ヨーロッパ選手権 それぞれの初優勝

昨年までとは全く装いが変わってしまったヨーロッパ選手権。誰が勝っても初優勝。表彰台経験者さえ女子にはいないというすごいシチュエーションでした。そんな中どんな展開するのか? というところでしたが、残念ながら男女ともスコアは今一つ伸びなかったな、と言わざるを得ないかと思います。

 

○男子シングル(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Adam SIAO HIM FA FRA 267.77 96.53 171.24
2 Matteo RIZZO ITA 259.92 86.46 173.46
3 Lukas BRITSCHGI SUI 248.01 79.26 168.75
4 Kevin AYMOZ FRA 240.92 83.75 157.17
5 Deniss VASILJEVS LAT 236.35 84.81 151.54
6 Daniel GRASSL ITA 230.83 77.03 153.80
7 Nika EGADZE GEO 220.65 72.96 147.69
8 Mihhail SELEVKO EST 218.30 73.74 144.56
9 Andreas NORDEBACK SWE 212.95 75.98 136.97
10 Gabriele FRANGIPANI ITA 211.62 77.35 134.27
11 Maurizio ZANDRON AUT 207.68 72.57 135.11
12 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE ESP 205.19 71.65 133.54

男子はフランスのアダムシャオイムファ選手が初優勝となりました。ショートにリードを生かして逃げ切り勝ち。ここ2シーズンで一気に世界の上位に上がってきた印象でしたが、ここで大きなタイトルを掴みました。

2位はフリーはトップのマテオリッツォ選手。2度目のヨーロッパ表彰台で最高位の2位。結果的には4回転トーループを2本しっかり決めていれば逆転優勝出来た試合でしたが、フリーの4回転ループをしっかり決めて2位まで入ってきました。

3位にはスイスのルーカスブリッチギー選手。昨シーズンまではパーソナルベスト225.55というほぼ無名の選手でしたが、今シーズン、チャレンジャーシリーズ2試合で表彰台、ワルシャワカップでは253.66のパーソナルベストを出してヨーロッパのトップ選手の仲間入りをしてきました。1998年2月17日生まれの24歳。男子はこれくらいの年齢になってから上位に上がってくる選手もいます。

フランスのケビンエイモズ選手は4位でした。怪我から回復途上でしょうか。久しぶりに4回転も構成に入れてショートでは成功させてきましたが、他の要素でミスもあり4位。意外とヨーロッパ選手権でもまだ表彰台がありません。チャンスの試合だったと思うのですが届きませんでした。

バシリエフス選手は5位。2年連続の表彰台はならず。コレオノーカウントというなかなか見ないミスというかなんというか、もったいないところもありましたが、そこがカウントされても点数的には足りない。4回転がなかなか決まらないので他をノーミスが求められるのですが今回はうまくいきませんでした。バシリエフス選手が頑張れば、今シーズンの男子はランビエール組がすべて世界を制する、なんて展開もあり得たのですが、宇野選手、島田選手の勢いに続くことは出来ませんでした。

昨年2位で初優勝を狙ったグラスル選手は6位。ショートフリーでクリーンな4回転無し。スコアが伸びてきませんでした。コーチ問題で揺れているようで、今このタイミングでエテリ組はないだろう、と思うのですが、その辺の揺れが演技にも出てしまったのでしょうか。

上記の表には入ってこない順位になってしまいましたが昨シーズン世界選手権4位のクビテラシビリ選手は16位でした。こちらもコーチ問題で移籍して苦労しているでしょうか。モスクワにいたけど国籍はジョージアというあたりも心理的には複雑な部分。今シーズンちょっと成績的にはひどすぎるのですが、世界選手権へ立て直してこられるでしょうか。

 

○アダムシャオイムファ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz   5.90   0.59 6.49 1.000
2 4T+2T   10.80   2.31 13.11 2.333
3 3A   8.00   1.14 9.14 1.556
4 4S   9.70   -1.39 8.31 -1.444
5 4T F 10.45 x -4.75 5.70 -4.889
6 FCCoSp4   3.50   0.65 4.15 1.778
7 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.52 13.29 2.556
8 3F+2T   7.26 x 0.76 8.02 1.333
9 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.333
10 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.111
11 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.778
12 CSSp4   3.00   0.94 3.94 3.111
  TES   80.78   5.71 86.49  

