グランプリフランス それぞれの初優勝・初表彰台

グランプリシリーズも3戦目、これで半分が終わり、多くの選手が初戦を終えてきました。ショートが僅差になる試合が多く、フリーも基礎点で大きな差がないことで表彰台争い、優勝争い、最後まで分からないという展開が多く楽しめる一方、もう少しミスの少ない試合も見たいな、と思う部分もある、という今シーズンのグランプリシリーズになっている印象です。ただ、グランプリシリーズはまだシーズン前半で、前からミスは多く出るものだったような気もします。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Adam SIAO HIM FA FRA 268.98 88.00 180.98
2 Sota YAMAMOTO JPN 257.90 92.42 165.48
3 Kazuki TOMONO JPN 248.77 89.46 159.31
4 Sihyeong LEE KOR 242.62 76.54 166.08
5 Nika EGADZE GEO 233.40 82.44 150.96
6 Luc ECONOMIDES FRA 229.64 77.23 152.41
7 Lukas BRITSCHGI SUI 222.86 74.25 148.61
8 Ivan SHMURATKO UKR 220.08 75.95 144.13
9 Mihhail SELEVKO EST 212.92 79.40 133.52
10 Wesley CHIU CAN 209.95 67.95 142.00
11 Landry le MAY FRA 203.39 60.87 142.52
  Sena MIYAKE JPN 69.27 69.27  

優勝は地元フランスのアダムシャオイムファ選手でした。グランプリシリーズ最高位8位からパーソナルベスト更新で初表彰台初優勝です。ヨーロッパ選手権の優勝候補に一躍躍り出たと言ってよいでしょうか。ショートで4回転トーループにミスが出ましたがフリーはほぼ完ぺきでした。冒頭がトリプルルッツでしたが、これは4回転ルッツを練習中のため。10月のニースでの試合では冒頭4回転ルッツを試して転倒していました。そこまで完成してくれば、ワールド表彰台候補です。

本草太選手が2位。ショート首位のリードは守り切れませんでしたがフリーも何とかまとめて初表彰台です。グランプリシリーズ出場5シーズン目 ケガで結局出場できなかった最初のエントリーからは7シーズン目にして表彰台にまでたどり着きました。

3位には友野一希選手が入り日本勢ダブル表彰台です。ここまで3戦の中では表彰台スコアとしては最も低い得点になっています。そういう意味では組み合わせに恵まれた部分もあるのですが、メンバー的に少し楽な理由は自分がシード選手だからというところにも理由があり、そこまで考えるとやはり自力で勝ち取ったものですね、と受け取ることもできます。なんだかんだでグランプリシリーズの表彰台はこれで3回目。調子が上がり切っていない中でも表彰台に乗るのはさすがです。シード選手としてはファイナルを目指したいところですが、弱い3位をもってのNHK杯大勝負。ちょっと難しい戦いになりそうです。

韓国のイシヒョン選手が4位。フリーは素晴らしい演技でした。フリーだけなら2位。技術点90点に乗せパーソナルベストを出してきました。チャジュンファン選手の陰に隠れつつ、チャジュンファン選手が確保したオリンピック、世界選手権の枠に入ってきていた選手ですが、今シーズンは2枠あって当然、くらいの成績を上げています。ただし今シーズンのワールドは1枠しかないので代表になるのは大変です。

日本からはもう一人、三宅星南選手が出場していましたが、残念ながら体調不良でフリーは欠場しました。

 

○山本草太選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S F 9.70   -4.85 4.85 -5.000
2 4T+3T   13.70   2.71 16.41 2.778
3 4T   9.50   2.31 11.81 2.333
4 3A+1Eu+3S   12.80   -0.11 12.69 -0.222
5 FCSp2   2.30   0.36 2.66 1.444
6 StSq3   3.30   0.75 4.05 2.222
7 1A   1.21 x -0.03 1.18 -0.333
8 3F+3T   10.45 x 0.91 11.36 1.778
9 3Lz! ! 6.49 x -0.08 6.41 -0.222
10 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.222
11 CSSp4   3.00   0.94 3.94 3.111
12 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.889
  TES   78.95   5.48 84.43  

