グランプリエスポ― 6連続表彰台

グランプリシリーズも早6戦目、最終戦まで来ました。日本勢はここまで男女ともに全試合表彰台に乗っています。そして、この最終6戦目も表彰台に乗ってきました。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Mai MIHARA JPN 204.14 73.58 130.56
2 Loena HENDRICKX BEL 203.91 74.88 129.03
3 Mana KAWABE JPN 197.41 67.03 130.38
4 Rika KIHIRA JPN 192.43 64.07 128.36
5 Madeline SCHIZAS CAN 187.84 65.19 122.65
6 Lindsay THORNGREN USA 183.23 65.75 117.48
7 Anastasiia GUBANOVA GEO 166.57 56.03 110.54
8 Bradie TENNELL USA 163.98 60.64 103.34
9 Jenni SAARINEN FIN 155.64 59.69 95.95
10 Janna JYRKINEN FIN 154.45 42.89 111.56
11 Linnea CEDER FIN 151.91 55.63 96.28
12 Eva-Lotta KIIBUS EST 138.89 49.27 89.62

三原舞依選手が2連勝となりました。三原選手が滑り終わった時点では、ミスも出ていたしこのスコアでは厳しいかな、と思われたのですがヘンドリックス選手もミスを連発。結果として三原選手が逆転優勝です。これでグランプリファイナル進出決定であり、すなわち西日本選手権から始まる隔週の5連戦が確定したことでもあります。全日本で疲れのピークが来なければよいのだけどと外野は心配してしまいますが、そんなことは考えずに、まずはグランプリファイナルに全力を尽くすという選手なようにも感じます。

ヘンドリックス選手は2位。ベルギー選手権を先週こなしていて、楽勝とはいえ連戦。コンディションはあまりよくなかっただろうと思われます。ファイ夏の次はヨーロッパ選手権まで間が空きますから、ファイナルにまずすべて合わせてくるでしょう。

河辺愛菜選手が3位に入りました。トリプルアクセル無し構成で表彰台。一つ自信になったというか少し自信を取り戻したというか、そんな試合になったのではないかと思います。フリーのPCSは66.55まで出て、昨シーズンのNHK杯も上回り自己ベストです。樋口先生も全日本ジュニアを置いてついてきた甲斐がありました。

紀平梨花選手が4位に入ってきました。フリーは技術点トップ。上々の出来ではありましたがPCSはスケートカナダより下げられていて思ったほどは点が出なかった印象でもありました。

ファイナルを争ったグバノワ選手は7位。調子が悪い感じが出てしまっていてファイナルの椅子には座れず。次はヨーロッパ選手権の表彰台を目指すことになりそうです。

紀平選手同様復帰シーズンのテネル選手は8位。まだまだ本調子からは遠い模様ですが全米選手権まで一カ月半ほどはあります。そこまでにどこまで戻してこられるでしょうか。

 

三原舞依選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.94 4.24 2.778
2 3Lz+2T+2Lo   8.90   1.18 10.08 2.000
3 3S   4.30   1.17 5.47 2.667
4 2F<< <<  0.50   -0.25 0.25 -5.000
5 FSSp4   3.00   0.64 3.64 2.111
6 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
7 2A+3Tq q 8.25 x -0.18 8.07 -0.556
8 3Lzq+2T q 7.92 x -0.59 7.33 -1.000
9 3Lo   5.39 x 0.70 6.09 1.333
10 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.556
11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
12 FCCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
  TES   55.46   8.46 63.92  

三原選手のフリーの構成はイギリスから少し変わっていました。2つ目に3連続が入っています。イギリスの時はここが3-3で8番目が3連続でした。この位置に3連続はリカバリーでもないですし何となくつけたということもあり得ないですし、意図的に動かしたということだと思われます。8番目が3-3ではなく3-2なので、構成を少し落としたということでしょうか。調子が悪いという認識でそうしたのかもしれませんし、あるいは8番目を3-3にして構成を上げるのが本来の目的だったのかもしれませんし、どちらなのかは判別できません。

基礎点合計は55.46 フリップが抜けたのが大きくここで4.80基礎点が下がっています。8番目が3-3にするつもりだったのであれば、そこで基礎点は3.19基礎点は上がるのでノーミス基礎点は7.99上がって63.45になります。イギリスの時は63.33ですから、少し基礎点が上がる計算でした。

