでしょうか。とりあえずシーズン最初の自国の大会で表彰台に2人送り込みました。

日本からもう1人、千葉百音選手は6位に終わりました。

 

○坂本花織選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   1.52 4.82 4.571
2 3Lz   5.90   1.53 7.43 2.571
3 3S   4.30   1.20 5.50 2.714
4 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.571
5 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
6 3F+2T   6.60   1.38 7.98 2.714
7 FSSp4   3.00   0.60 3.60 2.000
8 3F< 4.66 x -0.85 3.81 -2.000
9 2Aq+3T< 7.33 x -1.08 6.25 -3.286
10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.143
11 1Lo   0.55 x -0.04 0.51 -0.857
12 FCCoSp4   3.50   0.42 3.92 1.143
  TES   48.94   8.01 56.95  

前半良かったけれど後半崩れたというフリーでした。構成的には今シーズンもいつもと同じですが、ステップがコンビネーションの前に来たところは昨シーズンと異なります。

基礎点で他の選手と差が無く、コンビネーションが後ろの方にいますので、前半良くても、これで勝った、とはなかなかハイレベルな試合では思えず最後まで心配で見ていないといけない、というのが坂本選手の構成になります。

203.20というスコアは平凡ですが、9月の坂本選手はいつもこんなもの、という風に数字上は表れています。ショートは間に合っていて高めのスコアが出るのだけど、フリーはまだ間に合っていない、みたいな時期ということなようです。

坂本選手はブロック大会は免除でエントリーもないですし、次戦は試合としてカウントするならジャパンオープン、そのあとは10月末のスケートカナダとなります。

 

○千葉百音選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3F+3T<< F 6.60   -2.65 3.95 -5.000
2 2A   3.30   0.59 3.89 1.857
3 3S<< <<  1.30   -0.36 0.94 -2.714
4 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.429
5 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.000
6 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.571
7 3F<+2T+2Lo 7.96 x -0.76 7.20 -1.571
8 1Lz   0.66 x -0.26 0.40 -4.286
9 FCCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
10 3Lz< F 5.19 x -2.36 2.83 -5.000
11 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.286
12 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.000
  TES   46.51   -0.12 46.39  

千葉選手は思い通りに行かない試合となりました。冒頭コンビネーションから転倒、最後のジャンプも転倒。間にダウングレードあればアンダーローテーションあれば抜け1回転もあり。どうやら体の方にも少し問題があったようでジャンプがうまく入りませんでした。

ジャンプの種類は以前と変わっておらず、2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。ただ、1.1倍にルッツを2回入れてきていますので、ノーミス比では昨シーズンより高い基礎点構成になるはずです。

木下アカデミーへ移籍しての最初の海外遠征でしたが、今回は濱田先生はこちらには帯同せずジュニアグランプリの方へついています。このあたりがこの試合の千葉選手にとっての重みも表しているようにも見えます。シニアデビューシーズンではありますが、4大陸3位表彰台も持っていますので、最初から結果でアピールしないといけない立場でもなく、グランプリシリーズから合わせていけばいい、という風に感じます。個人的には18歳で移籍するなら木下アカデミーではなくてMFアカデミーの方がよかったのではないかと思ったりもしますが、4回転飛ぶには木下だったのでしょうか。ただ、今の構成は4回転を準備していく前提には見えないものになっています。

次戦は、近畿選手権エントリーしていますが、免除になるはずです。グランプリシリーズ2戦を持っていて、初戦のスケートアメリカでヘンドリックス選手らに挑む構図になります。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Ilia MALININ USA 281.68 100.87 180.81
2 Kevin AYMOZ FRA 237.35 72.58 164.77
3 Stephen GOGOLEV CAN 233.26 86.25 147.01
4 Sota YAMAMOTO JPN 231.23 70.39 160.84
5 Boyang JIN CHN 230.99 79.32 151.67
6 Mark GORODNITSKY ISR 213.12 73.46 139.66
7 Wesley CHIU CAN 208.82 80.93 127.89
8 Nikolaj MEMOLA ITA 199.38 70.27 129.11
9 Jimmy MA USA 191.08 66.03 125.05
10 Edrian Paul CELESTINO PHI 177.57 59.02 118.55
11 Donovan CARRILLO MEX 153.68 49.15 104.53
12 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE ESP 151.36 55.04 96.32

今期はUSインターナショナルが無いからかオータムクラシックに出てきたマリニン選手が圧勝しました。初戦からショート100点超えでトータル280点を超えるスコアを出してきています。