本草太選手は4回転3本構成。冒頭のサルコウで残念ながら転倒でした。後半のトリプルアクセルが抜けて1回転半になったのも痛いです。

2回飛ぶジャンプは4回転トーループと3回転トーループ。本来はトリプルアクセル2回飛ぶはずでしたが、抜けて1回転半になったことで3回転トーループをもう一度飛ぶというリカバリーが成立しました。単純には基礎点が7.59下がるところを、トリプルトーループを飛ぶことで基礎点低下を4.40に抑えました。

基礎点は78.95 スピンステップのレベルとトリプルアクセルのところで基礎点は削られていてノーミス基礎点は84.85になります。トップのトップと比べるとまだ基礎点に差はありますが、これくらいの基礎点を持っていれば、ノーミス時に技術点100点までは見込めて勝負になる領域です。余っているダブルアクセルをシークエンスでうまく使えばさらに基礎点を上げることは可能です。

山本選手の2戦目はNHK杯。ここまでの3戦で表彰台に乗った選手が山本選手含め6人出るという厳しい試合なのですが、ここでも表彰台に乗ればファイナルが見えてきます。

 

友野一希選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+2T   10.80   1.36 12.16 1.444
2 4S   9.70   -0.97 8.73 -1.000
3 4T   9.50   -2.17 7.33 -2.333
4 3Lo   4.90   -0.28 4.62 -0.556
5 CSSp4   3.00   0.51 3.51 1.778
6 FCSp4   3.20   0.37 3.57 1.222
7 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
8 3A+1Eu+3Sq q 14.08 x -0.80 13.28 -1.111
9 3F+2T   7.26 x -0.76 6.50 -1.333
10 1A   1.21 x 0.06 1.27 0.667
11 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444
12 CCoSp3   3.00   0.90 3.90 3.000
  TES   73.55   1.21 74.76  

友野選手も4回転3本構成です。2回飛ぶジャンプは4回転トーループトリプルアクセル、のつもりが最後のアクセルが抜けて1回転半になりました。最後のジャンプで失敗するとリカバリーするところがありません。もったいないのはもう一つあって、セカンド3回転が入りませんでした。3F+3Tにするつもりだったと思いますが、結局最後の2つのジャンプで基礎点を10.78落としたことになります。ノーミスでなくても最後のジャンプまでしっかり降りていれば2位まではありました。

基礎点73.55はノーミスなら84.83まで出ます。ほぼ山本選手とノーミス比で同じ基礎点になります。余っているダブルアクセルをうまく使えば基礎点がさらに上がるのも同じです。セカンド2Tを2Aに変えるか、1Eu+3Sを2A+2Aに変えるか。コンビネーション、シークエンスでアクセルに変えると、着氷後の滑る方向とかが変わってシーズン途中に変えにくいとかあるかもしれませんが、基礎点が2点単位で上がるので、貴重な基礎点源ではあります。

 

○男子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Adam SIAO HIM FA 268.98 128.47 90.27 12.25 23.22 14.77
2 Sota YAMAMOTO 257.90 122.31 96.05 3.63 23.00 13.91
3 Kazuki TOMONO 248.77 126.77 86.75 -2.44 22.34 15.35
4 Sihyeong LEE 242.62 111.78 90.51 5.09 23.04 13.20
5 Nika EGADZE 233.40 110.05 94.86 -0.80 19.89 11.40
6 Luc ECONOMIDES 229.64 111.32 78.54 4.72 21.39 13.67
7 Lukas BRITSCHGI 222.86 112.49 78.87 -1.11 21.36 12.25
8 Ivan SHMURATKO 220.08 111.85 73.13 1.33 22.38 12.39
9 Mihhail SELEVKO 212.92 112.06 72.52 -2.48 20.88 10.94
10 Wesley CHIU 209.95 106.89 88.77 -15.73 21.54 10.48
11 Landry le MAY 203.39 97.52 77.52 -3.19 21.93 10.61

