ブダペスト杯 新鋭とベテラン

チャレンジャーシリーズ6戦目、ブダペスト杯が行われました。グランプリシリーズ開幕前ですが日本からの派遣は無しです

 

○男子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Nikolaj MEMOLA ITA 250.37 88.99 161.38
2 Lukas BRITSCHGI SUI 246.12 77.78 168.34
3 Tomoki HIWATASHI USA 223.79 69.16 154.63
4 Mihhail SELEVKO EST 219.18 82.11 137.07
5 Aleksandr SELEVKO EST 217.85 79.93 137.92
6 Vladimir SAMOILOV POL 216.60 75.67 140.93
7 Luc ECONOMIDES FRA 212.91 73.13 139.78
8 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE ESP 205.41 67.93 137.48
9 Kai JAGODA GER 204.62 64.09 140.53
10 Gabriele FRANGIPANI ITA 187.55 63.95 123.60
11 Edrian Paul CELESTINO PHI 184.07 65.21 118.86
12 Dias JIRENBAYEV KAZ 182.64 54.67 127.97

今季すでにチャレンジャーシリーズ3試合目のニコライメモラ選手がチャレンジャーシリーズ初優勝。ここまで2試合はさえない出来だったのですが、今大会はパーソナルベスト更新で250点台に乗せてきました。

2位には昨季大躍進したスイスのブリッチギー選手。ショート出遅れましたがフリーはきっちり滑ってきて2年連続の2位表彰台です。フリー168.34は満足いく出来かとも思いますが、これでもジャンプのミスは複数あります。ショートフリーノーミス並べればグランプリファイナルもあるのかも、という力を付けてきています。グランプリシリーズは3戦目のフランスから。NHK杯もエントリーがあります。

3位にはアメリカの樋渡選手が入りました。19年の世界ジュニア2位以降、めぼしい結果を出せていないのですが、フリーでは3年ぶりに150点台、2年ぶりに4回転トーループをGOEプラスで成功。復調の兆しでしょうか。今期グランプリシリーズのエントリーは無し。この後はチャレンジャーシリーズにもう1試合くらいエントリーしてきそうには感じます。

 

○ニコライメモラ選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lzq q 11.50   -1.15 10.35 -1.000
2 3A+1Eu+3S   12.80   2.24 15.04 2.714
3 3F! ! 5.30   0.11 5.41 0.143
4 3Lo   4.90   0.59 5.49 1.143
5 FCSp4   3.20   0.32 3.52 0.857
6 3Aq q 8.00   -0.64 7.36 -0.857
7 3Lz+3T   11.11 x 1.06 12.17 1.571
8 3Lz+2Aq+SEQ q 10.12 x -0.71 9.41 -1.143
9 CSSp4   3.00   0.48 3.48 1.714
10 StSq3   3.30   0.59 3.89 1.714
11 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.429
12 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
  TES   79.73   4.89 84.62  

メモラ選手、昨シーズンまでは4回転が構成に全く入っていなかったのですが、今期から入れてきました。オータムクラシックではトーループを試していましたがアンダーローテーションの転倒。完成は遠いかと思われたところでフィンランディア杯では4回転ルッツへ変更。ショートフリーとどちらもアンダーローテーションでしたが転倒はせず。それで感触を得たでしょうか、ブダペスト杯ではショートでGOEプラスの成功。フリーでもqながら着氷しました。4回転1種類1本がルッツという珍しい構成になりました。

4回転ルッツは入りましたが1本なので基礎点は79.73 ステップレベル4取れれば基礎点80点台に乗りますが、それでも上位とはまだ少し差があります。

昨季ジュニアグランプリファイナルチャンピオンのメモラ選手は今季がグランプリデビュー。3戦目のフランスからになります。4回転ルッツを引っ提げて上位をかき回す存在になれるでしょうか。

 

