全日本ジュニア22 まずは2連覇

ジュニアグランプリファイナルの前哨戦のような全日本ジュニアが行われました。女子は2人、男子は3人、ファイナリストが出場しています。

 

○女子シングル 上位24名

Pl Name Nation Total SP FS
1 島  田  麻  央 木下アカデミー 199.19 66.52 132.67
2 千  葉  百  音 東北高校 193.15 65.72 127.43
3 中  井  亜  美 MFアカデミー 190.70 65.12 125.58
4 櫛  田  育  良 木下アカデミー 184.29 62.32 121.97
5 柴  山      歩 木下アカデミー 184.28 65.39 118.89
6 奥  野  友莉菜 駒場学園高校 166.32 60.45 105.87
7 髙  木      謠 MFアカデミー 166.07 61.44 104.63
8 村  上  遥  奈 木下アカデミー 163.65 57.52 106.13
9 穂  積  乃  愛 駒場学園高校 161.47 57.22 104.25
10 和  田  薫  子 グランプリ東海クラブ 158.58 57.37 101.21
11 清  水  咲  衣 大阪スケート倶楽部 150.89 51.77 99.12
12 河  野  莉々愛 木下アカデミー 149.96 54.05 95.91
13 上  薗  恋  奈 LYS 148.99 56.17 92.82
14 山  田      恵 木下アカデミー 144.03 48.76 95.27
15 岡  万佑子 ROYCE' F・S・C 142.99 52.99 90.00
16 田  邊  桜  香 星槎国際横浜 140.61 46.91 93.70
17 鴨  井  彬莉彩 パピオフィギュアクラブ 138.05 45.22 92.83
18 杉  山  菜  那 京都宇治FSC 136.39 54.81 81.58
19 今  関  友梨香 MFアカデミー 136.11 51.20 84.91
20 中  尾      歩 埼玉アイスアリーナFC 136.04 44.60 91.44
21 瀬  川  穂  乃 仙台FSC 129.23 46.63 82.60
22 花  田  実  優 宇都宮フィギュアC 126.75 47.89 78.86
23 長  岡  柚  奈 藤女子 122.52 45.20 77.32
24 宮  本  琉  花 白鳥T・FSC 120.83 44.90 75.93

島田麻央選手が2連覇を達成しました。全日本ジュニア2連覇は樋口新葉選手以来7年ぶりとなります。過去には3連覇というのが安藤美姫さん、荒川静香さんと2人います。あと3年はジュニアに閉じ込められることになる島田選手、連覇を続けることができるでしょうか? フィギュアスケートにはあまりない概念ですが、199.19は全日本ジュニアの大会新記録となります。200点超えると思ったのですが、そこまでは届きませんでした。

2位には千葉百音選手が入りました。2年連続表彰台。来シーズンにはシニアに上がるのではないかという実績をもっているので、全日本ジュニアを勝って終わりたいところにも思いましたがわずかに届きませんでした。193.15は千葉選手の国内最高スコアです。

3位にはMFアカデミーから中井亜美選手。昨年の7位から順位を上げて表彰台に乗ってきました。190.70はやはり自身の国内最高スコア。表彰台ラインが190点を超えるというのは史上初。レベルの高い試合になりました。

櫛田育良選手が僅差の4位。ジュニアグランプリ勢ではただ一人、この試合で国際大会含めた自身の最高スコアを出しました。ジュニアグランプリの2戦目をもらえなかったあたりから少し調子を落としていたようにも感じましたが復調してきています。ジュニア2年目で初の全日本となりました。

柴山歩選手が5位でした。ショート3位でしたが残念ながら表彰台に届かず。4位とは0.01差。ダブルアクセルが抜けてシングルになったのが痛かったです。今シーズン6試合滑ってフリーは最低で118.32 最高で121.55 もう一伸びさせてトータル200点に近づいていきたい柴山選手です。2年連続全日本出場権を得ました。

全日本選手権の出場枠は今年は8に広がっています。奥野選手、高木選手、村上選手とその椅子を掴みました。結局ショート8位までがそのままトータルでも8位に入り逆転はなし。村上遥奈選手はペアと合わせてダブル全日本となりました。

 

