ネーベルホルン杯 ジャパンオープン前哨戦?

チャレンジャーシリーズ3戦目、ネーベルホルン杯は日本からは男子のみの派遣となっています。

 

○男子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Adam SIAO HIM FA FRA 279.57 95.17 184.40
2 Kazuki TOMONO JPN 265.78 93.55 172.23
3 Koshiro SHIMADA JPN 247.43 79.57 167.86
4 Lucas BROUSSARD USA 216.10 69.99 146.11
5 Aleksa RAKIC CAN 209.88 65.03 144.85
6 Filip SCERBA CZE 195.58 69.17 126.41
7 Kai JAGODA GER 187.89 63.92 123.97
8 Landry le MAY FRA 181.77 68.77 113.00
9 Davide LEWTON BRAIN MON 163.22 63.50 99.72
10 Euken ALBERDI ESP 129.62 40.90 88.72

フランスのアダムシャオイムファ選手が280点近いスコアを出して圧勝しました。フリーは初の180点台、トータルもパーソナルベスト更新です。シーズン初戦から調子よさそうです。

2位には友野一希選手が入りました。チャレンジャーシリーズの表彰台は初。あまり出ていなかったというのもあるでしょうか。265.78というのはシーズン後半ではありましたが、前半でここまで出したことはないスコアです。まずまず順調にシーズンに入ってきていると思ってよいのでしょうか。

島田高志郎選手は3位に入りました。247.43はパーソナルベスト。昨シーズンは全日本で2位表彰台ながら世界選手権代表を逃しています。今シーズンは国際大会の序盤から結果を積み重ねていきたいところですが、まずは一定の成果を上げました。

 

○アダムシャオイムファ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lz   11.50   3.68 15.18 3.143
2 4T+3T   13.70   2.09 15.79 2.286
3 3A+2A<+SEQ 10.64   -2.88 7.76 -3.571
4 4S   9.70   -0.19 9.51 -0.286
5 4T   10.45 x -2.66 7.79 -2.857
6 3A   8.80 x 0.80 9.60 1.143
7 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.857
8 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 0.94 12.71 1.571
9 FCCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
10 ChSq1   3.00   1.90 4.90 3.714
11 CCoSp4   3.50   0.98 4.48 2.714
12 CSSp4   3.00   0.90 3.90 2.857
  TES   93.46   7.35 100.81  

4回転ルッツをクリーンに決めてきました。実は19年の組別対抗戦で4回転ルッツをGOEプラスで降りてますので初成功ではないのですが、シーズン序盤のこの時点から入れてきて成功させた意味は大きい。ショートでも-1つきましたが降りています。

それによって4回転が3種類4本になりました。基礎点は93.46 これはオータムクラシックでループをミスしたマリニン選手の基礎点88.33を上回ります。スピンステップオールレベル4 ショートではスピンが1つレベル3ありました。

昨シーズンヨーロッパチャンピオンながら世界選手権は12位。4回転を1つ増やして、今シーズンは世界の頂点を見ながらの戦いになるかもしれません。

グランプリシリーズは当然2戦エントリー。まずは地元フランスでマリニン選手と激突します。

 

友野一希選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+2T   10.80   3.04 13.84 3.143
2 4T   9.50   1.33 10.83 1.429
3 2S   1.30   0.10 1.40 0.857
4 3Lo   4.90   0.29 5.19 0.714
5 FCSp4   3.20   0.13 3.33 0.429
6 3A+1Eu+3S   14.08 x 0.80 14.88 0.857
7 3F+2A+SEQ   9.46 x 0.64 10.10 1.286
8 3A   8.80 x 1.76 10.56 2.143
9 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.714
10 CSSp4   3.00   0.60 3.60 2.000
11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
12 CCoSp4   3.50   1.12 4.62 3.286
  TES   75.44   12.71 88.15  

GOEは全要素プラス評価となりましたがノーミスとはいきませんでした。4回転は2種類3本ですがサルコウが2回転に。ショートでは決まっていたのですが、フリーのサルコウ2回転は割とよく見る光景に感じます。冒頭のコンビネーションは3回転付けられそうに見えましたが2回転。ここの4-3率が割と低くて、ショートも4-2だったのですが、セカンド3回転をしっかり付けられると基礎点が上がっていきます。

いままでの、勢いに乗ってさあ行け、みたいなプログラムとは今シーズンのフリーは違うものを用意してきたようで、とても難しいものに感じるのですが、スコア自体はシーズン序盤からある程度高いところまで持ってきました。

次週近畿選手権にエントリーしていますが、シードですしそうでなくても海外派遣との連戦なので免除もらえますしで、出場しない可能性もありますがどうでしょう。さらに翌週のジャパンオープンに出場するはずです。グランプリシリーズは2戦目のカナダから。チャジュンファン選手や山本草太選手、三浦佳生選手といったところと優勝を争う形になりそうです。

 

○島田高志郎選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   1.94 11.64 1.857
2 4T F 9.50   -4.75 4.75 -5.000
3 3A+3T   12.20   1.60 13.80 1.857
4 3F   5.30   1.06 6.36 2.000
5 CCoSp4   3.50   0.77 4.27 2.143
6 StSq3   3.30   0.79 4.09 2.429
7 3A+1Eu+3S   14.08 x 1.44 15.52 1.714
8 3Lz+2A+SEQ   10.12 x -0.12 10.00 -0.286
9 ChSq1   3.00   1.40 4.40 2.714
10 3Lo   5.39 x 0.88 6.27 1.857
11 FCCoSp4   3.50   0.70 4.20 1.857
12 FSSp4   3.00   0.48 3.48 1.571
  TES   82.59   6.19 88.78  

