22-23 ルーカスブルサード

2006年6月15日生まれ

ジュニア4シーズン目

シーズン獲得賞金:$9,000

世界ランキング:51位

シーズンランキング:29位

シーズンベストスコア 220.43(44位) JGP Final

ショートプログラムシーズンベスト 81.11 JGP Final

フリーシーズンベスト 140.27 JGP グダンスク

ショートプログラム楽曲:Adios Nonino

フリープログラム楽曲:The Leftovers より

スピンレベル4率 11/24 = 45.8%

ステップレベル4率 3/4 = 75.0%

スピンオールレベル4 0/4

スピンステップオールレベル4 0/4

ジャンプ回転不足率 3/40 = 7.50%

ジャンプ回転不足なし 1/4

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/4

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
JGP JGP Gdansk 1 209.39 69.12 140.27
JGP JGP Egna 1 211.14 74.79 136.35
JGPF JGP Final 2 220.43 81.11 139.32
WJ World Junior 7 209.47 77.01 132.46

ルーカスブルサード選手はジュニア4シーズン目相当。しかし、コロナの影響もあって国際大会の出場は昨シーズンからとなっています。

ジュニアグランプリシリーズは2シーズン目。4戦目のグダンスクから登場でした。ショートは冒頭のトリプルアクセル転倒で69.12 5位ですが首位とも3.10差、射程圏内で折り返します。フリーはトリプルアクセルも無しの安全運転で全要素プラス評価を受けて140.27 トータル209.39 初の200点超え、逆転でジュニアグランプリファイナル初優勝を果たします。

2戦目は最終戦のエーニャに出てきました。4位以内でファイナルへ進めます。ショートは74.79と初めて70点台に乗せて首位で折り返します。フリーはまたもトリプルアクセル無しの安全運転で136.35 トータル211.14と210点を超えるパーソナルベストを出して優勝。2連勝でファイナル進出を決めました。

 

男子ジュニアのファイナルは混戦模様。そんな中ただ一人の2連勝ですのでショートは最終滑走で出てきます。ここでトリプルアクセルをクリーンに決めて81.11 初の80点台に乗せて首位。2位とは1.27差のフリー。117.54以上で表彰台なのでこれは行けそう、優勝するには149.40が必要でこれはパーソナルベストを大きく上回らないといけない。そんな最終滑走、初めてフリーにトリプルアクセルを入れてきましたがqで加点は得られず。後半のルッツもアンダーローテーションとなり、139.32はトータル220.43でパーソナルベストではありましたが届かず2位。惜しい2位でもありました。

 

年が明けて全米選手権はジュニアの部へ出て優勝。初の世界ジュニア代表に選出されます。世界ジュニアは三浦佳生選手という反則級が来てしまいましたが、それでも表彰台のチャンスは十分にある位置にいます。

ショートはトリプルアクセル決まらなかったのですがそれでも他の要素は+2以上の評価をもらって77.01まで出して4位に付けます。3位まで2.45差、2位まで3.55差。十分射程圏にあるフリー。ここで初めて4回転トーループを投入しましたが転倒。これは仕方ないにしても、トリプルアクセルも転倒したのが痛かった。その次のスピンで通常はフライング入るのですがこれが入らなかったことで、後半のスピンが単一姿勢のスピン2回目とされてレベル4取ったのに0点扱い。ミスが重なって132.46でトータル209.47 最終的に7位に終わります。力的には表彰台ありましたし、少なくともアメリカに来季のジュニアグランプリ枠を7×2持って帰りたかったのですが、どちらもできずに終わりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
JGP Gdansk 209.39 102.83 107.56 67.05 6.04 22.08 7.66
JGP Egna 211.14 102.69 109.45 69.13 3.20 21.04 9.32
JGP Final 220.43 107.05 113.38 72.05 4.18 21.13 9.69
World Junior 209.47 99.68 111.79 77.05 -6.41 19.32 9.72

トータルスコアは209.39から220.43と安定しています。

技術点は100点台が出ていますが世界ジュニアだけ100点を割りました。

PCSは4試合とも技術点より高く110点前後。1項目平均7.5をジュニアグランプリファイナルで超えました。

ジャンプの基礎点は4回転を入れた世界ジュニアで77.05まで出ました。加点の方は世界ジュニア以外はプラスをしっかり稼いでいます。

スピンは22点台が最高でステップ系要素は9点台後半まで出ています。9.72あるいは9.69は今シーズンのジュニアで2位のステップです。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
JGP Gdansk 51.41 46.61 63.32 56.58 48.59 51.59
JGP Egna 51.90 47.94 59.23 53.04 64.04 52.88
JGP Final 54.52 49.81 60.64 53.35 66.91 55.57
World Junior 51.43 53.01 45.39 47.20 67.59 54.48

トータルスコアは偏差値50代前半です。平均は超えてきました。

ジャンプの基礎点は50を切っていましたが、4回転1本入れた世界ジュニアは50を超えました。加点の方は逆で世界ジュニアだけ平均割れです。

スピンも世界ジュニアだけ平均割れ。ステップ系要素はレベル2だった初戦は平均割れで残りの3試合はレベル4を取っていてジュニア補正もあって高い偏差値となりました。

PCSも平均は超えています。

 

22-23シーズン ルーカスブルサード選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは初戦とそれ以外でだいぶ傾向が違いますが、どちらかと言うと左寄りなんでしょうか。

 

