チャレンジャーシリーズの第9戦、ワルシャワカップが行われました。よくよく考えると開幕直前に端の方とはいえミサイル飛んできて落ちた国の首都です。普通に試合してましたがなかなか怖い世の中になってきています。
グランプリシリーズの時期に入ってくるとチャレンジャーシリーズのメンバーはやや落ちるのが一般的なのですが、今回はレベル高めなメンバーが集まりました。
○男子シングル(上位12名)
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | Kevin AYMOZ | FRA | 258.02 | 89.60 | 168.42 |
2 | Daniel GRASSL | ITA | 257.76 | 76.44 | 181.32 |
3 | Lukas BRITSCHGI | SUI | 253.66 | 86.51 | 167.15 |
4 | Luc ECONOMIDES | FRA | 222.24 | 73.37 | 148.87 |
5 | Maxim NAUMOV | USA | 218.98 | 76.17 | 142.81 |
6 | Vladimir SAMOILOV | POL | 212.79 | 77.69 | 135.10 |
7 | Naoki ROSSI | SUI | 208.34 | 75.46 | 132.88 |
8 | Daniel MARTYNOV | USA | 204.14 | 71.75 | 132.39 |
9 | Mark GORODNITSKY | ISR | 202.30 | 67.44 | 134.86 |
10 | Luc MAIERHOFER | AUT | 201.50 | 69.75 | 131.75 |
11 | Kornel WITKOWSKI | POL | 200.97 | 71.70 | 129.27 |
12 | Ivan SHMURATKO | UKR | 199.65 | 74.41 | 125.24 |
優勝スコア258.16は今季のチャレンジャーシリーズでは最高スコアです。地元のフランス杯を欠場して心配されていたケビンエイモズ選手がここに出てきて優勝しました。来週フィンランド杯にもエントリーしていますが、元気に出てきてくれそうです。ちなみにチャレンジャーシリーズ初優勝ですが、
僅差の2位にはイタリアのグラスル選手。こちらは真裏で行われたNHK杯の結果によりファイナル進出が確定しました。そういった調整試合で257.76を出してきています。
3位にはスイスのブリッチギー選手が入りました。253.66はパーソナルベスト、初の250点台です。シーズンベストランクがこれで10位に入ってきています。今シーズン、24歳でグランプリシリーズに初めて出場した選手ですが、これでほぼ来シーズンの2枠が取れたのではないかと思われます。世界選手権でも注目株となって来るでしょうか。
チャレンジャーシリーズで表彰台ラインが250点台というのは異常ともいえる高いレベルでした。
○ケビンエイモズ選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 3Lz+2T | 7.20 | 1.30 | 8.50 | 2.000 | ||
2 | 3A | 8.00 | 2.24 | 10.24 | 2.714 | ||
3 | 3F | 5.30 | 0.95 | 6.25 | 1.714 | ||
4 | 3Lz | 5.90 | 0.24 | 6.14 | 0.571 | ||
5 | CCSp4 | 3.20 | 0.96 | 4.16 | 3.143 | ||
6 | StSq4 | 3.90 | 1.40 | 5.30 | 3.714 | ||
7 | 3T | 4.62 | x | 1.01 | 5.63 | 2.571 | |
8 | 3S+1Eu+3S | 10.01 | x | 0.77 | 10.78 | 1.857 | |
9 | 2A+2A+SEQ | 7.26 | x | 0.73 | 7.99 | 2.143 | |
10 | FSSp4 | 3.00 | 0.90 | 3.90 | 3.143 | ||
11 | ChSq1 | 3.00 | 1.60 | 4.60 | 3.286 | ||
12 | CCoSp4 | 3.50 | 1.19 | 4.69 | 3.286 | ||
TES | 64.89 | 13.29 | 78.18 |
エイモズ選手はケガからの回復期ということで構成的には低めでした。ショートでも4回転は入っていません。ショートフリー通じて全要素プラス評価。4回転なしでもこれくらいのスコアは出せます。個人的には4回転無しのクリーンな演技というのが結構好きなのですが、大きな大会を狙いに行くとそうはいかないのでしょうきっと
ジャンプのスコアは当然伸びていませんが、スピンはショートフリーオールレベル4で25.31を稼いでいて今シーズン全体で3位のスコアでした。
○ダニエルグラスル選手フリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 4Lz+3T | 15.70 | 1.61 | 17.31 | 1.571 | ||
2 | 4F | 11.00 | 1.76 | 12.76 | 1.571 | ||
3 | 4Lo | 10.50 | 1.89 | 12.39 | 1.714 | ||
4 | 3A+1Eu+3S | 12.80 | 1.92 | 14.72 | 2.429 | ||
5 | CSSp4 | 3.00 | 0.60 | 3.60 | 1.857 | ||
6 | 4Lz< | F | 10.12 | x | -4.60 | 5.52 | -4.857 |
7 | 3Lz+3T | 11.11 | x | 0.59 | 11.70 | 1.143 | |
8 | ChSq1 | 3.00 | 0.80 | 3.80 | 1.714 | ||
9 | 3F | 5.83 | x | 0.74 | 6.57 | 1.429 | |