冒頭のルッツはいつも通りの3回転ルッツです。4回転は2種類3本。2回飛ぶジャンプは4回転トーループトリプルルッツトリプルアクセルは1本にするという構成です。トリプルアクセルを2本飛んだのは世界ジュニアくらいで、1本構成が標準です。成功率が低いというほどでもないと思うのですがそういう構成になっています。

それ以外に今回はセカンド3回転が入りませんでした。ショートの4-3はしっかり入らないのですがフリーでセカンド3Tをどう入れていくか、というのも今シーズンの課題になっています。

後半にステップとコレオをつなげるというのは比較的少数派。ステップに自信がある選手が見せ場として持ってくるわけですが、そこでしっかりレベル4取りつつ加点も入り強みを生かしています。

世界選手権で表彰台を目指すにはこのスコアだとまだだいぶ足りません。最低限ノーミスが求められることになるかと思います。

 

○マテオリッツォ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   -3.94 5.56 -4.111
2 4Lo   10.50   1.65 12.15 1.556
3 3F+1Eu+3S   10.10   0.91 11.01 1.667
4 3Lz   5.90   1.10 7.00 1.889
5 CCoSp3   3.00   0.69 3.69 2.444
6 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.333
7 3A+2A+SEQ   12.43 x 2.51 14.94 3.222
8 3T   4.62 x 1.14 5.76 2.778
9 3A+2T   10.23 x 1.83 12.06 2.111
10 CCSp2   2.30   0.13 2.43 0.556
11 FSSp4   3.00   0.64 3.64 2.111
12 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.444
  TES   77.88   9.00 86.88  

フリー1位のリッツォ選手は4回転2種類2本。トーループは決まりませんでしたがループをきれいに決めました。4回転ループをGOEプラスで決めたのは2回目。ヨーロッパ選手権で4回転ループを成功させたのはグラスル選手に次いで2人目です。4回転ループはイタリアのジャンプ? というと日本から見ると少し違和感あるでしょうか。今シーズン4回転ループをGOEプラスで成功させているのは他に宇野昌磨選手、三浦佳生選手がいて、史上最初に4回転ループを成功させたのは羽生結弦さんでもあります。

2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルのみに結果的になりました。4回転トーループを2回飛びたかったはずです。2回飛ぶジャンプが余っていますので最後のコンビネーションはセカンド3回転を付けたいところでもありましたがリカバリーとして余っているコンビネーションをちゃんと2回転でも付けたというのはいいところでもありました。ただ単独3Tのところを4T+3Tできれいに飛べていれば結果的に逆転優勝があったわけで残念でもあるところでした。

 

○男子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Adam SIAO HIM FA 267.77 129.53 95.28 3.54 24.91 15.51
2 Matteo RIZZO 259.92 128.38 91.28 6.41 20.87 12.98
3 Lukas BRITSCHGI 248.01 122.15 86.31 7.15 20.46 12.94
4 Kevin AYMOZ 240.92 129.46 75.35 -1.13 23.71 13.53
5 Deniss VASILJEVS 236.35 125.79 75.20 0.01 25.81 9.54
6 Daniel GRASSL 230.83 117.70 85.67 -4.90 22.75 10.61
7 Nika EGADZE 220.65 106.41 93.15 -6.71 20.72 9.08
8 Mihhail SELEVKO 218.30 112.77 82.45 -7.73 21.20 11.61
9 Andreas NORDEBACK 212.95 108.51 73.11 -2.91 20.93 13.31
10 Gabriele FRANGIPANI 211.62 110.45 85.65 -6.18 19.37 7.33
11 Maurizio ZANDRON 207.68 105.25 80.03 -5.48 17.98 10.90
12 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE 205.19 102.23 74.09 -1.21 19.96 10.12

PCSは優勝したシャオイムファ選手、4位のエイモズ選手とフランス勢がいいスコアを出しています。リッツォ選手がそれに続くスコアです。

ジャンプの基礎点はシャオイムファ選手がトップですが95点台というのはアジアアメリカ勢と比べるとやや落ちると言わざるを得ない部分はあります。ジャンプの基礎点2位はジョージアのニカエガゼ選手でリッツォ選手が3番手です。

ジャンプの加点はブリッチギー選手がトップでした。3位表彰台の原動力はこのジャンプの出来の良さでした。リッツォ選手が2番目でシャオイムファ選手が3番目。ジャンプのGOEがプラスだったのはフリー進出24人で見ると10人いるのですが、トップ12人では4人しかおらず、上位のジャンプの出来が今一つだったと言わざるを得ない今大会です。

