全日本選手権23 男子レビュー1

今回は数字を追うのではなく、単なる感想の羅列になっています。まずは男子です。今年は史上まれにみるハイレベルで質の高い試合でした。上位の印象がとても強いですが、それだけでなく、中位の選手も、ぎりぎりフリーに進んだ選手も、いい演技が多い試合でした。

 

○男子シングル最終結

Pl Name Nation Total SP FS
1 宇  野  昌  磨 トヨタ自動車 298.04 104.69 193.35
2 鍵  山  優  真 オリエンタルバイオ/中京大学 292.10 93.94 198.16
3 山  本  草  太 中京大学 287.00 94.58 192.42
4 三  浦  佳  生 オリエンタルバイオ目黒日大高 280.08 93.91 186.17
5 佐  藤      駿 エームサービス/明治大学 273.04 89.80 183.24
6 友  野  一  希 上野芝スケートクラブ 271.52 86.88 184.64
7 壷  井  達  也 シスメックス 252.34 85.85 166.49
8 吉  岡      希 法政大学 249.38 85.27 164.11
9 三  宅  星  南 関空スケート 226.12 77.16 148.96
10 本  田  ルーカス剛史 木下アカデミー 217.62 73.58 144.04
11 島  田  高志郎 木下グループ 215.97 76.57 139.40
12 片伊勢  武 アミン 関西大学 212.26 70.41 141.85
13 佐々木  晴  也 京都大学 208.87 70.88 137.99
14 中  村  俊  介 木下アカデミー 207.70 80.16 127.54
15 櫛  田  一  樹 倉敷FSC 204.27 75.54 128.73
16 杉  山  匠  海 岡山大学 202.64 71.68 130.96
17 中  田  璃  士 TOKIOインカラミ 200.27 71.45 128.82
18 垣  内  珀  琉 ひょうご西宮FSC 196.30 64.58 131.72
19 蛯  原  大  弥 明治神宮外苑FSC 192.96 61.85 131.11
20 高  橋  星  名 木下アカデミー 191.77 68.28 123.49
21 田  内  誠  悟 富士FC 190.01 63.89 126.12
22 大  島  光  翔 明治大学 189.36 66.89 122.47
23 木  科  雄  登 関西大学 188.12 64.52 123.60
24 周  藤      集 ID学園高等学校 74.61 74.61  
25 長谷川  一  輝 東京理科大学 59.25 59.25  
26 門  脇  慧  丞 法政大学 59.14 59.14  
27 小田垣      櫻 日本大学 54.55 54.55  
28 北  村  凌  大 日本大学 54.24 54.24  
29 志  賀  海  門 法政大学 51.60 51.60  
30 西  野  太  翔 神奈川FSC 50.77 50.77  

今回は時系列追って振り返って見ることにします。

ショートは前半グループのメインはジュニア勢かと思います。ルッツのエッジで悩まされる選手が多かったようです。そんな中で第1グループから周藤集選手が好発進。シーズン序盤調子悪かったのが全日本ジュニアからだいぶ上げてきたなあ、という次の滑走の西野太翔選手がジャンプ決まらず50.77に終わり残念ながらショート落ち。まず世界ジュニアの代表争いから脱落します。第2グループでは全日本ジュニアで勝って今大会は懸かっているものが何もないという立場の中村俊介選手が80点台に乗せます。4回転の確率上がってきているなあ、という印象です。

前半18人の締めは中田璃士選手でしたが本人比で今一つ。まあ、決まらなかったのがジュニアルールでは入れられない4回転トーループでしたので大勢に影響はないかな、とは思いましたが、周藤集選手の後塵を拝する形になりました。いい時と悪い時の波があるんだよなあ、中田璃士選手。

後半は島田高志郎選手からスタート。一発逆転を狙いたい立場でしたがジャンプ決まらずスコア伸びず。70点台だとちょっともう苦しいかな、という印象。一方でこちらも一発逆転狙いの壷井選手はノーミスで85点台。これは6強の一角を崩して最終グループ入りあるか? という流れから6強の1番手で山本草太選手ですが、選考対象実績からすると6番手でやはり一発逆転したいという立場からのパーフェクト。4回転2本も心配ですが、最後のトリプルアクセルもっと心配という中で94点台出します。