○島田麻央選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A<< <<F 3.30   -1.65 1.65 -5.000
2 4T   9.50   2.09 11.59 2.286
3 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
4 FSSp4   3.00   0.72 3.72 2.429
5 3F+2A+SEQ   8.60   1.27 9.87 2.429
6 ChSq1   3.00   1.20 4.20 2.286
7 3S+3T+2T   10.78 X 0.77 11.55 1.714
8 3Lo   5.39 X 0.98 6.37 2.000
9 3Lzq q 6.49 X -0.47 6.02 -0.857
10 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
11 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.000
  TES   66.36   8.57 74.93  

島田選手は冒頭トリプルアクセルで転倒。今シーズン、トリプルアクセル成功率100%だったのですがここで失敗。次のジャンプは今シーズン一度も成功がない4回転トーループ。この瞬間連覇に黄色信号が灯っていました。そんな状態から4回転トーループを成功。平均GOE+2.286はこれまでの最高評価です。以降のジャンプもルッツのqくらいでほぼミスなく成功させ2連覇を飾ります。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。基礎点は66.36 トリプルアクセルが飛べていれば71.06まで基礎点は出ますが、この66.36でもかなり高い水準です。

基礎点をさらに上げるには手っ取り早いのはダブルアクセルのシークエンスを1.1倍に入れること。これで0.33上げられますし、3連続を+2A+2Aにして、セカンド3Tは2連続で2回使うという形にすればさらに基礎点はあがります。それ以上上げていくには、トリプルアクセルか4回転トーループの2本目投入、ということになっていきます。

優勝スコアは200点を超えていくだろうと思ったのですが199.19 技術点の方はトリプルアクセルの転倒は仕方ないにしてもダウングレードにまでなって基礎点が大きく削られたのが痛かったです。そしてPCSも転倒1で同じ条件だったジュニアグランプリの1戦目と比べてもだいぶ低めでした。

今シーズンここまで無敗。この後ジュニアグランプリファイナルに全日本と続きますが、そこまで無敗を続けて行ってしまう可能性も感じます。

 

○千葉百音選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.42 11.52 2.429
2 2A   3.30   0.66 3.96 1.857
3 3S   4.30   0.69 4.99 1.429
4 FCCoSp4   3.50   0.91 4.41 2.571
5 3Fq q 5.30   -0.42 4.88 -0.857
6 3Lo   5.39 X 0.98 6.37 1.857
7 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.429
8 3F+2A+SEQ   9.46 X 0.95 10.41 1.714
9 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 0.12 9.91 0.143
10 ChSq1   3.00   1.40 4.40 2.857
11 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.143
  TES   60.34   8.36 68.70  

千葉選手のフリーはほぼノーミス。フリップのqだけがわずかなミスと言えるものでした。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。基礎点60.34は135.66をマークしたジュニアグランプリの1戦目と同じ自身の最高基礎点です。

ここから基礎点上げていくには1.1倍をもう少しハードモードにする、というのと、スピンがレイバックスピンでやや基礎点低めなのでそこを変えていくことができるかというくらいで、それ以上は高難度ジャンプの投入となっていきます。4回転トーループ待ちかもしれませんが、今シーズン中に間に合ってくるかどうか。

千葉選手もフリーでほぼノーミスの割には130点まで届かず。ジュニアグランプリのいい時と比べるとPCSで5点ほど低い評価ですし、1つ1つの要素の評価もジュニアグランプリよりGOEにして0.5から1くらい低めなところで、スコアが伸び切らない形になりました。

千葉選手は全日本に世界ジュニアの出場権を賭けることになりますが、年齢的には四大陸あるいは世界選手権も表彰台に乗れば無くはないという位置です。2枠しかない世界ジュニア代表枠に入れるか、あるいは4大陸か。はたまたインターハイからB級大会巡りか。オリンピックチャンピオンの系譜を継ぐ東北高校2年生のシーズン後半は全日本次第となりました。

 

○中井亜美選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   1.76 9.76 2.143
2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 1.714
3 3Lo+2A+SEQ   8.20   0.69 8.89 1.286
4 FSSp4   3.00   0.60 3.60 2.000
5 2A   3.30   0.59 3.89 1.571
6 3F+1Eu+3S   11.11 X 0.32 11.43 0.571
7 CCoSp4   3.50   0.63 4.13 1.714
8 3Lo F 5.39 X -2.45 2.94 -4.857
9 3Lz   6.49 X 1.18 7.67 2.000
10 LSp4   2.70   0.49 3.19 1.714
11 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.000
  TES   64.79   5.99 70.78  