三原選手はGOE±5のルールに変わってからISU公認の国際大会では200点を下回ったことがまだありません。ISU非公認扱いになった2年前のNHK杯では194.73でしたがこれが唯一の例外です。極めて高い安定感を見せています。そんな中で今回フリーで130.56というのは昨年のジャパンオープンに次いで低いフリーのスコア。珍しくはっきりしたミスが見られた試合となりました。そんなミスが出ても優勝。割と運に恵まれない選手という印象だったわけですが、ここにきて少し風が吹いてきたのかな、とも思われる試合でした。

 

○河辺愛菜選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.80 4.10 2.556
2 3Lz!+3T+2T ! 11.40   0.17 11.57 0.222
3 3Lo   4.90   0.77 5.67 1.667
4 2A   3.30   0.66 3.96 2.000
5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.111
6 3Lz!q+3Tq ! 11.11 x -2.70 8.41 -4.556
7 FCSp4   3.20   0.69 3.89 2.222
8 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.222
9 3Fq+2T< 6.97 x -2.42 4.55 -4.444
10 3S   4.73 x 0.80 5.53 1.778
11 CCoSp3   3.00   0.51 3.51 1.667
12 SSp4   2.50   0.43 2.93 1.667
  TES   61.31   2.52 63.83  

河辺愛菜選手は今シーズンここまでトリプルアクセルを入れていません。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。基礎点は61.31でした。トリプルアクセル無し構成では過去最高の基礎点になっています。2Tのアンダーローテーションとスピンで一つレベル3というのがあるのでノーミス基礎点は0.79上がって62.10になります。

全体通していい演技に見えたのですが、GOEで著しく下げられているのが2つ。6番目の要素は!にq2つとマークがつきまくって平均GOE-4.556 9番目のコンビネーションもqと<が揃って平均GOE-4.444 この2つのジャンプをしっかり飛んでいれば優勝までありました。今大会ショートのルッツも!なので、3回飛んだルッツがすべて! 実はフランス杯でも3回飛んだルッツすべて!ですのでグランプリシリーズで6回飛んだルッツがすべて!ということになりました。またフリップが今回はショートフリーどちらもq フランスでもフリーではqでした。ルッツとフリップからマークが外せれば全体で5点くらい上げられますので、トリプルアクセル入れるよりもそちらに取り組んでいく方が先かもしれません。

今回表彰台という結果をだして、しっかり存在をアピールしました。これで来期のグランプリで少なくとも1枠は確保できたと思います。普通は2枠来るのですが日本は層が厚い。NHK杯地元枠除くと合計17枠しか1カ国では取れないのですが、樋口選手紀平選手も来期2枠あるという前提で計算すると、河辺選手に2枠目が回ってこない可能性が結構あります。厳しいなあ日本。自力でどうにかするには全日本の好結果が求められるわけですが、その期待はこの試合を見る限りではもてそうではあります。

 

紀平梨花選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3S   4.30   0.98 5.28 2.222
2 2A+1Eu+3S   8.10   1.17 9.27 2.667
3 3Lo   4.90   0.84 5.74 1.667
4 3Lo+2T   6.20   0.91 7.11 1.778
5 FSSp4   3.00   0.43 3.43 1.444
6 3F   5.83 x 0.91 6.74 1.556
7 2A+2T   5.06 x 0.57 5.63 1.667
8 3T   4.62 x 0.72 5.34 1.778
9 CCoSp4   3.50   0.75 4.25 2.111
10 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
11 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.556
12 LSp4   2.70   0.69 3.39 2.667
  TES   54.51   10.25 64.76  

紀平選手はスケートカナダから構成が上がってきました。フリップ投入。そしてノーミス。基礎点は54.51 ステップレベル4なら55.11まで出ます。それほど高い基礎点ではないですが、全要素プラス評価でマイナスジャッジなしにより技術点トップでした。

3回転は3種類まであれば、なんとかまともな構成が組めます。ここにフリップが入って4種類目が来たので、セカンドサードのジャンプに3回転を1つ入れられるようになります。紀平選手はそこでセカンドトーループではなく3連サルコウの方を選びました。4回転を飛んだこともあるサルコウがやはり得意なのでしょうか。セカンド3Tにして3Sを1つ目にしたコンビネーションを入れて、3連続を2T+2Loの方が基礎点は高くなるのですが無理はしなかったようです。

