22-23 ジェイソンブラウン

1994年12月15日生まれ

シニア10シーズン目

シーズン獲得賞金:$11,000

世界ランキング:16位

シーズンランキング:33位

シーズンベストスコア 280.04(6位) 世界選手権

ショートプログラムシーズンベスト 95.61 国別対抗戦

フリーシーズンベスト 185.87 世界選手権

ショートプログラム楽曲:Melancholy

フリープログラム楽曲:The Impossible Dream

スピンレベル4率 19/21 = 90.5%(国際大会:14/15 = 93.3%)

ステップレベル4率 6/7 = 85.7%(国際大会:4/5 = 80.0%)

スピンオールレベル4 2/3(国際大会:2/2)

スピンステップオールレベル4 1/3(国際大会:1/2)

ジャンプ回転不足率 1/37 = 2.70%(国際大会:1/27 = 3.70%)

ジャンプ回転不足なし 3/3(国際大会:2/2)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 1/3(国際大会:1/2)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
Others Japan Open 5 163.57   163.57
NC US Championships 2 277.31 100.25 177.06
WC World Championships 5 280.04 94.17 185.87
WT World Team Trophy 4 279.04 95.61 183.43

ジェイソンブラウン選手は初めてグランプリシリーズに出場したのは2013年。それからはや10シーズン。今シーズンはグランプリシリーズは休場するかたちとなりました。

 

10月にジャパンオープンで来日。163.57を出して帰ります。年内はそのまま国際大会には出てきませんでした。

 

年が明けて全米選手権に登場。ショートプログラム、4回転無しで100点に乗せてきます。首位とは10.11差の2位。3位とは14.82差ありますので順当にいけば代表にはなれるという流れです。そのフリーも大きなミスなく滑り177.06 しっかり2位に入り世界選手権の代表権を手に入れます。

 

この4回転時代に4回転無しで挑む世界選手権。ショートプログラムノーミスで94.17まで出して6位。最終グループに入ってきます。フリーも4回転無し構成ながら全要素全ジャッジプラス評価。185.87でパーソナルベスト更新。トータル280.04 首位に立って残り5人を待ちます。最終的に5位。さすがの強さを見せました。

 

もう1試合国別対抗戦。結局今シーズンは全米と日本の試合だけで過ごしたジェイソンブラウン選手です。ショート4位、フリー3位でアメリカの優勝に貢献しました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Japan Open 163.57 72.69 91.88 47.15 2.52 13.02 10.00
US Championships 277.31 135.01 143.30 75.26 15.97 26.65 17.13
World Championships 280.04 137.86 142.18 78.27 16.12 27.83 15.64
World Team Trophy 279.04 135.22 143.82 78.27 12.33 27.55 17.07

トータルスコアはナショナルが1番低くてワールドが1番高いですが、3点以内の差です。4回転無しで安定して滑るとこういうことができるらしいです。

技術点は135点ほど。137.86は今シーズン14位にあたります。決して極端に低いスコアではない技術点を4回転無しで出しています。

PCSは140点台まで出ています。国別対抗戦で143.82 世界選手権の142.18でも今シーズン1位のPCSです。1項目平均9.5程度まで出しています。

ジャンプの基礎点は78.27が2試合。これはさすがに平凡と言わざるを得ません。一方加点の方は16.12まで世界選手権で出しました。今シーズン5位の加点です。

スピンは27点台が2試合と驚異的です。今シーズン1位のスピンでした。

ステップ系要素は国別対抗戦で17.07 これも今シーズン1位になります。世界選手権で15.64なのは珍しくレベルを取りこぼしたせいでした。

ジャンプ以外は1位、というすごい出来でした。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
US Championships 70.56 51.86 77.63 72.11 79.25 76.03
World Championships 71.33 53.79 77.85 76.12 72.01 75.27
World Team Trophy 71.05 53.79 72.39 75.17 78.96 76.39