中井亜美選手はフリー冒頭トリプルアクセルをきれいに決めてきました。これでジュニアグランプリの2戦目、東日本、全日本ジュニアと3試合連続成功です。今シーズン6回飛んでまだ転倒がなく最低でも4.64というスコアを出していますので、多少ミスしてもダンブルアクセルよりお得というジャンプに出来ています。

2回飛ぶジャンプはルッツとループ。基礎点64.79は優勝したジュニアグランプリ2戦目と同じ、自身の最高基礎点になります。ここから基礎点を上げるには3Lo+2Aを3Lo+2Tにして、3連続を3F+2A+2Aに変え、単独2Aのところに単独3Sを入れる、というパターンがあり得て1.1倍にどれを入れるかで変わりますが、少なくとも1Euが2Tに代替されることでその分の基礎点は上がります。今の持ち札で基礎点を上げるにはあとは1.1場合にさらにつぎ込むのとスピンの組み合わせがレベル4でも基礎点9.20までしか出ないものなので変えていくことというのはあります。それ以上はトリプルアクセル2本目投入が求められますが、中井亜美選手の場合はトリプルアクセル2本目が1番早いのかもしれません。

中井選手はPCSが55点台で上二人と少し差が付きました。ジュニアグランプリのノーミス優勝の60点台と差が出るのは仕方ないですが、ミスがあった1戦目の58点台と比べても低い評価を付けられています。

こうしてスコアを見るとループをしっかり決めていれば2位でしたし、トリプルアクセル2本目投入のノーミスが出来ていれば優勝までありました。

中井選手は年齢的に4大陸などシニアの試合はありえませんので、全日本で2枠目の世界ジュニア出場を目指すことになります。

 

○女子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(上位15名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 島  田  麻  央 199.19 86.93 73.47 7.86 24.82 7.11
2 千  葉  百  音 193.15 88.40 65.59 5.36 24.17 9.63
3 中  井  亜  美 190.70 83.59 71.38 6.12 22.32 8.29
4 櫛  田  育  良 184.29 83.59 64.74 6.58 20.86 8.52
5 柴  山      歩 184.28 83.66 62.84 6.58 23.08 8.12
6 奥  野  友莉菜 166.32 85.33 48.03 5.16 19.98 7.82
7 髙  木      謠 166.07 78.19 59.13 5.43 15.06 8.26
8 村  上  遥  奈 163.65 71.33 63.67 1.52 19.37 7.76
9 穂  積  乃  愛 161.47 76.80 50.69 4.04 22.06 7.88
10 和  田  薫  子 158.58 69.75 61.48 -0.84 21.86 7.33
11 清  水  咲  衣 150.89 69.14 59.59 -3.74 19.29 6.61
12 河  野  莉々愛 149.96 67.55 56.34 -0.02 19.27 6.82
13 上  薗  恋  奈 148.99 68.34 59.85 -4.70 20.94 6.56
14 山  田      恵 144.03 63.74 62.94 -7.52 21.22 5.65
15 岡  万佑子 142.99 65.60 52.77 -2.89 20.71 7.80

要素別を見るとPCSは千葉百音選手がトップでした。島田選手が2番目で3番目には6位に入った奥野選手が続きます。ジュニアグランプリ組の後の3人は83点台半ばでほぼ同じ評価です。ジュニアグランプリ組の5選手の中でPCSでジュニアグランプリのいい方の試合も上回った選手は誰もいません。なかなか厳しい評価です。

ジャンプの基礎点は島田麻央選手がトップ。中井亜美選手も肉薄しています。70点を超えるジャンプの基礎点は今シーズンシニアまで含めてもこの二人の他には日本勢では吉田陽菜選手しかいません。3番目が高難度ジャンプがないながらも千葉百音選手が来ます。PCS3位の奥野選手はジャンプの基礎点は低めでした。

ジャンプの加点は島田選手がトップですが、3,4,5位の3人が6点台でそれに続き、5点台も3人います。ここがプラスの選手がたくさんいる試合というのは国際大会でも珍しいくらいなもので、今大会の質の良さを感じられるものでした。

