グランプリファイナル22 

ジュニアと同スケジュールでシニアのグランプリファイナル。今シーズンこそ、3シーズンぶりにしっかり開催されました。コロナ欠場も無し。世界の混迷は続いていますが、スポーツ界は何カ国かいないことを除くと平常運転に近づいてきています。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Shoma UNO JPN 304.46 99.99 204.47
2 Sota YAMAMOTO JPN 274.35 94.86 179.49
3 Ilia MALININ USA 271.94 80.10 191.84
4 Shun SATO JPN 250.16 76.62 173.54
5 Kao MIURA JPN 245.74 87.07 158.67
6 Daniel GRASSL ITA 244.97 80.40 164.57

男子は日本勢1,2となりました。思い出しました。羽生選手の隣に宇野選手がいるのが通常運転だったように、宇野選手の隣には山本草太選手がいるというのが正しい姿でした。ジュニアグランプリファイナルから8年経ってシニアのグランプリファイナルでこの2人が表彰台に並び立つ日が戻ってきました。

宇野選手の304.46は今シーズン全体のベストスコアただ一人の300点超えです。山本草太選手はフリーとトータルでパーソナルベストを更新しました。

3位にはマリニン選手。ショートうまくいかないけどフリーで伸ばす、が今シーズン続いていますが今回は逆転優勝は届かず3位に留まりました。

佐藤駿選手は4位。これもショートの出遅れが響きすぎました。

三浦佳生選手は5位。こちらはフリーで伸びず。2位までは普通にあったのですがグランプリ2戦のような結果はここでは出せませんでした。

イタリアのグラスル選手は6位。フリーは巻き返してきたのですが一つ一つの要素で今一つ点が取り切れませんでした。

 

宇野昌磨選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lo   10.50   3.75 14.25 3.556
2 4S   9.70   3.19 12.89 3.333
3 4F   11.00   3.14 14.14 2.889
4 3A   8.00   1.37 9.37 1.667
5 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.333
6 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.111
7 4T+2T   11.88 x 2.58 14.46 2.667
8 4T   10.45 x -1.36 9.09 -1.444
9 3A+2A+SEQ   12.43 x 1.94 14.37 2.333
10 StSq4   3.90   1.78 5.68 4.556
11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
12 CSSp3   2.60   0.89 3.49 3.333
  TES   90.16   21.43 111.59  

4回転5本にトリプルアクセル2本という構成。ただ今回も3連続は入らず、セカンド3回転も無し。コンビ券を使えるかがずっと宇野選手の課題ですが今シーズンもそれは続いています。ショートのコンビネーションも今回は入ったもののセカンド2回転でした。世界選手権にすべて合わせてくるでしょうか。

それでも4回転5本は着氷。マイナスは2本目の4回転のみです。技術点111.59はGOE±5時代になって以降のベストスコアです。フリー204.47も同様でした。今回のフリーは世界選手権の時より上だったという形になります。

構想通りにいけば最初のトリプルアクセルが3連続でフリップが付き、4T-2Tは4T-3Tになるはずでスピンのレベルも取れると基礎点99.55の構成が完成します。そこまで出せるならノーミスマリニン選手と技術点で普通に勝負できます。

 

○山本草太選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   2.49 12.19 2.556
2 4T+3T   13.70   1.90 15.60 2.000
3 4T   9.50   2.71 12.21 2.778
4 3A+1Eu+3S   12.80   1.37 14.17 1.667
5 FCSp4   3.20   0.78 3.98 2.444
6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.778
7 3Aq q 8.80 x -0.69 8.11 -0.889
8 3F+2A+SEQ   9.46 x 1.21 10.67 2.333
9 3Lz! ! 6.49 x 0.34 6.83 0.556
10 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
11 CSSp4   3.00   0.99 3.99 3.333
12 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
  TES   86.45   14.42 100.87  

ショート2位発進で自分の滑りができれば表彰台というかえってプレッシャー掛りそうなフリー。そこで自分の滑りで表彰台、それも2位に入ってきました。

4回転は2種類3本。セカンド3回転、3連サルコウ、シークエンスアクセル、しっかり基礎点稼ぐカードを使い切り、技術点100.87と3桁に乗せました。

4回転フリップを国内の試合では試していましたがまだ完成はしていないようです。

グランプリファイナルで日本勢2番手、シーズンベストスコアも日本勢2番手、シーズンワールドランキングも日本勢2番手、シーズンの技術点ランキングも日本勢2番手。ほとんどの選考基準で2番手にいますので、全日本で表彰台に乗れば、問題なくついに世界選手権の代表を掴めるという位置にいます。