トータルスコアはすべて70台の偏差値です。

ジャンプの基礎点はさすがに平凡で50台前半にとどまっていますが、加点は70台後半まで出ています。

スピンは普通で70台半ばです。ステップ系要素も70台後半まで出て、PCSも70台半ばです。

ジャンプの基礎点が低いので構成は低いわけですが、加点は大きく稼いでいますので、演技全体の質がものすごくよくできている、というのがこのあたりからもよく見えます。

 

22-23シーズン ジェイソンブラウン選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは、右上凹んだパックマンみたいな形になっています。

これもこれで極端で、あまりある形ではありません。

 

・シーズン最高の基礎点構成

○世界選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3F   5.30   2.12 7.42 4.000
2 3A   8.00   1.49 9.49 1.778
3 CCSp4   3.20   1.01 4.21 3.111
4 3Lz+3T   10.10   1.60 11.70 2.778
5 StSq4   3.90   1.84 5.74 4.667
6 FSSp4   3.00   1.07 4.07 3.444
7 CCoSp4   3.50   1.70 5.20 4.778
  TES   37.00   10.83 47.83  

ショートプログラムは37.00の基礎点でした。4回転無しで1.1倍にコンビネーション、スピンステップオールレベル4です。

この構成はGOE満点の時技術点は53.40となりPCS加味して103.40満点となります。4回転無しでISU公認で100点乗ったら神業です。

 

○国別対抗戦 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A+2A+SEQ   11.30   2.17 13.47 2.778
2 3Aq q 8.00   -3.66 4.34 -4.444
3 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.889
4 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
5 3Lz+3T   10.10   2.44 12.54 4.111
6 3F+1Eu+3S   11.11 X 1.82 12.93 3.444
7 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.556
8 StSq4   3.90   1.95 5.85 4.778
9 2A   3.63 X 0.80 4.43 2.444
10 ChSq1   3.00   2.43 5.43 4.778
11 3F   5.83 X 2.04 7.87 3.889
12 CCSp4   3.20   1.60 4.80 4.889
  TES   71.97   15.59 87.56  

フリーの最高基礎点は71.97でした。4回転無しで2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルフリップ。セカンド3回転、3連サルコウ、シークエンスアクセル、コンビネーションはすべてしっかり点を取れる形になっています。

4回転入れないまま基礎点を上げるには、フリップではなくルッツを2回飛ぶ形にすれば、11番目をそのまま入れ替えるなら0.66基礎点を上げられます。もう少し細かいことをすれば、3連続を3F+2A+2Aにして、3Sを単独にし、3A+2Tのコンビネーションにすれば1.08基礎点を上げることができます。2つ合わせれば73.71の基礎点にまでは出来ます。

あとはトリプルアクセルを後半に持ってくる、というような手段もあるのですが、昨シーズン以前、意外とトリプルアクセルの成功率も高くはなかったですので、そういうことはせずに、この構成で完成度上げる考え方の方が点が出る確率はおそらく高いのだろうと思います

上記の構成でGOE満点の場合、技術点は101.87となり、PCS加味して201.87満点となります。

 

○平均GOE4.200以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
US Championships FS 8 StSq4   3.90   1.95 5.85 5.000
World Team Trophy FS 12 CCSp4   3.20   1.60 4.80 4.889
US Championships SP 5 StSq4   3.90   1.95 5.85 4.889
US Championships SP 7 CCoSp4   3.50   1.75 5.25 4.889
US Championships SP 1 3F   5.30   2.57 7.87 4.778
World Team Trophy FS 10 ChSq1   3.00   2.43 5.43 4.778
World Team Trophy FS 8 StSq4   3.90   1.95 5.85 4.778
World Team Trophy SP 5 StSq4   3.90   1.89 5.79 4.778
World Championships FS 12 CCSp4   3.20   1.55 4.75 4.778
World Championships SP 7 CCoSp4   3.50   1.70 5.20 4.778
US Championships FS 10 ChSq1   3.00   2.43 5.43 4.778
World Championships SP 5 StSq4   3.90   1.84 5.74 4.667
US Championships FS 4 FCCoSp4   3.50   1.65 5.15 4.667
World Team Trophy SP 7 CCoSp4   3.50   1.65 5.15 4.667
US Championships SP 3 CCSp4   3.20   1.51 4.71 4.667
World Championships FS 8 StSq3   3.30   1.46 4.76 4.444
US Championships FS 5 3Lz+3T   10.10   2.70 12.80 4.444
World Team Trophy SP 1 3F   5.30   2.35 7.65 4.444
World Championships FS 10 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.222