スピンは島田選手がトップで千葉選手が2番目、二人は24点台で世界のトップクラスです。柴山選手が23点台で続きます。

ステップ系要素は千葉選手がトップ。櫛田選手が2位でした。島田選手はショートでミスをしてレベル2になったことでここの要素は伸びていませんでした。

 

○男子シングル 上位24名

Pl Name Nation Total SP FS
1 吉  岡      希 法政大学 209.57 71.84 137.73
2 片伊勢 武 アミン 関西大学 208.22 83.27 124.95
3 佐々木  晴  也 京都大学 207.96 67.31 140.65
4 中  村  俊  介 木下アカデミー 196.92 70.28 126.64
5 中  田  璃  士 MFアカデミー 190.24 63.26 126.98
6 垣  内  珀  琉 ひょうご西宮FSC 180.73 63.39 117.34
7 周  藤      集 MFアカデミー 179.85 60.65 119.20
8 田  内  誠  悟 名東FSC 179.25 51.77 127.48
9 高  橋  星  名 木下アカデミー 179.16 60.79 118.37
10 菊  地  竜  生 目黒日本大学高等学校 178.03 63.92 114.11
11 森  本  涼  雅 木下アカデミー 177.70 57.96 119.74
12 西  野  太  翔 神奈川FSC 170.74 56.37 114.37
13 朝  賀  俊太朗 木下アカデミー 166.06 55.28 110.78
14 名  倉  一  裕 大阪スケート倶楽部 164.78 57.86 106.92
15 花  井  広  人 邦和みなとスケート部 154.34 51.62 102.72
16 佐  藤  和  那 邦和みなとスケート部 153.91 50.58 103.33
17 芳  岡  優  希 LYS 152.83 49.15 103.68
18 大  村  健  太 岡山FSC 150.29 51.81 98.48
19 北  村  凌  大 日本大学 144.31 53.90 90.41
20 小  島  志  凰 浪速中・高スケート部 142.64 48.96 93.68
21 本  田  大  翔 東北高校 139.27 53.89 85.38
22 小田垣      櫻 目黒日本大学高等学校 137.34 49.61 87.73
23 三  原  庸  汰 ノイエス金沢FSC 135.76 49.78 85.98
24 三  島  舞  明 名古屋FSC 133.84 51.28 82.56

優勝は昨シーズン3位の吉岡希選手でした。前年に表彰台に乗った選手が強い、というジンクスというか実績通りというか、その通りに勝ちました。世界ジュニアの代表内定です。ショートで点差がある2位。フリーも中盤以降自分のミスが目立っていたこともあり、滑り終わった時点では優勝はイメージしていなかったようですが、結果としてジュニア最終年で優勝を果たしました。

2位にはショート1位の片伊勢武アミン選手。フリーで崩れてしまい痛い逆転負けです。11.43差は安全圏かと思われたのですがリードを守り切れませんでした。ジュニアグランプリファイナルでリベンジを目指すことになりますし、全日本で世界ジュニアを目指すことにもなります。

3位にはジュニアグランプリ勢に割って入った佐々木晴也選手。フリーは1位の演技。もう少しで優勝までありました。

これで結局表彰台は全員大学生が占めるという珍しい全日本ジュニアになりました。

4位から8位まではジュニアグランプリ組が占めました。全日本進出ラインは179.25 9位の高橋星名選手は0.09差。際どい所で全日本に届きませんでした。(高橋星名選手はノービスでした。8位に入っていても推薦券はありません)

 

○吉岡希選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   -0.57 8.93 -0.571
2 4T+3T   13.70   1.14 14.84 1.143
3 3A   8.00   -0.32 7.68 -0.429
4 FCSp2   2.30   -0.18 2.12 -0.857
5 3Lo   4.90   -1.47 3.43 -3.143
6 3A+1Eu+3S   14.08 X 1.28 15.36 1.571
7 3F!+2Aq+SEQ !F 9.46 X -2.65 6.81 -5.000
8 ChSq1   3.00   0.50 3.50 1.000
9 3Lz   6.49 X 0.00 6.49 0.000
10 CSSp4   3.00   0.00 3.00 0.000
11 CCoSp3V   2.25   0.05 2.30 0.286
  TES   76.68   -2.22 74.46  