2試合続けてフリーほぼノーミス(ステップだけレベル3)を続けてきました。全日本でさらに構成を上げてノーミスすると200点台に乗って来る。場合によっては210点台。世界選手権はいまの紀平選手だと全日本表彰台が選考に乗る条件になるのでちょっと苦しいですが、4大陸くらいまではあるかもしれません。

 

○女子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Mai MIHARA 204.14 100.74 58.27 5.57 24.67 14.89
2 Loena HENDRICKX 203.91 104.12 58.82 1.62 25.51 14.84
3 Mana KAWABE 197.41 98.14 64.94 -1.85 21.40 14.78
4 Rika KIHIRA 192.43 94.37 55.12 6.63 22.72 13.59
5 Madeline SCHIZAS 187.84 92.87 55.32 5.78 22.27 11.60
6 Lindsay THORNGREN 183.23 91.92 60.41 -6.05 24.47 13.48
7 Anastasiia GUBANOVA 166.57 89.04 55.84 -7.27 19.42 11.54
8 Bradie TENNELL 163.98 90.52 45.70 -7.24 23.37 13.63
9 Jenni SAARINEN 155.64 85.16 40.99 -1.25 20.77 10.97
10 Janna JYRKINEN 154.45 73.57 50.48 -1.01 20.96 10.45
11 Linnea CEDER 151.91 81.74 44.32 -2.26 18.90 10.21
12 Eva-Lotta KIIBUS 138.89 78.56 36.58 -0.80 15.81 9.74

PCSはヘンドリックス選手がトップでした。三原選手はフリーPCSが伸びずに100.74にとどまりました。河辺選手が3番目。オリンピックシーズンよりPCS上がっている河辺選手です。紀平選手はまだPCSも復活途上です。

ジャンプの基礎点は河辺選手がダントツのトップ。トリプルアクセル抜きでもこのメンバーの中ならジャンプの基礎点が上に来ます。ソーングレン選手が2番目でヘンドリックス選手で3番目です。

ジャンプの加点は構成抑えて加点を稼いだ紀平選手がトップでした。2番目はシザース選手。ジャンプの抜きで基礎点削られながらも跳んだジャンプの出来は良かったシザース選手です。三原選手も同様で3番目にいます。逆に河辺選手は、!やQが効いてGOEはマイナスでした。

スピンはヘンドリックス選手がトップで三原選手が2番目。ソーングレン選手が3番目にいます。紀平選手は前からスピンはそれほど点が出る選手ではありませんでしたが、オールレベル4ならもう少し点が欲しいところ。河辺選手もこの辺でもう1,2点欲しい水準です。

ステップ系要素は三原選手、ヘンドリックス選手、河辺選手と上位3選手が14点台後半とスコアを伸ばしています。三原選手の14.89はグランプリシリーズ6戦のなかで上から2番目のスコアであり、トップのスコアは15.46 イギリスでの三原選手のスコアでした。というわけで、グランプリシリーズ通じて三原選手のステップが最高評価となっています。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Ilia MALININ USA 278.39 85.57 192.82
2 Shun SATO JPN 262.21 81.59 180.62
3 Kevin AYMOZ FRA 255.69 88.96 166.73
4 Tatsuya TSUBOI JPN 244.90 78.82 166.08
5 Camden PULKINEN USA 229.92 72.45 157.47
6 Nikolaj MAJOROV SWE 209.55 69.94 139.61
7 Arlet LEVANDI EST 209.50 72.67 136.83
8 Keegan MESSING CAN 205.02 80.12 124.90
9 Valtter VIRTANEN FIN 204.02 69.15 134.87
10 Aleksandr SELEVKO EST 199.47 66.96 132.51
11 Lucas Tsuyoshi HONDA JPN 197.90 67.92 129.98
12 Morisi KVITELASHVILI GEO 196.80 62.42 134.38

また今回もマリニン選手がショート伸びないところからフリーで逆転優勝しました。278.39はスケートアメリカから少しスコアを落としています。フリーではqが3つあって印象ほどはスコアが伸びませんでした。それでも192.82ではあります。ショートフリーで4回転ルッツなしなど調子はあまりよくなかったようですがそれでも順当に勝ちました。ファイナルも勝って時代を築き始めるか、まだ早いと跳ね返されるか。

佐藤駿選手が2位に入ってファイナル出場権を掴みました。ショート終わった時点では、これはダメかと思ったのですが、まわりもスコアが伸びずに3位発進。首位のエイモズ選手が今回は4回転無しが見込まれたのでフリーしっかり滑れば逆転あるか、というところでしっかり滑っての2位確保です。

