ジュニアグランプリシリーズはずいぶん前のことのようですが、ファイナルはシニアと同時なのでこのタイミングでジュニアグランプリファイナルも行われました。男女とも日本からは3選手出場。理想の滑りができた選手は残念ながらいなかったように感じましたが、それでもそれぞれの立ち位置で健闘しました。
○女子シングル
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | Mao SHIMADA | JPN | 205.54 | 69.66 | 135.88 |
2 | Jia SHIN | KOR | 200.32 | 69.11 | 131.21 |
3 | Chaeyeon KIM | KOR | 190.36 | 66.71 | 123.65 |
4 | Ami NAKAI | JPN | 189.23 | 65.97 | 123.26 |
5 | Minsol KWON | KOR | 175.43 | 59.91 | 115.52 |
6 | Hana YOSHIDA | JPN | 158.30 | 55.51 | 102.79 |
女子シングルは日韓決戦。際どい勝負になりましたが島田麻央選手が逃げ切りました。14歳の初栄冠。ジュニア1年目で勝つのはやはり強いです。
2位には昨シーズンの世界ジュニアで2位に入ったシンジア選手が入りました。いい演技でプラス評価の数は島田選手より多かったのですが、最終的に構成差で届かず2位に終わりました。ジュニアは200点超え2人。ジュニアの2位のスコアはシニアでも2位になれるスコアでした。
3位にはキムチェヨン選手。こちらの表彰台争いも僅差だったのですが、ここはPCS差で逃げ切った形です。
中井亜美選手は届かず4位。チャンスはあったのですがわずかに届きませんでした。ショートもフリーも僅差。技術点は3番目なのですがフリーのPCSで差がついていました。
猫耳クォンミンソル選手が5位。力は発揮したと思うのですが少しまわりとの差はあったようです。
吉田陽菜選手は6位に終わりました。ショートでコンビネーション転倒が痛かったです。ここで出遅れて、フリーも精彩を欠いた演技になりました。勝つチャンスのある試合だったのですが残念です。
○島田麻央選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 3A | 8.00 | -3.43 | 4.57 | -4.222 | ||
2 | 4T< | < | 7.60 | -1.30 | 6.30 | -1.778 | |
3 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.26 | 11.36 | 2.111 | ||
4 | FSSp4 | 3.00 | 0.69 | 3.69 | 2.333 | ||
5 | 3F+2A+SEQ | 8.60 | 1.44 | 10.04 | 2.556 | ||
6 | ChSq1 | 3.00 | 1.29 | 4.29 | 2.667 | ||
7 | 3Sq+3Tq+2T | q | 10.78 | x | -1.11 | 9.67 | -2.444 |
8 | 3Lo | 5.39 | x | 1.12 | 6.51 | 2.222 | |
9 | 3Lz | 6.49 | x | 1.69 | 8.18 | 3.000 | |
10 | CCoSp4 | 3.50 | 1.55 | 5.05 | 4.333 | ||
11 | LSp4 | 2.70 | 1.04 | 3.74 | 3.889 | ||
TES | 69.16 | 4.24 | 73.40 |
高難度ジャンプ2種類。今回は不発でした。トリプルアクセルステップアウト。4回転トーループはしっかり降りましたがはっきり回転不足でした。他はさすが。基礎点削られるようなミスがありません。これ、4回転でダウングレードの転倒だと負けるところでした。
4回転のアンダーローテーションがあっても基礎点69.16はやはり飛びぬけています。ただ高難度2本が決まらないと加点が出てこないので技術点は73.40にとどまりました。80点台後半まで出せる本人比ではあまりよくない出来、と言えました。それでもまずは1つタイトル確保。ジュニアでいる間にどれだけ勝てるか。24年の冬季ユースオリンピックまっで取っていくでしょうか。
次は全日本ですが、一人だけ何もかかっていないプレッシャーの低い状態で臨めます。シニアルールの全日本ではショートからトリプルアクセルを入れることができる。ショートフリーで高難度3本決めればジュニア1年目の全日本制覇もありえますが、PCS差があるので高難度ジャンプが決まらないとさすがにそこまで行くのは難しい。それでも表彰台に乗ってくるくらいの力はありそうです。
