23-24 ヤンハオリー

2008年8月12日生まれ

ジュニア2シーズン目

シーズン獲得賞金:$1,000

世界ランキング:97位

シーズンランキング:43位

スピンレベル4率 25/30 = 83.3%

ステップレベル4率 2/5 = 40.0%

スピンオールレベル4 2/5

スピンステップオールレベル4 0/5

ジャンプ回転不足率 6/50 = 12.0%

ジャンプ回転不足なし 2/5

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/5

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
IC Asian Open Figure 2 174.33 65.24 109.09
JGP JGP Bangkok 3 210.08 72.28 137.80
JGP JGP Osaka 5 195.80 71.39 124.41
Others Youth Olympic 3 208.84 68.01 140.83
WJ World Junior 12 197.47 62.84 134.63

ヤンハオリー選手は中国出身のニュージーランド代表選手です。今期は14歳で迎えたジュニア2シーズン目にあたります。

 

初戦は8月のアジアンオープンフィギュアでした。ショートは65.24で自己ベスト相当だったのですが、フリーは3転倒でスコア伸びずの109.09 トータル174.33の2位でした。

 

ジュニアグランプリシリーズは昨季は1試合に出て16位という記録が残っています。今期はアジア圏の試合で初戦のバンコクに出てきました。このショートを全要素プラス評価の72.28とパーソナルベスト更新で4位に付けるとフリーも最後のサルコウでqが付いたくらいでほぼミスのない滑り。フリー137.80もパーソナルベストでトータル210.08は大幅自己ベスト更新。最終順位は3位。ニュージーランド勢初のジュニアグランプリ表彰台に立ちました。

 

2戦目は大阪。結果次第でファイナル進出もあります。ショートプログラム、ジャンプ3つ良かったのですがスピンが今一つな分バンコクの時よりはスコアが落ちて71.39で4位に付けます。フリーは逆転ファイナルも頭にちらついたのでしょうか、今回はジャンプのミスが目立って124.41 トータル195.80で5位。これまでの実績考えるといい点数なのですが、ファイナル進出とはなりませんでした。

 

ヤンハオリー選手はユースオリンピックの代表となってきました。シーズンベスト210.08は表彰台争いの一角に入ってくるか、というあたりの位置にいます。18人中の15番滑走で出てきたショートプログラムは、コンビネーションのセカンドでアンダーローテーションが付くものの、しっかり滑って68.01で4位に付けます。首位とは8.37差付きましたが3位とは1.27差。まだまだ射程圏でフリーへ。冒頭、今シーズン初、トリプルアクセルを投入してきました。ステップアウトながら初めて立ちます。その後もしっかりと大きなミスなくいい滑りを見せて自己ベスト相当の140.83を出し、トータル208.84 首位に立って残り4人を待ちます。最終順位は3位。ユースオリンピックの表彰台に立ちました。

 

その勢いをもって世界ジュニアへ。世界ジュニアまでメダルを持って帰ればニュージーランドフィギュア界にとっては大快挙です。ただ、そんなに甘くはなかったショートプログラム、コンビネーションのセカンドが1回転になりスコア伸びず、62.84で23位スタートとなります。3位とは15.18差。さすがに逆転は現実的ではないですがどこまで行けるかというフリー。トリプルアクセルは転倒、ただ、以降の要素はすべてプラス評価、スピンもオールレベル4 しっかり滑って134.63を出しトータル197.47 12位まで順位を上げてシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Asian Open Figure 174.33 81.36 95.97 55.95 -4.64 22.09 7.96
JGP Bangkok 210.08 106.40 103.68 66.43 8.58 23.59 7.80
JGP Osaka 195.80 91.95 103.85 59.70 3.00 20.71 8.54
Youth Olympic 208.84 104.49 104.35 72.49 0.89 22.14 8.97
World Junior 197.47 100.34 98.13 69.13 0.32 22.91 7.98

トータルスコアは初戦の174.33から200点超え2試合まで。ベストは210.08で今季のジュニア選手中14位にあたるスコアになります。

技術点は100点台が3試合。最高の106.40は今期のジュニア選手中13位。PCSは100点台が3試合あって1項目平均7点に少し届かない程度です。ユースオリンピックの104.35は今期のジュニア選手中18位。順位としては技術点の方が上になっています。