4回転は2種類2本。成功率高めなサルコウは今回もショートフリーと成功させましたが、成功率の低いトーループは転倒となりました。セカンド3回転に3連3サルコウ、シークエンスアクセルとコンビネーションをしっかり使いきって基礎点82.59は友野選手を上回りました。昨シーズンとジャンプの種類は変わっていないのですが、初めて基礎点80点超えとなってきています。PCSがまだ80点しかもらえていませんが、4回転1つ転倒して160点台後半まだ出してきました。シーズン後半にPCSが伸びてきてノーミスすれば180点というところまで見えるようになってきています。

基礎点はステップレベル4にすれば83.19まで上がりますが、このままだとそこが上限です。2回飛んだジャンプはトリプルアクセルだけ。4回転サルコウの2本立てにすることで基礎点を上げていくというのが次の段階になるかと思われます。

昨シーズン全日本2位ですのでシードついていてブロック大会はありません。海外在住でブロック大会に出なくていいのはいいですね、と書こうとしたら次戦はジャパンオープンで結局帰国予定。その後グランプリシリーズは3戦目のフランスで、マリニン選手やアダムシャオイムファ選手に挑みつつ、初表彰台を目指すことになります。

 

○女子シングル

Pl Name Nation Total SP FS
1 Isabeau LEVITO USA 198.79 69.30 129.49
2 Kimmy REPOND SUI 191.94 61.55 130.39
3 Minchae KIM KOR 184.03 62.76 121.27
4 Livia KAISER SUI 169.47 57.72 111.75
5 Alexia PAGANINI SUI 168.96 58.61 110.35
6 Lindsay van ZUNDERT NED 162.52 58.96 103.56
7 Sonja HILMER USA 160.13 51.79 108.34
8 Lorine SCHILD FRA 155.65 46.62 109.03
9 Sara-Maude DUPUIS CAN 145.36 56.62 88.74
10 Linnea KILSAND NOR 143.77 56.58 87.19
11 Julija LOVRENCIC SLO 134.18 43.60 90.58
12 Stefanie PESENDORFER AUT 132.74 51.43 81.31
13 Mariia ANDRIICHUK UKR 121.95 32.62 89.33
14 Gerli LIINAMAE EST 121.08 47.44 73.64

イザボーレビト選手が198.79のスコアで優勝しました。昨シーズンに続いてチャレンジャーシリーズ2勝目です。スピンでレベル4がなかなか取れなかったり、ジャンプのミスも目立ちましたが、それでも問題なく勝ちました。昨シーズン初戦は198.99 今季は198.79 200点に少し届かないところでシーズン始める決まりでもあるのでしょうか、という立ち上がりです。

2位にはスイスのキミ―レポンド選手が入ってきました。昨季はジュニアグランプリシリーズから世界ジュニア世界選手権のはしごをしてきた選手ですが、今期はシーズン通してシニアで戦うようです。レポンド選手もジャパンオープンで来日。グランプリシリーズは3戦目のフランスからになります。

韓国のキムミンチェ選手が3位表彰台。2シーズン前にはジュニアグランプリで190点台を出していましたが、昨季はシーズンベスト161.45と大不振。そこから復活してきたでしょうか、今期は初戦から184.03と高めのスコアを出してきました。グランプリシリーズのエントリーが無く、直近のチャレンジャーシリーズのエントリーも見られないので、次戦は未定です。

 

○イザボーレビト選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   0.71 10.81 1.000
2 2A   3.30   0.99 4.29 2.857
3 3F   5.30   1.06 6.36 2.000
4 2A   3.30   0.66 3.96 2.143
5 CCoSp3V   2.25   0.68 2.93 3.000
6 3Lz+1Eu+3Sq F 11.77 x -2.71 9.06 -4.429
7 ChSq1   3.00   1.40 4.40 2.714
8 3F+2T   7.26 x 0.53 7.79 1.000
9 3Lo< 4.31 x -0.39 3.92 -1.000
10 FCSp3   2.80   0.62 3.42 2.286
11 StSq3   3.30   1.06 4.36 3.143
12 FCCoSp3   3.00   0.78 3.78 2.571
  TES   59.69   5.39 65.08  

昨季はルッツループを入れつつ単独トーループがあるという不思議構成でしたが、今期はまず初戦はルッツトーループのコンビネーションで入ってきています。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。スピンステップでレベル4無しでループ回転不足もありますので、基礎点が60点に届いていませんが、ノーミスオールレベル4なら63.52まで出る構成です。

3連続での転倒は珍しいですが3つ目まで回転十分で跳んでの転倒ならそれほどの痛手でもなく致命傷にはなりませんでした。

次戦はジャパンオープンで来日後、グランプリシリーズはスケートアメリカからになります。

 

チャレンジャーシリーズ4戦目は次週、ネペラメモリアルです。日本からの派遣はなし。男子は韓国のチャジュンファン選手やラトビアのバシリエフス選手などがエントリー。女子も韓国からイ・ヘイン選手にユヨン選手、キムチェヨン選手と送り込み、カナダのマデリンシーザス選手やポーランドのクラコワ選手などと戦う形になります。