要素別では優勝したアダムシャオイムファ選手がPCSとジャンプのGOEにスピンでトップです。ジャンプの基礎点は4位。ショートで4回転が2回転になったのは響きました。ステップ系要素はレベル取れなかったところがあり14点台で2番目になっています

本草太選手はジャンプの基礎点がトップでした。回転不足が無かったのが大きいです。一方GOEは4番目。もう少し稼ぎたかったところでしょうか。ステップ系要素はレベルが1つ3でした。

友野選手はジャンプの基礎点が全体5番目。アクセルの抜けも痛いですがセカンド3回転がショートもフリーも入らなかったのがもったいなかったでした。ジャンプのGOEはマイナスであまり今回の出来が良くなかったことを表しています。スピンは22点台で全体4位。昨シーズンの前半はスピンがひどかったですがその頃と比べると、良くないながらもちゃんと点はある程度出る、ということになってきています。ステップ系要素トップはさすがです。グランプリシリーズここまで3試合通して、宇野選手に次いで2番目のスコアになっています。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Loena HENDRICKX BEL 216.34 72.75 143.59
2 Yelim KIM KOR 194.76 68.93 125.83
3 Rion SUMIYOSHI JPN 194.34 64.10 130.24
4 Haein LEE KOR 193.49 62.77 130.72
5 Audrey SHIN USA 183.93 64.27 119.66
6 Mana KAWABE JPN 182.50 68.83 113.67
7 Rino MATSUIKE JPN 176.52 57.68 118.84
8 Mae Berenice MEITE FRA 175.68 58.84 116.84
9 Lea SERNA FRA 167.89 62.63 105.26
10 Olga MIKUTINA AUT 159.99 56.00 103.99
11 Lindsay van ZUNDERT NED 154.09 55.11 98.98
12 Maia MAZZARA FRA 140.85 46.05 94.80

女子はルナヘンドリックス選手が圧勝。グランプリシリーズ初優勝となりました。本命が本命らしく強く勝ちました、という試合でした。基礎点差はないのでミスすると分かりませんよという状況ではあったのですがショートフリー通じて全要素プラス評価。圧倒的な強さでした。216.34はスケートアメリカの坂本選手217.61に近い得点です。この2人が今シーズンここまで頭一つ抜けています。最終戦フィンランドで表彰台に乗ればファイナル進出となります。

2位には韓国のキムイェリム選手が入りました。フリーはあまりいい出来ではなかったのですが、スコアが出て、あーあ、みたいな表情から、え? これで首位に残るの? あら? よかったわ、みたいな驚きとも喜びともつかない表情でした。先月のフィンランディア杯では213点台を出していますので、全然出来は良くなかったわけですが、それでもとにかくグランプリ初表彰台でNHK杯にファイナル進出を賭けることになりました。

グランプリ初出場の住吉りをん選手が3位。これでこの試合は全員が初表彰台ということになります。ショートフリーともまずまずの出来で逆転表彰台を勝ち取りました。

上位に来ればファイナルの芽があったイ・ヘイン選手は4位。これで4位が2つなのでファイナルは無しです。

ショート3位だった河辺愛菜選手は6位に終わりました。こちらも6位があると2戦目優勝でもファイナルはまずありません。久しぶりにショートはよく、トリプルアクセル無し構成の自己最高スコアだったのですが、フリーは伸びず。普通に滑れば2位まである試合だったので非常に残念でした。

日本からもう一人、松生理乃選手は7位。体調は良くないながらもなんとかランキングポイントは確保。日本勢の争いが熾烈なので、今期結果を出さないと来期のグランプリ枠が回って来るかいろいろと危ういところはあるので、なんとか高いランキングを確保しておきたい部分もあります。

 

○住吉りをん選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T F 9.50   -4.75 4.75 -5.000
2 3Lo   4.90   1.12 6.02 2.222
3 FCCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.333
4 3F+3T< 8.66   -0.83 7.83 -1.556
5 3Lz   5.90   1.01 6.91 1.778
6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
7 2A+3T   8.25 x 0.90 9.15 2.000
8 3Fq q 5.83 x -2.35 3.48 -4.333
9 3S+2T+2Lo   8.03 x -0.55 7.48 -1.222
10 LSp4   2.70   0.66 3.36 2.333
11 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.333
12 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.333
  TES   67.67   -0.77 66.90  

