JGP イスタンブール ファイナル第一号

ジュニアグランプリシリーズ3戦目はトルコのイスタンブールで行われました。日本からの派遣は男女それぞれファイナルを賭けた2戦目と、国際大会初出場という組み合わせでしたが、全員それぞれしっかりと結果を残しました。

 

○女子シングル 上位12人

Pl Name Nation Total SP FS
1 Ami NAKAI JPN 194.65 67.07 127.58
2 Rena UEZONO JPN 187.71 63.64 124.07
3 Yujae KIM KOR 183.65 65.33 118.32
4 Elyce LIN-GRACEY USA 179.16 59.75 119.41
5 Seojin YOUN KOR 175.77 65.98 109.79
6 Sofja STEPCENKO LAT 157.41 56.78 100.63
7 Anastasia BRANDENBURG SUI 150.36 52.72 97.64
8 Polina DZSUMANYIJAZOVA HUN 150.03 55.26 94.77
9 Uliana SHIRYAEVA CAN 147.27 55.26 92.01
10 Nataly LANGERBAUR EST 145.12 49.29 95.83
11 Olesya RAY GER 142.10 54.98 87.12
12 Noelle STREULI POL 128.90 47.54 81.36

中井亜美選手が2連勝でファイナル進出を決めました。ジュニアグランプリシリーズ通算3勝目です。ショートもフリーもパーソナルベストではないですが1位のスコアで逃げ切りました。

2位には国際大会レビュー戦の上薗恋奈選手が入りました。国際大会デビュー戦の選手がショート1番滑走で出てきてどうなるかと思われましたが全要素プラス評価の4位で折り返すと、フリーでもスコアを伸ばし、国内ベスト183.91からさらにスコアを伸ばして2位に入りました。

3位は韓国のキムユジェ選手。ショート3位から逆転を賭けたフリーはトリプルアクセルを投入してきますがダウングレードで転倒。その後ループでも転倒と崩れましたが、ルッツとフリップが2回入る強構成で基礎点は高く、しっかり3位表彰台は確保しています。今のところ2戦目はもらえていないのですが、韓国ジュニアは再配分する仕組みがあるかどうか? あればファイナルチャンスも出てきます。

 

○中井亜美選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   1.37 9.37 1.444
2 3Lo+2A+SEQ   8.20   1.12 9.32 2.222
3 3Lz+2T   7.20   1.01 8.21 1.556
4 3Lo   4.90   1.05 5.95 2.111
5 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
6 3F!q+1Eu+2S ! 7.81 x -0.98 6.83 -2.000
7 2A   3.63 x 0.52 4.15 1.556
8 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.000
9 FSSp3   2.60   0.67 3.27 2.556
10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444
11 LSp3   2.40   0.69 3.09 2.889
  TES   57.73   9.29 67.02  

トリプルアクセルしっかり成功させました。ISU公認で2回目、国際大会としては4回目の成功です。2回飛ぶジャンプはルッツとループ。セカンド3回転と3連サルコウが2回転になりました。シークエンスアクセルもあるので、この構成は成功すれば基礎点高いのですが、コンビネーションのリカバリーが効かないという難しさもあります。ノーミスなら200点に乗せることが出来てました。

トリプルアクセルの印象が強い選手ですが、今大会はスピンステップPCSのスコアが全体トップでした。スピンは本当はレベル4を揃えたいところでもう1段階上までスコアを出せます。

フリップに!がついています。バンコクの時から今シーズンはショートフリー4回飛んだフリップすべて! 、ついでに国内の木下トロフィーもショートフリーで!付。1つの明確な課題となっています。

ジュニアグランプリシリーズが2戦終わったのでこの先はしばらく国内戦。ブロック大会東京選手権、と思いきやエントリーしませんでした。シードなので出場不要ではあるのですが、少し試合間隔開けたかったのでしょうか。11月の東日本選手権というのもありますが、そこもシードなので出場は必須ではありません。そこもスキップすると、次は全日本ジュニアということになります。

 