スピンは安定のバシリエフス選手がトップ。25.81は今シーズン全体で2番目で、上にあるのは自国ラトビアのB級大会で自身が出した26.12のみ。実質的に今シーズン最高評価のスピンでした。2番目はシャオイムファ選手で24.91は本人比で過去最高のようです。

ステップ系要素はシャオイムファ選手の15.51が頭抜けています。今シーズン全体ではスケートカナダの宇野選手が16.14というすごいスコアを出していますが、それに次いで自分がB級大会で出した15.55というのがあるだけですので、今シーズン2番目のステップ系要素のスコアとなっています。

 

○女子シングル(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Anastasiia GUBANOVA GEO 199.91 69.81 130.10
2 Loena HENDRICKX BEL 193.48 67.85 125.63
3 Kimmy REPOND SUI 192.51 63.83 128.68
4 Ekaterina KURAKOVA POL 186.90 61.81 125.09
5 Nina PINZARRONE BEL 185.92 61.35 124.57
6 Niina PETROKINA EST 183.74 61.05 122.69
7 Janna JYRKINEN FIN 176.96 60.77 116.19
8 Lara Naki GUTMANN ITA 169.29 55.39 113.90
9 Nicole SCHOTT GER 163.82 54.33 109.49
10 Julia SAUTER ROU 160.42 56.58 103.84
11 Sofja STEPCENKO LAT 159.34 55.32 104.02
12 Olga MIKUTINA AUT 159.08 62.78 96.30

優勝したのはジョージアのグバノワ選手でした。千載一遇のチャンスをつかみ取った、と言えるでしょうか。正直なところ、ヘンドリックス選手が圧倒的に強くて、2位か3位というのが戦前の見立てでしたが、結果としてショートフリー共に1位で勝ちました。与えられた条件の中で自分で選択して目の前のチャンスをつかんできている選手と言えるでしょうか。2002年12月生まれの20歳。ロシアで20歳過ぎて活躍できるのはトゥクタミシェワ選手だけ、という世界になっているので、いろいろな意味でいい選択をしてきているということになるのだろうと思います。

ヘンドリックス選手は2位でした。初表彰台ではありますが・・・、大魚を逸した感の方が強いです。グランプリファイナルも周りが崩れながら自身も伸びず3位。チャンスを生かしきれていない状態になっています。世界選手権へ立て直せるかどうか。

3位にはスイスのキミ―レポンド選手が入ってきました。2006年10月生まれの16歳。ぎりぎりシニア券を持っているという世代です。スターイズボーン、とか言われていましたが、今シーズンもジュニアグランプリに出ているジュニアがまだ主戦場の選手。何度か取り上げていますが、昨シーズン世界ジュニア7位で日本の今期のジュニアグランプリ枠を減らした、というのが主な戦績でしたので、ここでチャンピオンシップの表彰台に乗って来るのは驚きでした。フリーほぼノーミス、技術点ではトップの素晴らしい演技でした。

ポーランド代表のクラコワ選手は4位。チャンスはあったのですが表彰台には届かず。昨シーズンは5位。ワールドユニバーシティーゲームズ5位。グランプリ2戦も5位。同にも表彰台が遠いクラコワ選手です。

 

○アナスタシアグバノワ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.10 11.20 1.889
2 2A   3.30   0.61 3.91 1.778
3 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.778
4 3S   4.30   0.86 5.16 2.000
5 FCSp4   3.20   0.91 4.11 2.778
6 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.111
7 3F<< <<  1.98 x -0.77 1.21 -4.222
8 3F+3T   10.45 x 0.98 11.43 1.778
9 2A+2T   5.06 x 0.33 5.39 1.000
10 StSq4   3.90   0.84 4.74 2.222
11 CCoSp4   3.50   0.45 3.95 1.444
12 LSp3   2.40   0.51 2.91 2.111
  TES   56.09   8.22 64.31  

最終滑走、ヘンドリックス選手のスコアが嫌でも聞こえてしまう中でのスタート。ミスなく終えれば優勝が見えているという状況。なかなかプレッシャー掛る局面かと思いますが序盤はそつなくこなしていきました。後半、フリップの大ミスが出て、もう1つはっきりやらかすと危ない、というところでしっかりリカバリー3Tまでつけて逃げ切りました。この公判で付けた3Tでダウングレードの転倒でもしていたら負けでした。リカバリー3Tは見事でしたが、結果として3連続が入ら2Tが1本余った分、200点に届いていません。

