22-23 三原舞依

1999年8月22日生まれ

シニア7シーズン目

シーズン獲得賞金:$72,000

世界ランキング:3位

シーズンランキング:5位

シーズンベストスコア 221.18 (4位) ワールドユニバーシティゲームズ

ショートプログラムシーズンベスト 75.60 ワールドユニバーシティゲームズ

フリーシーズンベスト 145.58 ワールドユニバーシティゲームズ

ショートプログラム楽曲:戦場のメリークリスマスより

フリープログラム楽曲:恋は魔術師より

スピンレベル4率 72/75 = 96.0%(国際大会:41/42 = 97.6%)

ステップレベル4率 22/25 = 88.0%(国際大会:13/14 = 92.9%)

スピンオールレベル4 10/12(国際大会::6/7)

スピンステップオールレベル4 8/12(国際大会:5/7)

ジャンプ要素回転不足率 9/127 = 7.09%(国際大会:7/70 = 10.0%)

ジャンプ回転不足なし 6/12(国際大会:3/7)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし4/12(国際大会:2/7)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL げんさんサマーカップ 1 207.61 69.16 138.45
RT 近畿選手権 1 201.48 71.84 129.64
RT 西日本選手権 2 206.58 74.04 132.54
GP MK John Wilson Trophy 1 217.43 72.23 145.20
GP Grand Prix Espoo 1 204.14 73.58 130.56
GPF Grand Prix Final 1 208.17 74.58 133.59
NC 全日本選手権 2 219.93 74.70 145.23
Others World University Games 1 221.18 75.60 145.58
NG 国民体育大会 3 207.11 77.10 130.01
IC Challenge Cup 2 203.23 73.55 129.68
DL アンリシャルパンティエ 1 129.89   129.89
WC World Championships 5 205.70 73.46 132.24
WT World Team Trophy 5 198.06 66.85 131.21

三原選手は昨シーズンに続いてげんさんサマーカップからシーズンを始めました。初戦から207.61のスコアで優勝。今シーズンこそ、というのが見える早い仕上がりです。

チャレンジャーシリーズをなぜか回避。ちょっとそこで心配になったのですが、国内ブロック大会、近畿選手権も200点に乗せて普通に勝ちます。西日本はフリーで逆転されて2位。特に問題はなく全日本に進むわけですが、なんでチャレンジャーシリーズでなかったんだろう??? という疑問もわきました。

国際大会はグランプリシリーズから。西日本選手権起点で全日本まで隔週の5連戦という形になります。11月に入ってからの国際大会初戦、MKジョンウィルソン杯。ショートは僅差の首位。フリーは直前にレビト選手が!はついたものの全要素プラスのノーミス演技でトータル215.74まで出してきます。優勝するためのターゲットスコアは143.52 なんでこういう初優勝チャンスの時に高いハードル来るかなあ、ツキがないんだよな、勝てない流れだなあ・・・、と正直思ってみていたのですが、q1つついたもののノーミス返しで145.20 フリーも1位のスコアでグランプリシリーズ初優勝を果たします。ツキの無さを力でねじ伏せた瞬間でした。

2戦目はフィンランド。ここではショート2位からの逆転優勝。フリーも本人比でそれほどいい演技ではなかったのですが僅差での逆転。なんだか長い努力が報われて運もめぐってきたような、そんな流れになってきたかも、と思わされる試合でした。

2戦2勝でファイナルへ。シーズンベストが上から下まで4.47の間に入るというすごい試合になるのですが、ショートは最終滑走で出てきて全要素全ジャッジプラス評価の74.58 パーソナルベスト更新で2位発進。首位とは1.28差、4位とも2.00差 予想された通りの僅差の試合展開。ところがフリーは1人目からみなミスが目立ってスコアが伸びず。三原選手に来た時点で121.78で表彰台確定、2位以内も122.66で確定できるという楽な展開になりました。ここで出したスコアは133.59 前半良かったのですが、後半はアンダーローテーション1つに2回転になっての転倒1つ 2位以内は確定させたものの、優勝はこのスコアでは厳しい、もったいなかったなあ、勝たせてあげたかったなあ・・・、という滑りだったのですが、最終滑走坂本選手も崩れ、6人の中で1番崩れ方が小さかった三原選手がグランプリファイナルのタイトルを手に入れました。

 

