東日本選手権 グランプリ組の強さ

先週の西日本選手権に続いて今週は東日本選手権です。当たり前と言えば当たり前なのですが、シニアもジュニアも今期のグランプリ組が強さを見せた試合という形になりました。

 

○男子シングルシニア (上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 佐  藤      駿 エームサービス/明治大学 284.87 97.88 186.99
2 吉  岡      希 法政大学 220.27 82.06 138.21
3 大  島  光  翔 明治大学 191.61 66.33 125.28
4 門  脇  慧  丞 法政大学 190.82 68.28 122.54
5 長谷川  一  輝 東京理科大学 189.94 65.65 124.29
6 北  村  凌  大 日本大学 176.00 65.08 110.92
7 志  賀  海  門 法政大学 158.60 55.97 102.63
8 小田垣      櫻 日本大学 152.72 49.18 103.54
9 佐  藤  由  基 日本大学 151.72 51.69 100.03
10 坪  井  聖  弥 苫小牧市役所 150.06 57.15 92.91
11 矢  島      司 駒場学園高校 148.80 56.27 92.53
12 大  中  惟  吹 東洋大学 146.44 46.66 99.78

男子シニアは佐藤駿選手が貫録の優勝。あれ、なんでいるんだろう? と思いましたがグランプリシリーズの配置の関係で免除もらえておらず出場必須でした。2位に60点以上の大差をつけた圧勝です。

2位にはグランプリ組の吉岡希選手が入りました。3位とは30点近い差がありますが、4回転ではないジャンプのミスが目立っていましたので、たぶんもう少し欲しかっただろうと思います。

3位には昨季の東日本で優勝していた明治大学3年生、大島光翔選手が入りました。全日本は4回目の出場になりますが、10位台中盤の成績が多いので、もう少し上位へ上がって強化指定選手入りを狙いたいという位置になっています。

男子の全日本進出枠は10で免除が2人いますので、8位まえ全日本進出。ボーダーラインは152.72 9位は1点差、10位も2.66差、際どい勝負。社会人スケーター坪井聖弥選手はわずかなところで全日本初出場を逃しました。

 

○佐藤駿選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lz   11.50   3.22 14.72 2.857
2 3A+1Eu+3S   12.80   1.60 14.40 2.143
3 4T+3T   13.70   3.04 16.74 3.286
4 FCSp3   2.80   0.39 3.19 1.571
5 4T   9.50   1.71 11.21 1.857
6 3A   8.80 X 1.92 10.72 2.429
7 3Lo   5.39 X 1.27 6.66 2.714
8 3Lz+2T   7.92 X 0.59 8.51 1.000
9 CSSp4   3.00   0.66 3.66 2.286
10 StSq3   3.30   1.12 4.42 3.429
11 ChSq1   3.00   1.60 4.60 3.286
12 CCoSp4   3.50   0.91 4.41 2.571
  TES   85.21   18.03 103.24  

4回転は2種類3本。ルッツが決まりました。全要素プラス評価。ステップレベル3、スピンは1つレベル3ありますが、他は基礎点削られる部分はありませんでした。ノーミス基礎点86.21の構成です。1.1倍構成がやや弱いのでここをもう少し強くしたいところでしょうか。シークエンスアクセルを入れられていないので、それを8番目の要素で使えれば2.2基礎点を上げられます。ジャンプの天才と煽られる割には4回転の本数が少ないというかトップ選手の中では人並みなので、フリップかサルコウか、もう1本入れて4本にしたいところかと思います。

国内参考ですが280点台に到達しました。次戦はグランプリフィンランド。三浦佳生選手、ケビンエイモズ選手、チャジュンファン選手らに勝って優勝すればファイナルが見えます。2位だと微妙です。

 

○男子シングル シニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Basae J GOE Spin Step
1 佐  藤      駿 284.87 125.50 103.11 18.43 23.43 14.40
2 吉  岡      希 220.27 104.91 80.36 0.37 22.01 12.62
3 大  島  光  翔 191.61 99.43 70.60 -8.67 18.36 11.89
4 門  脇  慧  丞 190.82 100.34 51.23 6.63 19.92 12.70
5 長谷川  一  輝 189.94 94.59 64.28 -1.89 20.65 12.31
6 北  村  凌  大 176.00 95.17 50.32 -2.75 20.42 12.84
7 志  賀  海  門 158.60 81.16 46.87 3.14 18.46 8.97
8 小田垣      櫻 152.72 83.18 45.36 -0.78 16.65 9.31
9 佐  藤  由  基 151.72 86.91 38.80 -3.16 20.19 9.98
10 坪  井  聖  弥 150.06 87.34 42.92 -1.13 11.81 10.12
11 矢  島      司 148.80 83.19 37.29 -1.65 17.96 12.01
12 大  中  惟  吹 146.44 79.85 53.47 -9.04 14.28 8.88