○上薗恋奈選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T+2T   11.40   1.77 13.17 2.889
2 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.000
3 2A   3.30   0.75 4.05 2.222
4 2A   3.30   0.85 4.15 2.556
5 FSSp3   2.60   0.63 3.23 2.444
6 3Lzq q 6.49 x -0.34 6.15 -0.444
7 3F!+3T ! 10.45 x 0.08 10.53 0.222
8 3S+2T   6.16 x 0.61 6.77 1.333
9 LSp3   2.40   0.65 3.05 2.667
10 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.556
11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.889
  TES   57.50   8.39 65.89  

ほぼノーミスのフリーでした。ショートと合わせてマイナス評価はルッツ1つだけです。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。3連続を冒頭に入れつつのセカンド3回転2本です。シークエンスアクセルは使わず単独ダブルアクセルを2本入れています。フリップに!が付きましたが出来が良かったのでGOEはプラス側で残りました。今大会ジャンプで得た得点は中井選手を上回って全体トップでした。

力を出し切って結果を出したという試合に見えました。そういう意味ではここから上積みするのはなかなか大変な気もします。

ジュニアデビュー戦で180点台後半まで出してきました。これだけ出せればおそらく全日本までは進めます。今季のジュニアのメンバー的には世界ジュニアの3枠目争いというのが、吉田選手や千葉選手といったシニアに上がった選手との争いという難しい部分もありますが、その候補者に名乗りを上げる試合だったようにも見えました。

次戦は6戦目のポーランドをもらっています。クォンミンソル選手が強いですが、あとは今大会5位のユンソジン選手に日本から和田薫子選手と言ったあたりとの優勝争い。ファイナルのチャンスが十分ある立ち位置になってきたように見受けられます。

 

○男子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Minkyu SEO KOR 231.30 75.67 155.63
2 Rio NAKATA JPN 222.35 73.55 148.80
3 Daiya EBIHARA JPN 207.17 76.10 131.07
4 Konstantin SUPATASHVILI GEO 184.16 61.28 122.88
5 Fedir KULISH LAT 180.85 60.02 120.83
6 Lukas VACLAVIK SVK 180.61 65.04 115.57
7 Elias SAYED SWE 179.56 63.76 115.80
8 Jakub LOFEK POL 178.66 60.78 117.88
9 Kai KOVAR USA 166.30 52.54 113.76
10 Ali Efe GUNES TUR 163.70 60.58 103.12
11 Aurelian CHERVET SUI 163.38 55.66 107.72
12 David BONDAR CAN 163.23 60.30 102.93

男子は韓国のソミンギュ選手がジュニア2シーズン目で初優勝を果たしました。ショートフリー全要素プラス評価。特にフリーは強い勝ち方でした。231.30は本人としてのベストスコアですし、今シーズンここまでの最高スコアです。初戦が5位でしたのでジュニアグランプリファイナルは微妙ですが、昨シーズンは出場できなかった世界ジュニアで日本勢の大きなライバルとなってきそうです。

2位には中田璃士選手。ショート3位からフリーで逆転したかと思われましたが最終滑走のソミンギュ選手に上を行かれて連勝はならず。それでもファイナル進出を決めました。

3位には国際大会初出場、蛯原大弥選手が入りました。ショートノーミスの76.10で首位通過がまず驚き。フリーも大崩れすることなく滑り終わった時点で表彰台を決めました。

二十歳近い選手が活躍することも多い男子のジュニアグランプリシリーズですが、今大会は14歳15歳で表彰台を占めました。

 

○中田璃士選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   2.99 12.49 3.111
2 3A+1Eu+3S   12.80   1.14 13.94 1.222
3 FCSp4   3.20   0.55 3.75 1.778
4 3F   5.30   1.67 6.97 3.111
5 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.889
6 3Lo+2T   6.82 x 1.19 8.01 2.444
7 3T   4.62 x -0.12 4.50 -0.222
8 CSSp4   3.00   0.56 3.56 1.889
9 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
10 3T+1A+SEQ   5.83 x 0.30 6.13 0.778
11 CCoSp2   2.50   0.46 2.96 1.889
  TES   61.47   11.43 72.90  

