22-23 松生理乃

2004年10月10日生まれ

シニア2シーズン目

シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:32位

シーズンランキング:113位

シーズンベストスコア 176.52 (56位) グランプリフランス

ショートプログラムシーズンベスト 59.50 スケートアメリカ

フリーシーズンベスト 118.84 グランプリフランス

ショートプログラム楽曲:Papa Can You Hear Me?

フリープログラム楽曲:Nella Fantasia

スピンレベル4率 35/48 = 72.9%(国際大会:4/9 = 44.4%)

ステップレベル4率 8/14 = 57.1%(国際大会:2/3 = 66.7%)

スピンオールレベル4 1/7(国際大会:0/1)

スピンステップオールレベル4  1/7(国際大会:0/1)

ジャンプ要素回転不足率 14/76=18.4%(国際大会:4/11=36.3%%)

ジャンプ回転不足なし 1/7(国際大会:0/1)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 1/7(国際大会0/1)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
RT 中部選手権 1 192.63 64.70 127.93
GP Skate America - 59.50 59.50  
GP Grand Prix de France 7 176.52 57.68 118.84
DL 愛知県代表選考会 2 62.98 62.98  
NC 全日本選手権 13 179.85 56.01 123.84
IH 全国高等学校総合体育大会 2 180.97 63.07 117.90
NG 国民体育大会 3 169.90 58.64 111.26
DL 愛知県選手権 1 219.00 71.07 147.93
DL 中部日本選手権 1 209.04 69.95 139.09

昨シーズンはシニア1年目で序盤は苦労したものの4大陸選手権では5位に入り、チャレンジカップでは224点まで出しました。そこから更なる飛躍が期待された今シーズンです。

8月の国内ローカルの主要大会には姿を見せず。9月もチャレンジャー派遣あると思っていたのですが出てこずに中部選手権が初戦となりました。192.63は本人比ではそれほど高いスコアなわけでもないですがまずしっかり優勝です。

国際大会はグランプリシリーズ2戦あります。スケートアメリカは見るからに体調悪そうな雰囲気で出てきてコンビネーションのミスが59.50は8位。フリーの巻き返しはまだ十分にできる位置でしたが、そのまま体調不良で棄権となりました。

心配されましたが1週おいてフランスは、まだ本調子ではないと言いながらも出てきました。ショートはジャンプ決まらず転倒もあって9位。フリーも後半苦しみましたがそれでも自力があるので2つ順位を上げて7位、ポイントを獲得しました。

 

国内に戻って愛知県内の試合を1つ消化して全日本へ。何とか一発逆転で上位へ出たいところでしたがショートプログラムはジャンプがことごとく決まらず56.01はまさかの20位スタート。フリーは第1グループになります。さすがにフリーはこの位置にいる選手の中ではレベルが違う。4番滑走ながら最終的にPCSは全体3番目にあたる67.31をもらって123.84 トータル179.85は13位まで順位を上げました。

 

シーズン後半は国際大会の派遣無く国内巡りとなりました。まずはインターハイ。ここではミスがありながらも180点に乗せ、4大陸代表の千葉選手、吉田選手を上回って位2位に入ります。国体はジュニアの部に登場、3位に入りました。

不思議なことに昨年から2月に調子がいい松生選手。今季は2月終わりに愛知県大会があり、そこではショートフリーノーミスで全要素プラス評価。驚きの219.00をマークします。3月の中日カップも大きなミスなく209.04 これくらいの出来がシーズン前半から中盤に出せていたらなあ、という2試合で今シーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
中部選手権 192.63 95.08 97.55 57.89 1.71 21.42 14.06
Skate America 59.50 29.53 30.97 16.52 0.58 7.58 4.85
Grand Prix de France 176.52 83.10 95.42 49.30 -1.92 23.17 12.55
愛知県代表選考会 62.98 32.86 30.12 15.53 1.31 11.65 4.37
全日本選手権 179.85 81.00 98.85 44.71 -1.07 23.03 14.33
全国高等学校総合体育大会 180.97 87.62 94.35 54.30 0.74 23.47 9.11
国民体育大会 169.90 79.09 91.81 47.15 0.88 22.33 8.73
愛知県選手権 219.00 116.60 102.40 65.23 11.28 24.82 15.27
中部日本選手権 209.04 107.16 101.88 64.31 4.83 24.64 13.38

トータルスコアはシーズン中盤の一番点が欲しい時期に沈んでしまいました。176.52から国内参考とはいえ219.00までと幅は非常に広いです

技術点は主要大会で80点台、国体では70点台で終わっていますが、愛知県大会で116.60まで出ています。ここまで出れば世界でもシーズンで5位タイという高い技術点になります。