次の三浦選手はワールド当落線上。ノーミス来たかと思ったものの意外とスコアは伸びずに山本選手の下でこの時点で2位。スコアシートは後から見ることになりましたが最後のスピンがノーカウント。またそこか、というところですがいい位置に付けてもいる、というところで続いて佐藤駿選手。三浦選手に勝つことがワールド最低条件というところでこちらは4回転フリップ降りてきました。ただやはり印象ほどスコア伸びず。フリップはe判定で3位。三浦選手と4.41差は射程圏内ではありますが上に行っておきたいところではありました。

第3グループ最後は国際大会に復帰したい三宅星南選手。今季初かな、4回転サルコウ投入も転倒。それでも他を決めると70点台後半までは出るのですね、かつての岡山ライバル島田選手の上に出ました。いまだにこの2人でどちらが勝つか気にしているのは私くらいでしょうか。

最終グループは東日本3位の大島選手から。東日本西日本の上位選手がショートで最終グループに入れられるのは経験としてはいいのでしょうけれど、試合環境としてはある種の罰ゲーム感あって大変そうです。スーパーマリオは60点台。フリーには残りました。

続いて友野選手はセカンド3回転が入らない。それも厳しいのですが次のサルコウもステップアウトでスコア伸びず86点台。山本選手と7.70差、三浦選手と7.03差。4回転1本差ついてしまって少し苦しいフリーになりそう、という展開。

この間に入れられた片伊勢選手も大変ですが、グランプリ出ていますので文句は言えない。いい流れかと思ったのですが、まさかのフリップ転倒。気持ちとしては、フリップは完了していて、つなぎで転倒というカウントにしてあげたいタイミングでしたけど、判定はジャンプで転倒となって70.41 第2グループには残りました。

さて、いよいよオリンピックメダリスト登場で鍵山選手。世界最高の4回転サルコウでまさかの転倒。えーー??? という感じでしたが目が覚めたのか残りはしっかり決めての93.94で2位。まあ、代表争いとしては問題ないかな本人は、という位置にはいります。

続いて真打登場、宇野昌磨選手。あ、4-2だ。調子悪い報道もあったのでその影響でしょうか。今期は結構4-3決まっていたのですけど、他はしっかり降りての100点台で山本選手と10.11差。この時点で楽勝な展開かな、と思える点差が付きました。

この流れで最終滑走に入れられた吉岡希選手はどんだけ罰ゲームなんだ、と思いましたが、どうしてどうして、大きなミスなし。あのスピンがひどかったジュニア時代から今期はその面の改善が見られます。最終滑走しっかりと締めました。

 

ショートは特に三浦選手佐藤選手あたりのところで判定が物議をかもしていましたが、個人的には平均より厳しめかもしれないけどその判定はまああるんじゃないかな、とは思いました。三浦選手のスピンはよくやるところですし、佐藤選手のフリップは!の常習犯というか、これまで飛んだ4Fの!以上率がほぼ100%でeも取られてことあります。個人的には!でいいんじゃないかと思いますが、eを取る人もいるだろうなとは思う範疇でした。

 

ショート終わって、宇野選手と2位以下は10点以上離れましたけど、2位から4位まではそれほど差が無く、6強が順当に最終グループを占めつつも、7位8位と壺井選手吉岡選手も僅差で続いています。島田選手が今回はかなり残念だったでしょうか。ジュニアは中田選手がよくないながらもジュニア内では上位なのでさすがに世界ジュニアは固そう。3枠目は周藤選手がショートの時点では有利かなあ、というところでフリーへ。

なはずだったのですが、まさかの間の1日で状況が変化。周藤選手がけがを負ってフリー棄権となりました。こういうのが一番悲しい。それも全日本ジュニア3位で、今回の全日本は中村選手を除いた世界ジュニア選考対象者の中でトップのスコアでフリーへ進んでいるところだっただけに、周藤選手の競技人生のなかで非常に大事なフリーになるところだったものが、無くなってしまいました。高校2年生。来期もおそらくジュニアに留まるのだろうと思いますが、来期こそと期待します。

 