2位にはケビンエイモズ選手が入ってきました。ショートはひどい出来でしたがフリーで4回転を決めて2位にまで入ってきています。

3位は開催国カナダからゴゴレフ選手が入ってきました。ショートで4回転2本を決める素晴らしい出来で2位に入ると、フリーもそのリードを活かして表彰台を確保しました。18年のジュニアグランプリファイナルで勝って以降苦労していた印象ですが、復活してきたでしょうか? 次戦スケートアメリカに登場します。

日本から出場の山本草太選手は4位。惜しいところで表彰台を逃しています。

 

○イリアマリニン選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   2.72 10.72 3.429
2 4Lz   11.50   2.76 14.26 2.571
3 2Lo   1.70   -0.14 1.56 -0.857
4 4S   9.70   1.36 11.06 1.429
5 CCSp4   3.20   0.45 3.65 1.429
6 StSq3   3.30   0.59 3.89 1.714
7 3Lz+1Eu+3Sq q 11.77 x -1.18 10.59 -2.000
8 4T+3T   15.07 x 2.28 17.35 2.429
9 ChSq1   3.00   0.30 3.30 0.857
10 3Lz+3A+SEQ   15.29 x 0.64 15.93 1.000
11 FSSp2   2.30   0.23 2.53 1.000
12 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
  TES   88.33   11.06 99.39  

冒頭アクセルは3回転半。4回転アクセルはひとまず封印したけれど、シーズンどこかで入れることもあるかもよ? という構成になっています。

今回は4回転4種類4本で3本決まった、という形だと思います。ループは4回転にしたかったと思われます。ただ、4回転ループをこれまで決めたことはないですので、3回転をここに入れていた可能性もあるにはあります。

昨シーズンと比べて構成を少し落とした分、全体の成功率が最初から良いでしょうか? ショートフリー合わせてジャンプで得た加点が16.90あり、これは本人比過去最高でした。一方、スピンステップは今回は昨シーズンの試合と比べて点数的には低くなっています。

マリニン選手はジャパンオープンで来日後、スケートアメリカ出場予定です。

 

○山本草太選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   2.13 11.83 2.286
2 4T+3T   13.70   1.52 15.22 1.714
3 4T   9.50   -0.19 9.31 -0.286
4 1A+1Eu+3S   5.90   0.52 6.42 1.143
5 FCSp3   2.80   0.28 3.08 0.857
6 1A   1.21 x -0.13 1.08 -1.286
7 ChSq1   3.00   1.20 4.20 2.143
8 3F+3T   10.45 x 1.38 11.83 2.714
9 3Lz   6.49 x 1.53 8.02 2.429
10 CSSp4   3.00   0.84 3.84 2.857
11 StSq2   2.60   0.68 3.28 2.714
12 CCoSp4   3.50   0.98 4.48 2.571
  TES   71.85   10.74 82.59  

ショートでコンビネーション入らずの6位スタートからのフリー。4回転3本は降りましたがトリプルアクセル2本が決まらず160点で総合4位に終わりました。スコア的には2位までは行きたいところではありましたが、昨年の実績がありますのでチャレンジャーシリーズで結果を出していかないといけない立場でもないです。

ジャンプ構成は昨シーズンと同じようです。4回転フリップを一時期試していたかと思いますが、今のところ入ってくる気配はないです。2回飛ぶジャンプは4回転トーループトリプルアクセル。アクセル2本決まれば180点近いところまで出る滑りでした。

今季ここまでサルコウはノーミス。トーループの方がミスが出ています。フリーで2本入れるのはトーループですし、ショートもコンビネーションはトーループから入れているのですが、サルコウ主軸にしたいようにも見えます。

昨シーズンは前半調子よく結果を出し、12月後半以降今一つでした。ただ、昨年の立場だと最初から結果を出さないと先へつながらなかったわけですが今シーズンは12月から結果出せばいいという立場に変わってきていますので、チャレンジャーシリーズはこんなものでも問題ないのかな、と思います。

次戦は中部選手権エントリーしていますが、免除もらえますので出るかどうか。グランプリシリーズは2戦目のスケートカナダから。混戦になりそうなメンバーなので初優勝もあり得るし、6位くらいに沈んでファイナルはもうないですよ、になる可能性もありそうに見えます。

 

次週はチャレンジャーシリーズ3戦目、ネーベルホルン杯です。日本からは友野一希選手と、移動はスイスからでしょうか島田高志郎選手が参戦し、アダムシャオイムファ選手あたりとの勝負になります。女子の派遣はなさそうですが、海外勢ではイザボーレビト選手がエントリーしています。

来週はジュニアグランプリもあり、ブロック大会も始まり、それも注目選手多めな東京選手権と中部選手権ということで、すべて追いかけようとするとなかなか大変な週末になります。