3位はケビンエイモズ選手。佐藤駿選手を抑えれば同じフランスのアダムシャオイムファ選手がファイナルに行けたところでしたが、まだ本調子ではなく4回転なし、フリーはセカンド3回転も無しではちょっと届きませんでした。滑り自体は素晴らしかったと思います。

4位に壷井達也選手が入ってきました。パーソナルベスト更新。一歩づつ階段上がっているように見えます。

優勝すればファイナルがあったメッシング選手は8位。フリーは記録的な大崩れをしてしまいました。さすがにあそこまで崩れると子供写真アピールタイムもなかったようです。

日本からもう一人本田ルーカス剛史選手は11位。200点に届かないスコアではちょっと苦しい。

グランプリ優勝経験のあるクビテラシビリ選手はショートから崩れフリーも伸びず12位に終わりました。昨シーズンまではモスクワで練習していましたが、今シーズンから離れた模様それだけでが理由でもないのでしょうが、明らかに今シーズンは調子がおかしい。ウクライナ戦争がこんなところにも影響してきてしまっています。

 

○佐藤駿選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lz   11.50   2.96 14.46 2.667
2 4T+3T   13.70   2.04 15.74 2.111
3 3A   8.00   1.26 9.26 1.556
4 FCSp3   2.80   0.32 3.12 1.222
5 4T   9.50   1.63 11.13 1.778
6 CSSp4   3.00   0.73 3.73 2.444
7 3A+2T   10.23 x 1.71 11.94 2.222
8 3F!+1Eu+3S ! 11.11 x -0.30 10.81 -0.556
9 3Lo   5.39 x 1.12 6.51 2.333
10 StSq2   2.60   0.59 3.19 2.222
11 ChSq1   3.00   0.79 3.79 1.556
12 CCoSp4   3.50   0.55 4.05 1.556
  TES   84.33   13.40 97.73  

佐藤駿選手は4回転3本構成。それをすべてしっかり決めました。2回飛ぶジャンプは4回転トーループトリプルアクセルです。基礎点は84.33 ジャンプで削られた部分はないのですが、スピンステップで1.70基礎点を上げる余地がまだあります。

昨シーズンは4回転のフリップも構成に入っていたのですが今シーズンはまだ入ってきていません。4回転3本だとマリニン選手に肉薄するのは苦しいですが4本になってくるとノーミスなら戦える芽があります。昔、ジュニアの頃には4回転サルコウも跳ぼうとしていました。GOEマイナスの着氷まではあるので、全く飛べないジャンプでもないです。4種類5本までそろえば、あとは出来栄え勝負。今すぐとはいかないまでもミラノオリンピックシーズンまでにはそこまで行けそうです。ただし、その頃マリニン選手は4回転7本とんでそうではあります・・。

 

○壷井達也選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   2.49 12.19 2.444
2 3A   8.00   1.49 9.49 1.889
3 3A+1Eu+3S   12.80   1.71 14.51 2.111
4 FSSp4   3.00   0.64 3.64 2.000
5 StSq3   3.30   0.57 3.87 1.556
6 3Lo   4.90   1.05 5.95 2.111
7 3F+3T   10.45 x 0.98 11.43 1.889
8 3F   5.83 x 0.91 6.74 1.667
9 3Lz!+2T ! 7.92 x 0.08 8.00 0.222
10 CCoSp4   3.50   0.50 4.00 1.556
11 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.222
12 FCCoSp4   3.50   0.00 3.50 0.111
  TES   75.90   11.56 87.46  

壷井選手は4回転サルコウをクリーンに決めました。平均GOE+2.444は過去最高評価です。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルフリップ。基礎点は75.90 ステップレベル3を4に上げると76.50までは出ます。今回はこの構成で166.08まで出ました。4回転1本でもPCSももう少し上がると思うので170点までは十分出せます。ショートノーミスならトータル255点くらいまで出せます。その上目指すなら4回転2本、さらには2種類目というのが必要となってきそうです。

壷井選手はこの4位のスコアでシーズンベストランク16位まで入ってきました。シーズン終わって24位以内に残るかは微妙ですが、グランプリ2戦で5位4位としっかり結果を出していますし、来シーズンのグランプリ2枠も確保できそうです。

 

