23-24 佐藤駿

2004年2月6日生まれ

シニア4シーズン目

シーズン獲得賞金:$38,000

世界ランキング:6位

シーズンランキング:7位

シーズンベストスコア 274.59(6位) 4大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 99.20 4大陸選手権

フリーシーズンベスト 182.93 グランプリエスポ―

スピンレベル4率 29/51 = 56.9%(国際大会:14/24 = 58.3%)

ステップレベル4率 5/17 = 29.4%(国際大会:2/8 = 25.0%)

スピンオールレベル4 0/8(国際大会:0/4)

スピンステップオールレベル4 0/8(国際大会:0/4)

ジャンプ回転不足率 2/87 = 2.30%(国際大会:1/40 = 2.50%)

ジャンプ回転不足なし 6/8(国際大会:3/4)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/8(国際大会:0/4)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL 木下トロフィー 2 235.78 78.07 157.71
RT 東京選手権 2 251.28 83.62 167.66
CS Finlandia Trophy 2 261.23 87.47 173.76
GP Skate America 3 247.50 91.61 155.89
DL Autumn Kobaton 1 167.23   167.23
RT 東日本選手権 1 284.87 97.88 186.99
GP Grand Prix Espoo 2 273.34 90.41 182.93
NC 全日本選手権 5 273.04 89.80 183.24
4CC Four Continents 2 274.59 99.20 175.39

佐藤駿選手は昨季グランプリファイナルに出場。4大陸選手権では3位表彰台。今期は昨季出場できなかった世界選手権の代表を目指すシーズンになります。

 

初戦は国内戦で8月に木下トロフィーから。鍵山選手、三浦選手と3人で勝負ファーストラウンドといったところ。ショートフリー共に入れた4回転フリップが転倒とエッジエラー。思うようにスコア伸びず235.78で2位となります。

9月、鍵山選手、三浦選手と3人で勝負のセカンドラウンド、東京選手権です。ここではショートで4回転フリップ、フリーは4回転ルッツと種類を変えて投入します。フリーのルッツの方が転倒。全体的にはまずまずで251.28 2位となりました。

 

10月から国際大会が入ってきます。まずはチャレンジャーシリーズでフィンランディア杯。やや意外ですがチャレンジャーシリーズは出場自体が初めてです。三浦佳生選手との対戦第3ラウンド。今回はショートの4回転フリップ、フリーの4回転ルッツ、どちらもしっかり立ちました。少しづつ状態は上がってきているでしょうか。トータル261.23で2位。ここは三浦選手の勝ちとなります。

 

グランプリシリーズは初戦のスケートアメリカからです。ここはマリニン選手がいて、ヨーロッパ勢ではエイモズ選手にジョージアのエガゼ選手、アゼルバイジャンのリトヴィンツェフ選手あたりも強く、ラトビアのバシリエフス選手もいるという試合です。ショートプログラム、4回転フリップはステップアウトしますが他はスピンステップもすべてレベル4を取り91.61 3位に付けます。フリーは10番滑走で145.85以上で表彰台確定。表彰台には楽な展開になりましたが、より上位に行くにはスコアを出さないといけない場面です。ここで4回転3本がすべて満足いかない出来。他のジャンプは何とか決めていきますが、スピンステップのレベルも4は1つだけ、点を稼いでいくことはあまり出来ず155.89に留まりトータル247.50 結果は3位表彰台となりました。

 

アメリカから帰国して、翌週には埼玉のローカル大会、AutumnKobatonに出場。フリーのみの試合で4回転フリップを決めて見せます。さらにその週末に東日本選手権にも出場。この試合は特にフリーが素晴らしい出来で186.99まで出してトータル284.87 圧勝します。

 

なんだか忙しいスケジュール。10月頭のフィンランディア杯からこの11月3週目のグランプリ2戦目で5戦目。昨シーズンのシーズンベストが出ているフィンランド。優勝すればファイナルですが、2位だと、初戦が弱い3位なので同じ2位3位間の争いで負けそう、という状況です。ここは三浦佳生選手との今季第4ラウンド、さらに初戦2位のエイモズ選手がいて3位のリッツォ選手もいます。この4人でファイナル争いです。