・シーズン最高の基礎点構成

JGPファイナル ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   1.37 9.37 1.667
2 FCSp4   3.20   0.87 4.07 2.556
3 3Lz+3T   10.10   1.26 11.36 2.111
4 3Lo   5.39 x 1.33 6.72 2.667
5 CSSp3   2.60   0.48 3.08 1.778
6 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.444
7 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
  TES   36.69   7.26 43.95  

ショートの最高基礎点はジュニアグランプリファイナルと世界ジュニアも同じ36.69でした。ルッツからの3-3があり1.1倍は単独ループ。ステップレベル4ながらスピンで1つレベル3があって36.69です。スピンオールレベル4に出来れば37.09になります。コンビネーションを1.1倍に持ってくれば0.52基礎点を上げることができます。

上記の構成でスピンステップオールレベル4でGOE満点のとき、技術点は53.79となりPCS加味して103.79満点となります。

 

○世界ジュニア フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Tq F 9.50   -4.75 4.75 -5.000
2 3Lo   4.90   1.47 6.37 3.000
3 3A< F 6.40   -3.20 3.20 -5.000
4 CSSp2   2.30   0.53 2.83 2.111
5 3F+1Eu+3S   10.10   1.21 11.31 2.444
6 3Lz+3Tq q 11.11 x -0.93 10.18 -1.778
7 2A   3.63 x 0.33 3.96 1.111
8 CSp4* * 0.00   0.00 0.00  
9 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
10 3Lz+2T   7.92 x 0.34 8.26 0.778
11 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.222
  TES   62.36   -2.49 59.87  

フリーは世界ジュニアの62.36が最高でした。4回転1本あります。2回飛ぶジャンプはトリプルルッツだけでした。セカンド3Tをもう1本飛ぶこともできましたし、スピン零点がありますが、4つ目の要素が本来はFCSSpになるはずで、その形でオールレベル4な場合基礎点が3.30基礎点がさらに上がります。トリプルアクセルが回転十分なら1.60基礎点が上がるので、上記構成でノーミスのオールレベル4だと67.26の基礎点になります。

上記の67.26の構成の時GOE満点で技術点は95.71となりPCS加味して195.71満点です。シニアルールでステップ入ってレベル4でGOE満点取れれば、さらに5.85点あがります。

 

○平均GOE2.600以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
World Junior SP 7 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.778
JGP Egna FS 9 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.444
JGP Final FS 9 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.444
World Junior FS 9 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
JGP Egna FS 1 3T   4.20   1.38 5.58 3.333
World Junior FS 2 3Lo   4.90   1.47 6.37 3.000
JGP Gdansk FS 9 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
JGP Final FS 1 3T   4.20   1.26 5.46 3.000
JGP Gdansk FS 1 3T   4.20   1.20 5.40 2.778
World Junior SP 6 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.778
JGP Egna SP 5 CSSp3   2.60   0.71 3.31 2.778
JGP Final SP 7 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
World Junior SP 2 FCSp4   3.20   0.87 4.07 2.667
JGP Egna SP 3 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.667
JGP Final SP 4 3Lo   5.39 x 1.33 6.72 2.667

評価の高い要素はスピンが1ついますが、あとはコレオが目立ちます。コレオはシーズン通じて4回。そのすべてが+3.000以上でここに載っているわけです。コレオは得意要素。年齢を経れば+5が並ぶようなコレオになっていくかもしれません。

 

○4回転トーループ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
World Junior FS 1 4Tq F 9.50   -4.75 4.75 -5.000

今季、フリー冒頭に3回転トーループを置いていたので、どこかで4回転を入れようと準備中なんだろうな、という雰囲気があふれていましたが世界ジュニアで入れてきました。qなので基礎点満額ありますが転倒です。来シーズンの成功をお待ちしております。

 

トリプルアクセル

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
JGP Gdansk SP 1 3A< F 6.40   -3.20 3.20 -5.000
JGP Egna SP 1 3A   8.00   -2.74 5.26 -3.222
JGP Final SP 1 3A   8.00   1.37 9.37 1.667
JGP Final FS 3 3Aq q 8.00   -1.71 6.29 -2.111
World Junior SP 1 3A   8.00   -3.43 4.57 -4.333
World Junior FS 3 3A< F 6.40   -3.20 3.20 -5.000

4回転が入らないのでトリプルアクセルが1番基礎点が高いジャンプなのですが、これも成功率は高くありません。6回飛んでGOEプラスは1度だけでした。

4回転の前にトリプルアクセルの成功率も上げたいところです。

 

○3連続の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
JGP Gdansk FS 5 3F+1Eu+3S   10.10   0.91 11.01 1.667
JGP Egna FS 10 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.43 13.20 2.444
JGP Final FS 5 3F+1Eu+3S   10.10   1.36 11.46 2.444
World Junior FS 5 3F+1Eu+3S   10.10   1.21 11.31 2.444

3連続は4試合とも入りました。エーニャでは5番目の要素で転倒していたためリカバリーで10番目に入っています。4つともGOEプラスで3つ目もちゃんと3回転になって成功しています。これは得点源としてしっかり稼ぎました。

 

今期終わりに17歳になったブルサード選手。今季はジュニアカテゴリーでしっかりと結果を出しました。ただ、世界ジュニアはもったいなかった印象です。4回転はまだなし。トリプルアクセルも確率低い。それでよく220点まで出したな、とも思います。他の要素の評価が高いからこれくらいまで出せるわけで、ジャンプが揃ってくればシニアの上位まで来るでしょうか。まだシニアに上がるには厳しい手ごまに見えるので、ジャンプ揃える姿を来期は見せてもらえればと思います。