フリーはまず第1グループはジュニア勢の争い。全日本前はわずかに有利な位置にいたように思われる蛯原選手から。なかなかまだ確率の低いトリプルアクセルでフリー開始ですがこれを決めると本人比ではほぼノーミスと言っていい演技で131.11はシーズンベスト相当。昨年リリーカップで132点だしたことはありますが、実質的にはパーソナルベストと言っていい出来で後は結果を待つ、という形になります。

世界ジュニア選考条件にはまだ何も載ってきていない田内誠悟選手が続いて出てきます。最低でも蛯原選手の上に出ることが必要。勝負の冒頭トリプルアクセルは決まりませんでしたが、他はいい演技だったと思います。126.12はトリプルアクセル構成でのベストスコア。ただ、蛯原選手には2.95届かず。これで世界ジュニア争いからはおそらく脱落です。まだ中学生。安藤美姫先生が初めて本格的に長期的に見ていく生徒になるのでしょうか。全中楽しみ。この最初の2人がこの試合全体の出来の良さを生む流れを作ったように後から見ると感じます。

3番滑走木科雄登選手。大学4年生。3年ぶりのフリー進出。トリプルアクセル決まらないなあ・・・。最後の全日本? でも、結構撤回する選手も多いので、来期もお待ちしております。

第1グループからは垣内珀琉選手も世界ジュニアを目指します。蛯原選手とは実績は五分に近いので今日勝った方が代表か? というところで勝つには128.49が必要。全日本ジュニアで129.33、ジュニアグランプリブダペストで133.87を出しています。安全策か果敢に攻めるか、冒頭どうするか? 4回転トーループ飛んできました。なんとか着氷回転微妙ですが降りれば十分、前半手堅くまとめて後半、って、あれ? 5つ目のジャンプが1.1倍にならない? ジュニア構成に後ろでステップ足したので30秒伸びた場合の後半にジャンプが2つになるのね、というジュニアの全日本あるあるが生じつつ、その後半のジャンプは疲れたでしょうか少し微妙。点は出てみないとわからない、というところでしたが131.72のトータル196.30で蛯原選手の上へ行きました。これは、世界ジュニアか? どうだ?

続いて真面目な大島光翔選手。ムーランルージュ。4回転ルッツを立ったことは無いですが、アンダーローテーションまで来ているのでもしかしたら、というところでしたが抜けました。真面目と言いつつ、ムーランルージュ位だと割に合っていたように感じました。

第1グループ最後に高橋星名選手。大逆転世界ジュニアには最低でも垣内選手の上、出来れば210点くらいまで出してインパクトを残したいところ。ジュニア男子御用達のレミゼラブル。トリプルアクセル冒頭決めて、これは、と思いましたが2本目はまらず。フリー123.49のトータル191.77で垣内選手、蛯原選手の下。さすがに男子で13歳の世界ジュニアは厳しかったですが、自己ベストスコアは出しました。

 

第2グループは周藤選手が欠場することで大学生の中に中田璃士選手が混ざるという構図になりました。グランプリ組の片伊勢武アミン選手から。ミスなく滑るときれいな滑りで点は出る選手、ということで序盤良かったのですが後半は耐える滑りに。グランプリシリーズと同じ流れになっていましたが転倒せずに耐えきったのがグランプリシリーズとの違い。フリー141.85のトータル212.26 ここから200点超えに入っていき1段階レベルが上がります。

京都大学佐々木晴也選手が2番滑走。挑戦中の4回転トーループは回避して上位進出を目指す構成。トリプルアクセル2本降りました。終盤疲れたでしょうか、最後のジャンプにスピンと力入っていない感じでしたがまずまずの出来。片伊勢選手の上行くか下行くか、どうだ? と思いましたが、PCSが出ないので208.87までで届かず。残りのメンバー的に目標の12位は際どいけどなくはない、どうか? といったところ。

前半の主役になるはずの中田璃士選手が登場。出来不出来が結構はっきり出ますが、今回は悪い方でした。4回転が抜け、トリプルアクセルも1本まで。後半プログラム組み替えて余っていた3回転トーループを単独で跳ぶなど最後まであきらめずに滑った結果200.27と200点には乗せます。これで中村俊介選手以外のジュニア勢の上に入ったので、事実上世界ジュニア確定でしょう。

4回目の全日本、国立の岡山大学3年生杉山選手。フィギュアの男子は国立大生が全日本によく出てきますね。フリーのトリプルアクセルは決まりませんでしたが後はしっかりまとめてこの時点で3位。全日本自己最高位を更新です。