○中井亜美選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 3Aq | q | 8.00 | -1.03 | 6.97 | -1.222 | |
2 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.18 | 11.28 | 2.000 | ||
3 | 3Lo+2A+SEQ | 8.20 | 0.70 | 8.90 | 1.556 | ||
4 | FSSp4 | 3.00 | 0.60 | 3.60 | 2.000 | ||
5 | 2A | 3.30 | -0.14 | 3.16 | -0.333 | ||
6 | 3F!+1Eu+3Sq | ! | 11.11 | x | -1.29 | 9.82 | -2.333 |
7 | CCoSp4 | 3.50 | 0.75 | 4.25 | 2.111 | ||
8 | 3Lo | 5.39 | x | 1.05 | 6.44 | 2.111 | |
9 | 3Lz | 6.49 | x | 1.01 | 7.50 | 1.778 | |
10 | LSp4 | 2.70 | 0.54 | 3.24 | 2.000 | ||
11 | ChSq1 | 3.00 | 0.93 | 3.93 | 1.778 | ||
TES | 64.79 | 4.30 | 69.09 |
トリプルアクセル、qながらも降りました。これで国際大会4試合でトリプルアクセルの転倒無し。今シーズン3回目でアンダーローテーション1、q1で完全な成功1となっています。回転qでもダブルアクセル比で十分上ですから計算できるジャンプになっています。
2回飛ぶジャンプはルッツとループ。セカンドジャンプで3Tと2A 3連続で3つ目3S 基礎点が高くできる構成でジュニアルールながら64.79 島田麻央選手がいるので目立てませんが、ジュニアルールでこの基礎点はかなり高いです。
フリップの!はいつものことなのですが、ダブルアクセルとサルコウのqがややもったいなくここをきれいに決めていれば3位表彰台でした。全体の印象はよくもう少し点が出ていることが期待されたのですが、今大会他の選手もそうですが、意外と点が伸びなかった印象です。PCSインフレをオリンピックシーズン終えていったんリセットして押し下げつつ差もつくようにしようとしているかな、とも感じています。そのあたりで少し損をする側に回ってしまったかもしれません。
中井亜美選手は次戦の全日本で世界ジュニアの代表権を賭けます。ライバルはジュニア組もいますが、松生理乃選手、場合によっては住吉りをん選手といった20歳未満のシニア勢もいます。ジュニアルールでシーズンベスト205.90があり、それ以外も180点台後半までありますので、トリプルアクセル持ちの中井選手はシニアルールだと非常に強さがある。残り1枠の世界ジュニア代表は激戦。ファイナルで表彰台に乗ってアピールしたいところでしたが、それはならないながらも島田選手以外では1番手の位置を確保しました。
○吉田陽菜選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 3A< | F | 6.40 | -3.20 | 3.20 | -5.000 | |
2 | 2A+3T | 7.50 | 0.78 | 8.28 | 1.889 | ||
3 | 3Lo | 4.90 | 0.98 | 5.88 | 2.111 | ||
4 | CCoSp4 | 3.50 | 0.35 | 3.85 | 1.111 | ||
5 | SSp3 | 2.10 | 0.48 | 2.58 | 2.222 | ||
6 | 3Fe | e | 4.24 | -0.48 | 3.76 | -1.222 | |
7 | 3Lz | 6.49 | x | 0.42 | 6.91 | 0.667 | |
8 | FCCoSp4 | 3.50 | 0.55 | 4.05 | 1.444 | ||
9 | 1Lz | 0.66 | x | -0.09 | 0.57 | -1.444 | |
10 | ChSq1 | 3.00 | 0.64 | 3.64 | 1.222 | ||
11 | 3Sq+3Tq | q | 9.35 | x | -1.41 | 7.94 | -3.222 |
TES | 51.64 | -0.98 | 50.66 |
ショートフリーノーミスなら優勝も、ショート6位からでもフリーノーミスなら表彰台くらいまではある、そういう立ち位置。フリー、逆転を目指しての冒頭トリプルアクセルがアンダーローテーションの転倒となり希望はついえました。
その後も精彩を欠いていて、元々!が付きがちなフリップにe が付き、ルッツは1回転になり、3連続も入らず。これだと厳しいです。ジャンプだけでなくスピンコレオもいつもと比べてだいぶスコアが低く出ています。