佐藤駿選手はPCSも断トツで125点1項目平均で8.4程度まで出してきています。吉岡選手は7点平均程度です。シニア上位で戦うにはもう少し欲しいところ。

ジャンプの基礎点が佐藤選手は100点を超えました。吉岡選手は4回転がショートフリーで合計3本ありますが、3回転のミスが多く80点ほどになっています。

ジャンプの加点が佐藤選手の今大会のすばらしさを表しています。グランプリ組以外では門脇選手が抜け1回転がいくつかあって基礎点低めですが、飛んだジャンプの出来は良かったということで加点は大きいです。

スピンは佐藤選手が23点台。本人比では上出来です。吉岡選手の22.01は国内外の試合通じて自己最高です。スピンはかなり苦手という印象でしたが、シニアに上がるにあたってジャンプ以外の要素も鍛えてきたという努力の跡が垣間見えます。わずかなところで全日本を逃した坪井選手は11.81 スピンはもともと苦手で10点台半ばくらいのことも多いですが、11.81はさすがにひどく、これが全日本を逃した致命傷となっています。

佐藤選手はステップ系要素で14.40 これは国内外通じて自己最高です。全体的にいい出来で気分よくステップを滑ることができたかと思います。

 

○女子シングル シニア(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 青  木  祐  奈 日本大学 179.40 62.67 116.73
2 江  川  マリア 明治大学 163.72 59.46 104.26
3 石  田  真  綾 立教大学 151.62 49.87 101.75
4 三  枝  知香子 日本大学 143.37 45.08 98.29
5 本  田  真  凜 JAL 142.12 51.84 90.28
6 増  田  未  夢 東洋大学 140.01 50.64 89.37
7 田  邊  桜  香 日本大学 139.41 51.94 87.47
8 平  金      桐 法政大学 138.16 48.41 89.75
9 三  浦  向日葵 仙台泉F.S.C. 133.55 47.47 86.08
10 吉  岡  詩  果 山梨学院大学 130.91 45.45 85.46
11 廣  田  彩  乃 専修大学 130.44 46.32 84.12
12 小  嶋  孝  夏 法政大学 129.43 46.16 83.27

今期グランプリデビューを控える青木祐奈選手が東日本選手権初優勝となりました。スコア的には180点に届かず、それほど伸ばせませんでした。

2位には昨季優勝していた江川マリア選手。ほぼ2強の争いとなった優勝争いでしたがルッツ2本を決められずスコアが伸びずに2連覇はなりませんでした。夏には200点を出している江川選手。全日本での躍進を目指します。

1位2位は昨季と順位が入れ替わっていますが、MFアカデミー勢でワンツーというのは変わらずです。

立教大学1年生の石田真綾選手が3位表彰台。今シーズンからシニアに上がった選手で、これまでは全日本ジュニアの出場経験もなし。今年も東京選手権7位から、初の150点超えでショート6位からうれしい初表彰台、初全日本となりました。

ショート13位から三枝知香子選手が4位に飛び込んで逆転全日本となりました。これで2年連続の全日本。昨季のショート落ちからリベンジでのフリー進出を目指します。

全日本出場枠は5 その5番目にかつての世界ジュニアチャンピオン本田真凜選手が入りました。東京選手権は12位。東日本学生はフリーだけの試合ですが87.02 これは今季は届かないかな、とも思われましたが、ここでぎりぎり踏みとどまっての全日本です。勝負強いというかしぶとい。ホントに勝負強かったら自分が滑ったところで全日本を決めそうなものなのですが、自分が滑ったところでは決められず後続待っての全日本でした。昔からしぶとく勝ち残っていく選手だったような印象ですが、大学生最後のシーズンでもそれが生きたようです。

全日本10位の実績のある吉岡詩果選手は10位。今季不調でしたが復活全日本とはなりませんでした。

全日本進出ラインは142.12 西日本の146.21より少し下ではありますが、同じ140点台水準となりました。

 