ショートプログラムは直前のエイモズ選手が大ミスで73.94に沈んだ直後の10番滑走です。冒頭の4回転-3回転は素晴らしかった。次の4回転フリップが耐えるジャンプになり減点され、スピンステップのレベルが獲り切れない部分もありましたが90.41 ショートは2位に付けます。首位の三浦選手と3.13差、3位とは10.25差あるので表彰台は問題なく行けそう。後はファイナルへ向けて、優勝が欲しいところです。

フリーは11番滑走で2位以内確定には159.63が必要。ちゃんと滑ればそこまでは問題ないですが、2人残して首位にいるのがエイモズ選手なので、2位3位で同点になっても合計スコアで勝つにはフリー191.21が必要になりましたので、実質的には2位ではダメで三浦選手を逆転しての優勝が欲しい、という展開になっています。そんな状況下で冒頭の4回転ルッツを人生最高の平均GOE+3.667で決めてきます。2つ目の3連続、3つ目が2回転になったのがもったいなかったですが、あとは出来ることはやりました。技術点もISU公認試合で過去最高の100.61 フリー182.93を出してトータル273.34 最終滑走三浦選手を待ちます。しかしながら三浦選手は274.56まで出して1.22差届かず2位。初優勝はなりませんでした。

一応、最終戦までファイナルの可能性は残っていましたが、鍵山-宇野ワンツーにより、ファイナルは次点となり、2年連続の出場はかないませんでした。

 

12月は全日本です。代表選考基準ではほとんどの項目で4番目です。2試合平均の項目だけ、東日本の高得点が生きて3位に入っています。こうなると全日本は表彰台は必須、ターゲットとしては三浦選手を上回って悪くても3位、できれば2位以内に入る、というのが求められる形になりました。

ショートプログラムは第3グループの5番目。三浦選手の直後です。遠目にはいい演技だったのですが、4回転フリップ、いつも!止まりだったのが今回はついにeを取られます。これが痛く89.80に留まり5位スタート。4位三浦選手と4.11差、3位鍵山選手と4.14差、2位山本選手と4.78差。届かない差ではありません。

フリーは最終グループ2番目。先に友野選手がフリーで180点台を出してきて271.52をマークしているので、最低でもそれを超える181.63以上は出さないとまず世界選手権代表は無い。残り4人を考えると190点台は欲しい、というフリーでした。4回転ルッツ平均GOE+3.222が付きます。次の3連続がステップアウトになったのはもったいなかったですが、以降は勢いに乗って滑り切りました。フリー183.24 トータル273.04 首位に立って残り4人を待ちます。しかし、結局逆転はならずで最終順位は5位。4大陸選手権の第2代表、世界選手権の補欠2に選出されました。

 

学生選手権や国民スポーツ大会はスルーで直接4大陸選手権へ。ショートは27人中の26番滑走で出てきます。ここではショートから4回転ルッツを投入。それを含め全要素プラス評価、スピンステップオールレベル4 今季最高のショートで99.20 パーソナルベスト更新。鍵山選手とは7.62差ありますが2位に付けます。

フリーは2人を残して出てきます。表彰台確定には164.24が必要。逆転優勝には鍵山選手の好調さを考えるとパーソナルベスト更新が求められそうでした。このフリーも4回転ルッツを決め、次々とジャンプを決めていきます。セカンド3回転が付かなかったのはもったいなかったですが、それでも175.39は出してトータル274.59 パーソナルベストは更新。首位に立って残り2人を待ち、最終結果はショートから順位変わらずの2位。昨季から1つ順位を上げていきました。

そのままシーズン終盤はローカル大会でも見かけず、シーズン終了となりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
木下トロフィー 235.78 124.27 112.51 92.31 1.76 19.07 11.13
東京選手権 251.28 134.35 117.93 98.78 0.80 23.03 11.74
Finlandia Trophy 261.23 140.32 120.91 101.68 6.62 19.35 12.67
Skate America 247.50 126.07 121.43 97.91 -3.95 20.71 11.40
Autumn Kobaton 167.23 86.20 81.03 61.67 6.28 10.46 7.79
東日本選手権 284.87 159.37 125.50 103.11 18.43 23.43 14.40
Grand Prix Espoo 273.34 150.15 123.19 100.11 16.87 21.30 11.87
全日本選手権 273.04 146.74 126.30 100.91 10.75 20.79 14.29
Four Continents 274.59 149.39 125.20 100.71 13.27 22.16 13.25