運まで味方に付き始めた三原選手は国際大会無敗で全日本へ。この流れだと普通に滑れば世界選手権代表は固い、あとは初優勝が欲しい、という試合。ショートフリーいい滑りをしてトータル219.93 今季2度目の首位で最後の坂本選手を待つ、というシチュエーションに持ち込みましたが、この試合は坂本選手の勝ち。全日本初優勝はなりませんでした。

年が明けて、それほど休みはなくワールドユニバーシティゲームスへ臨みます。4年ぶりの試合で連覇がかかる試合。ここではショートから75.60のハイスコア。フリーもノーミスで145.58 トータル221.18と220点に乗せて、今季3回目の首位で最終滑走坂本選手を待つシチュエーション。今回は坂本選手にミスが出て三原選手の逆転勝ち。女子では1964年1966年の福原美和さん以来の連覇となりました。

帰国して間1週おいて国体。それ、出なくても・・・、と思いましたが、疲れもあったのかフリーはさえずに3位で終わりました。

久しぶりに1か月試合が空いて、2月終わりにはチャレンジカップで出場。これも最終滑走坂本選手を首位で待つ、というシチュエーションでしたがここは坂本選手の勝ち。今季の国際大会初の敗戦となりました。

3月前半にフリーのみのアンリシャルパンティエ杯を国内でこなして、さて世界選手権。表彰台は高確率で、優勝もあるよ、という立ち位置からのショートは3位スタート。首位の坂本選手は少し離れましたが、2位とは0.16差、4位と0.43差、5位とも1.52差。グランプリファイナルと同じように僅差の展開になります。グランプリファイナルと違ったのはフリーの出来。先に滑ったヘンドリックス選手、レビト選手と1転倒づつありながらもまずまずまとめました。それでも2人残して首位に立つには136.97でいいという状況。ところが、後半2A+3Tでqが付くまではまだよかったのですが、ルッツからのコンビネーションが入らずリピートに、最後にリカバリー付けたいところループが2回転になって3連続にはしたものの、スコアは伸びず132.24 2人残して3位。6年ぶりの世界選手権は6年前と同じ5位ということになりました。

4月に入って今季13試合目、国別対抗戦。ショートフリー共に精彩を欠いた演技だったでしょうか。合計すると198.06で今季初めて200点割れ。ここで200点に乗っていれば、今シーズン、ただ一人、全試合200点超えの選手となれたのですが…、国別はカウントしなくていいですかね。三原選手の長いシーズンが終わりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
げんさんサマーカップ 207.61 110.73 96.88 66.14 5.18 24.38 15.03
近畿選手権 201.48 103.16 98.32 61.32 3.69 23.33 14.82
西日本選手権 206.58 110.52 96.06 66.14 5.44 24.85 14.09
MK John Wilson Trophy 217.43 112.50 104.93 65.13 6.30 25.61 15.46
Grand Prix Espoo 204.14 103.40 100.74 58.27 5.57 24.67 14.89
Grand Prix Final 208.17 107.34 101.83 61.70 6.03 24.84 14.77
全日本選手権 219.93 114.14 105.79 65.81 7.81 25.01 15.51
World University Games 221.18 116.90 104.28 66.14 9.56 25.42 15.78
国民体育大会 207.11 103.23 105.88 62.95 2.57 24.85 12.86
Challenge Cup 203.23 104.51 99.72 62.64 4.42 24.27 13.18
アンリシャルパンティエ 129.89 59.67 70.22 36.50 -0.55 13.82 9.90
World Championships 205.70 102.83 102.87 59.76 2.68 25.08 15.31
World Team Trophy 198.06 97.90 101.16 57.98 0.05 24.52 15.35

トータルスコアは200点台が並びます。高い自力と大崩れしない安定感はありました。

技術点は110点前後。ワールドユニバーシティゲームズの116.90は今シーズン4位です。

PCSは序盤の国内戦とチャレンジカップ以外は100点を超えました。MK John Wilson杯で104.93まで出しました。今シーズン4位です。8.5平均を少し上回るところまで来ています。

ジャンプの基礎点はげんさんサマーカップ、西日本選手権、ワールドユニバーシティゲームズと3試合ある66.14がノーミスの設計になります。高難度ジャンプはないですが、これで全体11位の基礎点構成です。伸びなかった試合では60点を割る試合もありました。

