前回の男子に続いて女子シングルの振り返りです。今回も数字を追うのではなくて感想の羅列的なものになります。
女子は、なかなか今シーズンのこれまで通りにはいかない、選考委員泣かせの展開になりました。
○女子シングル最終結果
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | 坂 本 花 織 | シスメックス | 233.12 | 78.78 | 154.34 |
2 | 千 葉 百 音 | 木下アカデミー | 209.27 | 68.02 | 141.25 |
3 | 島 田 麻 央 | 木下アカデミー | 202.18 | 65.23 | 136.95 |
4 | 上 薗 恋 奈 | LYS | 200.69 | 66.22 | 134.47 |
5 | 三 原 舞 依 | シスメックス | 199.56 | 67.70 | 131.86 |
6 | 渡 辺 倫 果 | TOKIOインカラミ/法政大学 | 194.88 | 63.66 | 131.22 |
7 | 吉 田 陽 菜 | 木下アカデミー | 194.22 | 62.73 | 131.49 |
8 | 山 下 真 瑚 | 中京大学 | 192.15 | 69.92 | 122.23 |
9 | 青 木 祐 奈 | 日本大学 | 192.01 | 61.44 | 130.57 |
10 | 住 吉 りをん | オリエンタルバイオ/明治大学 | 185.22 | 56.70 | 128.52 |
11 | 江 川 マリア | 明治大学 | 184.65 | 58.55 | 126.10 |
12 | 樋 口 新 葉 | ノエビア | 180.67 | 57.97 | 122.70 |
13 | 河 辺 愛 菜 | 中京大学 | 179.71 | 67.25 | 112.46 |
14 | 横 井 きな結 | 中京大学 | 175.80 | 62.49 | 113.31 |
15 | 柴 山 歩 | 木下アカデミー | 175.72 | 57.43 | 118.29 |
16 | 三 宅 咲 綺 | 岡山理科大学 | 175.06 | 58.23 | 116.83 |
17 | 松 生 理 乃 | 中京大学 | 174.34 | 58.97 | 115.37 |
18 | 清 水 咲 衣 | 木下アカデミー | 169.12 | 56.24 | 112.88 |
19 | 村 上 遥 奈 | 木下アカデミー | 158.86 | 53.13 | 105.73 |
20 | 鈴 木 な つ | 関西大学 | 155.67 | 56.00 | 99.67 |
21 | 大 庭 雅 | 東海東京FH | 150.03 | 50.80 | 99.23 |
22 | 白 岩 優 奈 | 関西大学 | 148.63 | 53.42 | 95.21 |
23 | 髙 木 謠 | 東京女子学院 | 148.39 | 55.09 | 93.30 |
24 | 石 田 真 綾 | 立教大学 | 142.88 | 54.12 | 88.76 |
25 | 櫛 田 育 良 | 木下アカデミー | 50.20 | 50.20 | |
26 | 三 枝 知香子 | 日本大学 | 50.19 | 50.19 | |
27 | 荒 木 菜 那 | 中京大学 | 46.45 | 46.45 | |
28 | 本 田 真 凜 | JAL | 44.42 | 44.42 |
女子も時系列で振り返っていきます
ショート第1グループはやはりジュニアの闘い。木下アカデミーから昨季の全日本チャンピオン村上遥奈選手。全日本は4本滑るつもりじゃないとペースが狂うんでしょうか。ジャンプ決まらずの1人目53.13はフリー進出危ういスコアです。今年は28人しかいないので大丈夫かな? どうかな? という一方で、2人目は今日は4本滑らないけどペアとの2本使いの清水咲衣選手は好演技。シングル競技も木下アカデミー加入で伸びたように感じました。
ここから代表争いスタート、という3番滑走髙木謠選手でしたがルッツステップアウトでコンビネーションすっきり決まらずの55.09スタート。これは厳しくなったかなあ、というショートでした。