トリプルアクセルの転倒は木下トロフィー以来で今シーズン2回目。逆転を目指すところでこれが決まらないと難しいです。それもあり基礎点は51.64 これを下回る基礎点は2シーズン前の京都府選手権まで遡らないとないというくらいの悪い出来でした。ショートで失敗した時点で苦しい展開でしたが、本人は意外とさばさばしていて、ある程度こうなることが覚悟されているような状態だったのでしょうか。
次は全日本。吉田選手は世界ジュニア狙いなのか、あわよくば世界選手権狙いなのかよくわからない立ち位置なのですが、世界選手権の選考に乗るには表彰台が欲しいです。ただ、一応、選考対象になる年齢の中で、今シーズンの獲得技術点がトップなので、島田選手が上にいての4位なら可能性があります。4大陸も当然可能性があるというかちょうどそれくらいの位置に見える。世界ジュニアは権利があるけどどうなんでしょうか中井亜美選手との関係性。いずれにしても全日本で上位を目指すという点は変わりはありません。
○ショートフリー合わせた要素別のスコア
Pl | Name | Total | PCS | J Base | J GOE | Spin | Step |
1 | Mao SHIMADA | 205.54 | 93.30 | 76.27 | 2.26 | 25.37 | 8.34 |
2 | Jia SHIN | 200.32 | 89.38 | 66.65 | 10.52 | 24.42 | 9.35 |
3 | Chaeyeon KIM | 190.36 | 88.49 | 65.30 | 3.18 | 24.40 | 8.99 |
4 | Ami NAKAI | 189.23 | 83.25 | 71.38 | 3.58 | 22.24 | 8.78 |
5 | Minsol KWON | 175.43 | 80.26 | 62.14 | 2.59 | 22.00 | 8.44 |
6 | Hana YOSHIDA | 158.30 | 82.96 | 52.95 | -3.63 | 20.00 | 8.02 |
要素別ではPCSで島田麻央選手がトップでした。シリーズでは吉田陽菜選手の方が上にいましたが今回は出来が悪すぎました。中井亜美選手とキムチェヨン選手の差が大きくこの辺が表彰台に乗れたかどうかの差になっています。
ジャンプは基礎点から島田選手が高く、中井選手が続きます。韓国勢は60点台です。一方で加点はシンジア選手が二桁稼ぎました。結果としてジャンプで得た点数は島田選手とシンジア選手で1.36しか差がなく、シンジア選手の方が中井亜美選手より上になっています。
スピンは島田選手がトップ。シンジア選手とキムチェヨン選手が24点台で続きます。中井選手はここが24点台で韓国勢と並べれば表彰台でもありました。上位4人はショートフリーすべてレベル4 スピンのレベルを取る難易度が上がっているのですが、それでもレベル4をすべて獲って来るのはさすがです。
ステップ系要素はシンジア選手がトップ。島田選手はショートでレベル3と少し伸びませんでした。ステップ系要素がやや弱点です。
○男子シングル
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | Nikolaj MEMOLA | ITA | 230.50 | 79.84 | 150.66 |
2 | Lucas BROUSSARD | USA | 220.43 | 81.11 | 139.32 |
3 | Nozomu YOSHIOKA | JPN | 208.01 | 66.83 | 141.18 |
4 | Shunsuke NAKAMURA | JPN | 198.64 | 74.81 | 123.83 |
5 | Robert YAMPOLSKY | USA | 198.02 | 73.31 | 124.71 |
6 | Takeru Amine KATAISE | JPN | 182.49 | 58.19 | 124.30 |
男子は地元イタリア、メモラ選手が優勝しました。ジュニアルールでのベストスコアですが、ここ2試合チャレンジャーシリーズで230点台を続けていましたので順当なスコアとも言えます。地元パワーと今シーズンの経験値と、ある種順当な優勝だったかもしれません。後は4回転が揃えばシニアで戦えそう。イタリアは2枠あれば十分でしょ、という感じだったのですが、この選手が出てきたこともありそろそろ3枠欲しい国になってきました。26年のオリンピックの頃には4回転も揃えて期待できる位置に入ってきそうにも感じます。
2位にはアメリカのブルサード選手。ジュニアグランプリは2戦2勝ながらシーズンベストは6人中最下位だったわけですが、ここでは勝負強さの方が出て2位に入ってきました。
3位に日本から吉岡希選手が入りました。ショート出遅れましたがフリーで伸ばして3位表彰台です。
中村俊介選手、片伊勢武アミン選手と日本勢は他に2人出場していましたが、200点に届かないスコアで終わり、力を発揮しきれませんでした。