ジャンプの加点はワールドユニバーシティゲームズの9.56が最高。1桁半ばが多いです。9.56は今期7位でした

スピンは24点台が標準でMK John Wilson杯で25.61まで出しました。ここまで出ると全体8位にまでなります。

ステップ系要素はワールドユニバーシティゲームズの15.78がありこれが全体1位です。ISU公認ではMK John Wilson杯の15.46があり、これだと全体2位になります。ステップ系要素で15点台をコンスタントに出せる選手はなかなかいません。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
げんさんサマーカップ 67.36 65.58 66.79 64.52 69.34 63.44
近畿選手権 65.33 60.88 63.74 61.02 68.39 64.49
西日本選手権 67.02 65.58 67.33 66.09 65.10 62.84
MK John Wilson Trophy 70.60 64.59 69.09 68.63 71.27 69.29
Grand Prix Espoo 66.21 57.90 67.59 65.49 68.71 66.25
Grand Prix Final 67.54 61.25 68.53 66.06 68.17 67.04
全日本選手権 71.43 65.26 72.18 66.62 71.50 69.92
World University Games 71.84 65.58 75.76 67.99 72.71 68.82
国民体育大会 67.19 62.47 61.45 66.09 59.57 69.98
Challenge Cup 65.91 62.17 65.24 64.15 61.01 65.50
World Championships 66.73 59.36 61.68 66.86 70.60 67.79
World Team Trophy 64.20 57.62 56.29 64.99 70.78 66.55

偏差値で見ると220点前後出してトータルスコアで70を超えるところまで出しました。

ジャンプの基礎点は65前後まで。高い方ですが突出するようなところまではいきません。

ジャンプの加点はいい時は70台を出してきます。一番悪い時に56.29がありますがこれはお祭り大会。他は偏差値60超えで著しく崩れることはないようです。

スピンは常に60台。いい時は60台後半。

ステップ系要素では偏差値7 0前後がコンスタントに出ています。

PCSは70には届きませんが60台後半まで出ました。

それなりに高めなジャンプの基礎点で高い評価を受けつつステップが得意、苦手な穴になる要素がない、と昨シーズン書きましたが、全く同じことが今回も書けます。

 

22-23シーズン 三原舞依選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートで偏差値を表すとこうなります。安定感があるという割に試合ごとのばらつきが大きく見えますが、これは中心に偏差値50が置いてあるためです。多くの選手は悪い時に偏差値50を割って来る要素が出るのでこういう書き方は出来ないのですが、三原選手はあれだけ試合に出ていても一番悪い要素で56.29なので中心に50を置けます。その結果、ばらつきが大きく見えるグラフになるわけです。

ジャンプの基礎点が全体の中ではいくらか凹んでいるでしょうか。スピンも少し凹む形。ステップが得意な選手はPCSが伸びやすい傾向もあるのですが、三原選手はステップとPCSだとステップの偏差値が高く出る選手になっています。

 

・シーズン最高の基礎点構成

○ワールドユニバーシティゲームス ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.86 4.16 2.571
2 3F   5.30   1.38 6.68 2.571
3 FSSp4   3.00   0.96 3.96 3.143
4 3Lz+3T   11.11 x 1.53 12.64 2.714
5 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
6 StSq4   3.90   1.48 5.38 3.857
7 LSp4   2.70   0.86 3.56 3.143
  TES   32.81   8.47 41.28  

ショートプログラムの最高基礎点は32.81 これを今シーズン9回、国際大会で4回出しています。1.1倍に3Lz+3Tを入れてくることで高い基礎点構成になっています。今シーズン全体で5位の構成となります。昨シーズンまではコンビネーションを1.1倍に入れていませんでした。1.1倍コンビネーションにより0.48基礎点を上げることに成功しています。スピンの構成を変えるとあと0.20基礎点を上げることは可能で、その33.01のところにルナヘンドリックス選手がいます。

この構成は満点の時技術点46.61 PCS加味して86.61満点となります。平均GOE+4.000で技術点43.85ですから、80点までもっていくのもなかなか大変ですが、そのあたりが現実的な最高目標点になるかと思います。

 

○ワールドユニバーシティゲームス フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A+3T   7.50   1.01 8.51 2.571
2 3Lz   5.90   1.42 7.32 2.429
3 3S   4.30   1.03 5.33 2.429
4 3Fq q 5.30   -0.32 4.98 -0.571
5 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.143
7 2A+3T   8.25 x 0.84 9.09 2.000
8 3Lz+2T+2Lo 9.79 x 0.83 10.62 1.286
9 3Lo   5.39 x 0.98 6.37 1.857
10 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
11 ChSq1   3.00   2.10 5.10 4.143
12 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.143
  TES   63.33   12.29 75.62  