トータルスコアは270点台が3つ、国内参考で280点台まであります。4大陸選手権の274.59はシーズンベスト順位6位です。

技術点は150点台まで出ました。フィンランドで出した150.15は今シーズン全選手中5位の高い技術点です。

PCSは120点台中盤あたりまで出るようになりました。1項目平均8点は超えてきています。4大陸選手権の125.20は今期全選手中11位の演技構成点です。技術点順位の方が高く、やはり技術点寄りの選手です。

ジャンプの基礎点は100点台が並びます。最高は僅差ですがフィンランディア杯の101.68でした。これは今期の全選手中8位にあたります。

加点の方はシーズン中盤以降二桁稼げるようになりました。フィンランドでの16.87は今期全選手中6位、ISU公認なら5位の加点です。

スピンは20点前後の試合も多く、最高で23.43 国際大会では22.16までとあまり伸びていません。レベル4率が50%台、スピンオールレベル4の試合が無いということなので、レベルを確保すればもう少し点が出ます。

ステップ系要素は11点台も目立ちます。国際大会では13.25が最高とこれもあまり伸びていません。

ジャンプで点を稼ぎPCSもそれなりに出るようになってきた、スピンステップはまだあまり点が出ていない、という構図になっています。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
木下トロフィー 56.50 60.33 53.73 45.46 48.54 54.31
東京選手権 60.51 64.21 52.54 59.07 51.32 57.93
Finlandia Trophy 63.08 65.95 59.74 46.43 55.57 59.92
Skate America 59.53 63.69 46.66 51.10 49.77 60.27
東日本選手権 69.19 66.80 74.36 60.45 63.47 62.98
Grand Prix Espoo 66.21 65.01 72.43 53.13 51.92 61.44
全日本選手権 66.13 65.49 64.85 51.37 62.97 63.52
Four Continents 66.53 65.37 67.97 56.08 58.22 62.78

偏差値で見るとトータルスコアは60台後半まであります。

ジャンプの基礎点は60台中盤程度。加点の方はいい時は70台の偏差値になりました。

スピンは東日本で偏差値60に乗っていますが、他は50台で40台もあります。

ステップ系要素も国内で偏差値60超えることもありますが、国際大会では50台あるいは50割れもありました。

PCSは60台前半がでるようになっています。

 

佐藤駿選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャートははっきり右寄りです。下も左下も凹んでいます。

ジャンプの基礎点はかなり安定していて、流石に加点の方はばらつきますがそれでも極端に崩れることはそれほど多くは無いようです。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○4大陸選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+3T   13.70   2.17 15.87 2.333
2 4Lz   11.50   2.63 14.13 2.222
3 FCSp4   3.20   0.64 3.84 2.111
4 3A   8.80 x 1.83 10.63 2.333
5 CSSp4   3.00   0.77 3.77 2.444
6 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.778
7 CCoSp4   3.50   0.75 4.25 2.111
  TES   47.60   9.85 57.45  

ショートプログラムは4大陸選手権で47.60の基礎点がありました。今期の全選手中2位の基礎点です。これより上はショートから4回転アクセルを投入したマリニン選手だけです。

4回転ルッツを単独で跳び、トーループからの4-3、1.1倍はトリプルアクセル。スピンステップオールレベル4で47.60です。これが出来るならこの構成の完成度をこの先上げていく、ということになるのだろうと思われます。ここから基礎点上げる手としては1.1倍に4回転、コンビネーションと入れていくとか、トーループをフリップに変えるなどありますが、それより完成度を求めていく方が優先されそうに思われます。

 

フィンランディア杯 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lz   11.50   1.73 13.23 1.500
2 3A+1Eu+3S   12.80   -1.73 11.07 -2.125
3 4T+3T   13.70   1.74 15.44 1.875
4 FCSp2   2.30   0.23 2.53 1.000
5 4T   9.50   2.53 12.03 2.500
6 3A   8.80 x 2.27 11.07 2.875
7 3Lo   5.39 x 1.06 6.45 2.125
8 3Lz   6.49 x -1.67 4.82 -2.750
9 CSSp4   3.00   0.60 3.60 2.125
10 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.625
11 ChSq1   3.00   1.25 4.25 2.500
12 CCoSp3   3.00   0.50 3.50 1.750
  TES   82.78   9.39 92.17  

