22-23 キムイェリム

2003年1月23日生まれ

シニア4シーズン目

シーズン獲得賞金:$50,000

世界ランキング:6位

シーズンランキング:4位

シーズンベストスコア 213.97 (7位) フィンランディア杯

ショートプログラムシーズンベスト 73.73 ワールドユニバーシティゲームズ

フリーシーズンベスト 143.59 ワールドチームトロフィー

ショートプログラム楽曲:メルシー

フリープログラム楽曲:Summer of 42ほか

スピンレベル4率 46/60 = 76.7%(国際大会 42/54 = 77.8%)

ステップレベル4率 6/20 = 30.0%(国際大会:5/18 = 27.8%)

スピンオールレベル4 2/10(国際大会::2/9)

スピンステップオールレベル4 0/10(国際大会:0/9)

ジャンプ要素回転不足率  14/100 = 14.0%(国際大会:14/90 = 15.6%)

ジャンプ回転不足なし 4/10(国際大会:3/9)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし0/10(国際大会:0/9)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS US International 1 190.64 58.32 132.32
CS Finlandia Trophy 1 213.97 71.88 142.09
GP Grand Prix de France 2 194.76 68.93 125.83
GP NHK Trophy 1 204.49 72.22 132.27
GPF Grand Prix Final 6 180.58 61.55 119.03
NC Korean Championships 2 210.28 71.59 138.69
Others World University Games 3 200.16 73.73 126.43
4CC Four Continents 2 209.29 72.84 136.45
WC World Championships 18 174.30 60.02 114.28
WT World Team Trophy 4 206.24 62.65 143.59

昨シーズンはオリンピックにも出場、4大陸選手権では表彰台にも上り、韓国の中心選手として今シーズンは臨んできます。

シーズン序盤はチャレンジャーシリーズ2試合に登場。初戦のUSインターナショナルは同じ韓国のユヨン選手や日本の河辺愛菜選手と争う試合。ショートでフリップ0点と出遅れたものの、フリーではダブルアクセル組ではなかなかでない64点を超える基礎点構成を演じ切り逆転優勝。シニアの国際大会初タイトルを手に入れます。

2戦目は10月に入ってフィンランディア杯。ここではショートもフリーも何もマークがつかないクリーンシートで213.97 パーソナルベスト更新で2連勝。序盤から好調です。最終的にこの2戦の優勝により、今シーズンのチャレンジャーシリーズ全体のチャンピオンということになりました。以前のルールだと4,000スイスフランの賞金が得られたはずですが、今シーズンは賞金額を確認できていません。

グランプリ2戦は11月に入ってフランスとNHK杯。ショートで68.93の2位スタートからフリーはまさかの2転倒。それでも際どく4位と1.27差、3位と0.42差での2位。グランプリ初表彰台です。

ファイナル賭けた2戦目のNHK杯。2位以内で確定ですが日本の強豪3選手がいるので大変、という状況下、ショートは全要素全ジャッジプラス評価の72.22で2位に4.15差をつけて首位に立つとフリーは最終滑走。2位には120.91でOK、優勝も129.66で届くという状況。ここで2本飛ぶフリップを両方ともミス、何とかシークエンスのリカバリーを入れて技術点はまあまあ稼いだけど際どい勝負、さあどうなるか? ここは日本よ、PCS出る? 大丈夫? という採点待ちからの132.27で逃げ切り優勝。グランプリシリーズ初タイトルを獲得しつつ、ファイナル進出を確定させました。

 

シーズン中盤の山場、グランプリファイナルに初出場。シーズンベスト僅差の6選手が集まったので競った試合が期待されたのですが、ここでショートからアクセル抜けの0点で61.55と蚊帳の外のスコアになってしまい、フリーも立て直せず6位で終わります。

韓国は代表争いが熾烈。ファイナルまで進んだ韓国勢は1人だけですが、そこで調子を落としているのが露呈してしまっていたため、年が明けてのナショナルは大丈夫か? かなり心配な状況になりました。ここでショートは僅差ながら首位で折り返すと、フリーはジュニアの雄シンジア選手に逆転を許したものの2位に入り、無事に4大陸、世界選手権の切符を獲得しました。

 

次は4大陸、と思いきや、韓国ナショナルの翌週のワールドユニバーシティゲームズに臨みます。年明けてからナショナルに出て、ワールドユニバーシティゲームズ、さらに大陸選手権に世界選手権という梯子をしたのは全選手中キムイェリム選手のみです。

ショートで全要素全ジャッジプラス評価で73.73を出しますがこれでも3位。フリーはアンダーローテーション3つにqもあってスコア伸ばしきれずに総合3位。上には三原選手坂本選手、ここは日本が強かったね、という形で終わりました。