○吉岡希選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 4T+3T | 13.70 | 1.22 | 14.92 | 1.333 | ||
2 | 3T | 4.20 | 0.36 | 4.56 | 0.778 | ||
3 | 3A | 8.00 | 1.83 | 9.83 | 2.222 | ||
4 | FSSp4 | 3.00 | 0.51 | 3.51 | 1.556 | ||
5 | 3Lo | 4.90 | 0.00 | 4.90 | 0.000 | ||
6 | 3A+1Eu+3S | 14.08 | x | 0.91 | 14.99 | 1.000 | |
7 | 3F!+2A+SEQ | ! | 9.46 | x | -1.29 | 8.17 | -2.333 |
8 | ChSq1 | 3.00 | 0.64 | 3.64 | 1.000 | ||
9 | 3Lz | 6.49 | x | 1.01 | 7.50 | 1.667 | |
10 | CCSp2 | 2.30 | -0.07 | 2.23 | -0.333 | ||
11 | CCoSp4V | 2.63 | -0.04 | 2.59 | -0.111 | ||
TES | 71.76 | 5.08 | 76.84 |
結局今大会で4回転を決めたのは吉岡選手のみでした。それを原動力にフリーは2位で総合3位表彰台です。ただ、本当は2本決めたいところだったのですが2本目は3回転になりました。
2回飛ぶジャンプは結果的にトリプルアクセルと3回転トーループですが、本来は4回転トーループが来ます。3連サルコウにシークエンスアクセルと基礎点高くするカードはしっかり使われています。フリーのスコアはパーソナルベストではありませんが、技術点はベストスコアです。
4回転が2本入ってノーミスに出来れば基礎点は78.63まで出ます。4回転が1種類2本なのでまだシニアの上位と比べると基礎点に差はありますがグランプリシリーズでも中位で戦えるくらいの構成にはなってきます。
全日本ジュニア優勝でジュニアグランプリファイナルも日本勢最高位。世界ジュニアでも日本のトップとして表彰台を狙いつつ、来期の世界ジュニア枠、来期のジュニアグランプリ枠を確保する戦いとなりますが、その前にまず全日本。あわよくば4大陸の代表を狙う、という試合になるかと思います。
○中村俊介選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 4Tq | F | 9.50 | -4.75 | 4.75 | -5.000 | |
2 | 3A | 8.00 | 2.17 | 10.17 | 2.667 | ||
3 | CSSp4 | 3.00 | 0.51 | 3.51 | 1.778 | ||
4 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.10 | 11.20 | 1.889 | ||
5 | 3F! | ! | 5.30 | -0.08 | 5.22 | -0.111 | |
6 | 3A<+REP | F | 4.93 | x | -3.20 | 1.73 | -5.000 |
7 | ChSq1 | 3.00 | 0.21 | 3.21 | 0.444 | ||
8 | FCSp3 | 2.80 | 0.08 | 2.88 | 0.222 | ||
9 | 3Lz+1Eu+3S | 11.77 | x | 0.67 | 12.44 | 1.333 | |
10 | 3Lo< | < | 4.31 | x | -1.12 | 3.19 | -2.778 |
11 | CCoSp3 | 3.00 | -0.17 | 2.83 | -0.556 | ||
TES | 65.71 | -4.58 | 61.13 |
中村選手もフリーで4回転に挑みましたが転倒となりました。まだ4回転の成功はありません。
2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルとトリプルルッツ。アクセルが2つ目でアンダーローテーションの転倒となったこともあり基礎点伸ばせず65.71と60点台半ばになってしまいました。フリーの技術点61.13 フリートータル123.83 いずれもジュニアになってからの国際大会ワーストです。今回は力を発揮できませんでした。トリプルアクセル転倒が非常に痛かったですここをしっかりコンビネーションで決められれば表彰台まではありました。
次は全日本で世界ジュニアの代表を争うことになります。他のジュニア組よりは、シニアカテゴリーの10代選手で世界ジュニアに回ってくる選手がいるか、という方が鍵になりそうです。