フリーは国際大会では82.78が最高基礎点でした。4回転はルッツ、トーループ2本で合計3本です。コンビネーションジャンプが1つ入らず、スピンステップでレベル4ではないものも目立っての82.78です。スピンステップオールレベル4に出来れば2.00基礎点上がって84.78に出来ます。どこかにセカンド2Tでも付けられれば1.30、1.1倍のところでつけば1.43基礎点がさらに上がりますので86点台というのがこの構成のノーミス基礎点です。

ジャンプ得意の佐藤選手としては、意外とノーミス基礎点でも高くないなという印象でもあります。1つのポイントとしては、ダブルアクセルが余っているのにシークエンスを使っていないというのがあります。ダブルトーループダブルアクセルでは2.00の差、1.1倍のところなら2.20の差があります。そして、1.1倍の構成が弱い、というのもあります。そこに手を入れれば4回転2種類3本でも基礎点90点に達します。

その上は、ショートで今季跳んでいた4回転フリップをフリーで入れて3種類4本にすることで基礎点を押し上げていく、というのが次の道だろうと思います。

 

○平均GOE2.500以上(国際大会と全日本より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Grand Prix Espoo FS 1 4Lz   11.50   4.27 15.77 3.667
Grand Prix Espoo SP 1 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.222
全日本選手権 FS 1 4Lz   11.50   3.78 15.28 3.222
全日本選手権 FS 3 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.111
Four Continents FS 1 4Lz   11.50   3.45 14.95 3.000
Skate America SP 1 4T+3T   13.70   2.71 16.41 2.889
Grand Prix Espoo FS 3 4T+3T   13.70   2.85 16.55 2.889
全日本選手権 FS 11 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
Finlandia Trophy FS 6 3A   8.80 x 2.27 11.07 2.875
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.778
Finlandia Trophy SP 6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.750
Grand Prix Espoo FS 5 4T   9.50   2.58 12.08 2.667
全日本選手権 FS 10 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.667
Grand Prix Espoo SP 7 CCoSp4V   2.63   0.68 3.31 2.667
Finlandia Trophy FS 10 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.625
Grand Prix Espoo FS 8 3Lz   6.49 x 1.60 8.09 2.556
Skate America SP 6 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556
全日本選手権 SP 6 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.556
Skate America SP 7 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.556
Four Continents FS 10 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.556
Finlandia Trophy FS 5 4T   9.50   2.53 12.03 2.500
Finlandia Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.25 4.25 2.500
Finlandia Trophy SP 7 CCoSp3V   2.25   0.60 2.85 2.500

佐藤駿選手の評価の高い要素はジャンプです。4回転ルッツで+3.667という評価は今期全選手中4位、ISU公認では2位タイの高い評価になります。4T+3Tの+3.222というのも、4T+3Tとして今期全選手中3位の評価になります。

一方、スピンはVなしで国際大会でこの辺に入ってきたのはスケートアメリカの1つだけ。あまり加点が得られていません。ステップもレベル4でこの中に入ってくるのは全日本だけで国際大会で入ってきていません。

今期、スピンがショートフリーオールレベル4になった試合は無しで、全体のレベル4率も50%台。ステップはレベル4率20%台ということで、スピンステップはあまりレベルからとれていない状態にあります。

 

○4回転ルッツ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
東京選手権 FS 1 4Lzq q F 11.50   -5.75 5.75 -5.000
Finlandia Trophy FS 1 4Lz   11.50   1.73 13.23 1.500
Skate America FS 1 4Lz< 9.20   -4.60 4.60 -5.000
東日本選手権 FS 1 4Lz   11.50   3.22 14.72 2.857
Grand Prix Espoo FS 1 4Lz   11.50   4.27 15.77 3.667
全日本選手権 FS 1 4Lz   11.50   3.78 15.28 3.222
Four Continents SP 2 4Lz   11.50   2.63 14.13 2.222
Four Continents FS 1 4Lz   11.50   3.45 14.95 3.000

4回転ルッツは今期8回要素として入りました。転倒1回、アンダーローテーション1回ですが、あとの6回は成功。成功率75%は4回転ルッツとしては極めて高い領域です。確率が上がってきたことで、4大陸選手権ではショートから入れてきたのでしょうか。見事にショートもフリーも成功させました。