シングルの全日本は最後という本田ルーカス剛史選手が前半グループ最後の滑走で登場。エクソジェネシスの3番はジェレミーアボットさんが世界選手権で演じたものが最高傑作だと思っているのですが、それを彷彿とさせる演技でした。さすがにペアやりながら4回転の習得は無理筋でしたが、他はすべてしっかり決めてきました。エクソジェネシスって競技人生の最後に演じるとうまくいくのでしょうか。ジェレミーアボットさんの場合は、その最後の世界選手権でうまくいったものだから現役続行して、佐藤有香先生にきれいに終わっておけばよかったものを、と言われてしまったという落ちがついていますが、本田選手はこの先、きっちりシングルは終えて、ペア競技者として活躍していくでしょうか。たぶん、学生選手権は出ると思いますが、全日本シングルはこれでラストです。濱田先生が泣いていて驚きました。これ、すごくドラマチックなのですが、織田信成選手が、きちんと復帰申請してドーピング検査も受けていたら西日本落ちでなかった光景なんですよね。コメント見かけないのだけどコメント聞きたいです。

 

製氷挟んで後半へ。社会人2年目の櫛田一樹選手が後半グループに入っていて1番滑走。国際経験のない選手には珍しい4回転持ちです。冒頭、1年ぶりに入れた4回転トーループ、耐えつつ決めました。全日本で3年連続成功。決して成功率が高いわけではないはずなのですが、すごい調整力です。以降は少し耐える展開になって目指したほどはスコア伸びなかったかと思いますがトータル204.27は自己最高スコアでした。これが最後の全日本ということですが、最後にベストスコアで終わる、という見事なフィナーレでした。

ショート11位から大逆転を狙う島田高志郎選手。死の舞踏。雰囲気はいいのですが、4回転決まらないと上位進出は難しいです。トータル215.97で終わると代表争いでは何も得られないことがほぼこの時点で確定しました。

続いて三宅星南選手。ノービス時代から島田選手のライバルだったわけですが、今でも近い位置にいます。今季初4回転投入はお手付きですが降りました。以降もジャンプはほぼミスなし。スピンステップがレベル取れませんでした。226.12まででてこの時点首位。後半のB級大会派遣はもらえそうなところまでは来ました。

ショート9位で第3グループの後半に入ってきたのがジュニア代表中村俊介選手。4回転トーループは降りたのですが、次のトリプルアクセルで派手に転倒。それが最後まで響いたでしょうか、スコア伸びずに207.70で終わって順位は落としましたが、ジュニア中1位は確保です。世界ジュニアではこのスコアで終わってもらっては困ります。

 

ここから世界が変わります。

ショート8位の吉岡希選手。ジュニアから継続のパイレーツオブカリビアン。ジュニア時代はとにかくジャンプで勝負、というところだったこともあり冒頭2本4回転を見事に決めます。その後ループでミスは出ますが手堅くまとめつつ、スケーティングが、スピンが、昨シーズンまでとは全く違いました。驚異的な変化です。フリー164.11は大幅自己ベストスコア更新でトータル249.38 グランプリレベルで十分戦えることを示して上位にプレッシャーのかかるスコアを出しました。

続いてこちらも逆転を狙う壷井達也選手。冒頭の4回転はステップアウトしましたが、2本目を決め、以降もいいジャンプを次々と決めていきます。どうだろう? 吉岡選手の上か下か? というところでフリーは166.49のトータル252.34と昨季の2位相当のスコアで首位に出ます。初の250点台。今季国際大会振るわなかったので先につなげるには4大陸が欲しいのですが、どうだろう? な最終組待ちです。

 

順当に6強が揃った最終グループ。昨季は世界で6位の友野選手から。これまでのシーズンとは違う選曲で今期は今一つうまくいっていなかったフリー。静かな流れの中で次々とジャンプを決めていきました。セカンドの3回転が欲しかったですが、あとはほぼミスなくフリー184.64まで出してトータル271.52 まずはここにメダルラインが引かれました。