三原舞依選手の苦労はよく言われていましたが、山本草太選手の苦労も相当なものです。ここで一つ、大きなメダルを手に入れました。次は世界選手権へ、いや、展開次第では全日本制覇へ、と続いていきます。

 

○イリアマリニン選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4A   12.50   3.04 15.54 2.333
2 4F   11.00   3.30 14.30 3.111
3 4T   9.50   2.71 12.21 2.889
4 4S   9.70   1.80 11.50 1.778
5 CCSp3   2.80   0.64 3.44 2.222
6 StSq4   3.90   0.84 4.74 2.111
7 4T+1Eu+3Sq q 15.73 x -0.68 15.05 -0.556
8 3F+3T   10.45 x 0.91 11.36 1.778
9 3F+3A+SEQ   14.63 x 1.14 15.77 1.444
10 FSSp3   2.60   0.45 3.05 1.667
11 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.778
12 CCoSp3   3.00   0.56 3.56 1.889
  TES   98.81   16.07 114.88  

マリニン選手、今回もフリーはしっかり決めてきました、4回転アクセル。それを含めて4回転5本にトリプルアクセル1本構成。1.1倍にコンビネーションをすべてつぎ込みます。2回転が構成に1つも入らないというトンでも構成です。

基礎点は98.81 スピンがすべてレベル3なのでこれをレベル4に出来れば1.30基礎点が上がって100.11と基礎点3桁に乗ります。

マリニン選手は飛べる4回転はこれだけではないので構成をさらに上げることは可能です。ルッツが入っていない。一方で3F+3Tがまだいるので、これを4Lz+3Tに置き換えられます。そこまで行くと6.82さらに基礎点を上げることが出来て106.93まで行けます。さらに2本飛ぶ4回転を変えたりして基礎点を上げることも可能です。ノーミスパーフェクト宇野昌磨に勝つには、PCS差を考えると4回転6本構成までもっていきたいところでしょうか。

まだどうしても、難しい技発表会に見えてしまう演技でもありPCSが伸びてきませんが、技術点の強さは圧倒的です。ショートをしっかり決めてくると世界選手権で頂点に立つ可能性も十分あるかと思われます。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Shoma UNO 304.46 138.45 104.56 21.57 24.39 15.49
2 Sota YAMAMOTO 274.35 118.81 102.65 15.23 24.65 13.01
3 Ilia MALININ 271.94 116.20 115.71 5.45 20.58 14.00
4 Shun SATO 250.16 110.23 100.05 9.53 20.86 10.49
5 Kao MIURA 245.74 118.71 94.13 0.21 23.16 11.53
6 Daniel GRASSL 244.97 115.97 106.00 -9.64 21.55 12.09

PCSは宇野昌磨選手が圧倒的です。20点近い差を付けました。2番目は山本草太選手で三浦佳生選手もほぼ並びます。

ジャンプの基礎点はさすがにマリニン選手がトップでした。それを含めて5人が100点超えです。グラスル選手は基礎点2番目、宇野選手より上です。宇野選手はコンビネーションが入らないことで4回転の本数の割には基礎点低めとなります。

ジャンプの加点は宇野選手の21.57がすごい数字ですが、山本草太選手も15.23というこれも素晴らしい数字です。この二人は今シーズンのジャンプの加点ワンツーなります。

スピンは山本草太選手がトップです。宇野昌磨選手が2番目でこの2人が24点台あります。マリニン選手は6番目。スピンの差で山本選手に負けた形になりました。

ステップ系要素は宇野昌磨選手がただ一人15点台ありました。佐藤駿選手は10点台。スピンステップが伸びませんでした。

技術点で宇野昌磨選手がマリニン選手を上回っているのはわかるのですが、今回山本草太選手とマリニン選手ほぼ同じで、0.20だけマリニン選手が上でした。フリーで4回転5本決めてきたマリニン選手ですが、ショートフリー両方揃えた山本選手が総合力で上回った形になりました。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Mai MIHARA JPN 208.17 74.58 133.59
2 Isabeau LEVITO USA 197.23 69.26 127.97
3 Loena HENDRICKX BEL 196.35 74.24 122.11
4 Rinka WATANABE JPN 196.01 72.58 123.43
5 Kaori SAKAMOTO JPN 192.56 75.86 116.70
6 Yelim KIM KOR 180.58 61.55 119.03

ついに、三原舞依選手がビッグタイトルを手に入れました。208.17 結果的には10点以上の大差がついています。なんだか報われない選手扱いされてましたが、4大陸2回も勝っていますから十分実績はあります。ただ、グランプリシリーズの異常な4位率や、オリンピックや世界選手権にあと一歩で届かないあたりからそういう印象が強くついてしまっていたでしょうか。確かに不運なところが多かったですが、今回はミスがありながらも勝ったように、そろそろ風が巡ってきたかもしれません。