4大陸は逆に韓国勢が席巻します。ショートはまたも全要素全ジャッジプラス評価の72.84で首位に立ちます。優勝には138.01が必要となったフリー。前半はこれは勝ちペース、という流れだったのですが、後半に入って1つ目のシークエンスは成功。2つ目に3連続はルッツでアンダーローテーション。ここまでならまだ勝てたのですが、3つ目のサルコウが2回転にダウングレードでほぼ点が入らなかったのが致命傷。136.45は届かず2位。2年連続表彰台ながら、今回は悔しい2位となりました。

 

世界選手権はメダル候補の1人として今回は出場する形になります。滑走順も最終グループの4人目という真打登場みたいな場所でした。ところが冒頭ルッツで転倒。コンビネーションは2回転までしかリカバリーできず60.02の17位と大幅出遅れ。フリーも2本のルッツが決まらず114.28では順位は上がらず総合18位という驚きの結果で終わりました。

 

ここでシーズン終わらず、今シーズンは国別対抗戦に韓国が参戦します。ここでもショートのルッツからのコンビネーションが決められず7位。力的にはもっと上でしかるべきなのですが、ルッツどこ行った状態が世界選手権から続いています。シーズン最後のフリー。ここでようやくルッツからのコンビネーションが2つ目アンダーローテーション付きながらも着氷。以降ミスなく、2本目のルッツも決め、143.59はここにきて涙のパーソナルベスト。世界選手権から苦しかったと思いますが、最後にルッツを取り返して、フリーは3位に入り韓国の総合2位獲得に大きく貢献してシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
US International 190.64 98.17 93.47 60.14 0.98 22.77 14.28
Finlandia Trophy 213.97 113.30 100.67 66.81 10.91 24.08 11.50
Grand Prix de France 194.76 99.40 97.36 62.61 2.22 22.53 12.04
NHK Trophy 204.49 106.01 99.48 65.06 4.88 23.49 12.58
Grand Prix Final 180.58 87.77 93.81 58.24 -3.02 20.58 11.97
Korean Championships 210.28 108.88 101.40 66.81 6.61 21.75 13.71
World University Games 200.16 100.82 99.34 63.93 -0.45 23.19 14.15
Four Continents 209.29 108.30 100.99 61.22 9.54 23.81 13.73
World Championships 174.30 81.97 93.33 47.66 0.33 21.75 12.23
World Team Trophy 206.24 104.39 101.85 61.77 5.23 24.98 12.41

今期200点以上6試合、210点以上2試合ですが、ファイナルと世界選手権で大きく沈むという残念な部分もありました。

技術点は100点台が標準でフィンランディア杯で113.30まで出しました。113.30は今シーズン全体で8位相当のスコアです。

PCSは100点前後。101.85の国別が最高で今シーズン6位にあたります。1項目平均8.5にやや欠ける程度です。

ジャンプの基礎点はフィンランディア杯で66.81まで出しました。今シーズン全体で9位にあたる高い基礎点。トリプルアクセル無し組ではこれが最高基礎点でした。

ジャンプの加点はフィンランディアで10.91と二桁、4大陸でも9.54と高い加点を稼ぎだしています。10.91は全体4位です。

スピンがあまり稼げていません。23点台が標準。国別の24.98が最高でここまで出れば割と高い位置に来て全体12位。レベル4率が80%に満たないので、基礎点から削られることが多く、安定して24点台25点台を出すには至っていないです。

ステップ系要素は12点台が標準です。USインターナショナルで14.28があります。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
US International 61.75 59.73 58.19 59.15 65.96 60.96
Finlandia Trophy 69.46 66.23 78.53 63.52 53.45 66.19
Grand Prix de France 63.11 62.14 60.73 58.35 55.88 63.79
NHK Trophy 66.33 64.53 66.18 61.55 58.31 65.33
Grand Prix Final 58.43 57.87 50.00 51.84 55.56 61.21
Korean Championships 68.24 66.23 69.72 55.74 63.39 66.72
World University Games 64.89 63.42 55.27 60.55 65.37 65.23
Four Continents 67.91 60.78 75.72 62.62 63.48 66.43
World Championships 56.35 47.55 56.86 55.74 56.73 60.86
World Team Trophy 66.90 61.32 66.90 66.52 57.54 67.05