逆転表彰台で世界選手権が見える佐藤駿選手が2番滑走。冒頭ルッツ、転倒したら多分終わり、という場面で平均GOE+3.222とクリーンに決めてきました。3連続がステップアウト入りましたが後はミスなし。スコアどうか?微妙? というところでしたが183.24とフリーは友野選手を下回るもトータルは273.04で上に出て首位、残り4人を待ちます。

三浦選手は佐藤選手に負けると世界選手権危ない、という立ち位置。冒頭どうするか? と思ったら4回転ループは回避してのトリプルアクセルからの3連続。次の4回転決まって、その次、サルコウがステップアウト。これでわからなくなったのですが、後半の4-3が+5付けたジャッジが2人いるクリーンなものを決めたのが大きく最後は効きました。スピンもノーカウントはなくしっかりレベル4を揃えてフリー186.17のトータル280.08 3人残して280点台が出てしまいました。この時点で首位。世界選手権が見えてきました。一方、この時点で佐藤駿選手、友野一希選手はほぼワールドは消えたかと思われました。

ショート3位の鍵山選手は、大会前はワールド当確かと思われていましたが、全日本がこのレベルになってくると、このフリーで大崩れすると分からないかも、という状態になってきたようにも思いました。そこからのノーミス。全要素+2以上付きました。圧巻の一言。4回転2本構成で技術点105.51は前代未聞です。200点出してもよいようにも感じましたがフリーは198.16 トータル292.10 ワールド当確。後は順位はどうか?

鍵山選手の演技で追い込まれたのが山本草太選手。3位表彰台だと三浦選手がすぐ下ではワールドはなさそう。ワールド狙うには2位以内が欲しい。ターゲットスコア197.53は自己ベスト179.49からするとはるか遠い領域です。エクソジェネシス協奏曲第3番。今日の魔曲です。パーフェクト。文句なしのパーフェクト。個人的にはガッツポーズという振付は無い、ということであまりガッツポーズは好まない派なのですが、そんなことはどうでもいい、というところまで到達していました。もしかしたら上まで行けるのでは? という採点待ちでしたが192.42のトータル287.00はこの時点で2位。表彰台確定。技術点は採取的に1位でした。PCSもう少し出しても、とも思いました。

 

最終滑走宇野昌磨選手。ショート終わって楽勝ペースだったところから、フリーのここまでの流れは、もしかして結構際どい? というところで冒頭4回転ループが派手にステップアウト。ん? ひょっとしたらひょっとする? トリプルアクセルはやめに2回目入れてるし、構成どうしたいのかわからないけど? セカンド2回転だ。4回転は降りた。最後なに? サルコウの構え? どういうこと? コンビネーション捨てた? 結構はてなが多い滑りでしたがきっちり滑って、セーフ。まさにセーフ。トータル298.04は5.96差の勝利でした。全部計算してやっているから恐ろしいですねこの方。え?え?が多すぎて演技があまり頭に入ってこなかったりもしました。

 

そんなこんなで代表発表。全日本の結果からすると順当なところに落ち着いたかなあ、という印象でした。山本選手は2位表彰台で三浦選手が4位以下ならワールド選出されていたのではないかと思われます。4大陸もそうなるよなあ、という面々。友野選手は両方補欠ですが仕方ないでしょう。戦績的に来期も普通にグランプリ2戦入ってきて、普通にワールド代表争いに参加できますので、今期はチャンピオンシップなくても仕方ない、で済みます。

問題は壺井選手と吉岡選手の方で、2人とも来期グランプリの枠が回って来るか怪しい。シーズンベストを押し上げるために4大陸が欲しい立場でした。今回島田選手は補欠も無しですが、シーズンベストが高いので、来期もグランプリが1つは残ると思われます。三宅選手はB級大会派遣はあるかな? その辺になると代表発表と別枠なのでよくわかりません。

ジュニアも、中田選手は当然として、最後の1枠も今回最上位の垣内選手で普通に決着しました。補欠は3枠の時も2人なんでしたっけ? ここは全日本順位が上の高橋星名選手より、全日本ジュニアで上だった田内誠悟選手が優先されて選ばれましたけど、この辺も順当かと思います。

 

いや、とにかくすごい男子フリーでした。いつもの年ですと、ああこの演技が世界選手権で見たいのに、せめて4大陸で完成形を、みたいなことを思ったりすることが多いのですが、今回は、もうこれが世界選手権だったってことでいいかな、というような気がしてしまいました。