ショート5位だったアメリカのレビト選手が2位表彰台です。まずまず位の出来に見えたのですが、あれ?あれ?と最後まで落ちていかずに2位に残りました。

3位にはベルギーのヘンドリックス選手。ベルギー史上初のグランプリファイナル表彰台ではありますが、先に世界選手権2位を持っているとむしろ負けた感あるでしょうか。大魚を逸した感じになりました。

4位に渡辺倫果選手。こちらも惜しかった。表彰台まで0.34差。中庭先生はジュニアもシニアも僅差の4位。どちらかメダルを南船橋に持って帰らせてあげたかった感じがします。

現世界チャンピオンの坂本花織選手はフリーで崩れて5位に終わりました。ショートの時点ではなんだかんだで強いのか、とも思ったのですが難しいものです・・。

韓国のキムイェリム選手は6位。ちょっと今回は思い通りにはいかなかったようです。

 

三原舞依選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.90 4.20 2.556
2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
3 3S   4.30   0.80 5.10 1.889
4 3F! ! 5.30   0.15 5.45 0.333
5 FSSp4   3.00   0.81 3.81 2.778
6 CCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.222
7 2A+3T< 7.33 x -0.48 6.85 -1.444
8 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.18 10.97 1.889
9 2Lo F 1.87 x -0.85 1.02 -5.000
10 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
11 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.111
12 FCCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.889
  TES   58.89   8.58 67.47  

グランプリファイナル優勝、素晴らしい、と言いたいところなのですが、あまり後半よくなかった三原舞依選手のフリー。前半終わって表彰台は行けそう、あとは後半と思ったらそこから崩れたので、ああ、今回は勝ち切れないか、というのが正直な感想でした。

1,1倍でセカンド3回転がアンダーローテーション、最後のループが2回転になって転倒。これで勝てるとは思わないじゃないですか。長い雌伏の時を経て、ついに運が回って来る星回りに入ってきたのでしょうか。

基礎点は58.89 本人比で平凡です。技術点67.47も決して素晴らしいというほどでもなく、まあ、まあ、まあ、というくらい。でも勝ちは勝ちです。

ちょっとこれだと全日本も勝つ、というわけにはいかなさそうですが、次はノーミスできるでしょうか。ただ、勝てないにしても、今シーズンこそは世界選手権の代表がかなり近づいてきていると思われます。

 

○渡辺倫果選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A< 6.40   -3.02 3.38 -4.667
2 3Lo   4.90   1.26 6.16 2.556
3 3Lo<+3T 8.12   -0.54 7.58 -1.333
4 3F   5.30   0.98 6.28 1.889
5 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.667
6 ChSq1   3.00   1.00 4.00 1.889
7 3Lz<< F 2.31 x -1.05 1.26 -5.000
8 2A+1Eu+3S   8.91 x 0.86 9.77 2.000
9 CCoSp4   3.50   0.50 4.00 1.333
10 3Lz+1A+SEQ   7.70 x -0.34 7.36 -0.556
11 StSq4   3.90   0.72 4.62 1.667
12 FSSp4   3.00   0.73 3.73 2.444
  TES   60.24   1.92 62.16  

今回はショートでトリプルアクセルを決めてフリーではアンダーローテーションとなりました。回転不足ならきれいに立ちたかった、きれいに立てないなら回転足りさせたかった、というところでスコアは3.38 もう少し欲しかったところでした。

ただ、問題はそのあと。ループでアンダーローテーション、さらにはルッツのダウングレードの転倒。最後にリカバリーアクセルが1回転。どれかを決めていれば2位表彰台でした。大魚を逸した感が強いです。もったいなかったなあ、という感想。

ファイナルではこういう、このシーズンに伸びてきました、みたいな選手が3位に入る、と勝手に思っていたのですが、それもあって残念。ただ、そのパターンで3位に入った選手はそのシーズンの勢いはそこで止まって後半は今一つ、な印象もあるので、4位は4位でよかったのかも、とも思います。

グランプリファイナルで日本勢2番手、シーズンベストスコアはシニア勢で3番目、シーズンワールドランキングで日本勢1位、世界ランキングで日本勢3番目、シーズン技術点ランクはシニア年齢の中で2番目。世界選手権の選考基準で全日本以外のところではすべて3番目以内に入ってきました。順当にいけば、世界選手権が見えています。後は全日本。一発当てれば優勝もある。シーズンワーストのショートはフリーに進めないレベルのスコアがある。どれが出るかさっぱりわからないのが渡辺倫果選手。その運命やいかに?

