集客力のあるカーリング

オリンピックの銅メダルから一年

カーリングの日本選手権が行われています。

 

カーリングは、4年に一回、オリンピックの時だけ盛り上がる競技の典型のように感じています。

まあ、4年に一度だけは言い過ぎかもしれませんが、オリンピックの選考会か、オリンピック直後の大会か、というところだけ盛り上がって、その後しばらく沈滞する、というイメージです。

 

ただ、今回は以前と比べると、オリンピックの一年後、という一番沈んでいそうなタイミングでも、それなりに報道で取り上げられている印象です。

4年前、2015年は北見市で行われてテレビ放映はなし

2016年は青森で行われ、決勝のみBS1で放映されました

2017年は軽井沢で行われ、この時は予選リーグからBS1で放映されています。

 

今年は札幌で行われ予選リーグからBS1で放映。オリンピック前年並みの取り上げられ方ですし、会場も地下鉄の駅から徒歩五分という、アクセスのよいところにあります

チケットもそれなりに売れているようです。一日四試合あるのですが、全試合入れ替え制。一枚のチケットで一日居座る、ということは出来ないのですが、結構売れているようです。

四試合の内訳は、予選リーグの間は、一試合目と三試合目が男子、二試合目と四試合目が女子なのですが、四試合目が一番売れていて、次に二試合目が売れている。一試合目と三試合目は席種によらず空席あり、ということで、やはり女子が人気

土日も、男子の予選最終戦と男子決勝だけチケットが残っていて、女子の試合とプレーオフは全席売り切れ。女子が人気です

 

価格設定が、準決勝以降は全席5,000円になるのですが、それでも女子は売り切れ。2年前、オリンピックの代表選考も兼ねた大会でも、予選リーグは無料だったのですから、わずか2年でずいぶんしっかりしたコンテンツになりました

以前に記したように、カーリング協会はかなり貧乏なので、こういったところで稼いで、しっかり強化にお金を使えるようにして、選手たちが競技に専念できるようにしていってもらいたいところ

ウェブサイトとか見ていると、この人たち、お金を稼いで使うとか、そういうところに無頓着なんだろうなあ、と思っていたのですが、今回はそれなりの値段のチケット代を取っていたりして、しっかりしてきたなあ、と思ったりします。5,000円なら1,000人でも500万円になりますし、正味財産が5,500万円、というレベルなカーリング協会としては、大変大きな収入だと思います

 

そんな一方で、今年も出場選手の参加費は無料。お金を稼ぐことに目覚めて、選手からも参加費を取るようになっていったりすると、それは本末転倒なんじゃ・・・、と思うところですが、そこは無料を維持していて、何のためにお金を稼ぐのか、という目的がおかしなことにはなってなさそうです。なお、フィギュアスケート全日本選手権は、エントリーする場合は羽生結弦選手だろうと、宮原知子選手だろうと、1名あたり15,000円のエントリー費用が掛かります。カーリング連盟の正味財産が5,500万円にたいして、スケート連盟の正味財産は26.5億円です。

 

 

札幌、現地に近いところにいる方はぜひ見に行ってほしいです、と言いたいところですが、女子の試合のチケットはもうほとんどありません。まあ、会場も狭いですし、仕方ないのですけど。でも、今回はテレビ放映が予選リーグからあります

カーリングは、割と日本人好みなものに感じます。ある意味で割と野球に近い。ワンプレーワンプレーに間があり、攻撃があり守りがあり、状況はめまぐるしく変わりはするものの、ストーンを投げるのが誰、という順番は決まっていてその順に回ってくる。

途中で目を離すこともできるんですよね。サッカーみたいに展開が早いと、目を離したときに限って点が入る、となりがちなのですが、カーリングなら、一人目二人目くらいなら目を離しても、まあ、エンドの後半にもう一回目を向ければその状況からまた楽しめる。

一人で真剣に見るもよし、家族と無駄話しながら見るもよし、お酒飲みながら眺めるもよし、家事しながらつけっぱなしでポイントポイントだけ見るもよし。そして、ほとんど知識がなくても、好き勝手に評論家っぽく、ここに投げてこう当てれば、とか言える。

 

なかなか面白い競技です

競技の実績のわりに、取り上げられ方が薄くて、トップ選手でもこれ専業でやっていくにはちょっと苦しい、というような環境がまだあったりするようですが、テレビ放映すると意外に視聴率が高くなるとか、割と高めの価格設定でもチケットが売れるとか、そうなってくると協会にお金が入り強化もしやすくなるとか、選手をスポンサードしたいと考える人も出てくるとか、そういった好循環が生まれてくると思います

なので、競技自体が面白いので、テレビつけて、眺めて、楽しんでもらえるといいなあ、と思います。