住吉りをん選手は冒頭に4回転トーループに挑みましたが転倒に終わりました。ただし、基礎点は満額入っていてqもついておらず、回転は十分足りているという判定です。

住吉選手が4回転に挑戦することは女子のフィギュア界にとって非常に大きな意味があります。これまで女子の4回転はロシア勢だけが飛んでいましたが、若い時にだけ飛べるジャンプという扱いでありさらにワリエワ事件によりその価値も怪しいもの扱いされるところが出てきてしまっています。日本では島田麻央選手が飛んでいますが、ISU公認成功はまだなし。また、エテリじゃなくても、まあハマダならそれくらいはやるだろう、でもまだ若いよね、という扱いで島田選手が今跳んでも、若いうちだけ飛べるジャンプという扱いを変えることができません。それと比べて住吉選手はこれまで4回転の成功はありませんし、すでに成長期も終えた19歳。これが成功すると、女子でも、大人でも、しっかり練習を積むことで跳べるようになるジャンプ、という位置づけに4回転ジャンプを変えることができます。これまで4回転ジャンプを成功した最高年齢記録は、トゥルシンバエワさんが19年世界選手権で跳んだ19歳1か月。現在19歳3か月の住吉選手は、4回転を決めた瞬間に最高年齢記録を更新することになります。

基礎点は67.67 今シーズン全体で2位 シニアなら1位の基礎点構成でした。4回転トーループはやはり大きい。ノーミス時は0.84基礎点が上がって68.51まで出せます。そこから基礎点を上げるには、余っているダブルアクセルを3連続の中に入れる手があり、そうすると基礎点70点越えまで行けます。

 

○河辺愛菜選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.90 4.20 2.778
2 3Lz!+3T< F 9.26   -2.95 6.31 -4.889
3 2A   3.30   0.85 4.15 2.444
4 3Loq F 4.90   -2.45 2.45 -5.000
5 StSq3   3.30   0.71 4.01 2.000
6 3S+3T< 8.43 x -1.23 7.20 -2.889
7 FCSp3   2.80   0.56 3.36 1.889
8 ChSq1   3.00   0.64 3.64 1.000
9 3Lz! ! 6.49 x 0.17 6.66 0.222
10 3Fq q 5.83 x -1.21 4.62 -2.444
11 CCoSp4   3.50   0.35 3.85 0.889
12 SSp4   2.50   0.46 2.96 1.667
  TES   56.61   -3.20 53.41  

河辺選手は今シーズンここまでトリプルアクセルを封印しています。アクセルの調子の問題か、トリプルアクセル以外にやることがたくさんあるという樋口先生の判断か。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループになっています。ノーミス時の基礎点は62.10 昨シーズンのトリプルアクセル構成と比べると当然やや低くなります。

今シーズンがシニアデビューでショート3位で折り返したならだいぶ違ったのだと思いますが、昨シーズンにオリンピックも世界選手権も経験しつつ、望むような結果が得られなかったというのを経ての今シーズン。練習で調子は良くても、何となく自信を持てずに臨んでしまったフリー、というように見えました。ただ、悪いながらもトータル180点は出せるわけです。あとは自信を取り戻すか、開き直って挑戦していくか、どちらかでダブルアクセル構成での200点、というところまで戻っていくことが出来て、さらにその上、トリプルアクセルを付けて・・・、と進んでいけるのではないかと思います。

 

○松生理乃選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3F   5.30   1.44 6.74 2.556
2 3Lz! ! 5.90   0.59 6.49 1.000
3 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
4 FCCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.667
5 2A   3.30   1.13 4.43 3.333
6 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.000
7 3Lz!<+2T 6.62 x -1.42 5.20 -3.000
8 3S+1T   5.17 x -0.55 4.62 -1.333
9 1Lo+2T   1.98 x -0.02 1.96 -0.111
10 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
11 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.111
12 LSp3   2.40   0.48 2.88 1.778
  TES   47.87   6.71 54.58  