吉岡選手はフリーに4回転2本を入れていてこれを2本とも降りました。トリプルアクセルも2本ありどちらも着氷。高難度ジャンプはしっかり決めてきたのですが単独のループでミス、さらに1.1倍のシークエンスで転倒。そこで? というところでミスが重なり、滑り終わったところではいまいちだったな、という印象になっています。ただ、基礎点の高いジャンプが成功していたことでトータルスコアは上に出ました。

基礎点76.68は自身の最高基礎点です。アンダーローテーションも一つもなかったというのが最後に勝ち残った一つの要因とも思います。ただスピンの基礎点で取れていない部分があるのでそこをレベル4に持っていけると1.95基礎点が上がり78.63にまでなります。シニア構成なら基礎点80点に乗ってきて日本のトップで争える水準になってきます。

吉岡選手はジュニアグランプリファイナルが決まっています。ファイナルも混戦なので表彰台さらにはノーミスなら優勝のチャンスもある。優勝すれば来期のグランプリ1枠が入りますし、代表になった世界ジュニアで表彰台でも1枠入って来る。来期はシニアに上がりますので、国際大会で活躍できるスケーターになるか、国内が主な活動場所になるか、この後の2つの大きな大会で決まって来る、勝負のときになりそうです。

 

○男子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 吉  岡      希 209.57 96.67 89.62 1.89 15.93 6.46
2 片伊勢 武 アミン 208.22 106.42 65.19 3.80 24.54 9.27
3 佐々木  晴  也 207.96 96.83 75.23 6.10 22.53 7.27
4 中  村  俊  介 196.92 97.67 83.16 -6.49 18.84 5.74
5 中  田  璃  士 190.24 97.34 63.82 3.76 18.23 8.09
6 垣  内  珀  琉 180.73 91.33 71.45 -2.91 16.09 6.77
7 周  藤      集 179.85 96.52 62.13 -6.94 20.78 8.36
8 田  内  誠  悟 179.25 92.58 59.42 1.53 20.66 6.06
9 高  橋  星  名 179.16 85.33 61.42 3.94 21.45 7.02
10 菊  地  竜  生 178.03 93.24 65.08 -6.46 18.44 7.73
11 森  本  涼  雅 177.70 86.66 65.90 -1.89 21.27 6.76
12 西  野  太  翔 170.74 85.16 62.93 -1.61 20.10 5.16

PCSは片伊勢武アミン選手がダントツでした。2番目が中村俊介選手ですが9点近い差があります。

ジャンプの基礎点は吉岡選手がトップ。中村俊介選手が2番目でこの二人が80点台を出しています。今シーズンの国際大会でジュニアのトップは吉岡希選手の83.29でしたから、吉岡選手は自身のスコアを大きく上回り、中村選手もそれに近いスコアです。一方、片伊勢選手はフリーのミスが大きくここのスコアが伸びませんでした。

ジャンプの加点は佐々木晴也選手がトップ。3位表彰台の原動力となりました。2番目は総合9位の高橋星名選手。もうひと伸びで全日本でしたが・・・。片伊勢選手は3番目。トリプルアクセル以外のジャンプはダウングレードの形で点が削られていたのでGOEはそれほど痛んでいない形でした。

スピンは片伊勢選手が24.54でトップ。これは国際大会で上位に来る水準です。佐々木晴也選手が22点台で2番手。優勝した吉岡選手は15.93で19位でした。

ステップ系要素も片伊勢選手がトップ。周藤集選手が2番目です。吉岡選手は6.46で17番目。スピンステップが伸びていません。片伊勢選手とはスピンステップで11.42もの差があります。ファイナルではここはもう少し何とかしたいところです。

PCSとスピンステップで片伊勢選手が稼ぎ、ジャンプの基礎点で吉岡選手、ジャンプの加点で佐々木選手でしたが、最終的に僅差で吉岡選手が勝った、という全日本ジュニアでした。

 

これで今シーズンの全日本選手権、全エントリー選手が確定しました。グランプリシリーズも終わりましたし、この後はジュニアとシニアのグランプリファイナルに全日本という12月に突入していくことになります。