10 | FCCoSp3 | 3.00 | 0.60 | 3.60 | 1.857 | ||
11 | StSq2 | 2.60 | 0.57 | 3.17 | 2.143 | ||
12 | CCoSp3 | 3.00 | 0.60 | 3.60 | 2.000 | ||
TES | 91.66 | 7.08 | 98.74 |
グラスル選手はフリーの構成がフル構成になってきました。4回転が3種類4本。今シーズン初めて4回転ループを投入して成功させています。4回転ルッツの2本目は転倒でした。
基礎点91.66は今シーズン2位の構成。上にいるのはマリニン選手ただ一人です。
今回はスピンステップのレベルがあまりとれずそちらのスコアが伸びていません。ファイナルの表彰台争いが僅差になってくるとその辺が効いてくる可能性が結構あります。
○女子シングル(上位12名)
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | Ekaterina KURAKOVA | POL | 189.98 | 64.66 | 125.32 |
2 | Sarina JOOS | SUI | 180.31 | 58.76 | 121.55 |
3 | Janna JYRKINEN | FIN | 174.96 | 62.35 | 112.61 |
4 | Nicole SCHOTT | GER | 172.56 | 52.94 | 119.62 |
5 | Lea SERNA | FRA | 163.60 | 51.41 | 112.19 |
6 | Livia KAISER | SUI | 157.57 | 51.85 | 105.72 |
7 | Aleksandra GOLOVKINA | LTU | 157.42 | 55.49 | 101.93 |
8 | Kristina ISAEV | GER | 155.98 | 49.39 | 106.59 |
9 | Oona OUNASVUORI | FIN | 152.14 | 47.47 | 104.67 |
10 | Mariia ANDRIICHUK | UKR | 150.74 | 51.84 | 98.90 |
11 | Gerli LIINAMAE | EST | 149.57 | 51.69 | 97.88 |
12 | Anastasija KONGA | LAT | 145.16 | 50.36 | 94.80 |
ポーランドのクラコワ選手が優勝しました。前週にグランプリシリーズに出ていてスケジュール的には厳しいところでしたが、そこはポーランド国籍になった責任をきっちり果たして大会を盛り上げました。ワルシャワカップは3年ぶり2回目の優勝です。
2位にはスイスのサリナジョーズ選手が入りました。今季はジュニアグランプリ2戦に出て7位と12位という選手です。180.31はパーソナルベスト。当然チャレンジャーシリーズ初表彰台となります。世界ジュニアに出てきて上位を狙う1人になって来るかと思います。
3位にはフィンランドのヤナユルキネン選手。今シーズンからシニアに上がって、チャレンジャーシリーズ3試合目で初表彰台となりました。
○エカテリーナクラコワ選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 3Lz+2A+SEQ | 9.20 | 0.94 | 10.14 | 1.571 | ||
2 | 3Lz | 5.90 | 1.06 | 6.96 | 1.571 | ||
3 | 3T | 4.20 | 0.34 | 4.54 | 0.714 | ||
4 | 3Lo | 4.90 | 0.78 | 5.68 | 1.571 | ||
5 | FCCoSp4 | 3.50 | 0.56 | 4.06 | 1.571 | ||
6 | 3Lo+2T | 6.82 | x | 0.20 | 7.02 | 0.571 | |
7 | 3S+2T | 6.16 | x | -0.09 | 6.07 | -0.143 | |
8 | 2A | 3.63 | x | 0.20 | 3.83 | 0.571 | |
9 | ChSq1 | 3.00 | 0.80 | 3.80 | 1.714 | ||
10 | CCoSp4 | 3.50 | 0.35 | 3.85 | 1.143 | ||
11 | StSq4 | 3.90 | 0.86 | 4.76 | 2.143 | ||
12 | LSp4 | 2.70 | 0.49 | 3.19 | 1.857 | ||
TES | 57.41 | 6.49 | 63.90 |
クラコワ選手は今シーズンジャパンオープンを含めて5戦目。フリーは冒頭3連続が定番だったのですが、この試合では構成を変えています。3連続どこで入れるつもりだったのだろう? セカンド3Tが苦手なのがクラコワ選手の泣き所ですが、今大会ではショートでチャレンジしてなんとかqで基礎点満額もらってGOEもわずかなマイナスで留めています。
2回飛ぶジャンプはルッツとループ。これまで3連続の3つ目に入れていたフリップが今回はいませんでした。フリップ、元々あまり得意ではなく、3連続でも決まっていなかったのですが、これからどういう構成にしていこうとしているのでしょう?
今期のヨーロッパシニア勢ではシーズンベスト3番目。ヨーロッパ選手権の表彰台が狙える位置にいます。セカンド3Tやフリップの確度が上がってくると世界選手権でも上位が狙えそうではあるので、そのあたりの向上を期待したいです。
チャレンジャーシリーズは残り1戦。最終戦はグランプリファイナルの裏でクロアチアにて開催、伝統のゴールデンスピンです。
女子ではカナダのシザース選手、エストニアのキーバス選手、ポーランドのクラコワ選手、アメリカのレビト選手にテネル選手などがエントリー。レビト選手はどう考えてもグランプリファイナルに出るのでここに出てくるとは思えませんがエントリーはまだ消えていないという状態です。
男子はイタリアのグラスル選手にリッツォ選手、アメリカのマリニン選手にプルキネン選手などエントリーしてますが、ここ二もファイナル組がいますので直前でエントリーから外れると思われます。