ジャンプの基礎点は72.49が最高でした。ジュニアカテゴリーの中でもこれは27位でそれほど高くは無いです。加点の方は+8.58の試合がありました。こちらはジュニアの選手の中で3位でした。

スピンは22点台が標準で23点台まで出しました。今期のジュニア選手中6位。スピンが弱点の選手も多くいますが、ヤンハオリー選手はこのあたりは弱点になっていません。

ステップ系要素は8点台まででした。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Asian Open Figure 40.62 38.53 45.80 55.84 52.15 43.27
JGP Bangkok 49.86 44.81 62.17 61.00 51.00 48.42
JGP Osaka 46.17 40.78 55.26 51.10 58.08 48.53
Youth Olympic 49.54 48.45 52.65 56.01 60.05 48.87
World Junior 46.60 46.43 51.94 58.66 52.65 44.71

偏差値で見るとトータルスコアは40台後半までです。JGPバンコクユースオリンピックはほぼ平均まで出ていました。

ジャンプの基礎点も40台で、ユースオリンピックで40台後半と平均近くまで上がってきています。加点の方は平均越えが標準でいい時は60台の偏差値が出ています。

スピンは50台中盤が標準で、一番いい時に60台に乗っています。

ステップ系要素はジュニア補正ありますが、平均越えは常にしていて、60に乗せることもありました。

PCSはまだジュニア2年目ということもあり、平均に少し届かないところにいます。

 

ヤンハオリー選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャートは下に膨らむ形になっています。ジャンプの基礎点とPCSという両肩は伸びていません。スピンが一番伸びて、ステップとジャンプの加点もそれなりの高さになります。

 

●シーズン最高の基礎点構成

JGPバンコク ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.71 4.01 2.111
2 3F+3T   9.50   1.36 10.86 2.667
3 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.444
4 3Lz   6.49 x 1.26 7.75 2.111
5 CCSp4   3.20   0.37 3.57 1.000
6 StSq3   3.30   0.57 3.87 1.667
7 FSSp4   3.00   0.60 3.60 1.889
  TES   32.29   5.77 38.06  

ショートプログラムは32.39が最高基礎点でした。アクセルはダブルでフリップからの3-3を飛び、1.1倍に単独ルッツ。スピンオールレベル4でステップレベル3で32.29です。ステップがレベル4になれば32.89の基礎点が出ます。

ここから基礎点上げていくには、トリプルアクセルの完成が望まれる、という段階です。

 

○世界ジュニア フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
2 3Lz+3T   10.10   1.26 11.36 2.222
3 3Lo   4.90   0.42 5.32 0.778
4 FCSp4   3.20   0.73 3.93 2.333
5 3F   5.30   1.36 6.66 2.556
6 3Lz+2A+2A+SEQ   13.75 x 0.67 14.42 1.111
7 ChSq1   3.00   0.93 3.93 1.778
8 3F+2T   7.26 x 0.68 7.94 1.333
9 3S   4.73 x 0.55 5.28 1.222
10 FCCoSp4   3.50   0.65 4.15 1.778
11 CCoSp4   3.50   0.30 3.80 0.778
  TES   67.24   3.55 70.79  

フリーは世界ジュニアで67.24の基礎点でした。トリプルアクセル1本あって、2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。スピンオールレベル4で67.24です。ステップレベル4を足せれば71.14の基礎点構成が作れます。トリプルアクセル1本でも70点台が組めています。ここから基礎点上げていくには、細かいいじり方をするなら、3Lz+3Tを2A+3Tにして、3連続は3Lz+1Eu+3Sに変え、最後のサルコウのところを3Lz+2Aにすると、1Eu分基礎点増えるので0.55基礎点増加できます。実際にはそういう細かいいじり方ではなく、トリプルアクセル2本構成というのが望まれて、その次に4回転の習得という段階にすすんでいくのだろうと思われます。

 

