全日本ジュニア22 男子シングルプレビュー

前回は女子シングルのプレビューでしたが今回は引き続いて男子シングルです

 

○男子シングルエントリー者今シーズンのベストスコア

  Name Nation Total SP FS
1 Takeru Amine KATAISE JPN 234.24 79.06 155.18
2 Nozomu YOSHIOKA JPN 219.68 72.03 147.65
3 Shunsuke NAKAMURA JPN 219.65 77.68 141.97
4 Rio NAKATA JPN 200.41 76.15 124.26
  (吉  岡      希) 法政大学 197.73 66.68 131.05
5 朝  賀  俊太朗 木下アカデミー 196.14 69.46 126.68
  (中  村  俊  介) 木下アカデミー 194.94 73.89 121.05
6 垣  内  珀  琉 ひょうご西宮FSC 191.04 58.46 132.58
7 Ryoga MORIMOTO JPN 188.66 69.46 119.20
  (中  田  璃  士) MFアカデミー 187.70 70.05 117.65
8 周  藤      集 MFアカデミー 184.09 63.23 120.86
  (Tsudoi SUTO) JPN 183.30 69.64 113.66
9 佐々木  晴  也 京都大学 180.56 56.04 124.52
  (片伊勢 武 アミン) 関西大学 179.41 64.25 115.16
10 Seigo TAUCHI JPN 179.11 64.47 114.64
  (Haru KAKIUCHI) JPN 178.01 64.58 113.43
  (田  内  誠  悟) 名東FSC 177.71 60.76 116.95
11 蛯  原  大  弥 明治神宮外苑FSC 176.89 60.05 116.84
12 菊  地  竜  生 目黒日本大学高等学校 176.50 62.27 114.23
13 三  島  舞  明 名古屋市立冨士中学校 169.61 66.42 103.19
  森  本  涼  雅 木下アカデミー 168.18 60.67 107.51
14 名  倉  一  裕 大阪スケート倶楽部 165.74 56.70 109.04
15 高  橋  星  名 木下アカデミー 164.90 53.41 111.49
16 芳  岡  優  希 LYS 157.05 52.96 104.09
17 小  島  志  凰 浪速中・高スケート部 156.65 46.80 109.85
18 木  村  智  貴 西武東伏見FSC 156.09 53.34 102.75
19 磯  和  大  智 京都宇治FSC 155.96 52.35 103.61
20 北  村  凌  大 日本大学 153.21 53.36 99.85
21 本  田  大  翔 東北高校 152.51 49.77 102.74
22 小田垣      櫻 目黒日本大学高等学校 148.28 50.35 97.93
23 大  村  健  太 岡山FSC 146.94 50.15 96.79
24 佐  藤  和  那 邦和みなとスケート部 146.74 50.09 96.65
25 垂  水  爽  空 パピオフィギュアクラブ 146.72 46.83 99.89
26 三  原  庸  汰 ノイエス金沢FSC 143.93 48.80 95.13
27 鈴  木  零  偉 法政大学 142.77 52.65 90.12
  西  野  太  翔 神奈川FSC 107.65   107.65
  花  井  広  人 邦和みなとスケート部 96.60   96.60

男子は29人がエントリー。ノービスからの推薦選手が3人にとどまったことによります。

国際大会出場者は国際大会のベストと国内のベストとそれぞれ入れてあり、スコアの高い方で順位は付けています。女子と異なり男子は国内の方がスコアが高いという選手が何人かいました。ノービスからのエントリー組ではショートフリーと入るジュニアの公式戦を今シーズン積んでいない選手が2人いるのでそちらはフリーのみのスコアで記載です。

ジュニアグランプリファイナル組が上位を占めます。当たり前と言えば当たり前ですが。200点に乗っているのはもう一人、今シーズンジュニアに上がった中田璃士選手です。

国内組では西日本で優勝した朝賀俊太朗選手がトップで全体の5番目のスコアを持っています。この辺までは表彰台争いのチャンスがあるでしょうか。

全日本進出枠は8 その8番目のラインは184.09となっています。ジュニアグランプリ派遣組は8人いますが、その8人に割って入って上位8番までにいる国内組は朝賀選手1人だけです。9番目に京都大学の佐々木選手がいます。

12位の菊地選手までが170点台を出しています。このあたりまでが全日本進出を争う選手となって来るかと思われます。

 