フリーの最高基礎点は63.33でした。げんさんサマーカップ、MK John Wilson杯、ワールドユニバーシティゲームズの3試合で出しました。

これは昨シーズンと同じ基礎点ですが構成は変わりました。昨シーズンは冒頭3Lz+3Tだったところが今シーズンは2A+3Tにして負担を軽くしています。ただし、これにより1つ目のルッツは単独になって2つ目にコンビネーション必須となるのですが、この2つ目にコンビネーションを付けられずにリピート扱いになるという事象が世界選手権で起きました。そこも軽くするなら3連続は先にやるという手もあるのですが、そうすると0.30基礎点が下がります。保険として0.30使うのが良いかどうかは何とも言えません。

63.33は全体15位の基礎点になります。

この構成はGOE満点で技術点90.13になります。PCS加味して170.13満点です。平均GOE+4で技術点は84.77まで出ます。160点を出すのは相当厳しくて、150点台半ばくらいまでが現実的に目指せる線化と思われます。

 

○平均GOE3.400以上(国際大会+全日本選手権より)

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
World University Games FS 11 ChSq1   3.00   2.10 5.10 4.143
MK John Wilson Trophy SP 5 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
World University Games SP 5 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
World Team Trophy FS 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
World Championships FS 11 ChSq1   3.00   2.00 5.00 3.889
全日本選手権 FS 11 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.889
World University Games SP 6 StSq4   3.90   1.48 5.38 3.857
MK John Wilson Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.778
World Team Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.778
World Team Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
MK John Wilson Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.667
MK John Wilson Trophy FS 12 FCCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.667
World University Games FS 10 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
Grand Prix Espoo SP 6 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
全日本選手権 SP 6 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
World Championships SP 6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.556
全日本選手権 FS 12 FCCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.556
全日本選手権 FS 10 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.444
Grand Prix Espoo FS 12 FCCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
全日本選手権 SP 7 LSp4   2.70   0.93 3.63 3.444

昨シーズンは平均GOE+4.000以上が1つもなかったのですが今季は複数出てきました。

評価が高いのはコレオとステップ、さらにスピンも入ってきます。

ワールドユニバーシティゲームズのコレオシークエンス、平均GOE+4.143は今シーズンのコレオの最高評価です。世界選手権の3.889だと全体2位タイ、シニアとしては単独1位です。

逆の意味で目立つのは、上記にジャンプが1つも入っていないというのがあります。ジャンプで1番評価が高かったのはアンリシャルパンティ杯のフリー冒頭ダブルアクセルで平均GOE+3.000 国際大会ではジャンプでGOE+3以上の要素は1つもありませんでした。

ジャンプのGOEをもう1段階上げることができれば、ノーミス勝負でも世界チャンピオンが見えてきそうに感じます。

 

○セカンド3回転を含む要素(国際大会+全日本選手権より)

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
MK John Wilson Trophy SP 4 3Lz+3T   10.10   1.60 11.70 2.778
MK John Wilson Trophy FS 2 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.667
MK John Wilson Trophy FS 7 2A+3Tq q 8.25 x -0.36 7.89 -0.778
Grand Prix Espoo SP 4 3Lz+3Tq q 11.11 x 0.17 11.28 0.556
Grand Prix Espoo FS 7 2A+3Tq q 8.25 x -0.18 8.07 -0.556
Grand Prix Final SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.43 12.54 2.444
Grand Prix Final FS 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
Grand Prix Final FS 7 2A+3T< 7.33 x -0.48 6.85 -1.444
全日本選手権 SP 4 3Lz+3Tq q 11.11 X 0.17 11.28 0.222
全日本選手権 FS 7 2A+3T   7.50   0.96 8.46 2.333
全日本選手権 FS 8 3Lz+3Tq q 11.11 X 0.00 11.11 0.111
World University Games SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.53 12.64 2.714
World University Games FS 1 2A+3T   7.50   1.01 8.51 2.571
World University Games FS 7 2A+3T   8.25 x 0.84 9.09 2.000
Challenge Cup SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.30 12.41 2.143
Challenge Cup FS 1 2A+3T   7.50   0.92 8.42 2.286
Challenge Cup FS 7 2A+3T   8.25 x 0.92 9.17 2.286
World Championships SP 4 3Lz+3Tq q 11.11 X 0.00 11.11 0.000
World Championships FS 1 2A+3T   7.50   1.14 8.64 2.778
World Championships FS 7 2A+3Tq q 8.25 X -0.18 8.07 -0.222
World Team Trophy SP 4 2Lz+3T< 6.01 X -0.72 5.29 -2.000
World Team Trophy FS 2 3Lz+3T< 9.26   -0.76 8.50 -1.222
World Team Trophy FS 7 2A+3T< 7.33 X -0.29 7.04 -0.889