○青木祐奈選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+2Lo   7.60   0.59 8.19 1.000
2 2S   1.30   0.00 1.30 0.000
3 2A+1Eu+3F   9.10   1.27 10.37 2.429
4 3T   4.20   0.42 4.62 0.857
5 FCSp4   3.20   0.58 3.78 1.857
6 2A+2T   4.60   0.40 5.00 1.286
7 3Lz< 5.19 X -0.75 4.44 -1.714
8 3F!< ! 4.66 X -2.04 2.62 -4.714
9 CCoSp4   3.50   0.14 3.64 0.571
10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
11 StSq3   3.30   1.12 4.42 3.286
12 LSp4   2.70   0.54 3.24 2.143
  TES   52.35   3.77 56.12  

ルッツループは2回転になりました。2つ目のサルコウも2回転。3連続入ってまずまず立て直しましたが、後半はジャンプが回転不足に。出来はいまいちでしたがそれでも110点台後半までは出ます。演技前に本田真凜選手に5位以内確定を伝えに行ったりしていたそうで、この試合に対してのある種の軽さというか、ここのレベルはもう卒業していますという自信も感じられます。

2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。実は結構な強構成です。ただ、1.1倍の構成が弱いのでノーミスでも基礎点は61.62までになります。難しいジャンプも跳ぶのですが、一般的に難易度が低いとされるジャンプも安定して決まってこないこともあってか、1.1倍にコンビネーションを入れてこられない、もったいないことになっています。

ルッツループがなにかと話題になる青木祐奈選手ですが、3連続の3つ目がフリップというのも特徴的な構成で、なかなか実施者がいません。有名なところでは宇野選手。女子ではクラコワ選手が使うくらいでしょうか。

次戦はいよいよNHK杯。今季ベストはまだ183.14ですが、最初で最後になるかもしれないグランプリシリーズ。昨年の全日本の再現。190点台出しての表彰台争い、はちょっと上3人強くて厳しいかもしれないですが、フリー後半グループでの好演技を期待したいです。

 

○女子シングルシニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Basae J GOE Spin Step
1 青  木  祐  奈 179.40 90.34 53.38 0.88 21.66 13.14
2 江  川  マリア 163.72 80.27 54.37 -1.49 21.31 10.26
3 石  田  真  綾 151.62 69.41 49.50 0.89 21.40 10.42
4 三  枝  知香子 143.37 69.54 44.85 -4.36 21.82 11.52
5 本  田  真  凜 142.12 75.01 39.03 -3.33 20.06 11.35
6 増  田  未  夢 140.01 63.60 51.97 -2.02 18.44 9.02
7 田  邊  桜  香 139.41 68.48 42.94 -2.86 19.66 11.19
8 平  金      桐 138.16 65.34 45.67 -2.11 20.10 10.16
9 三  浦  向日葵 133.55 65.81 39.14 -1.71 19.99 10.32
10 吉  岡  詩  果 130.91 72.26 40.97 -8.49 20.69 10.48
11 廣  田  彩  乃 130.44 63.06 40.35 -1.85 19.01 9.87
12 小  嶋  孝  夏 129.43 64.35 41.05 -3.12 18.19 9.96

PCSは今期グランプリシリーズに出る青木選手が1人だけ90点台。1項目平均7.5ほどまで出しています。2位に江川選手で3番手は本田真凜選手です。

ジャンプの基礎点は江川選手が1位で青木選手が2位。ただ、2人ともいい時は60点台までは出る選手です。ジャンプ基礎点3位は増田選手だったのですがPCSが低く全日本に届きませんでした。逆に本田選手はジャンプの基礎点は全体15位だったのですがPCSでカバーしての全日本です。

ジャンプの加点はプラスになったのが2人、青木選手と3位表彰台の石田選手だけです。ジャンプを次々決めて加点を稼いでいくというのは難しいことなんだな、というのがこういうのを見るたびに思います。

スピンはフリーで追い上げた三枝選手が1位です。上位4人が21点台。江川選手と青木選手はもう少し欲しいところ。

ステップ系要素は青木選手が13点台で1位。これは国際大会レベルです。江川選手はショートレベル3のフリーレベル2 これをも含めGOEは+1台。国際大会で戦うにはもう少しステップもスコアが欲しいところかと思います。

 