○平均GOE2.300以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
JGP Osaka SP 1 2A   3.30   0.90 4.20 2.778
World Junior SP 1 2A   3.30   0.85 4.15 2.667
JGP Bangkok SP 2 3F+3T   9.50   1.36 10.86 2.667
Asian Open Figure SP 1 2A   3.30   0.99 4.29 2.600
Youth Olympic FS 7 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
Youth Olympic FS 4 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.556
World Junior FS 5 3F   5.30   1.36 6.66 2.556
JGP Bangkok FS 4 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.444
JGP Bangkok SP 3 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.444
JGP Osaka SP 4 3Lz   6.49 X 1.43 7.92 2.444
JGP Osaka FS 4 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.444
Asian Open Figure FS 1 2A   3.30   0.77 4.07 2.400
JGP Bangkok FS 5 3F   5.30   1.29 6.59 2.333
World Junior FS 4 FCSp4   3.20   0.73 3.93 2.333
World Junior SP 3 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.333
Youth Olympic FS 10 FCCoSp3   3.00   0.69 3.69 2.333
Youth Olympic SP 3 CCoSp3   3.00   0.69 3.69 2.333
Youth Olympic SP 1 2A   3.30   0.75 4.05 2.333
JGP Osaka SP 3 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.333
JGP Osaka SP 2 3F+3T   9.50   1.21 10.71 2.333
JGP Osaka FS 2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333

ヤンハオリー選手はジャンプの評価が高いです。ただ、あまり男子にはない単独のダブルアクセルというのが上位の方には目立ちます。3F+3Tで+2.667というのも高い評価でした。

コレオやスピンも姿が見えますがステップはいません。ステップの最高評価は+2.222があります。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Youth Olympic FS 1 3A   8.00   -1.94 6.06 -2.333
World Junior FS 1 3A F 8.00   -4.00 4.00 -5.000

トリプルアクセルは昨季も5月のオセアニアインターナショナルで初投入してアンダーローテーションの転倒に終わっていました。今期はユースオリンピックでGOEマイナスながら初めて立ちました。徐々に習得が進んでいるようです。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Asian Open Figure FS 8 3F+2Aq+2T+SEQ q 10.89 x -0.53 10.36 -1.000
JGP Bangkok FS 6 3Lz+2A+2T+SEQ   11.55 x 0.93 12.48 1.667
JGP Osaka FS 6 3Lz+2A+2T+SEQ   11.55 X 0.84 12.39 1.444
Youth Olympic FS 6 3Lzq+2A+2A+SEQ q 13.75 x -0.34 13.41 -0.667
World Junior FS 6 3Lz+2A+2A+SEQ   13.75 x 0.67 14.42 1.111

3連続ジャンプは5試合ともしっかり入りました。アジアンオープンフィギュアは6番目の要素のルッツで転倒していますので、リカバリーでフリップから入れた形かと思われます。5回のうちGOEプラスは3回。ユースオリンピックからはダブルアクセル2つに構成を上げていますがしっかり降りました。多少のマイナスは見えますが、基本的には計算できる要素になっています。

 

○セカンド3回転

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Asian Open Figure SP 2 3F+3T< 8.66   -1.06 7.60 -1.800
Asian Open Figure FS 3 3F+3T   9.50   1.24 10.74 2.200
JGP Bangkok SP 2 3F+3T   9.50   1.36 10.86 2.667
JGP Bangkok FS 2 3Lz+3T   10.10   0.93 11.03 1.556
JGP Osaka SP 2 3F+3T   9.50   1.21 10.71 2.333
JGP Osaka FS 2 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
Youth Olympic SP 2 3F+3T< 8.66   -1.51 7.15 -2.778
Youth Olympic FS 2 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 1.889
World Junior FS 2 3Lz+3T   10.10   1.26 11.36 2.222

3回転-3回転も重要な要素です。ショートでは2番目の要素でフリップから、フリーでは2番目の要素でルッツから飛びます。アジアンオープンフィギュアのフリーはルッツで転倒して次のフリップでリカバリーしました。世界ジュニアのショートはセカンドが1加点になっています。

今期は要素として入った9回では2回セカンドがアンダーローテーションになっていて、残りの7回は成功ジャンプです。

 

昨季は世界ジュニア26位。ISU公認ベストスコアは151.54だったヤンハオリー選手が今期はニュージーランド勢としてジュニアグランプリシリーズ初表彰台、ユースオリンピック初表彰台と大躍進しました。年齢的には次のミラノオリンピックには間に合わない、島田麻央、中田璃士世代です。6年後、南半球の代表選手として、オリンピックで活躍する姿を期待していたいと思います。