シーズン途中から三原選手は3Lz+3Tをショートで、フリーでは2A+3Tを2回という形に構成を組みました。世界選手権でルッツがリピートになったことからか国別対抗戦では3Lz+3Tをフリーに戻してきてもいました。

ショートの3Lz+3Tは成功率高いです。国別対抗戦は2回転になっていますが、それ以外のちゃんとした試合ではqまではありますが基礎点は基本的に満額入っています。

2A+3Tも国別以外では成功率高いです。グランプリファイナルでアンダーローテーション1つありますが他はしっかり基礎点満額入っています。セカンド3回転のコンビネーションで転倒はなく、GOEの大幅マイナスもなく、基礎点満額を確実に取って行けるところが、全体で大崩れすることがない三原選手の強さです。そんな三原選手が国別ではコンビネーションすべてアンダーローテーションですから、よほど疲れていたのだろうと思われます。

試合に出られるありがたみを人一倍感じてしまうのだろうとは思いますが、ちょっと試合過多だったでしょうか。自分で選べるところはともかく、グランプリ2戦入った選手は地方大会は日程関係なく免除、とかいうルール作ってもいいかも、と思ったりもしました。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ FS 8 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 0.79 10.58 1.400
近畿選手権 FS 8 3Lz<+2T+2Lo 8.49 X -0.47 8.02 -1.200
西日本選手権 FS 8 3Lzq+2T+2Lo q 9.79 X -0.47 9.32 -0.714
MK John Wilson Trophy FS 8 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.43 11.22 2.333
Grand Prix Espoo FS 2 3Lz+2T+2Lo   8.90   1.18 10.08 2.000
Grand Prix Final FS 8 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.18 10.97 1.889
全日本選手権 FS 9 3Lo+2T+2Lo   8.69 X 0.63 9.32 1.333
World University Games FS 8 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 0.83 10.62 1.286
国民体育大会 FS 9 3Lo+2T+2Lo   8.69 X 0.49 9.18 1.200
Challenge Cup FS 8 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 0.83 10.62 1.571
アンリシャルパンティエ FS 8 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 1.18 10.97 2.000
World Championships FS 9 2Lo+2T+2Lo   5.17 X 0.07 5.24 0.444
World Team Trophy FS 8 3Lz<+2T+2Lo 8.49 X -0.67 7.82 -1.333

3連続ジャンプはフリーで1回入る要素ですが、13試合で滑って13回要素として出てきました。3連続入らない、というケースが多くの選手では生じるのですが、三原選手はそれもなく、すべてしっかり要素として入っています。

通常は8番目の要素としてルッツから2回転を2つ付けるようですが、入らなかったときにリカバリーで9番目のループに付けることもあるようです。

成功率は高かったのですが、世界選手権ではルッツに付けられず、リカバリーのループからも2回転始まりになりうまくいきませんでした。

安定度は高かったのですが、1番大事な試合で決めきれない。そこがもったいないところではあります。

 

今シーズン、これでもかと試合に出続けた三原選手。最後は疲れもたまっていたでしょうか、失速気味になってしまいましたが、グランプリファイナルという大きなタイトルを手に入れました。オリンピックにこれまで縁がないという結果になってきていますが、試合に出ているシーズンはなんだかんだで結果を出してきています。16-17の4大陸優勝、17-18は4大陸2位表彰台、18-19はユニバーシアード制覇、19-20は全休で20-21もコロナに阻まれましたが、21-22は4大陸で2度目の優勝、22-23はグランプリファイナルにワールドユニバーシティゲームズを獲りました。

次は世界選手権の表彰台、そしてタイトルが欲しい、今シーズンも欲しかったと思いますが、来期はさらにもっと欲しい、となって来るかと思います。