今季ほとんど試合に出ていないのに、GOE+4.2以上で拾ってこれだけ並びます。

全米選手権のフリーステップは満点でした。

国別対抗戦のCCSp 足替えのキャメルスピンも9人のジャッジのうち8人が+5を付けて、スコアとしては満点でした。今季の全スピンの中でただ1つのスコア満点要素となっています。

とにかく1つ1つの要素の評価が高いです。

 

トリプルアクセルを含む要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Japan Open FS 1 3A   8.00   -0.80 7.20 -0.800
Japan Open FS 2 3A+2T   9.30   1.87 11.17 2.400
US Championships SP 2 3A   8.00   2.74 10.74 3.444
US Championships FS 1 3A+2T   9.30   2.06 11.36 2.444
US Championships FS 2 3A   8.00   2.40 10.40 3.000
World Championships SP 2 3A   8.00   1.49 9.49 1.778
World Championships FS 1 3A+2A+SEQ   11.30   1.94 13.24 2.556
World Championships FS 2 3A   8.00   1.37 9.37 1.778
World Team Trophy SP 2 3A   8.00   1.03 9.03 1.333
World Team Trophy FS 1 3A+2A+SEQ   11.30   2.17 13.47 2.778
World Team Trophy FS 2 3Aq q 8.00   -3.66 4.34 -4.444

今期は4回転を1つも入れていませんのでトリプルアクセルが1番難しいジャンプとなります。

11回飛んでGOEマイナスが2回、成功率高く決めました。昨シーズン以前はこのトリプルアクセルでミスが出てスコアが伸びないということもよくあったのですが、今期は4回転を飛ばないと最初から決めているためか、安定してトリプルアクセルを決めてきていました。

 

○セカンド3回転の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
US Championships SP 4 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
US Championships FS 5 3Lz+3T   10.10   2.70 12.80 4.444
World Championships SP 4 3Lz+3T   10.10   1.60 11.70 2.778
World Championships FS 5 3Lz+3T   10.10   2.19 12.29 3.556
World Team Trophy SP 4 3Lz+3T   10.10   1.94 12.04 3.333
World Team Trophy FS 5 3Lz+3T   10.10   2.44 12.54 4.111

コンビネーションジャンプはジャパンオープンでは3-3で決まりませんでしたが他の3試合はショートもフリーもしっかり決めていました。評価も高いです。

 

○3連続の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Japan Open FS 6 3F+2A+2T*+SEQ   9.46 X 1.06 10.52 2.000
US Championships FS 6 3F+1Eu+3S   10.10   1.51 11.61 2.889
World Championships FS 6 3F+1Eu+3S   11.11 X 1.59 12.70 2.889
World Team Trophy FS 6 3F+1Eu+3S   11.11 X 1.82 12.93 3.444

3連続はフリー4本すべて高評価で決めています。国別対抗戦の+3.444は今シーズン全体の3連続要素の中で2位の高評価となっています。

 

今シーズンはジャパンオープンに出てグランプリシリーズは休養。全米から出るとは言っていたものの、グランプリシリーズ休んだままいなくなるという選手も割とこれまでいたので、ブラウン選手どうかなあ、と思っていましたがちゃんと全米から出てきました。そして今季はほぼミスなく滑り切りました。完成度は世界一。それにしてもジャパンオープンに世界選手権と国別と、アイスショーと、日本好きすぎなわけですが、来期は世界選手権は日本ではないですし、国別も無し。ちゃんと出てきてくれるかなあ…、と心配だったりします。