○男子シングル ジュニア(上位15名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 西  野  太  翔 神奈川FSC 182.08 54.63 127.45
2 中  田  璃  士 TOKIOインカラミ 179.32 70.07 109.25
3 蛯  原  大  弥 明治神宮外苑FSC 176.90 63.76 113.14
4 森  遼  人 MFアカデミー 166.97 56.60 110.37
5 山  田  琉  伸 早稲田大学 162.13 54.17 107.96
6 菊  地  竜  生 明治大学 161.48 48.91 112.57
7 周  藤      集 ID学園高等学校 157.21 68.02 89.19
8 加  藤  海  里 目黒日本大学高等学校 156.21 53.89 102.32
9 木  村  智  貴 西武東伏見FSC 154.74 55.55 99.19
10 堀  野  伊  織 八戸FSC 152.79 54.17 98.62
11 田  邊  拓  也 西武東伏見FSC 147.99 49.03 98.96
12 武  田  結  仁 新潟県 141.88 47.64 94.24
13 小  山  蒼  斗 仙台泉F.S.C. 138.42 51.89 86.53
14 萩  原  颯  希 KOSE新横浜プリンスFSC 137.53 45.86 91.67
15 田  口  湊  音 渋谷教育学園幕張中学 135.73 42.45 93.28

男子シングルジュニアの優勝は、昨季全日本ノービス2位、今季からジュニアに上がった西野太翔選手でした。ショートでアクセル抜け零点、単独ジャンプも2回転になっての転倒。7位スタートと出遅れたところからの大逆転優勝となりました。

2位にはジュニアグランプリファイナルに出場予定の中田璃士選手。こちらは逆にショート首位から、フリーはアクセル2本が不発でスコア伸ばせず。今期200点を下回る試合は国内外で1度もなかったのですが179.32と大崩れ。もったいない試合でしたが、優勝を逃した以外で失ったものはなく、こんな試合もあるよ、を経験するにはいい試合だったかもしれません。

3位はジュニアグランプリシリーズ2試合で3位表彰台の蛯原大弥選手でした。東京選手権も3位。また3位。なんだか3位づいています。昨季28位だった全日本ジュニアでも3位表彰台なるか。

昨季ジュニアグランプリ2試合に出ていた周藤集選手はフリーで崩れて7位でした。ジャンプ7要素のうち2本しか決まらず。全日本ジュニアには問題なく進めますので、これも体の方が痛い勉強代ということで、ある意味では問題なかったかもしれません。

東日本ジュニアの全日本ジュニア進出枠は10 通過ラインは152.79となり、シニアの全日本進出ラインとほとんど変わらない、という事態になりました。

 

○西野太翔選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   0.32 8.32 0.571
2 3F! ! 5.30   0.11 5.41 0.286
3 3Lz! ! 5.90   -0.12 5.78 -0.429
4 3Lo   4.90   0.88 5.78 1.714
5 FCSp3   2.80   0.39 3.19 1.429
6 CSSp3   2.60   0.26 2.86 1.000
7 3Lz!+1Eu+3Sq ! 11.77 X -1.42 10.35 -2.143
8 3F!+2A+SEQ ! 9.46 X -0.11 9.35 -0.429
9 3Tq+2T q 6.05 X -0.84 5.21 -2.000
10 ChSq1   3.00   1.20 4.20 2.429
11 CCoSp4   3.50   0.56 4.06 1.714
  TES   63.28   1.23 64.51  

西野選手は昨季の終盤、今年の4月からトリプルアクセルを構成に入れてきています。関東選手権ではGOEマイナスでしたがここでは成功させました。ただショートでシングルアクセルになって零点と出遅れた理由は、トリプルアクセル跳ぼうとしたからだと思われますので、まだ安定度はそれほど高いとはいいがたいです。

ルッツとフリップを4回飛ぶのですがすべて!がつく。普通はどちらか1種類が苦手ということが多いのですが、西野選手はどちらも!がつくのがつらいところです。コンビネーションをすべて1.1倍につぎ込むスタイルで、3連3サルコウ、シークエンスアクセルと入りましたが、セカンド3回転は無し。付けられなかったのではなくて、1つ目を3回転トーループ跳んだ時点で2つ目に3回転は跳びすぎになるので入れられません。ダブルアクセル1本余っていますので、2A+3Tに替えれば2.2基礎点を上げることができます。

自己最高スコアは2月にあった全中の185.51 ジュニアと言えどもトップで戦うには200点にまず乗せたいでしょうか。トリプルアクセルを安定してショートフリーで入れられれば200点に乗って来るかと思われます。