○片伊勢武アミン選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 3A | 8.00 | 1.26 | 9.26 | 1.444 | ||
2 | 3A+3T | 12.20 | 1.03 | 13.23 | 1.222 | ||
3 | 1F | 0.50 | -0.02 | 0.48 | -0.556 | ||
4 | CCoSp4 | 3.50 | 0.60 | 4.10 | 1.778 | ||
5 | 2Lo<< | << | 0.50 | -0.25 | 0.25 | -5.000 | |
6 | 3Lz | 6.49 | x | 0.84 | 7.33 | 1.444 | |
7 | 2A+3T | 8.25 | x | 0.90 | 9.15 | 2.111 | |
8 | 3S | 4.73 | x | -1.47 | 3.26 | -3.444 | |
9 | CSSp3 | 2.60 | 0.41 | 3.01 | 1.778 | ||
10 | ChSq1 | 3.00 | 1.00 | 4.00 | 2.000 | ||
11 | FCCoSp4 | 3.50 | 0.50 | 4.00 | 1.444 | ||
TES | 53.27 | 4.80 | 58.07 |
片伊勢選手はショート出遅れてのフリー巻き返しを目指すという局面。トリプルアクセル2本までは良かったのですが、3つめのフリップ以降崩れてしまいました。実質1回転になったものが2つ、3連続入らずだと構成弱く基礎点も53.27にとどまりました。4回転無し構成ではノーミスが求められます。
今シーズンのジュニアカテゴリーでは全体最高のスコアを持っているのですが、なかなか同じようには出来ず、2本揃う試合を作れていません。
全日本ジュニア2位、ジュニアグランプリファイナルも出場、ということで世界ジュニアの2枠目には近い位置にいるはずではあるのですが、10代シニア勢が世界ジュニアを希望してきたときにはちょっとかなわない、というのが現実になっています。そのあたり、代表をどう割り当てるか次第ではあるのですが、少なくとも全日本で、中村俊介選手などジュニア組の上には行っておきたい、という形になるかと思います。
○ショートフリー合わせた要素別のスコア
Pl | Name | Total | PCS | J Base | J GOE | Spin | Step |
1 | Nikolaj MEMOLA | 230.50 | 109.72 | 80.34 | 10.03 | 20.83 | 9.58 |
2 | Lucas BROUSSARD | 220.43 | 113.38 | 72.05 | 4.18 | 21.13 | 9.69 |
3 | Nozomu YOSHIOKA | 208.01 | 96.07 | 84.32 | 3.47 | 17.02 | 7.13 |
4 | Shunsuke NAKAMURA | 198.64 | 99.18 | 76.91 | -1.06 | 18.39 | 7.22 |
5 | Robert YAMPOLSKY | 198.02 | 97.63 | 77.13 | -4.41 | 21.27 | 8.40 |
6 | Takeru Amine KATAISE | 182.49 | 98.26 | 60.06 | -3.75 | 21.91 | 8.01 |
PCSはブルサード選手がトップでした。メモラ選手が2番目。吉岡選手はブルサード選手とはPCSで17.31の差がついていて、技術点では勝っているのですがPCS差で総合3位にとどまった形になっています。
ジャンプの基礎点は4回転入りの吉岡選手がトップ、総合力でメモラ選手が2番目にいます。加点の方でメモラ選手が二桁稼いだのでジャンプのスコアとしてはメモラ選手が上になります。
スピンは片伊勢武アミン選手がトップですが21点台にとどまりました。全体的にスピンはレベルも取れておらず、今シーズンのスピンレベルの難化の影響をジュニア男子は強く受けた印象です。
ステップ系要素はブルサード選手がトップ。吉岡選手、中村選手はここも伸びておらず、スピンステップが弱いです。
結果的に総合力が高くミスも少なかった二人が上へ行ったという構図になったようでした。
表彰台は結局男女とも1人でした。女子は表彰台独占もあるかな、と思っていましたが甘くなかったです。
男子は来年は皆シニアにいって誰もいなさそうというメンバーなのに対し、女子は半分以上はまた同じメンバーが来年もいそうという若さ。ジュニアが長くなるので、シニアのようにおなじみのメンバーで戦うジュニアの試合という今までなかった構図が生まれそうにも感じました。
シーズン序盤から楽しませてもらったジュニアの試合もこれで終了。ジュニアメインは次は3月の世界ジュニアまで間が空きます。各国どんなメンバーが代表に選ばれてくるでしょうか。