○シーズンベスト上位6名のフリーの構成

  片伊勢武アミン 吉岡希 中村俊介 中田璃士 朝賀俊太朗 垣内珀琉
1 3A+3T 4T+2T 4T 3A 2A 4T
2 3A 3F 3A 3T+3T 3Lz+3T 3Lo
3 3F 3A CSSp4 FCSp4 3Lo 3Lz+3T
4 CCoSp4 FCSp2 3Lz+3T 2Lz CSSp4 FCSp3
5 3Lo 3Lo 3F 3F 3F 3F!
6 3Lz 4T 3A+3T 2A+1Eu+2S FCSp4 3S+2A+SEQ
7 2A+3T 3A+1Eu<<+2S ChSq1 CSSp3 3Lz 2A+3T+2T
8 3S+2A+2T+SEQ ChSq1 FCSp2 3Lo+2A+SEQ 2A+3T ChSq1
9 CSSp4 3Lz+2A+SEQ 3Lz*+1Eu+3S ChSq1 ChSq1 3Lz
10 ChSq1 CSSp4 3Loq 3S 3S+1Eu+2S CSSp4
11 FCCoSp4 CCoSp3 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4
Base 67.93 71.10 68.79 55.46 57.75 65.87
GOE 11.73 4.72 2.58 4.80 5.16 5.27
PCS 75.52 71.83 71.60 71.00 63.77 61.44
Total 155.18 147.65 141.97 131.26 126.68 132.58

今シーズン一番技術点が高かったときの構成です。基礎点はこれより高かったけれど技術点は伸びなかった、みたいなものや、PCSが良かったのでトータルスコアはこれよりよかった、というものも他にある場合があります。

シーズンベストトップの片伊勢選手は構成に4回転が入っていません。4回転が入っているのは3人。ただ中村選手は転倒であって成功は出来ていません。吉岡選手は表記の試合では2本決めていました。2本入れる構成が多いですが成功は1本目だけということが結構多いです。基礎点差が吉岡選手と片伊勢選手でそれほどないのは、吉岡選手がトーループサルコウが2回転になっているためで、そこまで含めたノーミスを出してくると基礎点差が大きく吉岡選手が強いです。

中田選手はトリプルアクセル1本構成なのでまだ上位とは基礎点差があります。コンビネーションも3T+3T 発展途上感が強いので、ここ1カ月で構成上がっているという可能性もありますが、そうではない場合は表彰台や頂点を狙うにはノーミス必須になりそうです。

朝賀選手はまだトリプルアクセルなし。全体の出来栄えで勝負という立ち位置です。

 

○シーズンベスト上位12名の点の取り方

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Takeru Amine KATAISE 234.24 111.19 78.94 12.66 22.48 8.97
2 Nozomu YOSHIOKA 219.68 105.11 83.29 5.44 18.47 7.37
3 Shunsuke NAKAMURA 219.65 107.99 81.00 4.49 18.97 8.20
4 Rio NAKATA 200.41 102.58 59.73 6.47 22.55 9.08
5 朝  賀  俊太朗 196.14 95.92 63.84 5.90 21.79 8.69
6 垣  内  珀  琉 191.04 90.92 69.69 5.89 18.08 6.46
7 Ryoga MORIMOTO 188.66 95.76 62.14 -0.33 23.25 7.84
8 周  藤      集 184.09 94.44 60.07 -1.33 21.47 9.44
9 佐々木  晴  也 180.56 92.33 65.30 -1.99 18.80 7.12
10 Seigo TAUCHI 179.11 99.38 48.38 1.08 22.15 8.12
11 蛯  原  大  弥 176.89 87.50 62.42 0.36 19.82 6.79
12 菊  地  竜  生 176.50 86.58 73.43 -1.87 11.16 7.20

PCSはジュニアグランプリ組が高いというか国際大会が高いというか。片伊勢選手が110点を超えてきています。100点超えは上位4人です。

ジャンプの基礎点は4回転2本入れる吉岡選手がトップ。中村選手も4回転1本を回転不足なく基礎点もらえているのでそれに続きます。中田選手はここが弱点です。国内組では菊地選手が高い基礎点を持っていて全体4番目です。

ジャンプの加点は片伊勢選手だけ二桁もらっています。4回転入れて基礎点勝負するか、トリプルアクセルまで出出来栄え勝負するか。男子のジュニアはこの辺のせめぎあいもありそうです。中田選手は高難度ジャンプがなく、GOEの幅も狭まりがちではあるのですが、出来栄えはよく評価の良いジャンプが多いようです。

スピンは森本涼雅選手がトップ。高難度ジャンプはないですがこういうところで稼いでいます。片伊勢選手はここでは22点台ですが、ここに記載のものとは別の試合で23点台後半まで出していました。菊地選手はレベル1頻発でここが弱点すぎるのですが、スピンのスコアを伸ばせれば全日本圏内が見えてきます。

ステップ系要素は須藤集選手がトップ。森本選手もそうですが、ジュニアグランプリ派遣組はトータルスコアが伸びず表彰台に乗れていない選手でも、こうやって要素別でみると特色ある選手が多いです。吉岡選手は上位の中ではこの辺のスピンステップが落ちます。僅差になってくるとこの辺が効いてくる可能性もあります。

 

基本的には前年までに表彰台経験のある選手が強い、というのが男子のジュニアですので吉岡希選手がその条件を満たします。しかしながら、前年5位から一気に頂点に上った鍵山選手のような例もあります。今季はジュニアグランプリファイナル進出者が3人いる高いレベル。ジュニアグランプリファイナル前哨戦な要素もありつつ、楽しみな試合となります。