○本田ルーカス剛史選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3S   4.30   1.17 5.47 2.667
2 1A   1.10   0.00 1.10 -0.111
3 3A< F 6.40   -3.20 3.20 -5.000
4 3Loq q 4.90   -0.56 4.34 -1.111
5 FSSp4   3.00   0.60 3.60 2.000
6 StSq2   2.60   0.26 2.86 1.000
7 3Lz+3T   11.11 x 1.10 12.21 1.778
8 3F+1A+SEQ   7.04 x -1.06 5.98 -2.000
9 CCoSp3   3.00   0.39 3.39 1.222
10 FCCoSp3   3.00   0.17 3.17 0.444
11 ChSq1   3.00   0.71 3.71 1.333
12 3Lz+2T+2T   9.35 x 0.17 9.52 0.444
  TES   58.80   -0.25 58.55  

本田ルーカス剛史選手はスコアが伸ばせませんでした。4回転は無し構成。冒頭はやがて4回転にするという意志かと思われます。2回飛んだジャンプは結果的にトリプルルッツだけですが、トリプルアクセルも跳びたかったはずです。

最後に3連続を入れたり、序盤の失敗がありながらも最後まで点を取りに行く姿勢はありましたが、それでも技術点50点台だとちょっと厳しい。今シーズンも1枠でしたが、これで来シーズンは枠がなくなりそうに感じます。国内戦でトリプルアクセルをショートフリー3本決めるところから出直しになるのかと思います。

 

○男子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Ilia MALININ 278.39 124.77 115.71 3.87 20.89 13.15
2 Shun SATO 262.21 121.78 100.53 7.56 22.31 11.03
3 Kevin AYMOZ 255.69 134.54 72.58 8.68 24.50 15.39
4 Tatsuya TSUBOI 244.90 115.24 88.41 7.54 21.93 11.78
5 Camden PULKINEN 229.92 120.88 74.58 3.29 18.67 12.50
6 Nikolaj MAJOROV 209.55 111.54 65.83 0.25 21.66 12.27
7 Arlet LEVANDI 209.50 113.22 71.43 -5.95 22.77 11.03
8 Keegan MESSING 205.02 124.86 65.05 -14.09 18.57 12.63
9 Valtter VIRTANEN 204.02 108.87 59.44 1.89 22.01 12.81
10 Aleksandr SELEVKO 199.47 112.01 63.57 -5.78 19.99 12.68
11 Lucas Tsuyoshi HONDA 197.90 107.61 67.01 -5.13 20.02 10.39
12 Morisi KVITELASHVILI 196.80 110.73 76.02 -16.78 19.91 10.92

PCSはケビンエイモズ選手が一人だけ抜けています。9点平均近く出してきました。2番目はトータルスコアは伸びなかったメッシング選手。マリニン選手は3番目です。

ジャンプの基礎点は当然マリニン選手が頭抜けているのですが、佐藤駿選手も100点に乗せました。100点に乗せたのは今シーズン5人目。全員ファイナル進出者だったりします。3番目は4回転1本ながらミスがなかった壷井選手が続いています。

ジャンプの加点はエイモズ選手がトップでした。構成落としてますが出来は良かった。佐藤駿選手が2番目で壺井選手が3番目に続きます。qのオンパレードだったマリニン選手はここが伸びていません。このジャンプの加点が伸びていかない限りはまだ他の選手も手が届きます。

スピンはエイモズ選手がトップ。23点台がいなくて22点台でエストニアのレバンディ選手が2番目です。マリニン選手は20点台と伸びませんでした。

ステップ系要素はエイモズ選手が15.39で断トツ。今シーズン全体で3位です。マリニン選手が13点台で2番目でした。佐藤駿選手や壷井選手は11点台。ここはもう少し伸ばしたい要素です。

 

これでグランプリシリーズ6戦が終了しました。一週空いてグランプリファイナルへ進みます。

一応確認しておくと、ファイナル進出者は男子は、イリアマリニン、宇野昌磨、三浦佳生、山本草太、ダニエルグラスル、佐藤駿の6選手。女子は三原舞依、ルナヘンドリックス、坂本花織、キムイェリム、イザボーレヴィト、渡辺倫果の6選手になります。

男子は日本から4人、女子も3人。シングルは日本が過半数を占めるということになりました。男子は日本勢表彰台確定です。

非常に楽しみではあるのですが、まずは、3年ぶりのグランプリファイナルが、問題なく開催されること、というのを祈り、そして、コロナ欠場なく全員出場できることを願います。