 

○4回転フリップ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
木下トロフィー SP 2 4F!< ! F 8.80   -4.40 4.40 -5.000
木下トロフィー FS 3 4Fe e 8.80   -1.17 7.63 -1.200
東京選手権 SP 2 4F! ! 11.00   -1.10 9.90 -1.000
Finlandia Trophy SP 2 4F! ! 11.00   -1.83 9.17 -1.500
Skate America SP 2 4F! ! 11.00   -4.24 6.76 -3.778
Autumn Kobaton FS 1 4F   11.00   2.93 13.93 2.600
東日本選手権 SP 2 4F! ! 11.00   0.44 11.44 0.286
Grand Prix Espoo SP 2 4F!q ! 11.00   -2.99 8.01 -2.556
全日本選手権 SP 2 4Fe e 8.80   -1.26 7.54 -1.444

4回転フリップも今期試していましたが、基本的にはエッジで!が付き、悪いとeまでつきます。9回要素として入っていますが、GOEプラスは2回だけ。エッジ判定何もつかなかったのは1度だけです。まだ計算できる要素にはなっていません。ただ、転倒はしていませんので、エッジが!程度で収まるのであれば、フリーでは構成に入れる手はあると思われます。ショートは出来のいい4回転トーループの方が点が出ていますので、ルッツとトーループの組み合わせで良さそうです。

 

○4回転トーループを含む要素(国際大会と全日本より)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy SP 1 4T+3T   13.70   0.79 14.49 0.750
Finlandia Trophy FS 3 4T+3T   13.70   1.74 15.44 1.875
Finlandia Trophy FS 5 4T   9.50   2.53 12.03 2.500
Skate America SP 1 4T+3T   13.70   2.71 16.41 2.889
Skate America FS 3 4T   9.50   -2.85 6.65 -3.000
Skate America FS 5 4T+2T   10.80   -0.41 10.39 -0.333
Grand Prix Espoo SP 1 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.222
Grand Prix Espoo FS 3 4T+3T   13.70   2.85 16.55 2.889
Grand Prix Espoo FS 5 4T   9.50   2.58 12.08 2.667
全日本選手権 SP 1 4T+3T   13.70   1.36 15.06 1.556
全日本選手権 FS 3 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.111
全日本選手権 FS 5 4T   9.50   2.17 11.67 2.444
Four Continents SP 1 4T+3T   13.70   2.17 15.87 2.333
Four Continents FS 3 4T+2T   10.80   0.41 11.21 0.556
Four Continents FS 5 4T   9.50   0.27 9.77 0.222

4回転トーループはショートフリーで合計3回飛びます。主要大会で15回飛んでGOEマイナスは1度だけでした。セカンドが2回転になったのは本人としては失敗かもしれませんが、4回転トーループそのものは飛べています。これはもう安定して決めることができるジャンプです。

 

○回転不足の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
木下トロフィー SP 2 4F!< ! F 8.80   -4.40 4.40 -5.000
Skate America FS 1 4Lz< 9.20   -4.60 4.60 -5.000

今期、ジャンプ要素は87回あったのですが、回転不足が付いたのは2つだけでした。また、記録には表しにくいのですが、抜けて2回転になった、あるいは1回転になったというジャンプが1つもありません。ジャンプでq判定になったのも2つだけです。転倒は2回。ステップアウトやエッジ判定を取られることはありますが、回転する、という点では極めて高い安定感があります。

 

 

今期は4大陸選手権で2位、昨年の3位から1つ階段上がりましたが世界選手権の代表は逃しました。鍵山選手、三浦選手の2人と比較されることが多かった佐藤選手ですが、世界選手権での活躍は2人に先を越された形です。

ジャンプの天才、という言われ方もしていますが、現状4回転の本数がそれほど多いわけでもないです。ただ、回転を十分回れるというのは強みで、ルッツはほぼ完成、フリップも完成に近づいてきています。サルコウ、ループ、エッジ系のジャンプがあまり見られないので4種類目の4回転が入っていけるかどうかは怪しいのですが、まずは来期、4回転3種類4本を安定してこなしていけると、今度こそのナショナル表彰台と、世界選手権の芽が見えてきそうにも感じます。