2回飛ぶジャンプは3Fと3T ルッツはショートでも単独で入れていますし、極度に苦手ということでもなさそうですが1本にしています。その場合はセカンド3Tはダブルアクセルにでも付けた方が楽そうなのですが、冒頭のルッツに付けてしっかり加点を取りました。

 

○ルナヘンドリックス選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.444
2 2A   3.30   0.90 4.20 2.778
3 3F   5.30   0.83 6.13 1.667
4 2A   3.30   0.85 4.15 2.556
5 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.556
6 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
7 3Lz< F 5.19 x -2.36 2.83 -5.000
8 3F<<+REP F 1.39 x -0.90 0.49 -5.000
9 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.49 8.52 1.111
10 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.889
11 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
12 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.889
  TES   53.21   7.48 60.69  

2転倒でリピートが入りコンビネーションも1つ入らずだとちょっと勝ち切れませんでした。

2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。持っているカードの中でなんとか基礎点を上げていこうという構成なのですが転倒してしまうとどうしても苦しいです。スピンステップはさすがのショートフリーオールレベル4 そこが支えではあるのですが基礎点が53.21にまで下がってしまうとスピンステップだけでは勝ち切れません。

トリプルループなしはヘンドリックス選手にとって通常構成。その中で基礎点を上げていくにはミスは許されない。せっかくのチャンスの試合だったのですが、ショートもフリーもミスが出てスコアが伸びませんでした。

 

○女子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 Anastasiia GUBANOVA 199.91 97.89 59.38 8.41 20.48 13.75
2 Loena HENDRICKX 193.48 100.89 51.83 1.44 26.21 15.11
3 Kimmy REPOND 192.51 88.43 64.94 1.88 23.69 13.57
4 Ekaterina KURAKOVA 186.90 92.98 56.38 0.46 22.98 14.10
5 Nina PINZARRONE 185.92 85.89 64.83 1.68 22.31 11.21
6 Niina PETROKINA 183.74 91.94 52.64 1.89 22.73 14.54
7 Janna JYRKINEN 176.96 81.98 65.57 -3.24 22.31 11.34
8 Lara Naki GUTMANN 169.29 84.51 59.81 -7.14 20.89 11.22
9 Nicole SCHOTT 163.82 84.52 51.74 -4.22 20.82 12.96
10 Julia SAUTER 160.42 79.16 51.78 -2.91 20.99 13.40
11 Sofja STEPCENKO 159.34 73.50 57.83 -0.53 19.72 8.82
12 Olga MIKUTINA 159.08 83.80 48.94 -4.98 22.23 13.09

PCSはただ一人ヘンドリックス選手が100点に届きました。グバノワ選手が97.89の2番手。ここまでが平均8点超えです。レポンド選手はPCS差がまだ大きいですが技術点では全体トップでした。

ジャンプの基礎点は7位だったフィンランドのユルキネン選手がトップです。2007年2月生まれの15歳。ぎりぎりのシニア券を持っている今大会最年少。この辺の世代がジャンプの基礎点が高いという女子シングルの構図がロシアいなくても同じですか、という気分にもなったりはしますが・・・。2番目もぎりぎりシニア券持ちのレポンド選手でした。ヘンドリックス選手はここが51.83だとさすがに苦しいです。

ジャンプの加点はグバノワ選手がとびぬけています。完全にこれが優勝の原動力でした。ジャンプのGOEプラスは上位の6人まででした。

スピンはヘンドリックス選手が突出していて26.21です。これは今シーズン全選手中トップのスコアです。

ステップ系要素もヘンドリックス選手がトップで15.11 今シーズン15点台に乗せたのは5人目で、ISU公認試合ではMKジョンウィルソン杯の三原舞依選手15.46に次ぐ2番目のスコアとなります。

 

ロシア抜きのヨーロッパ選手権。男子は極端に大きな影響ではなく、いても同じような結果だったかもしれませんが、いずれにしてもフェルナンデスさん以降日米勢と勝負できるところになかなか行かないなあ、というのが今大会も出てしまいました。女子はロシアがいないと勢力図が一遍するのですが、その中で勝ったのは結局元ロシアンという何とも言い難い結果に終わりました。

今大会の上位選手はほぼ全員世界選手権に出てくると思われますが、スコアをもうひと伸びさせてくることを期待したいと思います。