大学生2人を挟んで第2グループはベテランシニアがあつまります。女子の現役最年長、と言ったら怒られるのかもしれませんが、大庭雅選手。3-3決めたかったなあ。安藤美姫コーチですが、現役時代いくらか被ってますよね、大庭選手だと。コンビネーション転倒は痛い。50.80は、アウトかなあ、どうかなあ、28人なら残れるか? 続いて2シーズンぶり復帰の白岩選手。復帰後初の3-3-を入れようとしたみたいですが3-2に。53.42 際どいけどあと1人でフリー進めるので残れそう。
8番滑走で本田真凜選手出てきました。ジャンプ全く決まりませんでしたね。さすがに今の日本でこれだとフリーには残れないです。これが最後かなあ。学生選手権は東日本で出ていたので出るかもしれませんが、ケガどうとかいう話ですのでこれも出ないかなあ。いろいろな意味で大変な競技生活だったと思います。お疲れさまでした。そして、佐藤先生を全日本に連れてきていただいてありがとうございました。
これで白岩選手のフリー進出確定。初出場の立教大学石田真綾選手が9番滑走で滑って54.12 フリー進出を決めます。
逆転世界ジュニアを目指す柴山歩選手が10番滑走。15歳の死の舞踏。ジャンプが・・、回転が・・、まだジャンプメインの選手なのにこれだと点は伸びない。57.43で首位に出ますが、逆転を狙うには苦しいかなあ・・・。
第3グループはお久しぶりの荒木菜那選手でしたが後半ループ零点が痛くて46.45ではフリーへ進めません。村上遥奈選手のフリー進出確定。続いて、一応世界ジュニアはまだ決まっていない上薗恋奈選手がここで出てきます。ここまで女子はいまいちそれぞれの本人比でいい演技というのが出来ていないのですが、ジュニア1年目の選手には全体の流れというのはあまり関係ないのですかね。あっさりノーミス66.22 PCSは29.36で国際大会含め自己ベスト出ました。
昨季はフリー最終グループに入った三宅咲綺選手出てきました。デールマン? みたいな3T+3Tは決めたのですがダブルアクセル転倒が痛い。58.23は後半グループに残れるかどうか? 続いてやはり国内組の実力者江川マリア選手ですが、ジャンプ2つステップアウト。3つ目のコンビはいらないとショート落ちが・・・、と危ういところですがこれは決めて58.55 それほど良くは無いですが何とかなりました。
そして、世界ジュニア代表争いの一方の主役、櫛田選手が出てきます。髙木選手の上にはいたい。出来れば松生選手に勝ちたい。吉田選手はワールドいってねお願い、という立場でショートに臨みましたが、これがまさかの2転倒。え? 点足りる? 足りない? どう? 50.20 あと1人たりません。大庭雅選手フリー進出確定。あと1人誰か落ちてくるかどうか? ひたすら待ちます。
前半最後は横井きな結選手。えーと、ジュニア扱いでしたね。姉との同時出場はなりませんでしたが、切れ目なく引き継いで横井家連続出場を続けています。ここで全要素プラス評価ノーミス。62.49と2位につけます。ん? ジュニア組で上薗選手に次ぐ2番手? 大逆転世界ジュニアの芽が出てきます。一方で、残りは後半グループの実力者となるので、あと1人落ちてくるのを待つ櫛田選手は非常に厳しくなりました。
後半は今季不調の千葉百音選手から。今回は苦しいかなあ、と思っていましたが、なんとなんと全要素プラス評価のノーミス。68.02で首位に立ちます。よく考えれば昨季も71.06の3位スタートですから驚いちゃいけないのですが、今期のこれまでを見ていると非常に驚きました。
ギリギリチャンピオンシップ手が届くかも、という位置にいる青木祐奈選手。貴重なセカンドルーパーですが、これが入らないと弱構成になってしまうのがつらいところ。今回は冒頭ルッツはクリーン決まらずセカンドループ入りませんでした。61.44はフリーの逆転があり得る範囲には抑えました。
中庭先生忙しく、青木祐奈選手のキスアンドクライには座らず渡辺倫果選手を送り出します。こちらは逆転ワールド狙い。全体的にいい流れに遠目には見えるのですが、後半コンビがqと<だと点が伸びずの63.66 第3グループかな、というくらいのスコア。
逆転ワールド狙いが続きます三原舞依選手。今年は・・・、もう・・・、やすんで・・・いたほうが・・・、と思ってみていたら、しっかり滑る滑る。ただ、ジャンプはq2つと!がついたので印象ほどは点が伸びずに67.70 千葉選手に次ぐ2位にこの時点で付けます。