トータルスコアは60台中盤の偏差値です。70には乗りませんでした。

ジャンプの基礎点は60台半ばまで出ます。世界選手権で平均を切ったのは残念でした。

ジャンプの加点はいい時は70台中盤から後半まで。ファイナルで平均値しか出なかったのも残念でした。

スピンは偏差値50台が標準です、国別は66.52まで出ましたが、これを安定して来期出せるようになっているかどうか。

ステップ系要素も偏差値50台が多いですが、いい時は60台半ばまで出ます。レベルと出来が揃えばいいところまでいく。

PCSは60台半ばです。

全体的に60台半ばの偏差値で、ジャンプの加点が稼げるとすごく点が出ます、という構図です。

22-23シーズン キムイェリム選手の要素別偏差値レーダーチャート

割とバランス型でいい時はジャンプの加点が伸びる、と言いたいところですが、スピンやステップもばらつきが大きいです。全部がいい時、というのはそれほどなく、全部が悪い時もたまにありますが、どれかが良くてもどれかはいまいち、みたいな試合が多いようです。2位に入った4大陸選手権も、こうやって見るとジャンプの基礎点は他の試合と比べて低かったようです。全部が揃えば220点台というのがあり得るのでしょうおそらく。

 

・シーズン最高の基礎点構成

○ワールドユニバーシティゲームズ ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   2.12 12.22 3.429
2 2A   3.30   0.79 4.09 2.429
3 FCSp4   3.20   0.83 4.03 2.571
4 3F   5.83 x 1.38 7.21 2.714
5 StSq4   3.90   1.01 4.91 2.714
6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.857
7 SSp4   2.50   0.70 3.20 3.000
  TES   32.33   7.88 40.21  

ショートプログラムの最高基礎点は32.33でした。1.1倍は単独フリップでルッツ-トーループの3-3 あれ、32.53になぜならない? と思ったらシットスピンが入っているからです。これが入るとレイバックスピン比で0.20基礎点下がります。基礎点32.33は今シーズン12位タイにあたります。

1.1倍にコンビネーション入れれば0.48基礎点上がりますが、成功率との兼ね合いになるのだろうと思います。

この構成はGOE満点のときに技術点46.13になりPCS加味すると86.13満点となります。

 

○USインターナショナル フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz!+3T ! 10.10   0.59 10.69 1.000
2 2A   3.30   0.86 4.16 2.571
3 3Lo   4.90   1.08 5.98 2.143
4 3Fq F 5.30   -2.65 2.65 -5.000
5 CCoSp3   3.00   0.42 3.42 1.286
6 3F+2A+SEQ   9.46 x 1.27 10.73 2.429
7 3Lz!+2T+2Lo ! 9.79 x 0.00 9.79 0.000
8 3S   4.73 x 0.69 5.42 1.714
9 FCSp4   3.20   0.77 3.97 2.429
10 StSq4   3.90   1.01 4.91 2.714
11 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.571
12 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.857
  TES   64.18   6.39 70.57  

フリーの最高基礎点は64.18ありました。2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。スピンもレベル4揃えると1番高くなる組み合わせです。ノーミス基礎点は64.68となります。

この基礎点64.18は今シーズン9位にあたります。ダブルアクセル組ではこれより上は1人だけです。昨シーズンはルッツとトーループを2回飛んでいましたので、構成上げて今シーズン臨むことが出来ていたようです。表記したUSインターナショナルではフリップで転倒していますが、シーズン後半、ルッツに苦しんでいた試合でもフリップはしっかり決まっていましたし、精度上がったと感じて2本入れられる構成になったのだろうと思われます。

この構成ですべてレベル4取っての技術点満点は91.68 PCSも加味すると171.68満点となります。平均GOE+3.000で技術点80.88まで出ますので、150点は十分狙える構成です。

 

○平均GOE3.000以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
World Team Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.556
World University Games SP 1 3Lz+3T   10.10   2.12 12.22 3.429
Finlandia Trophy SP 1 3Lz+3T   10.10   1.87 11.97 3.375
Four Continents SP 5 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.333
World Team Trophy FS 12 FCCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.333
Four Continents FS 1 3Lz+3T   10.10   1.94 12.04 3.222
Korean Championships SP 5 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
World Team Trophy FS 5 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.111
NHK Trophy SP 5 StSq3   3.30   1.04 4.34 3.111
World Championships SP 7 SSp4   2.50   0.79 3.29 3.111
Finlandia Trophy FS 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000
Korean Championships FS 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000
Finlandia Trophy FS 6 3F+2A+SEQ   9.46 x 1.59 11.05 3.000
World Team Trophy FS 6 3F+2A+SEQ   9.46 X 1.59 11.05 3.000
Grand Prix de France SP 4 3F   5.83 x 1.59 7.42 3.000
US International SP 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
World Team Trophy SP 5 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.000
World University Games SP 7 SSp4   2.50   0.70 3.20 3.000
US International SP 7 SSp3   2.10   0.63 2.73 3.000