 

○男子シングルジュニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Basae J GOE Spin Step
1 西  野  太  翔 182.08 93.25 63.19 -1.49 20.04 8.09
2 中  田  璃  士 179.32 97.09 59.16 0.72 15.38 6.97
3 蛯  原  大  弥 176.90 89.75 62.12 -1.17 19.58 6.62
4 森  遼  人 166.97 86.49 57.92 -3.69 20.74 6.51
5 山  田  琉  伸 162.13 80.84 62.63 -3.96 16.26 6.36
6 菊  地  竜  生 161.48 82.41 61.39 -3.07 15.69 6.06
7 周  藤      集 157.21 88.76 59.32 -13.75 17.89 7.99
8 加  藤  海  里 156.21 80.59 52.24 -1.89 18.75 6.52
9 木  村  智  貴 154.74 82.18 53.83 -5.33 17.70 6.36
10 堀  野  伊  織 152.79 78.93 47.03 2.26 18.51 6.06
11 田  邊  拓  也 147.99 80.35 43.52 -0.53 19.14 6.51
12 武  田  結  仁 141.88 74.08 55.72 -6.71 14.43 6.36

PCSはジュニアグランプリファイナルへ進む中田選手が1位。1項目平均6.5程度となっています。ジュニアグランプリ経験組が基本的には高い扱いになっています。

ジャンプの基礎点は西野選手が1位。60点台前半で上位に入ります。中田選手は4回転持ちですがジャンプミスがフリーは多くて基礎点からだいぶ欠けました。

ジャンプの加点はプラスになったのは全体で2人だけ。10位の堀野選手が+2.26で1位。これが全日本ジュニアのボーダーラインを超える原動力となりました。中田選手は基礎点欠けるミスが多かったこともあって、GOEはプラス側で残っています。

スピンは森遼人選手が20.74で1位。中田選手はスピンもVがショートフリーで1つづつついていたりして点が取れず。スピンだけでもしっかりできていれば優勝していました。

ステップは西野選手のみ8点台でした。

 

○女子シングル ジュニア(上位15名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 髙  木      謠 東京女子学院 175.61 64.81 110.80
2 奥  野  友莉菜 駒場学園高校 158.94 57.03 101.91
3 中  尾      歩 埼玉アイスアリーナFC 157.65 57.30 100.35
4 岩  本  愛  子 白鳥FSC 154.75 51.18 103.57
5 岡  万佑子 ROYCE' F・S・C 149.05 57.77 91.28
6 今  関  友梨香 MFアカデミー 142.02 54.15 87.87
7 千  葉  美乃花 埼玉栄高校 137.52 42.83 94.69
8 入  江  美  友 Mエイトクラブ 132.76 41.18 91.58
9 北  見      奏 MFアカデミー 132.01 48.24 83.77
10 宮  本  琉  花 白鳥T・FSC 130.62 42.78 87.84
11 瀬  川  穂  乃 仙台FSC 130.35 43.46 86.89
12 穂  積  乃  愛 駒場学園高校 129.19 40.24 88.95
13 前  田  悠  名 東京女子学院 128.41 49.31 79.10
14 岡  本  真  綸 法政大学 126.33 44.27 82.06
15 吉  田  茉  優 明治神宮外苑FSC 123.94 46.09 77.85

女子ジュニアの優勝はジュニアグランプリシリーズ表彰台も経験した髙木謠選手でした。このメンバーだとちょっと抜けていた、という結果でした。

2位には昨季全日本ジュニア6位の奥野選手が入ってきています。170点台も出したことのある選手ですので、158.94は本人としてはもう少し欲しかったかもしれません。

3位には関東選手権優勝の中尾歩選手が入ってきました。157.65は自己最高スコア。関東選手権で決めた3Lz+3Tが今回はセカンドアンダーローテーションとなりましたが、ショートの大幅自己ベスト更新の貯金を活かして表彰台を確保しました。

東日本から全日本ジュニアへの進出枠は11でした。ボーダーラインは130.35 1.16の僅差が運命の分かれ道となりました。

なお、中井亜美選手は欠場しましたが、昨季の全日本表彰台によりシードを持っていますので特に問題ありません。

 