気楽な立場なはずがやたらプレッシャー感じる煽りを入れられているジュニアの島田麻央選手。ショートからただ一人トリプルアクセル決めてきました。これはいくか?70点台後半、と思いきや、まさかのコンボ付かずの転倒。さすがにこれだと点が伸びず65.23に終わります。
さて、代表争いのカギになる住吉りをん選手が第3グループ最終滑走で出てきます。ダブルアクセル入らずって、フランス杯と同じ形の出だしですか、と思いきやコンビネーションでアンダーローテーション入って単独ルッツはq これだとちょっとつらいです。一瞬ショート落ちを心配する出来でしたがさすがにPCSはもらえて56.70 フリーの大逆転が全くなくはない水準に残りました。
誰も70点台がいないまま最終グループ坂本花織選手が出てきます。全要素全ジャッジプラス評価の78.78 優勝。いや、まだフリーありますが、ちょっと一人だけ別世界に行ってしまいました。
坂本選手に対抗できるとしたらあとは吉田陽菜選手しかいません。しかしながらショートのアクセルは全然決まらない。というわけで今回も基礎点満額はもらえましたが転倒。それは織り込み済みとしても次のコンビネーションのアンダーローテーションが痛く62.73で渡辺選手の下になります。ショートの曲、難しい印象なんですよね。
2シーズンぶりの樋口選手もルッツ転倒で57.97 フリー第2グループに沈みます
ワールド争いの一角松生選手がここで出てきます。坂本選手以外の上位陣が崩れた状態なので大チャンス。ところが、コンビネーションで転倒。それにしても58.97は低くないか? と思いましたが、スピン零点もありました。痛い痛い。
ラス前は現在ではほぼノーマーク扱いな山下真瑚選手が来ました。これが驚きのノーミス。実際にはフリップ!がついてますが、ほぼ!率100%な方なので本人比ではミスではない。というところで69.92まで出して2位に付けます。
最終滑走河辺愛菜選手。今季うまくいっていないからなあ・・・、先へつなぐには4大陸欲しいのだけど、と思ってみていたら、ルッツフリップでダブル!もらってましたが、それ以外はミスなく滑っての67.25の5位スタート。おおっ! と驚きましたが、よく考えてみると、国内ローカルでは今季も70点台あり、68点台2回ありとショートは結構しっかり滑っていました。
ショート終わって首位坂本選手以外は意外な展開。今期苦労していた選手が上位に来た印象です。それにしても山下真瑚選手2位は予想できない。代表選考が訳の分からないことになってきました。世界選手権、2枠目3枠目、まったくわからないです。このまま終わったら選考委員頭抱えます。4大陸もどうするんでしょう。そして、世界ジュニアが櫛田選手ショート落ちでこれもわけのわからない展開です。髙木選手20位発進で失敗するし、3枠目争いのジュニア組最上位は全日本ジュニア1番下からの横井きな結選手だし、シニアコースからは松生選手伸びてないし。千葉選手が有力? そんなのあり? もう訳が分かりません。大混戦というか代表選考的には大混乱の状態でフリーを迎えます。
フリー第1グループは比較的穏当に幕を開けます。
12回目の全日本大庭選手から。おお、すごい、ループループ来た、と驚きましたが回転は足りませんでした。4年9か月ぶりのセカンド3Lo。ナイスチャレンジでしたが序盤に体力使いすぎたでしょうか、中盤以降ジャンプがやはり厳しかったです。99.23 あとちょっと、あとちょっと、楽しそうなキスアンドクライです。来年もいるといいなあ。安藤美姫先生今大会出番多いですね。
今年はシングルだけの村上遥奈選手。得意の3S+3Tの2本立ては決めましたが、ルッツフリップをしっかり決められないと点が伸びません。105.73のトータル158.86 フリーは昨季と同じオーストラリアで、昨季よりわずかですがスコアは良いのですが、どうしても印象としては昨年の方がよかったように感じてしまいました。
3番滑走、帰ってきた白岩優奈選手。かつての姿を知っていると、全体的に今一つなところはどうしても否めないというのが正直なところです。ジャンプもそうですが、スピード感が違うなあ、と思ってしまいます。一方で、纏っている雰囲気は頂点を争っていたころのそれが残っているようにも感じました。佇まいがやはり何か違う。大学4年生。今シーズンは国体までは進んでいくと思いますが、その先、どうしていくでしょう・・・。