4回転を2試合連続で成功させました。しかも平均GOE+3.111と高評価。本人比過去最高の4回転トーループとなりました。トリプルアクセルからの3連続も成功。以降も大きなミスは無く滑りました。

2回飛ぶジャンプはループとトーループ。初戦に続いて今回もフリーはルッツなし構成で組んでいます。おや?と思ったのは7番目で単独3Tを飛び、さらに10番目にも3Tからのシークエンスを入れたところ。3回転トーループで始まる要素を入れる選手はなかなか上位にはいません。最後がダブルアクセルのはずがシングルになったのは置くとしても、ダブルアクセルが1つ余る構成です。今大会はその辺を細かく基礎点上げて行っても結果的には届かないスコア差がありましたが、今後を考えるとたぶんその辺が課題になってくるのでしょう。ルッツなし構成はケガを思い浮かばされてちょっと心配ではあるのですが、早くそれが入ってくる構成になってくるとよいと思います。

ファイナル進出が決まってこれからしばらくは国内戦。次戦は2週間後の東京選手権になります。

 

○蛯原大弥選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A< F 6.40   -3.20 3.20 -5.000
2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
3 3F! ! 5.30   0.15 5.45 0.333
4 CCSp3   2.80   0.24 3.04 0.889
5 3Lo< 3.92   -0.72 3.20 -1.667
6 3Lz+2A+SEQ   10.12 x 1.01 11.13 1.556
7 2A+3T   8.25 x 0.24 8.49 0.556
8 FSSp4   3.00   0.73 3.73 2.333
9 3S   4.73 x 0.68 5.41 1.556
10 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.222
11 CCoSp4   3.50   0.40 3.90 1.111
  TES   61.12   1.92 63.04  

蛯原選手はまだ4回転はありません。トリプルアクセルもまだそれほど成功率が高くない中ショートでは決めてきましたがフリーはアンダーローテーションの転倒となりました。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。3連続は予定では7番目のダブルアクセルから入れると申請されていましたが結果としては入りませんでした。要素の表の中では転倒は1つですが、CCSpの後のなんでもないところでの転倒がもう1つあります。

そもそもショートの自己最高スコアが国内で61.92しかなかった選手です。それが国際大会デビュー戦でいきなり76.10という岡島先生も、お前ほんとかよと言う顔をするスコアを出して首位に立ってのフリー。こういう時に大きく崩れる選手が多いのですが、冒頭トリプルアクセル決まらなくても気落ちせずに最後まで滑り切り表彰台確保しました。トータル207.17は国内の最高スコア186.59を大きく上回るパーソナルベストです。

これくらいの構成の選手はトリプルアクセルが不安定な状態でそちらに練習時間が割かれ、ルッツ以下の通常の3回転ジャンプの成功率が下がってステップアウトが多発して点が伸びない、みたいな構図をよく見かけるのですが、フリップの!やループの<はついたものの、全体としてなんとか我慢してよく点が取れていたなあと思います。フリップで!やeが頻発しますが、ルッツの成功率が高いというのが強みかと思います。

次戦は3週間後のポーランドでファイナル進出のチャンスがあるわけですが、その前に2週間後の東京ブロックにエントリーしています。ルール上は東京ブロック免除されるように思われますが、今のところ免除リストには載っていませんでした。

 

次週は早くも折り返しの4戦目。久しぶりのジュニアグランプリ日本開催で大阪となります。

ここまで3戦2勝の女子はいよいよ島田麻央選手が登場。櫛田育良選手も初戦です。地元枠で3枠もっているのでもう1人、ファイナルの可能性を残している髙木謡選手もここに出てきます。

男子は中村俊介選手が登場、ということで今回は木下アカデミー男女のエースが投入される形です。田内誠悟選手に、スケート連盟の強化指定選手にも入っていないのですが愛知みずほ大学穂高校の1年生、三島舞明選手が国際大会デビュー戦として登場してきます。

地元なので3人出場できるのですが、日本から3人出ると表彰台争いが激化するという副作用とはらんでいて、見ている方は楽しいですが出場する選手は大変になります。

初日のリズムダンスと男子ショートだけはまだ多少チケットが残っているようですので、お近くの方は駆けつけていただければと思います