○髙木謡選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+2T   7.20   0.59 7.79 0.857
2 2A+3Tq q 7.50   -0.17 7.33 -0.429
3 3Fe e 4.24   -0.51 3.73 -1.429
4 FSSp4   3.00   0.60 3.60 2.143
5 2S<< <<  0.40   -0.20 0.20 -5.000
6 3Lzq q 6.49 X -0.71 5.78 -1.143
7 FCCoSp3   3.00   0.60 3.60 2.000
8 3Lo   5.39 X 0.59 5.98 1.571
9 ChSq1   3.00   1.20 4.20 2.429
10 3T+2A+SEQ   8.25 X 0.59 8.84 1.429
11 CCoSp4   3.50   0.84 4.34 2.429
  TES   51.97   3.42 55.39  

ルッツからのコンビネーションはセカンド2回転としています。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループトーループダブルアクセルからのセカンドと、シークエンスアクセルを後ろに付ける1つ目という、同じ種類の入れ替わりで跳んでいます。

中盤、フリップにeが付き、サルコウは抜けて入らず。国際大会ではフリップは!までで収まっていたのですが、国内では結構eが付きます。上記構成のノーミス基礎点は57.43ですが、3連続が入っていません。どこに3連続入れたいのかよくわからないのですが、最後のシークエンスに2Tあるいは2Loを付けたいのかと想像されます。2Tまでつけば58.86の基礎点になります。

髙木謡選手はジュニアグランプリ大阪で188.15まで出しています。今期のジュニアはシードの2人はちょっと強いですが、3番手は結構混戦です。190点まで出せれば全日本ジュニアの表彰台も見えますし、シニアコースの18歳19歳との勝負でも全日本で十分勝負になって世界ジュニア3枠目のチャンスもある立ち位置です。中井選手とMFアカデミーダブル世界ジュニアなるでしょうか?

 

○女子シングルジュニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Basae J GOE Spin Step
1 髙  木      謠 175.61 82.93 57.66 3.04 22.55 9.43
2 奥  野  友莉菜 158.94 80.92 49.91 -3.39 21.95 9.55
3 中  尾      歩 157.65 73.26 61.42 -5.30 21.38 7.89
4 岩  本  愛  子 154.75 65.80 61.11 -0.25 20.30 7.79
5 岡  万佑子 149.05 67.72 49.31 0.50 23.43 9.09
6 今  関  友梨香 142.02 67.20 50.25 -2.69 19.85 8.41
7 千  葉  美乃花 137.52 65.21 42.66 -0.44 22.19 8.90
8 入  江  美  友 132.76 61.99 46.18 -1.51 19.38 6.72
9 北  見      奏 132.01 64.55 48.22 -7.84 19.82 7.26
10 宮  本  琉  花 130.62 60.46 51.97 -3.56 18.49 6.26
11 瀬  川  穂  乃 130.35 61.73 46.53 -3.61 19.47 7.23
12 穂  積  乃  愛 129.19 70.48 34.79 -3.48 20.87 7.53

PCSは髙木選手奥野選手2人が80点超え。髙木選手は1項目平均7点に少し欠けるくらいです。

ジャンプの基礎点は3位の中尾選手、4位の岩本選手が60点超えです。奥野選手はフリーで1回転が2つあったこともあってジャンプの基礎点はかなり低くなっています。

ジャンプの加点はプラスになったのは下位の選手であと2人ほど0点台でいますが、上位ではやはり髙木選手がしっかりプラスになっていて、あとは5位の岡選手くらいです。ジャンプで得たスコアとしては4位の岩本選手が僅差で髙木選手を上回りました。

スピンは岡選手が23.43 スピンは割と得意な選手ではありましたが、今回はショートフリーですべてレベル4を揃え、初めて23点超え。23点台はグランプリシリーズでも普通に見かける点数です。

ステップ系要素は奥野選手が9.55で1位。ショートでレベル4をもらい、フリーのコレオは+3近い高い評価を受けていました。

 

今回は4カテゴリー中2カテゴリー、女子のシニアジュニアはMFアカデミーが勝ちました。木下もそうですが、アカデミーは女子の強さが目立ちます。男子のジュニアも中田璃士選手が勝つかと思われたのですが、そう簡単にはいかないようでした。

これで全日本ジュニアのメンバーは確定。世界ジュニアの代表権争いがここから本格化します。男女とも上位2人は力を発揮すればかなり強そうですが、3枠目は混戦模様。できれば全日本ジュニアの表彰台、そこに届かなくてもまず全日本進出の8位を確保したい、という試合になります。

全日本ジュニアは2週間後です。