立教大学1年生の石田真綾選手は、来期の自分のために東日本枠取り頑張りたい、というくらいの位置でフリーを迎えました。ただ、フリー自己ベストは101.75というところからスコア・順位を上げていくのはちょっと厳しかったようでした。
そして、問題の髙木謡選手。世界ジュニアを目指すには順位を上げていきたい。大混乱状態でターゲット順位・スコア、よくわからないですがとにかく点を出したい。しかしながら冒頭コンビネーション転倒で上位進出は苦しくなり、以降もジャンプ決まらずシーズンワーストの93.30 トータル148.39は厳しいですね・・・。でもショート落ちした櫛田選手よりは上です。どうなるんでしょう? 世界ジュニア3枠目。
第1グループ最後は関西大学2年生鈴木なつ選手。いつのまにか関西大学にいたんですね。元々は仙台FSCのイメージが強いですが。フリーでスコア伸びれば西日本枠どり貢献の位置でしたが、ジャンプ決まりませんでした。最後の2Tが飛びすぎ。2Tが3回目というか、コンビネーション4回目でノーカウントという珍しい光景は、ちょっと原因わからなかったのですが、予定構成で跳ばないはずのところで先に飛んでしまっていたということですかね? 155.67でこの時点2位となります。
最近は第2グループから世界選手権を目指す選手が出るようになってきてますが、レベルが上がったというべきか、ワールド狙うならショートもうちょっと頑張ってというべきか。微妙なところですが、まずはペアでの世界ジュニアを見据えている清水咲衣選手から。シングルはシニアコースで来てますが、一応、世界ジュニア狙う権利はあるのでしょうか? 冒頭の3Lz+2A+2Aはペア仕様。全ジャッジプラス評価の平均GOE+1.889で決めます。以降はアンダーローテーション3つありますが大方まとめて112.88 トータル169.12は自己ベスト更新。村上遥奈選手を上回ってこの時点で首位に立ちます。村上選手との関係性ってどうなんですかね。村上選手は気分的には清水選手には負けたくなかった、とかあるものなのでしょうか。言わないでしょうけど。
ここで住吉りをん選手が登場。ショートの時点で吉田陽菜選手と6.03差、渡辺倫果選手と6.96差、三原舞依選手と11.00差。逆転には決めたい4回転でしたがダウングレードの転倒となりました。まだこれだけならある種織り込み済みですが、最後のフリップがダウングレードになったのが致命傷かと思います。フリー128.52でトータル185.22 首位には立ちますが少なくとも190点に乗せて待ちたいところだったかと思います。
次いでこちらも大逆転世界ジュニアを狙う柴山歩選手。見た目いい演技なのですが2本のルッツで!が付きコンビネーションのqと合わせて加点が伸び切らず118.29 トータル175.72となります。フリー110点台が多いんですよね。もうひと伸び欲しいですが、見た目いい演技でした。
ここで樋口選手が出てくるというのも驚きですが、冒頭トリプルアクセル入れてきました。転倒ながらも基礎点は満額入ります。以降、サルコウにループ、抜けが出てスコア伸びません。昔こんな時期合ったなあ、というような結果ですが、演技はさすが。180.67で2位に付けますが、住吉選手より下ですので、この時点で今期の代表争いからは脱落です。
昨季ショート5位からフリー崩れて15位となった三宅選手、今回はその逆を目指してのフリーカルメン。序盤のジャンプでミスは出ましたが以降はしっかりまとめて116.83のトータル175.06 スコアは昨季とほぼ同じになりました。
前半最後は江川マリア選手。この辺は強化指定選手入りが目標かと思いますが、1つ2つフリーで順位を上げていきたいところです。鈴木明子さんのオー。ジャンプで!だのqだの細かいものはありましたが、大きく見るとノーミスのスピンステップオールレベル4 かつてのNHK杯の鈴木明子さんのオー、を彷彿とさせるはちょっと言いすぎですが、昨年失敗した全日本で126.10まで出してきてのトータル184.65 この時点で2位。今回は西日本の枠取りに貢献、ではなくて、今は南船橋にいて明治大学で東日本でしたね。残りの結果次第で国際大会派遣の可能性が見える位置に付けました。チャレンジャーシリーズくらい出してくれないかなあ