 

○坂本花織選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   1.23 4.53 3.778
2 3Lz   5.90   -1.77 4.13 -2.889
3 3S   4.30   1.11 5.41 2.444
4 CCoSp3   3.00   0.69 3.69 2.222
5 3F+2T   6.60   1.51 8.11 2.778
6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.444
7 2F   1.98 x -0.15 1.83 -0.778
8 FSSp3   2.60   0.45 3.05 1.778
9 2A+2T+2T* * 5.06 x 0.38 5.44 1.111
10 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.556
11 1Lo   0.55 x -0.09 0.46 -1.778
12 FCCoSp4   3.50   0.65 4.15 1.889
  TES   43.69   6.56 50.25  

坂本選手はフリーで崩れました。三原選手が首位で待つ最終滑走、どちらが勝っても私の勝という中野先生に送られて出ての冒頭ダブルアクセルはさすが。次のルッツはもともと苦手なジャンプなのでまあこういうこともあるかな、くらいに思いました。サルコウはまずまず。スピンがショートからレベル取れないんだよなあ、でもコンビネーションはまあ決めて、ステップはよし。この時点ではまだ勝つんじゃないかと思ってました。PCS差あるからなあ、ちょっと三原選手に勝ってほしい気分もあるんだけど、というところから後半ジャンプが総崩れ。まさかの5位に終わりました。

なんだったんでしょう。練習不足的なコメントになっていますが。単にそういうものでもないような感じもします。オリンピック金メダリストで翌シーズンに勝ち続けた選手はほとんどいません。坂本選手は金メダリストではないですが、上にいたロシア勢は誰もいない。オリンピックシーズンの世界選手権チャンピオンもなかなか次のシーズンに勝てない、というか出てこないことも多い。難しいのでしょうか、オリンピックの次のシーズンというのは。2週間しか時間が無いですが、全日本で立て直せるかどうか。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Mai MIHARA 208.17 101.83 61.70 6.03 24.84 14.77
2 Isabeau LEVITO 197.23 97.43 61.97 0.59 23.73 14.51
3 Loena HENDRICKX 196.35 102.50 58.34 -3.42 25.74 14.19
4 Rinka WATANABE 196.01 93.80 67.13 -0.47 23.03 13.52
5 Kaori SAKAMOTO 192.56 101.94 47.34 7.03 21.40 14.85
6 Yelim KIM 180.58 93.81 58.24 -3.02 20.58 11.97

要素別でみるとPCSトップはヘンドリックス選手でした。それでも102.50 ヘンドリックス選手でも、もう2,3点は取れるので、全体的に伸びなかったPCSです。まあ、全体的に出来が悪かったから自然ではあります。渡辺倫果選手はここでのヘンドリックス選手との差が大きいのは仕方ないですが、ジュニア上がりのレビト選手に3.63負けたのは痛いです。

ジャンプの基礎点はショートフリーでトリプルアクセルを入れた渡辺倫果選手がトップ。高難度ジャンプ無しで比較的ミスが少なかったレビト選手と三原舞依選手が続きます。坂本選手は渡辺選手と20点近い差がついてしまいました。

ジャンプの加点はあれでも坂本選手がトップでした。飛べたジャンプの質はやはり随一でした。三原舞依選手が2番目です。ヘンドリックス選手はミスが目立ってGOEは6番目になっています。

スピンはヘンドリックス選手がさすがのトップ、三原選手が2番目です。坂本選手は今回スピンのレベルも今一つ取れませんでした。ヘンドリックス選手とは4.34差あり、これはトータルスコアの3.79の差よりも大きなものになっています。

ステップ系要素は坂本選手がさすがのトップで三原選手が2番目、中野組が高い評価でした。渡辺選手は13点台。スピンステップの差でヘンドリックス選手やレビト選手に敗れた、という見方もできます。

 

平均年齢が男子(20歳6か月)よりも女子(20歳10か月)の方がわずかですが高いという世にも珍しいグランプリファイナルでしたが、結果として男女とも日本勢が優勝しました。どちらも出場者中最年長選手による初優勝。さらにはペアでも日本勢が歴代初の優勝を果たします。日本のペアがグランプリファイナルで優勝するなんて、ワールドカップで日本が優勝するより先の未来にならないとこないことだと思ってました。それが、何が驚きって、まさかの優勝ではなくて本命扱いで、きっと勝つと思われている中で競った試合をちゃんと勝つという。そこがすごいです。

というわけで、日本勢にとっては素晴らしいグランプリファイナルでした。残念なのは、もう少し観客入ってほしいかな。ヨーロッパのフィギュアスケート、もうちょっと頑張って、というのは思ってしまいました。