○女子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Bradie TENNELL USA 185.84 65.09 120.75
2 Lea SERNA FRA 178.56 62.58 115.98
3 Clare SEO USA 171.94 63.35 108.59
4 Livia KAISER SUI 170.39 62.77 107.62
5 Olga MIKUTINA AUT 169.49 61.48 108.01
6 Nataly LANGERBAUR EST 165.85 54.84 111.01
7 Lorine SCHILD FRA 164.15 61.63 102.52
8 Sara FRANZI SUI 158.67 55.56 103.11
9 Anastasija KONGA LAT 157.37 51.66 105.71
10 Alina URUSHADZE GEO 153.37 50.88 102.49
11 Sofja STEPCENKO LAT 148.19 56.81 91.38
12 Minja PELTONEN FIN 147.32 55.27 92.05

女子はブレイディテネル選手が優勝しました。前週の上海トロフィーに続いて連勝です。ただ、スコアはだいぶ落として180点台半ばになりました。それでもチャレンジャーシリーズ5年ぶり3回目の優勝となっています。

2位にはフランスのリセルナ選手が入りました。今月末に24歳になる選手ですがチャレンジャーシリーズ初表彰台です。パーソナルベストも更新。これまでナショナルや、B級大会では180点台を出したことがありますが、ISU公認試合ではこの178.56がベストとなりました。グランプリシリーズは地元フランスでエントリー。フランス選手権3連覇中。フランスの女子シングルはしばらく活躍が途絶えていますので、グランプリシリーズでの活躍も期待したいです。

昨季世界ジュニア8位のクレアセオ選手が3位に入りました。チャレンジャーシリーズ初表彰台です。10月17日に17歳。レビト選手と同じ世代で今季からシニアに上がることにしたようです。グランプリシリーズスケートアメリカに地元枠でエントリー。これが見込めたからシニアに上がったのでしょうか? 連戦となりますが、上位で戦っていけるでしょうか?

 

○ブレイディテネル選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lzq q 5.90   -0.59 5.31 -1.000
2 3Lo+2A+SEQ   8.20   0.88 9.08 1.857
3 3F   5.30   0.74 6.04 1.286
4 3S   4.30   0.86 5.16 2.000
5 FCCoSp4   3.50   0.98 4.48 2.857
6 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.857
7 2A+3T<< F 5.06 x -1.65 3.41 -5.000
8 3Lz<<+REP F 1.62 x -1.05 0.57 -5.000
9 3Lo+2T   6.82 x -1.27 5.55 -2.714
10 ChSq1   3.00   1.70 4.70 3.286
11 CCSp4   3.20   1.02 4.22 3.143
12 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
  TES   54.30   4.11 58.41  

今シーズンはこれまで3-3無しでショートフリー共に来ています。冒頭ルッツが単独なのも予定通りと思われます。セカンド3回転はダブルアクセルに付けて7トリプルを作る戦術。2回飛ぶジャンプはルッツとループです。ただ、今回は後半で2転倒。スコア的にはこれだと厳しくなります。3連続入っていませんが、最後のループからのところに入れるはずです。今回はステップアウトで3つ目入りませんでした。

連戦で疲れもあったでしょうか、ジャンプはいまいちでしたがさすがのスピンとステップです。スピンはショートフリーで25.76と今回も25点台まで出しました。ステップはショートフリーレベル4 スピンと比べてステップは安定してレベル4を出し続けられる選手は少ないのですが、テネル選手は昨シーズンの復帰後、初戦こそレベル3が2つでしたが、2戦目以降、ナショナル含めて7試合、レベル4を出し続けています。

グランプリシリーズは中国杯NHK杯です。今期のフリーはトゥーランドット。アジア系ではないですが、貫禄のせいでしょうか、割と似合う印象ですので、完成形をお待ちしております。

 

チャレンジャーシリーズの7戦目は少し間をおいて11月1日開幕のデニステンメモリアルです。少し時間があるのでエントリーは不明です。この辺の時期はグランプリシリーズと被るスケジュールになるので、メンバー的には少し手薄になることは予想されます。