ここから後半グループ。代表争いも佳境です。世界ジュニアも4大陸も世界選手権も、どの選考にも絡んでくる代表争いのキーマン松生理乃選手から後半が始まります。スケートカナダは132.33 140点台出したこともある松生選手がここでどこまで出せるか? というところだったのですが、2本目のルッツ転倒。まだこの後ノーミス行けばというところでしたが後半2つでミス嵩むと厳しいです。PCSこそここまで1位の63.41もらえましたがフリー115.37のトータル174.34 これだとシニアの代表争いには絡めませんし、柴山選手より全日本のスコアが低いと世界ジュニアも選べない。残念な試合になってしまいました。
続いて青木祐奈選手。冒頭セカンドループは2回転に。そのあと単独トーループのステップアウトが痛かったでしょうか。終盤のコレオからステップの連続は圧巻。コレオは+5を2人のジャッジが付け、ステップも平均GOE+3.556 PCSが65.97と高評価を受けフリーは130.57とここにきて自己ベストを出し、トータル192.01 これも昨季のブレイク全日本を超えた自己ベストスコアを出して首位に立ちます。住吉選手の上へ出たことで、4大陸の代表選考にこの時点では残ってきました。
続いて全日本初出場の横井きな結選手。横井家のオペラ座。ゆは菜さんも大学1年生のオペラ座でした。冒頭、トリプルアクセル投入の可能性もありましたがダブルに。ちゃんと勝負に来ています。1.1倍オールコンビネーションは横井家の伝承なのでしょうか。すべてしっかり決めてフリー113.31 トータル175.80 柴山選手の上へ残ってジュニア組で3番手以内が確定しました。
ここで吉田陽菜選手登場。得意のフリー。当確出せるかどうか? 逆転表彰台届くかどうか? 冒頭のアクセルは抜けてシングルに。次のコンビネーションはステップアウト、暗雲立ち込めます。ここからほぼノーミスはさすがで131.49のトータル194.22で首位に立ちます。ショートでも思いましたが、フリーも、難しくないですか、曲? 鶴、雰囲気とは合ってるとは思いますけど。まだこのスコアだと当確は出ないです。
トリプルアクセルジャンパー続く、渡辺倫果選手。逆転ワールドは吉田陽菜選手よりも三原選手あたりの方が気になりますが、まずは130.57以上で吉田選手の上へ出ます。トリプルアクセルは転倒しましたが、基礎点満額入ったので十分。それより鍵はフリップと2本のルッツ。フリップは!つかずにクリア。しかしルッツの方でqが2つ付きました。ただ遠目にはアクセル以外ノーミス。この辺今シーズン中盤、アクセル入らなくても点が出るようになっているのが昨年と比べて強いです。PCSもらえませんでしたがフリー131.22でトータル194.88 ぎりぎりですが首位に出ます。ワールドチャンスは残りました。4大陸なら当確かな。ここで住吉選手のワールドは消えたと思われます。
そして、島田麻央選手が登場。トリプルアクセル3連打、3人目で成功させます。4回転は転倒。以降ノーミスかと思いきやループがまさかの抜け。フリー136.95でトータル202.18 首位には出ますが逆転優勝には厳しいスコアとなりました。
最終グループを残す時点で島田麻央、渡辺倫果、吉田陽菜と上位待ち相席に並びます。ワールド狙いの渡辺選手、吉田選手としては、選考外の島田選手にもう少し点を出して表彰台を塞いでほしいところだったでしょうか。4位の青木選手も4大陸の芽が残っていて、5位の住吉選手も4大陸の可能性は残ります。世界ジュニアは・・・、3枠目がまだ全くわかりませんが、吉田選手がワールド外れたら回って来るかも、という位置に今の時点では収まっています。
最終グループ1番手は上薗恋奈選手から。世界ジュニアはほぼ当確ですし、比較的軽プレッシャーな立場でしょうか。とはいえ初全日本。難しいフリー最終グループを何とノーミスします。いや、すごい演技でした。何点出るか? というフリーは134.47でトータル200.69 200点に乗せて2位。世界ジュニア当確です。そして、島田選手と上薗選手で表彰台を占めた場合、渡辺選手と吉田選手にワールドの光が見えてきます。