PCSは国際大会でも95.42までは出ました。全日本で98.85 1項目平均8点前後は出ています。

ジャンプの基礎点は国際大会で49.30まで、全日本では44.71と沈んでいますが、最後の2試合は64点65点まであります。

ジャンプの加点は主要大会では±ゼロ程度でしたが、愛知県大会は11.28とすごい評価を受けました。

スピンは23点台は出ています。最後の2試合は24点台まで出しました。

ステップ系要素は国際大会で12点台、全日本では14点台です。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
中部選手権 62.41 57.53 59.69 54.64 64.97 63.93
Grand Prix de France 57.08 49.15 52.26 60.48 58.17 62.38
全日本選手権 58.18 44.68 54.00 60.02 66.18 64.87
全国高等学校総合体育大会 58.55 54.03 57.70 61.48 64.92 61.60
国民体育大会 54.90 47.06 57.99 57.68 60.78 59.75
愛知県選手権 71.12 64.69 79.28 65.99 70.42 67.45
中部日本選手権 67.83 63.79 66.08 65.39 61.91 67.07

偏差値に直すと主要大会のトータルスコアは50台後半でした。国内参考で70台まで出した試合もあるのですが、これが主要大会で出せればと言ったところ。

ジャンプの基礎点は40台も目立ちました。加点の方は50台が標準です。

スピンは60前後が出ています。ステップ系要素も60台までは普通に出せました。

PCSは国際大会含め60台です。

ジャンプがちゃんと飛べれば高得点出せるのですが…、というシーズンでした。

 

22-23シーズン 松生理乃選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは完全に左寄りです。2試合だけ右側も伸びていますが、それ以外は偏りが大きいです。右上が凹みすぎるとさすがにつらいです。

 

・シーズン最高の基礎点構成

○愛知県選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.79 4.09 2.429
2 3Lz+3T   10.10   1.06 11.16 1.714
3 FCSp4   3.20   0.83 4.03 2.286
4 LSp4   2.70   0.65 3.35 2.286
5 3F   5.83 X 0.74 6.57 1.429
6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.143
7 CCoSp4   3.50   0.98 4.48 2.714
  TES   32.53   6.22 38.75  

主要大会ではなくて愛知県選手権からとってきてしまいましたがショートプログラムの最高基礎点は32.53でした。国際大会では30.13 全日本では21.62となっていました。

1.1倍は単独フリップでルッツからの3-3がありスピンステップオールレベル4で基礎点32.53 普通に上位で勝負できる構成です。

GOE満点の時技術点46.43まで出ますのでPCS加味して86.43満点の構成です。

 

○愛知県選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lo   4.90   1.47 6.37 3.000
2 3Lz+3T+2T   11.40   1.42 12.82 2.429
3 2A   3.30   1.12 4.42 3.571
4 FCCoSp4   3.50   1.19 4.69 3.429
5 2A   3.30   1.19 4.49 3.571
6 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
7 3Lz+3T   11.11 X 1.42 12.53 2.429
8 3F+2T   7.26 X 0.95 8.21 1.714
9 3S   4.73 X 1.12 5.85 2.571
10 ChSq1   3.00   1.90 4.90 3.857
11 CCoSp4   3.50   1.26 4.76 3.714
12 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
  TES   62.60   15.25 77.85  

フリーも国内ローカルですが愛知県選手権から持ってきています。国際大会では47.87 全日本では51.49という基礎点でした。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。スピンは合計基礎点9.70なのでマックス値よりは0.50落ちます。それでも62点台半ばの基礎点はダブルアクセル組としては悪くない基礎点です。今季の坂本選手やヘンドリックス選手より上の基礎点になっていますので、本来は出来栄え次第で十分戦える構成です。

この構成だとGOE満点で技術点88.35になりPCS加味して168.35満点になります。この試合は技術点77.85まで出していましたので、得点率88.1% PCSで平均8.81を出すより大変そうです。

 