評価が高い要素として3Lz+3Tがよく見られます。コンビネーションでGOE+3以上を出してくる選手はなかなかいません。このコンビネーションが決まらなくなったのですからシーズン後半は苦しかったでしょう。ワールドユニバーシティゲームズの+3.429は今シーズン全体の最高評価3Lz+3Tになります。フィンランディア杯の+3.375はISU公認の今シーズン全体の最高評価です。

さらにフリップ系も+3.000がいくつか出ています。基礎点高いジャンプで高い加点を得られるのは強みです。

 

○3回転-3回転の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
US International SP 1 3Lz!+3T< 9.26   -1.65 7.61 -2.857
US International FS 1 3Lz!+3T ! 10.10   0.59 10.69 1.000
Finlandia Trophy SP 1 3Lz+3T   10.10   1.87 11.97 3.375
Finlandia Trophy FS 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000
Grand Prix de France SP 1 3Lz!+3T ! 10.10   0.25 10.35 0.556
NHK Trophy SP 1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.667
NHK Trophy FS 1 3Lz+3T   10.10   1.43 11.53 2.333
Grand Prix Final SP 1 3Lz!+3Tq ! 10.10   -1.35 8.75 -2.222
Korean Championships SP 1 3Lz+3T   10.10   1.65 11.75 2.714
Korean Championships FS 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000
World University Games SP 1 3Lz+3T   10.10   2.12 12.22 3.429
World University Games FS 1 3Lz!q+3T< 9.26   -2.24 7.02 -3.429
Four Continents SP 1 3Lz+3T   10.10   1.60 11.70 2.667
Four Continents FS 1 3Lz+3T   10.10   1.94 12.04 3.222
World Team Trophy FS 1 3Lz+3T< 9.26   -0.17 9.09 -0.222

高GOEと重複する部分も多くなってしまいますが、キムイェリム選手はショートもフリーも3Lz+3Tを飛んできます。これが世界選手権では決まらず消えてしまいました。グランプリファイナルもフリーで入らず。この要素がショートもフリーもしっかり決まった時にはいい結果が出ています。

10試合で本来20回飛ぶはずだったこの要素から、表記に出てきているのが15回、この中で、アンダーローテーション入っているのが3つ、それ以外にGOEマイナスついているのが1つ。全体で11回の成功なので成功率55%となります。!がついてもGOEプラスなこともあるくらいですので、しっかり決められた時の加点は非常に大きいです。キムイェリム選手の生命線となっています。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
US International FS 7 3Lz!+2T+2Lo ! 9.79 x 0.00 9.79 0.000
Finlandia Trophy FS 7 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 0.98 10.77 1.625
Grand Prix de France FS 7 3Lz!+2T+2Lo ! 9.79 x 0.08 9.87 0.111
NHK Trophy FS 7 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 0.93 10.72 1.556
Grand Prix Final FS 7 3Lz!+2Tq+2Lo< 9.42 x -2.87 6.55 -4.778
Korean Championships FS 7 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.18 10.97 2.000
World University Games FS 7 3Lzq+2T+2Loq q 9.79 x -1.89 7.90 -3.143
Four Continents FS 7 3Lz<+2T+2Lo 8.49 x -0.74 7.75 -1.556
World Championships FS 8 3S+2T+2Lo   8.03 X 0.18 8.21 0.556
World Team Trophy FS 7 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 1.18 10.97 2.000

3連続ジャンプもルッツから飛ぶのが基本です。世界選手権はリカバリーでサルコウから入りました。

3連続は10回飛んでGOEマイナスが3回。成功率7割と見るのがいいか、!が入ってGOE伸びなかった2回は成功していないとみて成功率5割と見るのがいいか。遠目には全部成功に見えるジャンプを飛ぶけれど、採点するときに点が減る、というケースがそれなりにあるようです。

 

シーズン前半は5強の1人、みたいな位置にいましたが、中盤以降その座がイ・ヘイン選手と入れ替わった感じになってしまいました。グランプリファイナルも世界選手権も表彰台チャンスがあった立場。4大陸も優勝があり得ました。そういう意味ではもったいない。ただ、シニアの国際大会で優勝したこともなかった、というのも事実で、グランプリ初優勝もできたし、ファイナルにも進めたし、いいシーズンだったじゃないですか、という見方もできます。

韓国は日本と負けず劣らず代表争いはし烈。現在の韓国主要メンバーの中では最年長です。韓国で二十歳を過ぎて世界のトップで1シーズン戦い続けてきた選手はほとんどいません。キムヨナさんは二十歳になって以降のシーズンはほぼシーズン終盤に顔を出してくるのみでした。若手の突き上げが続く中、来シーズン以降もトップで戦っていけるか。少なくともグランプリシリーズには出てくるはずですので、まずはそこでの活躍を期待したいと思います。