という中で河辺愛菜選手。実はこっそり世界ジュニアの権利もなくはないのですが、とにかくこのフリーでしっかり点を出したい。しかし、今回もジャンプ決まりませんでした。4ミス入ると点は伸びない。本人も自覚のある抜け、回転不足ですので心理的には終盤きつかったのではないかと思いますが、最後はステップからコレオの連続、ボレロを盛り上げての締め。コレオは+3.000の高評価でした。ふりー112.46のトータル179.71だと、代表選考はすべて圏外になってきます。本人の雰囲気に黒い衣装はマッチしていて、いいボレロだと思うので、来期持越ししてノーミスボレロをお待ちしております。
怪我の調子がどうなのか? ホントのところがいまいちわからない三原選手ですがショート4位から。島田選手を上回るには134.49が必要で、ワールド選手にはそこまで出したい。構成は3-3入れない形に変えてきたでしょうか。考えた構成になっています。ジャンプは耐えながら降りていく。ほぼミスなくまとめましたが、さすがに今日の耐える滑りだとPCSはそれほどは出せない。という中でも64.64もらって131.86 トータル199.56はジュニア2人は届かず3位。吉田選手渡辺選手の上へは出ました。残り3人。今期の三原選手は表彰台乗らずにワールドは選びづらいか。でも、4大陸には選べそう。いや、4大陸なら出ずに怪我なおして。渡辺選手も三原選手の下だと微妙だなあ、ワールド誰選ぶ?いろいろなことが頭に浮かぶ位置に入ります。
ショート3位の千葉百音選手。今期は不調。それでもフリー頑張れば世界ジュニアがあるかも。高校生だし資格十分。吉田選手の上で126.21くらい出せば選びやすいか。いやいや表彰台目指せる位置だし。とかなんとか、ごちゃごちゃいろいろ考えられる位置なわけですが、そこからほぼミスのない演技をしてきました。滑走順もありますがそれだけではない。PCS66.75は自己最高。フリー141.25と初の140点台でトータル209.27 首位に出て表彰台確定です。代表選考どうするのこれ?
続いてまさかのショート2位山下真瑚選手。かつては国際大会で200点も出していた選手。呼吸止まらなければここでも出してくるか? というところでしたが、回転不足が多発して後半コンビネーション転倒。3Lz+3Tの2本使いが両方決まれば面白かったのですが、フリーは122.23まで。トータル192.15でこの時点7位。完全復活は来季へお預け。まだまだこんなもんじゃないです。これでチャレンジャーシリーズ派遣はあると思われます。
最終滑走坂本花織選手。130.50で優勝ですので、ほぼ安全圏なのですが、基礎点は人並みなので後半入るまではまだ安心できません。などという心配は全く不要な全要素+2以上評価で圧勝でした。フリー154.34のトータル233.12 異次元でした。
試合が終わっても、代表選考まるっきりわからないんですけど、どーなるのこれ? という感じでしたが、世界選手権代表は表彰台2位は強い、ということで千葉百音選手が入り、3枠目は今期実績で吉田陽菜選手入りました。これ、島田選手が210点出して千葉選手3位だったらどうなったんでしょうね。
4大陸は千葉選手に三原選手に渡辺倫果選手。坂本選手は希望しなかったそうで。三原選手はケガ治るまで出ない方がいいんじゃないかなあ、と思うのですが、本人は出たいのでしょうねえ・・・。
世界ジュニアはそれこそどうするのこれ状態でしたが、2枠目上薗選手は議論の余地なしとして3枠目がまさかのショート落ちから櫛田育良選手。うーん、全日本進出ならずは許されないけどショート落ちは許されるのね。まあ、世界選手権と違って、世界ジュニアならちょっとやそっとのミスではショート落ちは無いから大丈夫なんでしょうか。千葉選手や吉田選手が世界選手権外れていたら、世界ジュニアはそちらに回っていたんだろうなと思います。割と勝負運の無いことが多かった櫛田選手でしたが、今回は勝負運がありました。髙木選手はもったいなかった。
アイスダンスの保留もびっくりしましたが、それも含めて、補欠まで眺めて、木下アカデミーが満額入ったなあ、という印象の代表選考でした。どこの選考も際どいラインで、どっちを選んでも納得感あるしどっちを選んでも不満は出る、みたいなところで際どい差で拾っていった印象でした。一方でMFアカデミー勢は今回は欲しいものが得られた選手は少なかったでしょうか。中田選手は点は出なかったものの代表には選ばれた、というのが唯一かと思います。あとは少しづつ届かなかったようでした。