松生選手、調子悪いというか体調悪いところから戻り切っていない、ということでしたが、フリーの前半はまるでそんなことを感じさせない出来でした。ただ、体力的にやはり問題はあったでしょうか、後半のジャンプは決まりませんでした。

2回飛ぶジャンプはルッツとおそらくトーループのつもり。1.1倍にコンビネーション全つぎ込みで高い基礎点を目指しています。ジャンプ構成は4つ目までの順番が入れ替わっていますがそれ以外は昨シーズンと同じです。ノーミス基礎点は63.11 この構成で昨シーズンチャレンジカップでは技術点80点超えの150.13を出しています。

基本的な力は高いはずなので、あとは体調さえ、調子さえ、試合にあってくれば、いい結果を出してくるのではないかと思います。

 

○女子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Loena HENDRICKX 216.34 106.59 62.48 8.60 24.74 13.93
2 Yelim KIM 194.76 97.36 62.61 2.22 22.53 12.04
3 Rion SUMIYOSHI 194.34 95.69 66.18 -4.10 23.23 14.34
4 Haein LEE 193.49 96.48 58.28 3.08 23.50 14.15
5 Audrey SHIN 183.93 93.03 55.48 0.09 22.84 13.49
6 Mana KAWABE 182.50 94.21 60.74 -3.90 21.46 11.99
7 Rino MATSUIKE 176.52 95.42 49.30 -1.92 23.17 12.55
8 Mae Berenice MEITE 175.68 84.45 58.84 0.67 21.27 10.45
9 Lea SERNA 167.89 83.37 58.30 -5.50 21.89 11.83
10 Olga MIKUTINA 159.99 84.04 45.84 -3.22 22.74 12.59
11 Lindsay van ZUNDERT 154.09 78.09 49.20 -3.16 21.81 9.15
12 Maia MAZZARA 140.85 72.35 57.06 -8.51 14.68 8.27

ヘンドリックス選手がPCSは圧倒的で9点平均に近いスコアを出しました。坂本選手と二人、今の女子シングルでは頭一つ抜けています。

ジャンプの基礎点は4回転トーループを基礎点満額もらった住吉選手がトップです。キムイェリム選手、ヘンドリックス選手、河辺選手までが60点台で続きます。

ジャンプの加点はヘンドリックス選手が圧倒的です。フリー良かったイ・ヘイン選手が2番目、キムイェリム選手が3番目となります。住吉選手はここが全体10位。これは4回転トーループの-4.85が著しく響いています。

スピンもヘンドリックス選手がトップ。住吉選手は3位、松生選手は4位。2人は23点台までは出してきました。ステップ系要素は住吉選手がトップでした。14.34はこれまでのグランプリ3戦でトップのスコアになります。河辺選手はスピンで10位、ステップ系要素で8位。ジャンプが決まらないときもこの辺の要素でもう少し稼いでおきたいところだったりします。

 

グランプリシリーズ3戦目はシングル2競技で表彰台6人中5人が初表彰台という試合になりました。ただ、フレッシュかというとそうでもなく、女子ではここまで3大会ですべて20代の選手が優勝。過去、6大会すべてで20代選手が優勝したというのは2000年まで遡らないとありません。なかなか珍しい展開をしてきています。

次週4戦目はイギリス。男子は日本から佐藤駿選手が初戦、壷井達也選手がグランプリデビュー戦、島田高志郎選手が今季2戦目でエントリー。イタリアのグラスル選手は初戦4位でファイナルにつなげるには優勝したい試合で、そこにジョージアのクビテラシビリ選手が立ちはだかりそう、ランビエール組から島田選手と共にバシリエフス選手も来ます。

女子はアメリカのレビト選手が2位以内でファイナルが決まり、初戦3位のユヨン選手も優勝でファイナルとなります。この10代二人を復帰戦のアメリカテネル選手や今期こそ初優勝を目指す三原舞依選手が打ち負かすと、6戦すべて20代優勝という展開が見えてきます。