○平均GOE3.400以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
愛知県選手権 FS 10 ChSq1   3.00   1.90 4.90 3.857
中部選手権 FS 6 StSq4   3.90   1.43 5.33 3.800
中部日本選手権 FS 11 CCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.800
中部日本選手権 SP 3 FCSp4   3.20   1.17 4.37 3.800
全日本選手権 FS 6 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.778
愛知県選手権 FS 11 CCoSp4   3.50   1.26 4.76 3.714
中部選手権 FS 11 CCoSp4   3.50   1.28 4.78 3.600
国民体育大会 SP 3 FCSp4   3.20   1.17 4.37 3.600
中部日本選手権 FS 6 StSq2   2.60   0.95 3.55 3.600
愛知県選手権 FS 6 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
愛知県選手権 FS 5 2A   3.30   1.19 4.49 3.571
愛知県選手権 FS 3 2A   3.30   1.12 4.42 3.571
愛知県選手権 FS 4 FCCoSp4   3.50   1.19 4.69 3.429
中部日本選手権 SP 6 StSq4   3.90   1.43 5.33 3.400
国民体育大会 FS 10 CCoSp4   3.50   1.17 4.67 3.400
中部選手権 SP 6 StSq3   3.30   1.10 4.40 3.400

残念ながら主要大会であまりいい評価の要素が無かったのでローカル大会含め全大会から持ってきました。

コレオやステップで高評価がありスピンも高い評価があります。ジャンプはダブルアクセルが2本載ってきました。+3.4まではなかなか出ないので、これが主要大会で出るようであれば世界のトップで戦えます。

 

○セカンド3回転を含む要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
中部選手権 SP 5 3Lz+3T< 10.19 X -0.20 9.99 -0.600
中部選手権 FS 7 3Lz+3T<+2T 11.62 X -0.98 10.64 -1.600
中部選手権 FS 8 2S+3T<< <<  2.86 X -0.39 2.47 -2.800
Skate America SP 5 3Lz+3T<< <<  7.92 x -1.85 6.07 -3.222
Grand Prix de France SP 5 3Lz!+3T< 10.19 x -2.95 7.24 -5.000
愛知県代表選考会 SP 5 2Lz+3Tq q 6.93 X -0.74 6.19 -1.833
全日本選手権 FS 2 3Lz!q+3T<+2T ! 10.56   -2.36 8.20 -4.000
全日本選手権 FS 7 3Lz!<+3T<< ! 6.62 X -2.29 4.33 -4.778
全国高等学校総合体育大会 SP 2 3Lz+3T   10.10   0.98 11.08 1.400
全国高等学校総合体育大会 FS 2 3Lz+3Tq+2T q 11.40   -0.59 10.81 -1.000
全国高等学校総合体育大会 FS 6 3Lz+3T< 10.19 X -1.38 8.81 -2.200
国民体育大会 SP 2 3Lz!+3T ! 10.10   0.20 10.30 0.400
愛知県選手権 SP 2 3Lz+3T   10.10   1.06 11.16 1.714
愛知県選手権 FS 2 3Lz+3T+2T   11.40   1.42 12.82 2.429
愛知県選手権 FS 7 3Lz+3T   11.11 X 1.42 12.53 2.429
中部日本選手権 SP 2 3Lz+3T   10.10   1.57 11.67 2.600
中部日本選手権 FS 2 3Lz+3T+2T   11.40   1.18 12.58 2.200
中部日本選手権 FS 7 3Lz+3T< 10.19 X 0.20 10.39 0.400

ショートはルッツからの3-3をシーズン前半は1.1倍で、後半は2つ目の要素で跳んでいました。フリーは2番目の要素でルッツからの3-3-2を入れ、後半のルッツからも3-3というのが狙う構成ですが、うまく入らずにリカバリーで違うものになることもありました。

ショートの1.1倍3-3は結局今シーズンは成功率0%であきらめて2番目の要素に変えた形になっていましたが、インターハイ以降から変えて今度は成功率100%になりました。変えたのがよかったのか単に調子が戻っただけか。

フリーはやはりシーズン前半はうまくいかないことも多かったですが、後半は国体以外は3-3-2が入りました。1.1倍3-3は結局愛知県選手権の1度だけ成功です。

3連続はすべてこの3-3-2で入れたのですが、フリー7回中5回のみでした。GOEプラスの成功ジャンプは2月3月の国内ローカル2戦のみとなっています。

 

今シーズン、自分は移籍していないのに先生が移籍して環境なんか変わったかも、みたいな状態だった松生選手。実力の割にどうにも試合運がない印象がここ数シーズン続いていて、今期もそんな形で終わってしまいました。全日本13位だからとB級大会の派遣も無し。今季の成績、ランキングからすると、来期はグランプリシリーズはなさそうです。これくらいの位置の選手こそB級大会、チャレンジャーシリーズでポイント取っておきたいのですが、その辺の派遣のアンバランスも何とかならないものかと思ったりもします。

来期はゼロから立て直しかとも思いますが、全日本で一発当てれば4大陸くらいまではミニマムもあるので一発復帰できるはずです。それだけの力はあるはずなので、復活を期待したいと思います。